奥雄別西部向卸跡 探検: 北の細道 雄別炭鉱

奥雄別西部向卸で排気立坑に逢う

雄別炭鉱

北海道 釧路市(阿寒町)

 坑内空気が大気と異なるのは、その密閉された状態の中で
呼吸や灯火、火薬の燃焼そして各種鉱物の酸化や坑木の腐朽などにより酸素が消費され、
結果、炭酸ガスが発生し、かつ炭層からのメタンガス、亜硫酸ガス等を含有し、
一酸化炭素、湿気、浮遊粉塵が混合することで加速的に汚れていくことにある。

その汚れた坑内空気を換気し、坑内温度を下げメタンガスを希釈することが、
通気の目的であるが、金属鉱山と炭鉱ではその通気の重点項目が異なってくる。

金属鉱山での通気の目的は、発破の跡ガスの排除が第一目的となるが、
鉱石の酸化による有毒ガスの排除や坑内に湧出する鉱泉による温度上昇対策も一因にある。
かわって炭鉱では可燃性のメタンガスの排除が絶対的目的となる。

必要な通気量は保安規則で規定があり、例えば酸素含有率19%以上、炭酸ガス1%以下、
可燃性ガス1.5%以下、坑内気温37℃以下、一人当たり毎分3m3以上などを満たす必要がある。

今回到達したのは雄別炭鉱 の排気風洞施設だ。
『卸(おろし)』は炭鉱用語で上部から掘り下がる斜めの坑道の意味で、
『向』は向かい堀の意味で、A坑道から掘進してB坑道に貫通させるとき、
同時にB坑道からも掘進することを言う。

これまで雄別においては ベルツナイ斜坑選炭場付近北進昇奥雄中部大祥内
ズリベルト堤沢中ノ沢苔樋坑 などをレポートしてきた。

今回レポートの奥雄別西部向卸跡は到達が最難関の場所にある。
先日、付近で獣害による人身事故が発生したこと、
そして、通行止め区間が長く片道12qは徒歩となるため、
詳細な位置については伏せさせていただく。

地形図上で推論した排気坑口。
資料にも記載のないわずかな痕跡を辿りヤマを歩く。


排気風洞・基礎・碍子・・・




廃橋
廃橋





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