『ラ・ラ・ランド』をめぐって
映画通信」:ケイケイさん
ミノさん
ヤマ(管理人)


 【ケイケイさん掲示板】2017年 3月21日(火)21時09分~3月26日(日)01時24分

(ミノさん)
 お久しぶりです! やっと先日見たラ・ラ・ランド(メタ打ち)を書きました。好きとか嫌い以前に、ミュージカル映画への私の気持ちを書いてます。よろしければ・・・結局は好みなのかなあ・・

(ケイケイさん)
 ミノさん、こんばんは。拝読しました。
 気持ちいいくらい、メタメタですね(笑)。『ラ・ラ・ランド』、私は普通の出来だと思っています。良いところもありーの、残念なところもありーの。
 ミノさんの感想を拝読して思ったんですが、私はピアノは弾けないし、ジャズも門外漢なので、ライアンには、全く問題がなかったんですけど、なるほどと、納得。
 私はライアンもミアも好きなので、その点で得しました。他の人だと、もっと点数辛いと思います。楽曲は耳障りが良かったので、私は大丈夫でした。

 この作品、お友達の情報を読むと、あれもこれも、かつての名作から引用しているらしいんです。あの鮮やかなラストも含めて。私はそれを聞いて、ちょっと作為的に感じています。オスカー狙いで作ったのかなぁと。前作もそうですが、そういう狡猾な印象を受けるんですよ、この監督。映画愛と言うより、功名心的な。
 『SING』観てね~。ほんとに掛け値なしで、楽しいから。涙も出ます(笑)。

(ミノさん)
 そうですか!行こうかな~。
 もう毎日いろんなことがありすぎの毎日で、しみじみと自分の感情を見つめる時間もないので、感情に浸りたいデス。今年入ってから、映画はすべてコケてます。『お嬢さん』も忙しすぎて見に行けてません! 4月になれば、もう少し緩い空気の中で、派手ではないけど、佳い映画を見たいなあ。あ、「恋妻」なんちゃら、は、結婚生活素人の私が見ても、ピンとこないかも!!(笑)

ヤマ(管理人)
 ケイケイさん、ミノさん、こんにちは。僕もミノさんのブログ、拝見しました。
 そーか、音楽弱いのか。予告をしょっちゅう観てたからかもしれないけど、僕は「映画を見ながら、もう見ながらも、忘れてしまうようなメロディー、これではいかんのですよ。」ということはなく、むしろ比較的最近の『レ・ミゼラブル』なんかより余程、昔風にキャッチ―な音楽作りのように感じたなぁ。

(ミノさん)
 ええ~~???
 レミゼは、むしろ楽曲のパワーで成立してるような映画であれこそ、本来のミュージカルかと…。私は、『オペラ座の怪人』にしろ、一つ、映画を貫くテーマとなるメロディがあってこそのミュージカルやと思うのですけど、今作はやはりそれが生まれなかったのだと感じました。

ヤマ(管理人)
 『ラ・ラ・ランド』が彷彿させるミュージカル映画は、明らかに'50~'60年代のハリウッド・クラシックとしてのミュージカルであって、『レ・ミゼラブル』やオペラ座の怪人のような'80年代ミュージカルではないですね。どちらが本来のミュージカルかというのは詮無い問題だとは思いますが、かなり趣に違いがあるのは間違いないことのように思われます。

 だから、'80年代ミュージカルのようなドラマチックでパワフルな楽曲を求めても、元々『ラ・ラ・ランド』はそういうところとは違うもっとクラシカルなミュージカルを志向しているので、楽曲的に好みが合わなくなるのは仕方のないことでしょうね。

 僕がキャッチ―と言ったのは、'80年代のドラマチックでパワフルな楽曲ではなくて、ハリウッドクラシックのミュージカルのような軽やかで耳障りのいい楽曲という意味です。ミノさんは、『オペラ座の怪人』のハードリピーターでしたから、ああいう作品的な濃厚さを求めるミュージカル志向だとすれば、本作で拍子抜けるのは、ある意味、ごもっともなことだという気がしますね。ジャズがどうこうという部分とはまた別に。

(ケイケイさん)
 ヤマさん、こんばんは。
 いやいや、「レミゼ」は♪夢破れて♪とか、聞きなれた名曲があって、聞き応えがありましたよ。 重量感もあったし。とは言え、私も『ラ・ラ・ランド』の楽曲は好きですが。
 ジャズは門外漢なので、ミノさんの感想、勉強になりました。『戦場のピアニスト』でも、エイドリアン・ブロディは、ピアノの猛特訓して撮影に臨んだけど、音は吹き替えだったとか。そういう柔軟性はあっても良かったですね。

ヤマ(管理人)
 この監督、前作のセッションにおいて、ジャズシーンで影響力のあるらしい菊地成孔センセーがぼろかすに貶したもので、日本のジャズ系の人たちからはダメ監督のレッテルを貼られているようなところがあって、押しなべて不興を買っているようなところがありますね。

(ケイケイさん)
 ジャズを知らない私も、観ていて違和感があったので、多分専門家の人の言うことは、合っている気がします。

ヤマ(管理人)
 ただ「鰯の頭も信心から」みたいなことは逆方向でも起こるものですし、 映画も音楽も、観たいように聴きたいように響いてくるとしたものです。

(ケイケイさん)
 同感です。

ヤマ(管理人)
  時にそれを覆すような強い力を作品自体が持っていることもありますが、それは余程の作品だったりするわけで、多少出来がいいくらいの程度では覆せない気がします。

(ケイケイさん)
 ここも同感(^^)。

ヤマ(管理人)
 そうは言っても、無理にそう感じているわけではなくて、実際にそう感じるからこそ「鰯の頭も信心から」であり、その逆もまたある、というわけです。ということは、まさにケイケイさんがお書きのように、普通の出来というところでしょうし、ミノさんがお書きのように、結局は好みなのだろうと思いますね。

(ケイケイさん)
 なので、この絶賛の嵐が、私は不思議なんです。
 割と高年齢者に(笑)、否定的な感想が多いみたい。何故かしら?

ヤマ(管理人)
 この作品に関しては、むかし是枝裕和監督作品に感じたような小賢しさを僕も感じるところがあります。でも、是枝監督、すごくよくなりましたもんねー。デイミアン・チャゼルもそうなるかもしれませんよ。

(ケイケイさん)
 是枝監督、そうなんですか。私はその小賢しさが嫌いで、最近はご無沙汰です。それでは観なくっちゃ。でも観たら観たで、やっぱり小賢しいと怒ったりして(笑)。

(ミノさん)
 ケイケイさん、ヤマさん。私の『ラ・ラ・ランド』読んでくださり、ありがとうございます~。私もお二人のレビュー拝読。ヤマさんが一番、楽しんでる感じが(笑)。

 ヤマさんおっしゃる通り、ガチのジャズファンは、この映画のジャスには拒否反応が起こってるかと思います…。いえ、別にうるさ方のジーさんどもはいいんですけどね。私は『セッション』はよかったんです。あれは、ジャズを勉強中の学生の物語だし、ストーリーもサスペンスフルでしたから見応えがありましたし。
 しかし、『ラ・ラ・ランド』にはそれがなかったです。ヤマさんのいう「甘酸っぱさ」も感じられず…往年の名作のオマージュにものれず…エンドの文字が出た時には本当に「ええ~??」と声が…これで終わり??みたいな。

 さて、お二人の話に挙がっている小賢しさですが、チャゼル氏、ハーバード大飛び級のインテリらしいので、やぱ小賢しいのかも。と、偏見を振り回す(笑)。

ヤマ(管理人)
 僕自身は『セッション』についてのジャズファンからの総スカン現象のようなものには、少々驚きながらも菊地センセーなる人の影響力の大きさを感じたのですが、本作のジャズについてのそういう話を見聞きしているわけではないので、ミノさんから「ガチのジャズファンは、この映画のジャスには拒否反応が起こってるかと思います」と伺って、やっぱりそうだったのかと改めて思ったりしているところです。
 ミノさんはよかったと書いておいでの『セッション』のときは、ちょっと凄かったですよね。こんな事態にまで至りましたもんね(笑)。なんか、その残滓のようなものが働いているような気がしなくもありません。

是枝監督の小賢しさについては、誰も知らない』['04]の拙日誌にも記しているように、それ以前のワンダフル・ライフディスタンスなどについてであって、『誰も知らない』以降は、そんなふうには思わなくなってます。
 ケイケイさんは、逆に『誰も知らない』[04]以降、『花よりもなほ 』[06]、歩いても 歩いても[07]とずっと高評価ですよね。「詩の引用があったり、作り手の説教臭さと言うか、ほら、こうやって人生は回ってるんだよ、という哲学的な部分に押しつけがましさを感じて、ちょっと白けました。」と映画日記に書いておいでの『空気人形』[09]以外は、そして父になる[13]も含め、押しなべて高く評価しておいでですが、そこから後は、確かに映画日記も残してませんね。
 海街diary海よりもまだ深くに小賢しさを感じて『いしぶみ』を飛ばしたということでしょうか。僕は『海街diary』[15]や『海よりもまだ深く』[16]には何ら小賢しさを感じてないのですが、『いしぶみ』[16]は高知では上映されていないので、観てないんですよね。でも、あまり話題にもならなかったように思うんですが、ドキュメンタリーやし(笑)。

(ケイケイさん)
 『誰も知らない』は、ちょうど劇場に復帰し始めた頃に見ました。まだ好事家としては、初心な頃(笑)。
 今思うに、題材の衝撃さが先に立ち、細部の作りに目が行かなかったと思います。完成度は高いし、力のある監督ですから。是枝監督の作品は、観た当初は良いんですが、感想を書いた後から、どんどん自分の中で評価が落ちる人なんです。一口で言うと、心に残らないんです。それが一番顕著だったのが、『そして父になる』でした。だから、それ以降時間がなければパスしています。
 『歩いても歩いても』も、好きな作品なんですが、一日であれだけ詰め込んで、消化してしまうところが、返って嫌味にも感じますし(笑)。その点『花よりもなほ』は、今思い返してもあざとさもなく、一番好印象のままの作品です。

ヤマ(管理人)
 ところでSING/シングは、当地でも上映回数が増えてきたように思います。字幕版は、相変わらずお昼の1回だけですが(とほ)。字幕版で観れるといいなぁー。

(ケイケイさん)
 豚のロジータ、主婦から絶賛です! 吹き替え版もいいみたいですよ。私も今日は『3月のライオン』無事観てきましたが、これから多分、夏頃までずっと忙しいです。ミノさん、また合間縫って会いましょう。
by ヤマ

ケイケイさん掲示板2017年 3月21日(火)21時09分~3月26日(日)01時24分



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