☆ 入れ歯の手入れ

 

当院では、治療が終わると3ヶ月〜6ヶ月に1度の割合で、メンテナンス(定期検診とお掃除)に来院していただいてます。
ムシ歯の治療と、歯グキの治療が終わり、お口の中の状態が良くなっても、知らないうちに歯磨きに癖が出てまた治療が必要になる場合が多いので、 お手入れの再確認も兼ねています。

 

入れ歯を入れている方も例外ではありません。
入れ歯にも食べカスだけでなく、ムシ歯菌や歯周病菌はベッタリ付きます。 高齢の方はこれらの細菌を「誤嚥」して「誤嚥性肺炎」を起こしやすくなり、亡くなることが多いので無視できません。

 

特に下の入れ歯の裏側の前歯に相当する部分は(右写真の赤丸部)、幅が狭くて凹みが深い形をしていますから、取り残した細菌が増殖しやすい所です。
外したら専用のブラシで食器用中性洗剤を1滴垂らして、小刻みにシャカシャカ擦り洗いをしてください。 他の面になっているところも濡れた指で触った時にヌルヌルが無くなるまで、ブラシで洗ってください。

タッパー容器の洗浄と同様に指で擦った時に「キュッ、キュッ」と抵抗を感じたらきれいになったサインです!
外した入れ歯を「入れ歯洗浄剤」に漬ける場合、そのまま漬けたのでは細菌は取れません。必ず「キュッキュッ」となるまで汚れを取ってから漬けてくださいね。

 

部分入れ歯には固定するためのバネが付いています。 右写真の様にバネの内側(赤くなっているところ)が特に細菌が溜まりやすく、歯の部分を磨いてきれいにしてもバネに不着している細菌が磨いた歯に移ってしまいます。 バネの内面は少し小さめの歯ブラシを使って細かくゴシゴシ擦り洗いをしてください。
入れ歯のバネをかけるということは、それだけで歯に負担が増します。 その歯と歯グキが細菌で汚れたいたら、あっという間にその歯は揺れ始め抜くことになり、部分入れ歯はすぐに総入れ歯になってしまいます。 バネの内面とバネがかかる歯をきちんとお手入れをすることで歯を長持ちさせることが出来ます。

 

面倒かもしれませんが、おいしく食事を楽しむためと、健康長寿を伸ばすために、歯と入れ歯のお手入れを念入りにお願いしますね。