しろうとが使ったパソコン - FM-TOWNS II MA
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FMTOWNS II MA CD-ROMパワーとTOWNSユーザパワー


PC-CLUBのマシンパワー、特にグラフィック関係に不満を感じ、新たなマシンを選別に入ったのだが、このTOWNSに決めた要因としてNIFTY-Serveに加入していたというのが大きい。NIFTYといえば富士通系であり、通信上での知り合いにはTOWNSユーザが多くいた。特に親しくしている友人もTOWNSユーザであった。ユーザが多いって事はトラブル時に有用なアドバイスを得る事が容易という事だ。NIFTYはTOWNSのフォーラムやサービスも充実している。

他にも、(近所にいる)友人にTOWNS使いがいないというのもポイントが高い。わくわくしちゃうもんねぇ(^^) CD-ROMが付いてるし〜…という事で、当時まだ出荷もされていなかった最新のTOWNSを注文したのだった。


TOWNSといえばグレー、というのが当時の印象だったのだが、このTOWNSからボディーカラーがホワイトになった。そのためこのモデルは「白タウンズ」と呼ばれる。i486SXの33MHz、CRTは15inchだったが、1024*768*256colorでの表示が出来た(それまでのTOWNSではオプション無しでは不可能)。CD-ROMも当然付いており、これほどのマシン環境はそれまでに体験した事の無いもので、強烈なパワーを感じたものだった。ちなみに当時40万円した。

CD-ROMというのはすげぇなぁ、と純粋に感動できたマシンだった。OS(Towns-OS)も当然CD-ROMで供給、付属のアプリケーションが豊富だった。ゲームの方は「DESIRE」、「XENON」は台詞が音声であったし、「電撃ナース2」はBGMがCD-DAで楽しめた。


また、富士通から格安で出ていた「フリーソフトウェアコレクション(通称フリコレ)」はNIFTYのFTOWNSフォーラムにアップされたTOWNS用フリーソフトが山ほど収録されていて、TOWNSを強力にパワーアップできた。

TOWNSのフリーソフトはTOWNSの特長を生かした物が多かった。現在、Windows版も出ている通信ソフト「MopTerm」に搭載された「猫の手スクロール」。これは画面をマウスポインタで”引っ掻く”事により、スクロールスピードを調整できた。スクロールはハードウェアで行われるため非常に滑らかで、一度体験したらなかなか別のソフトに移れなくなる中毒性を持っている(事実、なかなかWindowsソフトに移れなかった(^^;)。


CGビューアである「MGV」もまた強力だった。マシン語レベルで最適化されているため、展開に時間が掛かるJPEGイメージなども猛烈な速さだった。これもハードウェアスクロールで表示できるため、大きいイメージの表示も苦痛にならなかった。

TOWNSのGUI環境はWindows3.1っぽい「Towns-Menu」というものだったが、これを改善した「EIN(TM)」もユーザから生まれたものだった。NIFTYで続々と生まれてくるソフト…ユーザのパワーをひしひしと感じたものだ。


しかし時は流れる。
世の中ではPC/AT互換機が勢いを増し、Windowsソフトが続々と発売され、対してTOWNSソフトは激減した。するうちWindows95が登場。そんな中、「Windows95への移行はまだ当分先」と読んだ私はTOWNSのCPUをAMD486(100MHz)に換装、Windows3.1を導入した。

その読みはものの見事に外れ、怒涛の勢いでWinodws95が世間にはびこった。折りしも仕事でストレスが溜まりに溜まっていた私は、PC/AT互換機の購入を夢見るようになる。私のTOWNSは内蔵CD-ROMも故障してしまっていた。
TOWNSは独自アーキテクチャで内蔵CD-ROMを使っているので、内蔵CD-ROMが使えないということはTOWNS用CD-ROMソフトのほとんどを使えない事を意味する。修理には2万円近く掛かり、しかも直ったところで「1倍速」…。

「CD-ROMを直すくらいなら、新マシン買ったれ」という勢いで、PC/AT互換機へ鞍替えすることとなる。
 
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