恐竜の研究
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【やってみなはれ!】 2025年4月、日本初の「恐竜学部」が誕生しました! 余談ですが、この授業内容を新設したタイミングが、4月ではなく、8月なのは、 映画「ジュラシック・ワールド(復活の大地)」の公開に合わせたから♪ 「恐竜」と言えば、多くの子供たちが大好きであり、時には、大人も魅了されています。 ただ、我が子が「将来、恐竜の研究をしたい!」と言い出そうものなら、親は大慌てになるのが通例で、 恐竜を研究する意義は、その外側の人達には、あまり理解されていません。 北海道大学総合博物館教授の小林快次さんは、恐竜の研究においては、 日本を代表するどころか、世界でも屈指の方なのですが、 その小林さんですら、今だに、恐竜研究の意味を、親にうまく説明できていない様子。 ・・・というわけで、ここは、開き直って、順序を逆転させてみましょう! 「恐竜を研究する意義を見い出せなければ、恐竜のことを勉強しても価値(意味)がない!」ではなく、 「恐竜を研究することに意味があるかどうか考えるために、ひとまず、既存の知識を習得する」という発想。 外から価値観を教わるのではなく、外から仕入れるのは既存の知識に留めておいて、 その仕入れた知識から、未知なる価値観を自分で見出してみる・・・というスタイルで臨んでみましょう! 恐竜に関する知識を、ひと通り仕入れたけれども、イマイチ興味そそる素朴な疑問が出てこなかったならば、 恐竜に対する興味は、その程度だったということで、別の道に進めば良いだけです。 大事なのは、学ぶ前から、その分野に対する価値を、巷の噂のみで決めつけないこと。 自分で学び、価値の有無を自分で判断してこそ、個性(オリジナリティ)が発揮されたと言えるでしょう。 【恐竜とは?】 恐竜は、生物の分類において、どのような位置付けになるのでしょうか? まず、“5つの「界」”では、「動物界」に属します。 次に、「動物界」に32ある「門」は、「脊索動物門」です。 「脊索動物門」には、中学校の理科で学ぶ「魚類」「両生類」「爬虫類」「鳥類」「哺乳類」も含まれます。 「魚類」と「両生類」を除いた、残りの3つは「有羊膜類」というグループにまとめられ、 その中で、大きく「単弓類(哺乳類)」と「双弓類(爬虫類&鳥類)」に分かれます。 私たちヒトは、哺乳類ですので、単弓類に含まれます。 単弓類の下位分類については、こちらを御覧ください。 ここでは、恐竜の位置付けを知りたいので、双弓類の方を掘り下げていきましょう! ![]() 現存しているグループと絶滅しているグループが入り乱れており、 (現存)の4グループを、私たちは「爬虫類」と1つにまとめています。 「カメ目」は、いわゆる「カメ」の仲間です。 「クルロタルシ類」は、「ワニ」の仲間ですね。 「有鱗目」には、「トカゲ」の仲間や、「ヘビ」の仲間が含まれます。 有鱗目は、爬虫類の中では知名度ナンバーワンですが、それもそのはずで、 総勢7000種以上が存在し、この1目だけで、現存する爬虫類の95%以上を占めています。 さて、恐竜の話に近づくために、「鳥頸類」を見ていきましょう。 鳥頸類は、長い足を持つ双弓類であり、二足歩行の前触れでしょうかね。 鳥頸類の下位分類は、以下のようになっています。 ![]() 私たちが「恐竜」と言っているのは、「恐竜類」でくくられる1つのグループです。 現存している鳥類は、いわゆる恐竜の末裔なのですね。 しかも、「獣脚類」って、ティラノサウルスなど肉食恐竜の仲間です。 ハトやスズメを見ていても、あまりピンとこないですが、 カラスやワシが目の前に現れると、どことなく緊張感が漂います。 これは、“ティラノサウルスと対峙している状況”なのでしょうか?・・・笑 恐竜の話に、しばしば登場するプテラノドンは、翼竜なので、恐竜ではないのですね。 鳥類が恐竜の末裔なので、厳密に言うと、恐竜は絶滅していないことになります。 この辺りにも、恐竜を研究する意味を見いだせるかも知れません。 【恐竜の研究】 さて、いよいよ恐竜の研究に入っていきましょう! 現在、恐竜研究の盛んな場所は、大きく、以下の5ヶ所に分かれます。 @ヨーロッパ A北米 Bアジア北部 Cアフリカ D南米 いずれも、今となっては、 恐竜の研究を前面に押し出しても、スポンサーを獲得することができているのかも知れませんが、 最初は、恐竜の研究は“副業”的な意味合いが強く、 その地域の地質学的調査は、“本業”として、別の目的がありました。 ●ヨーロッパ・・・資源・エネルギー獲得を目的として、新鉱物の発見や石炭の採掘が“本業”でした。 ●北米・・・“ゴールドラッシュ”に象徴される、「西部開拓」が“本業”でした。 ●アジア北部・・・人類の中央アジア起源説を解明することが“本業”でした。 ●アフリカ・・・アウストラロピテクスの骨が見つかると、人類のアフリカ起源説が“本業”となりました。 ●南米・・・「大陸移動説」が浮上すると、アフリカと南米の類似性を示すことが“本業”となりました。 【ひと通り学び終えて】 日本は、恐竜の研究としては、まだまだ後進国です。 日本列島が新期造山帯の真上にあり、地殻変動が活発すぎて、古い化石は残りにくいのでしょうか? それでも、日本海側ですと、太平洋側よりは、多少、穏やかなのかな・・・。 福井県をはじめ、最近になって、日本の恐竜研究も活発になってきました。 この先、「恐竜の研究」を、堂々と本業にできる余地は、あるのでしょうか?・・・一緒に考えてみましょう! 「塾での授業」に戻る |
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