運動ストレス性低テストステロン症 / 男性更年期障害

走者必衰~故障/ケガからの復活

運動ストレス性低テストステロン症 / 男性更年期障害

友人のタイムライン上に流れた記事をキッカケに原因不明の体調不良が病気であることに気づけました。トライアスロンの死亡事故のリスクファクターになっているとの説もあります。40代以上の男性アスリートは自覚症状がなくても検査してもらいです。
幸運にもこの情報に出会えて九死に一生を得られたかもしれません。

2017/12/28ブログ

男性更年期障害とトライアスロン死亡事故

ドス鯉さんのエントリーをキッカケに男性更年期障害を調べてみました。
月200km以上走る40代以上の男性諸氏は必読。
私の知人は、ほぼ全員が対象者です。
女性が眉をひそめる内容も含んでいますが、命に関わるまじめな話なのでご容赦ください。
また、私には医学の基礎知識がないので誤認が含まれているかもしれません。

■1つの報告書がすべてのはじまり

~「走り過ぎ」で男性ホルモン低下、心停止に 新概念「運動ストレス性低テストステロン症」を提案~
http://healthpress.jp/2017/11/post-3332.html

よこすか女性泌尿器科・泌尿器科クリニック院長の奥井伸雄氏が、第28回日本性機能学会で行った発表によれば

「スポーツ大会における心停止などのトラブルは、日常生活での過剰な運動による低テストステロン症に関連する可能性がある」

とのこと。
この報告は仮説段階ながら、同学会の最高論文を受賞し多くの注目を集めています。

■心拍数の反応の鈍さは、男性更年期障害が原因かも

トラブルを起こした40代と50代の60例、健常者20例、男性更年期障害通院患者10例と比較し、
有意差がみられた云々のレポート詳細はリンク先を参照いただくとして、
強く興味を持った内容は、
私の悩みが「男性更年期障害」で説明できるかもしれないってことです。

6ヶ月前と比較してウォーミングアップをやってもスピード練習で心拍数が上がらず(心臓の反応が鈍い)、
酸欠気味に何度もなりました。
1本目は抑えて走ったり、やばいと感じたらフィールドに逃れて落ち着いてから再スタートして凌いでいるのですが
ただの加齢ではなく、「障害=治療できる」と気づき衝撃を受けたのです。

■男性更年期障害とは

男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下し、様々な変調を引き起こすLOH症候群のことを
男性更年期障害と言いますが、テストステロンの低下は自律神経の不調を引き起こします。
自律神経は寝ている間も心臓や横隔膜を動かし続けてくれる機能を司っていて、
乱れると運動をしていないのにドキドキしたり(動悸)、発汗がおこります。
ってことは、走っても心拍が上がらなかったり汗をかかないことも自律神経の乱れと考えました。

■男性更年期障害患者と運動ストレス性低テストステロン症患者の違い

AMSスコア(LOH症候群問診票)で症状の軽重を測定するのですが、
運動ストレス性低テストステロン症患者は、
不眠と性機能障害で点数が高い(問題がある)特徴を有しています。

・睡眠に悩みがある、よく眠くなる、
・性的能力の低下がある、朝勃ちの回数減少、性欲の低下
私は夜中に何度も目が覚めます。朝勃ちはありません。
また、月間走行距離が200kmを超えるとトラブルが増えるとの見解も示されました。
(→この点は、私はまだ検証が必要だと思います)

■まずは専門医で受診

男性更年期障害はに詳しい病院は、日本Men's Health医学会のサイトで照会されています。
お近くの専門医に相談してください。
http://www.mens-health.jp/

治療内容は、詳しく分かりませんが数ヶ月に1度の通院でテストステロン補充療法が行われるようです。
2年もしくはそれ以下の期間で治療は済む可能性もあります。

■治療には副作用の心配もあります

日本では最近になって男性更年期障害が話題になってきましたが、まだ一般的ではありません。
性機能に偏って取上げられることが多く啓蒙が遅れている要因のひとつになっています。
一方、アメリカではテストステロン補充療法が一般化しており
2000年2011年比で年間処方件数は5倍に増え、
530万件に上っています。
普及に伴い副作用のリスクが注目されてきました。
中高年の男性ホルモン療法、死亡などのリスク増
(AFPBB News 2013.11.07)
http://www.afpbb.com/articles/-/3002855

■まとめ

月200km以上を走る40代以上の男性で自覚症状があるなら
専門医の受診が必要だと考えます。
昨今のスイム死亡事故にも繋がる話ですから私も年明け早々に東京で受診しようと思います。
副作用の件が気がかりですがホルモン補充治療も視野にいれています。


2018/1/6

朝一泳いでからの病院。
テストステロンの血液検査だけで2時間半待ちで6000円。
結果は1週間後。もうね、全てが嫌い。
時間も金も返してくれーって叫びたいけど疑惑を晴らすための必要経費。

2018/1/14ブログ

テストステロン(男性ホルモン)が低下していました


【 結果】


血液検査の結果、低テストステロンと診断されました。

遊離テストステロンの基準値は

血液1mlあたり8.5ピコグラム以上必要なところ

6.6ピコグラムしかありません。

テストステロン(男性ホルモン)の原料となるコレステロールは高め、

亜鉛は下限ギリギリあります。


と言うことは、テストステロン生成プロセスのどこかに問題がありそうです。


【治療】


診療は、問題箇所の特定と改善ではなく、

テストステロン補充療法でした。

保険適用できるものは補充か漢方。

自由診療なら軟膏が使用できる(wikiによると米国ではこちらが増えている)

補充療法に比べ漢方は効果に時間がかかること。

テストステロンは、筋肉と骨の成長に必要なため

低い値を長年続けると老齢期に筋肉が痩せ細る、骨が弱くなるナンチャラって症状を引き起こす。

治療期間は個人差があり明確には回答できない。

(ついでに運動性低テストステロンとドーピングについては詳しくないと正直に仰ってました)

医師と話し合って3週間に一度の補充で合意しました。

テストロンデーポ250mgを上腕に注射。


【疑問】


wikiにも上記診断が掲載されていましたが、生成プロセスの問題箇所の特定はしないんですかね?

特定が困難なのか、特定できても根本治療ができないのか疑問が残りました。


【所感】


前回の投稿で様々なアドバイスを頂き、一旦はホルモン補充療法は回避したい、

もしくは結果が分かっても静観しようかと思い悩んでおりました。

しかし、老齢期のリスクを回避したいと思い治療を決断しました。

他にも、トレーニングしても筋肉が付かないし維持できないので

辛い思いするだけのやり損、

レース中の突然死は大会や家族に迷惑をかける事態になるので決心がつきました。


男性ホルモンは練習の後、筋肉が回復する過程で消費されると思うのですが、

治療中に運動を控えるような指示はありませんでした。


常識的な範囲なら良いのか、もしくは私の従来のボリュームでも良いのか定かではありませんがね(笑)

もし、

男性で、


月200kmを走り、


身体に思い当たること(睡眠と性機能に不自由があるがメンタルは元気)が


あれば下記リンクを参考に、早期受診をオススメします。

【前回ブログ】男性更年期障害とトライアスロン死亡事故

http://scribbleofbourgogne.blog.fc2.com/blog-entry-3795.html

【wiki】LOH症候群
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/LOH%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

2018/1/17ブログ

高コレステロールと薄毛と男性ホルモン(テストステロン)の関連性

男性ホルモン(テストステロン)生成過程を調べていると面白い気づきありました。
命令系統は、
1. 間脳・視床下部の黄体化ホルモン(LH)とFSHが分泌
2. 下垂体前葉がゴナドトロピン分泌
3. ゴナトトロピンのうち、LHが睾丸の間質細胞がコレステロールと酵素を材料にテストステロンを生成

テストステロンは、筋肉と骨格の成長や体毛の発生を促します。
ってことは、
テストステロンを補充すれば髪の毛も復活か!

更に生成サイクルが回るとコレステロールも減るのか!

なんてぬか喜びw
しかーし、テストステロンに5αリグターゼが結びつくと薄毛(AGA 男性型脱毛症)の原因になるんだって。

(ジヒドロテストステロンが生成されて毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に結びついて正常な髪のサイクルを狂わせる)

でもさ、テストステロン生成サイクルが戻ると
睡眠障害、性機能障害、心臓の不調、筋肉が付き難い、薄毛、コレステロール値が一発改善される可能性があるんだぜ!!
これはデカイ。

【懸念あり】

80年代90年代、心臓発作で亡くなった選手が頻発してた事、皆さん覚えてますか?
ドーピング 疑惑がプンプンしてましたが、
ホルモン補充療法も心臓発作のリスクを高めるなんて論文も出ています。
やばいことには変わりないけど、テストステロンの生成サイクルが正常化した時の輝く未来。
モチベーションアップしてます。

(追伸)
テストステロン分泌は相当の老齢になるまで低下しないそうです。
現在、低下していないかチェックおすすめします。

2018/1/18ブログ

亜鉛を美味しく手軽に摂るアイデアと失敗と

疲れを癒して若さを保ちたい方、挙手!

低テストステロンに関連して「亜鉛」の重要さを知りました。

■効能

亜鉛は、細胞代謝を促進し、発育や免疫アップする機能があるので、
不足すると活性酸素の除去が遅れる(疲れが抜けない)ほか、
・脱毛
・視力低下
・知覚障害
・情緒不安
・記憶力低下
・アトピー性皮膚炎、アレルギー症状
・肌荒れ
・爪の異常
・精子減少、性機能不全
など諸症状が出ます。(怖いですね~)

■必要量

1日あたりの必要量は成人で15mg。
大好物の牡蠣なら大2個(約40g)で摂れます。

■調理失敗(笑)

さて、独り暮らしで手軽に毎日牡蠣を2個摂る方法はないものか?
思いついたのは、
「冷凍牡蠣」の活用です。

亜鉛は冷凍しても変質しませんし、長期間少量を食べるには良い考えです。
冷凍牡蠣を酒に30~60分浸すとプリップリに戻る(出典:クックパッド)
って方法を試してみたんですが、
これが大失敗。

はらわたが苦くて不味い(+o+) 食えたもんじゃありません。
翌日、火を良く通して牡蠣が小さくなりましたが、苦味は緩和。
日本酒解凍でアルコールが残って
冷凍牡蠣が苦く感じたようです。
火をしっかり通さないと食べられないって
牡蠣LOVERS には残酷です。(´・ω・`)

2018/2/9ブログ

(男性更年期障害)治療開始1ヶ月 変化の兆しあり

■体に変化の兆しあり

4週間ぶりに南蛮連合でスピード練(1000m6本)をやった時、
心臓の動きがスムーズに感じました。(もちろん全てキツイですけどね)
悩まされていた「心拍数の上がり難さ」が緩和されたような気がします。

以前は、しっかりウォーミングアップしても心拍数が上がらず、
インターバル1本目を抑えて走っても心拍数が上がらず茹で蛙、酸欠になっていました。
身体は酸素を欲しているのに心臓が反応してくれないような状況で、
あまりの苦しさにフィールドへ退避。落ち着いてから再スタートしていました。

(12月13日の3本目)
今回は恐る恐るスロットルを開けたのですが、
酸欠にならなかったことがとても嬉しかったです。

■ここまでの治療経過

ホルモン補充療法開始は、2018年1月13日。
3週間毎の処置で1月30日も行いました。
補充療法でテストステロン値は急上昇するため血液検査は年始以来行っていません。

■変化の兆しは思い違いじゃなかった

自分の感覚が勘違いでないことを確かめるためヒストリカルデータを比較してみました。

気温や風など環境条件の違い、手首計測の精度の問題があり
厳密に同一条件とは言えないながらも
私自身は治療前後の有意差を感じています。

今回はウォーミングアップから心拍数が上がってくれました。
こちらのリクエストに応えてくれる心臓、ありがたいです!

■テストステロンと心拍数の上がり難さは立証できていませんが・・・

心拍数が上がり難いことに悩む知人ふたりが、テストステロンの計測を行いました。
結果はふたりとも正常値。問題なくて良かったです。
わずかn数3ですから現段階でテストステロンと心拍数の上がり難さの関連を論ずるのは尚早です。
それを分かった上で解決の糸口が見つかったこと、走れることはこの上もない幸せです。
40歳以上の男性諸氏は、危険因子のひとつとして頭の片隅においておくことをオススメします。

■正常化すると体重が増加するかも?

前週の帰省でしっかり肥えて帰ってきました。
記録的な低温でランニングが減っていることも遠因ではありますが
体重が落ち難いようにも感じています。
これも加齢による基礎代謝低下があったりその他の条件が影響していると言えますが
昨シーズンは病的に痩せていたと思います。
低テストステロン状態だとトレーニングしても筋肉は付きにくく脂肪が減るばかり。
ロングライドの後とは言え177cmで60kg、5%を切ったらヤバイです。

■ぐっすり眠れるようになりました

最近はぐっすり眠っているので、この問題自体を忘れていました。
ここ最近夜中にトイレで目覚めてことはありません。
部屋が寒すぎて明け方に目が覚めることはありますがね。
■分かりやすいバロメーター

男性更年期障害の情報を集めて分かったんですが、自身に発症の疑いがあるか簡単に分かります。
週1回朝勃ちなければ、血液検査してください。たったこれだけで十分です。

■まとめ

運動ストレス性低テストステロン症は睡眠障害と性機能不全が特徴です。
男性更年期障害と異なり鬱症状はありません。
月間200km以上を走っている方でウォーミングアップしても心拍数が上がり難い方は
血液検査をオススメします。
レース中の突然死を回避するだけでなく、健康体で老後を過ごすためにも是非。


2018/2/21ブログ

男性更年期障害とIRONMAN Anti-doping

治療のためにホルモン補充療法をしていますが、
テストステロンは、ドーピング で最も違反例の多いものなので
IRONMAN のanti-doping program を確認しました。
http://m.asia.ironman.com/triathlon/organizations/anti-doping.aspx
FAQには、
————————————————-
5.合法的な医学的理由のために禁止物質または禁止方法を使用する必要がある場合、アスリートはどうすべきですか?
A 競技者は、該当する場合、それらの組織の方針に従って、該当する場合には、アンチ・ドーピング機関(「NADO」)または地域アンチ・ドーピング機関(「RADO」)からの治療目的免除(TUE)を求める必要があります。
————————————————
とのこと。TUEを取得したらコピーをメールで送るように指示されています。
日本では、日本アンチ•ドーピング 機構が窓口です。
http://www.playtruejapan.org

申請フォームをダウンロードして必要事項を記入して
ドクターの記入、署名をお願いして完成。(英語多数)
http://www.playtruejapan.org/disclosure/2017-tue/
オフィシャルの機関ですから、申請する事で代替治療薬とか新たな知見や情報を教えてくれるかなぁと期待しています。
選手権とは無縁ではありますが、ドーピング チェックを恐れる事なく
後ろめたい気持ちも払拭できました。
昨日、ドクターにTUE の記入を依頼したら
『日本語なら良いけど英語は自身が無い。書き方が悪いと何度もやり取りになって厄介なんだよ』と
後ろ向きな発言が。
医学部行くような方でも英語が苦手って方がいるんですね。
少しほっこりしました。
英訳は私がサポートするからと説得しました(笑)

2018/4/7ブログ

男性ホルモンの数値悪化

男性更年期障害の治療を始めて3ヶ月経過。
2回目の血液検査の結果、前回より悪化してました(+o+)
遊離テストステロンの基準値の血液1mlあたり8.5ピコグラム以上必要なところ
4.7ピコグラム(前回6.6ピコグラム)しかありません。
ホルモン補充療法が機能していないのか?
それとも激しくもないトレーニングで消耗したか?
夜中に1回目覚める以外は好調なのにどうしたもんでしょうね。
先生もこの結果には大いに疑問で検査会社に問合せてみるとのことです。
先生曰く
「本来持っているテストステロンと補充したテストステロンを別々に算出できないか」と仰っるので
代謝物であるエピテストステロンとの比率を助言しました。
外部から補充されたモノが活用されているか把握するドーピング検査の基準ですが
思わぬところで知恵が役立ちました。
治療を受けるだけでなく積極的に賢い患者になるため勉強しております。

2018/4/21ブログ

治療使用特例 TUEの壁

壁にぶち当たりました(+o+)

男性更年期障害の治療のためにホルモン補充療法を行うに際しドーピング規定に違反しないよう
TUE(治療使用特例)の申請準備を進めていました。
医師に診断書(5400円也)を書いて貰って、英訳を進めている時に申請フォームの中に
「TUEに関する医師用ガイドラインはWADAウェブサイトでMedical informationという検索語を入力すると利用できる」
との記載を見つけて調べてみました。
https://www.wada-ama.org/
男性更年期障害に関わるページ(Medical Information / Male Hypogonadism)を読んでみると
有機的病因を有する性腺機能低下症についてのみ承認すべき、機能的病因は承認すべきではないと。
分かり難い文書です。

有機的病因の例として
遺伝的異常 、発達異常 、精巣外傷、両側睾丸摘除術、精巣捻転 、睾丸炎 、放射線治療または化学療法。
先天的なものから重篤なもので治療使用特例の対象ってことです。
一方の機能的病因の例として
重度の心理的/感情的ストレス 、肥満(WHOグレードIIIまたはIV - BMI> 30) 、未治療の閉塞性睡眠時無呼吸症 、
過剰化、栄養失調/栄養欠乏、摂食障害 、オピオイド、アンドロゲン、アナボリックステロイド、GnRHアナログ、
選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)、グルココルチコイド、 プロゲスチン、エストロゲン、投薬誘発性高プロラクチン血症 、慢性全身性疾患(腎臓、肝臓、肺、心不全、真性糖尿病、 悪性腫瘍、炎症性関節疾患、HIV感染、クローン病、 遺伝性代謝記憶疾患)
に続いて
「加齢/遅発性性腺機能低下症(LOH) 」と記載あり。
ショック!

この規定がある限り、特例が認められることはないでしょう。
ドーピング規定は、オリンピックや世界選手権に出場するトップ選手を対象にしたものではないか?
そんな思いで臨んでいたのですが加齢性の症状も規定され、さらにそれが特例対象外だなんて。。。
思いなおして翌日、心を落ち着けてMedical Informationを読み直しました。
書いてあることは変わりません。でも、
仮に特例対象の病気だったとしても禁止薬物による治療をするにあたっては
執拗なほどの手続きと証明がついてまわります。(詳しくは英文のリンクをご覧下さい。2018年2月版です。)
https://www.wada-ama.org/sites/default/files/resources/files/hypogonadism_-_version_6.1_-_february_2018.pdf
フェアな競技には致し方ないところですが、
とても一般人がお金と時間をかけても手に負えないシロモノって思いました。
また、同ドキュメントには、
代替物質での治療はないこと、
治療が保留されている期間の健康への影響として、筋力低下、骨粗鬆症、 リビドーの減少、性機能不全、不妊症
とあります。
代替治療がなく、症状を放置すると将来的に健康を害するケースです。
発症した時点でIronman引退しかないんですかね?
健康体にテストステロンを注射することはフェアじゃありません。
しかし正常下限値8.5pg/mlに対し6.6pg/mlしかない私が治療せずに競うことだってフェアじゃないです。
重篤なご病気の方々と同列に論じてはいけませんが、自分もこの身体に向き合って乗り越えたいと思っています。
そんな経緯から日本アンチ・ドーピング機構に質問をしてみました。
問合せのページには、回答に1週間以上の時間を要すると注意書きがありました。
もしかしたら有効なアドバイスもらえるかもしれないと期待していますが、
失格を食らう恐れもあります。

失格食らっても死ぬわけじゃありません。
治療せずに出場して心停止や溺死が怖いです。
治療を隠して出場して失格くらうのは嫌です。

行動せずに運頼みに過ごすよりも、行動して失敗した足跡に学べば良いし、次代の誰かの為になるはず。

一筋縄ではいきませんが、そんな気持ちです。

(以下私から日本アンチ・ドーピング機構へ問合せ)
48歳のスポーツ愛好家です。今年1月にLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)と診断されました。日本泌尿器科学会/日本Men's Health医学会加盟の医院にて治療を行っていますがホルモン補充療法で3週間に一度テストステロンを筋肉注射を行いました。
6月に開催されるアイアンマンフィリピンの出場にあたりアンチドーピング規則を確認しTUEの申請を行う準備を進めていたところWADAのMedical informationの中から[Male hyporonadism]の資料を確認しました。この中で、LOH症候群は性腺機能低下の機能的原因に含まれTUEは承認されてはならないとありました。
つきましては質問が2つあります。

1.TUEが不要なLOH症候群治療法があるのか?
2.本件に関して相談、受診、治療が行える医院のご紹介
をお願いします。

このままではLOH症候群を発症した時点で全ての中年男性は大会参加が叶わなくなります。低テストステロン状態は骨粗しょう症や筋力低下に至らしめ健康を害するばかりか、自律神経を乱し運動中の心停止を誘発しかねません。何卒アドバイスを早急にいただけますようお願いいたします。

【かなーり時間が経過して返信ありました】

JADAとやり取りした結果、
Q1.TUEが不要なLOH症候群治療法があるのか?→治療法の回答はできない

Q2.TUEに関して相談、受診、治療が行える医院のご紹介→医院の紹介はできない

色々な事情があるにせよ不親切極まりない!と思いまして
言葉を追加しました。
・TUE申請を主治医に相談したが非常に不慣れ。英語も苦手、
医療方法の記載も不案内という状況。だから慣れている医院を紹介して欲しい。
・国体や日本選手権レベルのルールを一般スポーツ愛好家にも適用することは疑問である。
フェアに競うためには仕方ないことではあるが、あまりにも煩雑な手続きに閉口している。
そしたら、
TUEに慣れている医師は紹介できないが、処方した医師が
住所、氏名、薬物名を英語で記載してもらえれば
客観的な診断根拠となる医療情報と診断所見は日本語で書いてもらってもよいので
まずは申請してくださいとの提案を引き出せました(笑)
ずいぶん時間を要しましたが、前に進んでおります。
いつかどなたかがこの情報を見て役立つことを願っています。

(追記)追加資料作成中
1回目の申請は終わり追加資料を求められています。
JADAから「客観的な診断根拠となる医療情報として、病歴、診察所見や
検査結果(資料前、治療後の数値の変化がわかる結果、除外診断 等」
とのこと。
本当に面倒ですわ。

2018/4/27ブログ

練習しすぎない効果

若い頃は練習すればするだけ強くなれたように思うのですが今期は男性更年期(もしくは運動ストレス性低テストステロン症候群)を患っているため
練習ボリュームを意識的に抑えています。(特にランニング)
こんな練習量でアイアンマンを完走できるのか?

常にそんな迷いがありますが、
年齢と共にコンディションは常に変化しているので
今シーズンはお試しと意味づけています。
練習を絞る事で朝晩の2部練から
晩1回の日を減らしました。
その代わりに
集中して1回の練習に取り組むようにしました。

シーズン終了後は治療に専念し回復してから復帰します。
もしかしたら来シーズンもお試しになるかもしれません。
本日受診。前回の血液検査で数値が悪化していることから
テストステロン接種の頻度を2週間毎に詰めることになりました。
トレーニングを続けながら治療は無理があるのかもしれませんが、
この分野で前例は少なく先生も手探りのようです。
運動を控えても治るかどうか分かりませんが、
患者のために寄り添って頂けることって有難いです。

2018/5/31 ブログ

全ては実験である

2017年から本格的に使い始めたTrainingPeaks。
トレーニング効果を可視化するツールですが、
レース5日前の状態を比較してみました。

青い線(CTL)の推移に注目してください。
CTLは過去42日間のトレーニングの影響を示し
高いほど体力が高いことを意味します。
2017年はボリュームたっぷりで練習をしていましたので
青い線は高目に推移しています。
ところがレース1週間前の調整期で急激に下がっています。
2018年は年始に低テストステロン症が発覚し
ランのボリュームを抑えました。
バイクはローラーを多用し高効率の練習を行いました。
CTLのピークは低く安定しています。

体重と体脂肪率は大きく変化しました。
2017年は61.2kg、5.6%。パワーウェイトレシオは4.4w/kg。
2018年は65.2kg、7.9%。同4.1w/kg。
この数値だけ見ると現在のコンディションは劣っているようですが
除脂肪体重だと
2017年57.8kgに対し2018年は60kg。2.2kg筋肉が増えています。
食事を見直し、夕食に動物性たん白質と脂質(サバ缶)を
摂るようにした成果と考えます。
数字をごちゃごちゃ並べても、
イケる時はイケるしダメな時はダメなのが
アイアンマン(なんせ気温36℃ですから)です。
身体は絞れていなくとも現在の状態が
私の理想とするアイアンマン体型です。

2018/7/4 ブログ

男性ホルモンは回復したけれど新たな課題が

2018年1月18日より治療を開始した運動ストレス性低テストステロン症/男性更年期障害、
はじめて数値に改善が見られました。

思い起こせば、年初より
・ホルモン補充療法
・亜鉛を多く含む牡蠣の摂食
・ランを月200kmに抑える、
に取り組み、2月には変化の兆しが見えたものの・・・
(再掲)治療開始1ヶ月 変化の兆しあり
http://scribbleofbourgogne.blog.fc2.com/blog-entry-3840.html
4月の血液検査では数値が悪化。
(再掲)ショッキングな出来事 2つ
http://scribbleofbourgogne.blog.fc2.com/blog-entry-3900.html
遊離テストステロン(男性ホルモン)の基準値の血液1mlあたり
8.5ピコグラム以上必要なところ
4.7ピコグラム(前回6.6ピコグラム)しかありませんでした。
身体は快調なのに治療が機能していないのか不安でした。

そして今回、6月の血液検査で
11.7ピコグラムに上昇し

危険水域を脱した\(^o^)/・・・
と言いたいところですが、次の問題が発覚しました。
LHとFSHという数値が殆ど計測されなかったんです。
検査機関も異常値なので再検してくれて、結果は同じようでした。

■What's LH, FSH ?  LH、FSHってなんじゃらほい?

睾丸の間質細胞にテストステロン生成を指示するホルモンの一種です。
外部から補充し続けたためなのか、血中の遊離テストステロンが充足したからなのか
原因は不明ですが0.3mm未満って状況です。
体内で男性ホルモンを生成できるサイクルが確立しないと治療は完結しません。
このままじゃ、一生補充療法なの???
血液検査の結果に一喜一憂しておりますが、もう暫く補充療法を継続することになりました。
今の不安は次回の診察時にDrにお尋ねしようと思っています。
まだまだ治療は続きます(+o+)

<再掲:男性ホルモン(テストステロン)生成過程>
命令系統は、
1. 間脳・視床下部の黄体化ホルモン(LH)とFSHが分泌
2. 下垂体前葉がゴナドトロピン分泌
3. ゴナトトロピンのうち、LHが睾丸の間質細胞にコレステロールと酵素を材料にテストステロンを生成

2018/7/20 ブログ

一歩回復に前進と睡眠について

先月の血液検査で遊離テストステロン(男性ホルモン)の値が
下限値をはじめて上回りました。
今後の治療方針についてお伺いし、
補充の頻度を2週毎から、「3週間→2週間→3週間・・・」と
間隔をあけることになりました。
これで回復にむけて、また一歩前進です。o(^-^)o
さて、男性更年期障害の症状のひとつに
睡眠障害があります。
最近自分では「イイ感じ」なので、データを確認しました。

直近1週間と昨年同時期。

あれれ?違いがありません。
病気が発覚した2018年1月のデータも見たんですが有意差なし。

てっきり深い眠り(ノンレム睡眠)が増えるかと期待していましたが
データには現れませんでした。
寝る前にスマホは使わないようにして、
代わりに読書をしてから寝るようにしているんですが、
効果はなさそうですね(´・ω・`)

2018/10/6 ブログ

運動性無月経との共通点と治療打ち切りと

■治療打ち切り

年始から続けていたホルモン補充療法ですが、改善が見られず打ち切りました。
遊離テストステロン(男性ホルモン)が一時的には下限値を上回りますが、
時間を置くと低下しています。
先日4回目の血液検査の結果が出ましたが、結果は芳しくありません。
補充療法から17日の間隔をあけたのですが
フリーテストステロン4.3pg/ml(下限値8.5)
LH 、FSH共に0.3未満 mIU/mL
簡潔に説明すると男性ホルモンが不足しているのに脳(視床下部)から
製造の命令が出ていないのです。なお原因は不明です。
3回目の血液検査(前回)はホルモン補充療法の効果が現れ、テストステロンが下限値を上回りました。
一方、テストステロン分泌を促す黄体化ホルモン(LH)とFSHがほとんど検出されませんでした。
テストステロンが充足しているから分泌されないとも解釈できるのですが
迎えた今回の結果がこれ。
更に2回目の血液検査(前々回)は、男性ホルモンが不足していても
製造命令(LHとFSHの分泌)が出ていたので、事態は悪い方に向かっていると考え
治療を打ち切りました。
とりあえず10/13のコナが終わったら無期限休養して、年明け1月に血液検査をする約束をDr.にしました。
ドーピング を顧みず、治療を行いましたが完治には至らず残念です。


■運動性無月経との意外な共通点

男性には無縁の生理の話ですが、興味深い共通点を見つけました。
「女性アスリートの三主徴」で検索いただくとヒットすると思います。
https://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/column/woman/seichoki_handobook_5.pdf
競技別では、トライアスロン、陸上(長距離)、体操、フィギアスケートなど
体脂肪率が低くなる女子選手に多いそうです。
摂食するエネルギーより消費するエネルギーが過多な場合、
運動性無月経と骨粗しょう症を引き起こすという問題です。
運動によるエネルギー消費量に対して、食事などによるエネルギー摂取量が不足
した状態が続くと、卵巣を刺激する脳からのホルモン分泌(黄体形成ホルモン/ LHなど)
が低下したり、骨代謝などを含む身体の諸機能に影響を及ぼすと考えられます。
エネルギー不足がホルモン分泌を低下させるならば
男性でも同じことが言えるかもしれません。
(年間平均体脂肪率は7.86%)
食事と休養で回復の兆しすら見えないならば、
次の一手を考えます。

2018/12/3 ブログ

治療打ち切りから2ヶ月

最後にテストステロンを補充してから2ヶ月が経過しました。
コナ以降は、練習を半分以下にして

食事はたん白質、脂質、炭水化物を全てたっぷり。

それでいて直近1ヶ月の平均は63.3kg、7.44%。

肥ることも痩せることもなくキープできています。



睡眠7時間。

適度な運動、朝練休止、就寝前にkindle読書。


どれかが良かったようで夜中に目が覚める回数が減った気がします。

不調を自覚していたウォーミングアップしても心拍数が上がりにくい件ですが、

先日のNamban Nightでは苦しみながらも170bpmを超えてくれました。


心拍数グラフを見てエラー値でないことを確信。



激しく練習すると再発しかねないですが、

来年1月の血液検査にちょっと期待しています。

2019/1/27 ブログ

治っちゃいました!

血液検査の結果が返ってきました。
フリーテストステロン(男性ホルモン)は、8.5pg/ml

生活習慣の改善で下限値まで回復させることができました(゚д゚)!

■(再掲)ホルモン補充療法打ち切りの経緯

最後にホルモン補充をしたのが、9.11

17日間空けて臨んだ血液検査では、
フリーテストステロン4.3pg/ml

LH 、FSH共に0.3未満 mIU/mL

要するに補充しても男性ホルモンの数値は上がらず、

脳からも男性ホルモン製造命令が出ていない状態だったんです。


2018年1月から9か月。
取り組んだ治療に効果が見られないことから打ち切りを決意。


低テストステロン状態が長期間続くと
睡眠障害、鬱症状、筋力低下、骨粗鬆症、 リビドーの減少、性機能不全、不妊症など
日常生活並びに高齢期に支障が出るため
完治まで無期限休養を宣言しました。


■運動性無月経との意外な共通点

古くからの友人で医師でもあるX氏から興味深い話を聞いたのは無期限休養と同じタイミングでした。
氏は、「女性アスリートの三主徴」、運動性無月経と男性更年期障害は、ホルモンバランスを崩すプロセスに
共通点があるような気がすると教えてくれたのです。
ホルモンについて氏は専門外ですが、この示唆が私を大きく勇気づけてくれました。


■セルフケア

この3か月でやったことは3つです。

・睡眠重視

冬に差し掛かったこともあり、これ幸いと
朝練を止めて朝7時まで寝ることにしました。
目覚ましは今でも6:30なのですが、布団に入って過ごしています。
じっくり寝るようになってノンレム睡眠(グラフの濃い青色)が増えました。
男性更年期になると睡眠障害を起こすのですが朝寝するようになってから
大きく睡眠の質が変わりました。

・ランニングを月200kmに抑える

これは一度も達成できていないのですが、ランニングを減らすよう心がけています。
減らした分はバイクとスイムで補えると考えています。

・動物性たんぱく質の摂取

朝夕は植物性たんぱく質を摂取し、それで事足りると考えていたのですが
動物性たんぱく質を意識して摂るように変えました。
私の食事は『エサ』のレベルです。
栄養素中心で考え、”脳で食べている”とすら思います。

朝食は、毎日
パン2枚(チーズ、ハチミツを塗る)
バナナ
ゆで卵
ヤクルト
ホットココア
に固定しています。

夕食は、毎日
おかゆ(スープポッドに無洗米入れて1時間放置)
冷凍牡蠣 大2個
木綿豆腐 3個パックのうち1パック
納豆
サバ缶
の固定です。

これで繊維質、亜鉛、たんぱく質、必須脂肪酸はクリアできます。
ミネラルと脂肪酸は冷凍や加熱で変化しない(しにくい?)ので
保存性の良い冷凍と缶詰を利用しています。

・練習を抑える

ランニングの走行距離は抑えることができませんが、
練習の総量はピークの半分にとどめています。
シーズン中のリカバリー週を目安に週間480TSSでコントロールしています。

・レースの後は3か月休養する
マラソンでも言えることですが、山を高くするには谷を深くする必要があります。
メインレースが終わったら3か月の休養を挟み、身体をリセットすることは
以前から言われていたことですが、あらためて重要性を再認識しました。


どれが効果的だったのか、もしくは相乗効果だったのかもしれませんが
薬を使っても治せなかった症状をセルフケアで改善できたことは
非常に幸運だったと思います。

シーズンインして激しく練習をすれば、また数値は悪化するかもしれません。
今年はしっかり休養を挟みつつ、ウォーミングアップをしても
心拍数が上がらないような症状が出たら再度血液検査を受けようと考えています。

なにはともあれ、2019年もIRONMANに挑戦することにしました。