年金って一体全体、保険料をいくら払えば、いくら貰えるの？

そして保険料はどれだけの期間払い続けないといけないの？

国民年金を例にとれば、65歳から死ぬまでもらえる『老齢基礎年金』は現在満額受給だと79万2,100円(年金額なので月額換算＝約66,000円）ただし、この満額をもらえるのは、原則として20歳から60歳まで40年間、1か月の未納もなく国民年金保険料を納めた人ということになる。実際、満額受給者はそれほど多いわけではない。

そもそも国民年金制度ができたのが昭和34年で、昭和36年になって拠出制の
年金制度がスタートし、時代とともにさまざまな改正が施され、
ほぼ今の制度の基礎となったのが昭和60年からなのだから。

では、いったい年金がいくらもらえるのか？という質問の答えは比較的簡単だ。

40年間（保険料の納付単位は月数なのだが）納めた場合にもらえる年金額が
79万2,100円（注＝2008年度）であるから、
わかりやすくするため大雑把に80万円とすれば、
保険料納付1年につき年金額が約2万円づつ増えるわけ。

正式な計算式は、年金満額79万2,100円×480分の保険料を納めた月数ということになる。

今の制度では老齢基礎年金をもらえるのは、国民年金保険料を25年以上納めた場合であり、
25年＝300月に１ヵ月でも足りないと1円たりとももえらえないのだ。
ここが今、問題となっており、いずれ何らかの改正がなされるのかもしれないが。


仮に何らかの事情で30年間＝360ヵ月しか納めていない人がもらえる年金額は、
約60万円（月額換算＝約5万円）ということになる。

満額をもらうには実に40年＝480ヵ月保険料を納めた場合だけなのだ。
年金は65歳からの支給なので、ここに救済策のような「任意加入」という方法があるのだが、
どうもお役所のPR不足もあってか意外と知られていないようだ。

国民年金は20歳になったら収入のあるなしに拘わらず強制的に被保険者となり、基礎年金番号が書かれた年金手帳が送られてくる。

20歳と言えば大方はまだ学生で固定的な収入などあろうはずがない。
多分親が支払っているケースも少なくはないはずだ。

今は学生特例納付制度など各種の猶予＆免除制度もある。
そして強制被保険者は法律では60歳までとなっている。

任意加入は60歳から65歳になるまでの間に文字通り、任意で加入して
保険料を納めてもいいですよ、ということなのだ。

つまり60歳の時点で40年間という期間を満たせる人はそれほど多くはいないので、
それ故に足りない期間の分は任意で納めてもいいということだ。

年金を少しでも増やしたい場合や満額に近づけたい場合もあろうし、
また25年＝（受給に必要な最低限のライン）をクリアするため、という場合もあるだろう。

ともかく任意加入の制度はこの先、頭の片隅にとどめておいて損はないと思う。
60歳を過ぎてから国民年金に任意加入するのは、ほんとうのところ得なのか？損なのか？？

20歳になったとき・・・多分その頃はまだ大学生であることが多いと思うけれど
国民年金の保険料を払い始めたとしよう。

とにかく大学卒業後普通に就職して、普通に定年（現在は60歳として）まで働いて
退職した場合にやっと保険料の納付期間が40年＝480ヵ月となる。

もし何らかの事情で払っていなかった期間があれば、
その期間の分だけもらえる年金が少なくなるわけだ。
高校も大学も現役合格した場合、大学卒業＝就職が22歳であり
定年までなら勤続は38年であり、老齢基礎年金について言えば、
この最も一般的なケースでさえ年金は満額（79万2,100円）もらえない。
つまり満額受給には納付期間が2年ほど足りないのだ。
過去に浪人したり、今ではごく普通のこととなっている失業〜転職などさまざまな事情で
勤めていた期間が短い場合はさらに年金が低くなるわけだ。
満額受給が絵にかいた餅とはいわないまでも政府広報や年金関係のパンフレットにある
年金モデルを鵜呑みにはしない方がいいと思う。

年金は終身＝死ぬまでもらえるものだけど、そのもらえる年金の額が60歳の時点で
一応はピタッと決まってしまうわけで、そうした先が見えてきた？年齢になったときに
あわてても、過去には戻れない。

満額の年金をもらうために足らない期間の分を今全部払うから！と言っても
それは所詮無理な相談なのだ。

そこで「任意加入」というおまけ？のような制度がある。年金受給開始（65歳）までの間に、
保険料を任意で払ってもらってもいいですよ、ということなのだ。

つまり60歳から65歳まで・・（誕生日の月の前月まで）最長＝5年の範囲で、
任意加入して保険料を払うというわけだ。
そこで多くの方が悩むのが、あとどれだけの期間、保険料を払えば、
もらえる年金がどれだけ増えるか？

つまり払う保険料と死ぬまでにもらえる年金の額との天秤というわけだ。
いつ死ぬか＝いつまで生きられるかは誰にもわからない！ただ、損得を判断するための
目安として計算をするならば、国民年金保険料は2008年度＝14,410円/月であり、
2年間任意加入したとすれば払い込む保険料の総額は34万5,840円となる。
これに対して年金がどれだけ増えるかといえば約4万円である（年金＝年額）。
これっぽっち？と考えるのは早計だ。

2年間の任意加入の保険料総額の元をとるには8年半ほどかかることになる。
しかし、もらいはじめて73歳余で元をとった後は
1年長生きするごとに約4万円づつ得するということなのだ。
世界一長寿の日本の女性が平均寿命（85歳）までとしても単純計算で約48万円のプラス。
米寿なら60万円のプラスなのだ。
長生きしだいとはいえ、損することなどまずはない、と考えてもいいだろう。





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