スケッチの部屋


台雲寺

6年生の子どもたちの作品です。
台雲寺は,延岡市の○○小学校のすぐ側にあるお寺です。


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自画像 延岡城址 牛の絵 学校の木 靴の絵 田中正造共同制作 田中正造共同制作2 お寺の絵

版画1 版画2 版画3 版画4 牛の絵共同制作 愛鳥週間ポスター 図工ホーム
自画像2 靴の絵2 ホーム


お寺は,子どもたちに美しさについて考えさせる
とてもよい題材です。
台雲寺の本堂は,コンクリートのお堂に変わってしまいましたが,
山門は,古いまま残っています。
子どもたちは,好んで山門の方を描きます。
山門の重みも,歴史の深さも感じさせる
すてきな作品です。


けっして絵が得意な児童ではないのですが,
私はこの絵が好きです。
木造の巧みさ,美しさが,
この児童にこれだけ丁寧な仕事をさせたのではないでしょうか。
山門全体を支える柱,屋根を支えるたる木,
山門の向こうに見えるのは,本堂です。
見上げた角度で,歴史ある堂々とした山門ができあがりました。


古いもののよさは,子どもたちに話しても
なかなか通じないものですが,
この古さを強調するような,作品はどうでしょう。
微妙に色を変えながら,
奥行き,陰影,質感をうまく表現しています。
作品のよしあしは別にして,
子どもたちにこうしたものの見方,感じ方をさせることが,
子どもたちに図工の授業をする上で大切なのだと私は思います。


デジカメでは,白壁の色ぬりの巧みさは
うまく表現出来ませんでしたが,
「いい仕事してますねえ。」
といいたくなるような,山門であり,
子どもの仕事ぶりでしょう。
「わずか12本の柱で,この山門全部を支えているのですよ。」
「梁には厚みがあるのですから,厚みが伝わるように描きなさい。」
「100年以上の年月がたっているのです。
木の古さ,建物の歴史を表現しなさい。」etc
子どもの関心を高めるような言葉をかけてあげます。


上の作品と同じ角度から描いています。
この子どもはこの子どもなりにこの山門の美しさを表現しています。
作品展になると,どちらかの子どもだけが出展されるか
2点とも出されても,どちらか一方しか入選しません。
「子どもの個性」がそういうところで評価されてしまうのです。
でも,
なかよしの子どもは,同じ所で同じ絵を描きたがります。
ですから,同じ構図になってしまうのですが,
こうしてみると,りっぱに個性ある表現をしていると思います。
私は,子どもの個性は,
真摯な取り組みの向こうにあるものだと思っています。