ベンゼン
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19世紀の前半、ヨーロッパの化学界において最も大きな影響力をもっていた人物イェンス・ベルセリウス。 その弟子の1人だったのが“リービッヒ試験管”でお馴染みのユストゥス・リービッヒで、 リービッヒの弟子がアウグスト・ホフマン、ホフマンの弟子がチャールズ・マンフィールド、 という流れ(つながり)がありました。 ホフマンらがコールタールの研究を行っている最中、マンフィールドが発見したのが「ベンゼン」です。 ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。 【ベンゼンの研究史】 (01)イェンス・ベルセリウス(1779−1848)・・・スウェーデンの化学者です。 (02)ユストゥス・リービッヒ(1803−1873)・・・ベルセリウスの弟子です。 (03)アウグスト・ホフマン(1818−1892)・・・リービッヒの弟子です。 (04)チャールズ・マンフィールド(1819−1855)・・・ホフマンの弟子です。 (05)1845年・・・マンフィールドがコールタールの中にベンゼンを発見しました。 (06)アウグスト・ケクレ(1829−1896)・・・リービッヒの弟子です。 (07)1865年・・・ケクレがベンゼンの構造式を予想しました。 (08)キャスリーン・ロンズデール・・・1929年、X線結晶解析により、ケクレの予想を証明しました。 【共役系】 (09)ジエン(高3)・・・分子内に2個の二重結合をもつ有機化合物です。 (10)共役ジエン(高3)・・・2つの二重結合が、1つの単結合でつながっているジエンです。 (11)ブタジエン(高3)・・・共役ジエンの例です。 (12)非局在化・・・π電子が局在化していないので、共役ジエンは安定です。 (13)拡張π電子系・・・3つ以上の二重結合が共役している分子です。 (14)1,3,5−ヘキサトリエン・・・拡張π電子系の例です。 (15)ビタミンA・・・拡張π電子系の例です。 どんな構造をしているのだろう? (16)環状共役系・・・共役した二重結合が環状構造になっているものです。 (17)ベンゼン(高3)・・・環状共役系の例です。 (18)芳香族炭化水素(高3)・・・ベンゼン環、および、その類似構造を含む化合物です。 (19)アレーン・・・芳香族炭化水素の別名です。 (20)アリール基・・・芳香族炭化水素から水素原子を1個除いた官能基です。 (※)「ベンゼン誘導体」について、学んでおきましょう! ●スルホン化・・・ウール製の衣類にセッケンでは具合悪いので、中性洗剤を使いましょう! ●ニトロ化・・・ベンゼンから、ニトロベンゼンを経由して、アニリンを合成します。 ●フェノール・・・フェノール樹脂は、電気回路の基盤などに利用されています。 ●サリチル酸・・・ともに医薬品のサリチル酸メチルとアセチルサリチル酸。 どちらが外用 or 内用? (※)炭素と水素以外の原子を「ヘテロ原子」と言い、 炭素の他にヘテロ原子を含む環構造をもつ化合物を「ヘテロ環化合物」と言います。 「ピロール」と「ピリジン」について、見ていきます。 → こちら 「栄養素の代謝」に戻る |
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