牛(スケッチ)


このページの「牛」は,5年生の子どもたちが,
近くの農家に通って,描き上げた共同製作です。
私もまだ20代(20年以上前)でしたが,情熱だけで取り組んだ「牛」の絵です。
こうしてインターネットによって,この作品を多くの人に見ていただけるようになりました。
この作品を作ったときには思いもよらなかったことです。

6枚の絵を掲載しました。

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自画像 延岡城址 牛の絵 学校の木 靴の絵 田中正造共同制作 田中正造共同制作2 お寺の絵

版画1 版画2 版画3 版画4 牛の絵共同制作 愛鳥週間ポスター 図工ホーム
自画像2 靴の絵2 ホーム

牛の背中って
どうなっているんだろうね。
牛にさわってみようよ。
牛の目ってきれいだね

そういいながら,
子どもたちと作品を
完成していきました。
毎週牛小屋に通っても
あんまりうるさく言われない
いい時代でした。

白っぽいところは,
フイルムの傷です。

作品の大きさは,
ちょうど四つ切り画用紙
4枚か6枚分ぐらいだったかなあ。

なにしろ,20年前ですから,
大きな画用紙いっぱいに
牛の顔だけを描いた,
すごい迫力の作品です。

指導の技術は未熟でしたが,
子どもたちの持っている力を
何とか引き出したいと
思いながら,毎日のように
子どもたちの描いた作品を
教室でながめていました。

この子どもたちも
もう30才以上ではないでしょうか。

子どもたちは,全精力を傾けて
真摯に作品に取り組みました。
絵の上手な子どもも,
あんまり上手でない子も
自分の場所を分担しながら,
教えあいながら
「牛」を描いていました。

このころから,
子どもたちと
動物の触れ合いの場が
だんだん少なくなっていきました。

この作品を描きながら,
どう表現するかで,
子どもがとっくみあいの
けんかをしたことがあります。

今なら,
そんなことはさせないでしょうが,
子どもも私も,
何かを作り出すことに
一生懸命だったような気がします。

いい絵は,
そんな子どもの姿がある時に
生まれるのかもしれません。

牛のミルクは最高です。
乳牛を見て描いたのですが,
牛などじっくり見ることのない
子どもたちにとって,
牛の角と,
大きな牛の乳は,
大変な驚きのようです。
じっくり見つめながら
しっかり描いていました。
この絵も,
牛の乳が,
実に見事に描かれています。
後ろの牛も
もう少し存在感を出すと
いいのですが,
今一歩でした。
指導sの未熟さを露呈しています。

最後は,牛の前半分です。
真横から描いているので,
ふくらみを出すのが難しいですが,
背中や首のあたりに
ふくらみを出そうという意識が見られます。
しかし,平面的になってしまい,
やや存在感の薄い牛になってしまいました。

これは,子どもたちが悪いのではなくて,
そういう具体的な指導ができない
教師に問題があるのです。

事実,私はどう指導していいか
分からないまま
指導しているところがあるのです。

「次はこう指導しよう。」
と色々考えさせてくれ,
私を成長させてくれた作品です。