樹木用語集

 この用語集は柏書房「葉っぱでおぼえる樹木」の用語集を中心に記載したものです。転記は著作権に触れるかもしれませんが、ご理解いただきたく。分かりにくい所は、他の書物の説明を付加しています

背軸側(はいじくがわ)
茎や枝など軸から側生した枝や葉で、その軸(母軸)から離れた側。葉では普通背軸側は下面になる。向軸側の対語。
胚珠(はいしゅ)
珠皮と胚嚢からできたもので、子房(胚珠のまわりにあるカバー)の中にある小さな粒状のふくらみのこと
胚嚢(はいのう)
種子植物の胚珠の中にできる雌性生殖器官。
半落葉樹(はんらくようじゅ)
落葉樹の中で一部の葉を残したまま越冬するもの。
被子植物(ひししょくぶつ)
最も進化した植物のグループで、種子植物の大部分を占める。花をさかせ、種子をつくる植物のうち、胚珠が子房につつまれているなかまである。
尾状花序(びじょうかじょ)
ふつう小さく目立たない単生花が多く集まって、動物の尾を思わせるような細長い形になった花序。厳密に定義されたものではないが。多くは下向きに垂れる。
披針形(ひしんけい)
葉や花弁などの形で細長くて両端がとがり、中央より下部に一番幅の広いところのある形。
皮目(ひもく)
樹木の樹皮に形成され,気孔の代わりに植物体内外の通気を行う組織。コルク層の発達した部分に発達する。樹皮の表面に隆起した小さな点々で呼吸の働きをする。
品種(ひんしゅ)
ひとつの品種をいくつかに分類するときに用いる分類階級のひとつで、亜種や変種よりも階級は低く、花の色など単一の形質だけが異なる場合などに用いられる。園芸品種とは別のものであり、人為的に作られた園芸品種に対し、天然に見られるものに用いられるのが普通である。学名で品種を表すときは、種の学名(必要な場合は亜種・変種の学名)のつぎに、「品種」を意味するforma、あるいはその略号でf.を書いてから、品種形容語を表記する。
斑入り(ふいり)
葉、花、などに、本来の色とは違う色の部分ができ、斑(まだら)状になること。
風媒花(ふうばいか)
風の媒介によって受粉する花。
副花冠(ふくかかん)
スイセンなどにみられる花冠または花被の内部にある花冠状のものをいい、副冠ともいう。
伏毛(ふくもう)
葉や葉脈などの面に密着して寝ている毛。例:ムクノキ、イヌシデ
複葉(ふくよう)
葉身が複数の面に分割されている様式の葉。単葉の対語。複葉を構成している1枚の葉のように見える部分を小葉という。複葉は小葉の配列様式の違いによっていくつかに分離される。複数の葉が並んでいるのか、複葉であるのかは、1枚の葉に見えるものが、ついている軸(茎)に対して向き合うかどうかで分かる。小葉であればそれが付いている軸(葉軸)に対して向き合うことはない。
浮水葉(ふすいよう)
→浮葉
普通葉(ふつうよう)
花弁や萼片、苞などは特殊な葉であり、それら以外の、緑色で光合成をおこなう通常の葉を普通葉という。多くの場合は偏平で面積が広い葉身をもつが、マツなどのように針状のもの、ヒノキなどのように鱗状のものもある。
仏炎苞(ぶつえんほう)
サト イモ科の植物に見られる肉穂 花序(にくすいかじょ)を包む、大型の (ほう)のこと。 ミズバショウ・ザゼンソウなどのサトイモ科植物にみられる。
冬芽(ふゆめ)
冬の間に枝についている休眠中の芽、「とうが」とも読む。花が入った冬芽を花芽、葉が入った芽を葉芽という。
浮葉(ふよう)
気中葉に属し水面に浮く葉のことで浮水葉とも言う。浮葉の下面は水と、上面は空気と接しており、それにともない気孔が葉の表面に集中している。
分果(ぶんか)
裂開果(裂果)の一種。複数の心皮からできていて、成熟すると心皮の数だけの分果が中軸から離れて裂開する。
平開(へいかい)
花弁や花被片が平らに開く花のこと。
変種(へんしゅ)
生物の分離階級で、亜種よりも下で、品種より上に置かれる階級。ひとつの種をいくつかに分類する場合に用いられる。同一の種でも、地域的な差で花や葉などに違いが見られるものなどを変種とする場合が多い。学名に記載するときには、種の次に「変種」を意味するvarietas、あるいは略号のvar.を書き、その後ろに変種形容語を記す。
苞(ほう)
つぼみを包んでいた葉のことをいう。苞葉ともいう。また個々の苞を苞片という。
萌芽(ほうが)
芽が萌え出ること、芽生え。
苞鱗(ほうりん)
マツカサなど球果植物の雌性生殖器官の構造物(種鱗と苞鱗)のひとつで、種鱗のすぐ下にある鱗片。
鉾形(ほこがた)
箭形(せんけい)に似ているが 「裂片」は左右に開いている。 例:ミゾソバ
母種(ぼしゅ)
母種とは、名前の元になった種のこと。 必ずしもその植物が原種ということではなく最初に発見され分類整理されたものが母種とされる。
匍匐茎(ほふくけい)
植物において、地上近くを這って伸びる茎のこと。匍匐枝(ほふくし)ともいう。