サリチル酸
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ベンゼン環にヒドロキシ基を結合させたものが「フェノール」でした。 フェノールにカルボキシ基を結合させると「サリチル酸」になります。 したがって、 サリチル酸は“ベンゼン環にヒドロキシ基とカルボキシ基が結合している化合物”ということになります。 サリチル酸とメタノールを反応させると、サリチル酸のカルボキシ基とメタノールの間でエステル化が起こり、 「サリチル酸メチル」が生じます。 サリチル酸と無水酢酸を反応させると、サリチル酸のヒドロキシ基と無水酢酸との間でエステル化が起こり、 「アセチルサリチル酸」が生じます。 サリチル酸メチルとアセチルサリチル酸、よく似ていてややこしいですね〜。 ![]() 学ぶ項目を、ステップを細かく分けて一覧にしました。 「この項目は大丈夫だな。」と思うものは飛ばしてもらって結構です。 自分に必要な項目だけを学べば良いでしょう。 カッコ内は、文部科学省の学習指導要領に従った、目安となる履修学年です。 【サリチル酸】 (01)ヤナギ・・・解熱鎮痛作用があるとして、古くから知られていました。 (02)楊枝・・・“ヤナギの枝”。 虫歯の痛み止めとして使われていました。 (03)ラファエレ・ピリア・・・ヤナギからサリチル酸を抽出したイタリアの化学者です。 (04)ヘルマン・コルベ・・・1853年に「コルベ・シュミット反応」を発表したドイツの化学者です。 (05)ルドルフ・シュミット・・・ドイツの化学者で、コルベの共同研究者です。 (06)コルベ・シュミット反応・・・サリチル酸合成法として知られています。 (07)ナトリウムフェノキシド・・・フェノールは酸性物質なので、塩基と反応して塩を生成します。 (08)フェノキシドイオン・・・オルト−パラ配向基としてはたらきます。 (09)常温常圧で二酸化炭素・・・炭酸より弱い酸であるフェノールが遊離するだけです。 (10)高温高圧で二酸化炭素・・・サリチル酸ナトリウムが生成します。 (11)高圧条件・・・フェノキシドイオンと二酸化炭素の接触頻度が増します。 (12)高温条件・・・二酸化炭素のπ結合が切れやすくなります。 (13)反応機構@・・・フェノキシドイオンの負電荷がオルト位に移動します。 (14)反応機構A・・・オルト位の負電荷に、二酸化炭素の正に帯電した炭素原子が接近します。 (15)反応機構B・・・脱プロトン化。 (16)反応機構C・・・プロトン化。 【アセチルサリチル酸】 (17)サリチル酸の問題点・・・苦い味がし、また、口腔の刺激および胃の出血のような副作用があります。 (18)フェリックス・ホフマン・・・1897年に「アセチルサリチル酸」を合成しました。 (19)アセチルサリチル酸(高3)・・・世界初の人工合成医薬品です。 (20)アスピリン・・・アセチルサリチル酸のことです。 (21)シクロオキシターゼ(COX)・・・痛みを生じる分子であるプロスタグランジンの生成を促す酵素。 (22)トロンボキサンA・・・プロスタグランジンの一種で、血小板の凝集作用があります。 (23)動脈中だと・・・心臓発作や脳溢血を起こす可能性があり、好ましくありません。 (24)COX阻害剤・・・アスピリンは、痛み止めとして、また、心臓発作の防止剤としてはたらきます。 「栄養素の代謝」に戻る |
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