札幌ボルトリペア

雑記 私見のページです

ご相談頂いた中でも残念ながらお力になれなかったケースがあります。
折れたボルトを抜く時に赤くなるまであぶってやる方法がありますが
鉄のボルトが赤くなる時の温度は800度以上です。たいしてエンジンのシリンダーヘッドのアルミは
比較的熱に強いものがつかわれてはいますが800度以上では溶けてしまいます。
手をかける前にお気軽にご相談いただければと思います


スバル用のブレンボキャリパー、修理のお問い合わせをいただいた事例です。
ネジ穴をリコイル的なもので修理してあるようですがネジ穴が斜めに開いていているのでボルトが傾いてしまい、
車体に取り付けられないというご相談です。ご相談者様はこのキャリパーをネットオークションでかなりの高額で手に入れられたとの事。
このような酷い修理とすらいえないデタラメなものがあるのがネットオークションの怖いところです
これは修理のしようがありませんでした、位置ずれを直したネジ穴は作れますが、強度が担保できません

※右側に見えるブラケットのネジ穴が中心からずれて加工されています。









以前、修理のご相談を受けたものです。これはホンダのカブなどのヘッドらしいのですが
エキマニのスタッドボルトが折れたためにオーナー様が修理を試みたものだそうです
ボルト外周部にはヘッド側にまたがるように3つの穴があけられ、折れたボルトのセンターからずれたところに
穴があけられ、逆タップ(エキストラクター)が折れこんでいます。

ネット上には折れたボルトの取り方を解説したページがたくさんありますが、その多くはモノを売るための宣伝であったり
実際に作業していない人間の書いたものに感じられます。
お仕事でこういった修理をされている方のページもありますが本当に重要なところはあえて記述されていませんね。
飯の種ですから手の内を明かす人はいませんよ。
それを素直に信じて修理を試みた方がこういう結果になってしまうのは非常にお気の毒に思います。
困っておられる方が気軽に利用していただけるよう、当方もできるだけ安価に、かつ高精度の修理を提供できればと考えています
修理にかかる銭が惜しいというお気持ちも十分わかります、かかる予定のない出費ですからね。
その辺はご相談いただければなんとか致します。銭を惜しんでモノをダメにしてしまうのはもったいないです



他の業者でオイルパンのネジ穴修理をしてもらったものの、オイル漏れするので見て欲しいとのご依頼でした
ネジ穴を見るとリコイル、ヘリサートの類の金具が入っていますので、修理されているのは間違いないのですが
金具がおかしいですね,奥のほうで遊んでいるのがわかります。ドレンボルトを視認しやすいようにガスケット無しで差してみます
ネジ穴が垂直に修理できていないのでボルトが斜めになって、片側だけオイルパンの座面に接する状態です
隙間ができているのが見てわかると思います。これではガスケットを入れていてもオイル漏れするのは当然です。
どこの業者かは見当がつきますが、ちょっと酷いですね。



ネジ穴ナンバー3
これはゴルフ場の芝を整備する機械のエンジンだそうです。係りの方がマフラーのボルト折れを直そうとしてこうなったとの事。
ドリルで穴があけられていますが、穴は折れたボルトから外れて斜めに空いて、空冷フィンの裏に貫通しています。
正直ここまでメチャクチャだと手の打ちようがないのですが、出来る範囲で修理を試みてみます









まずは折れ残ったボルト先端を除去するためにボルトの中心に穴をあけていきます
折れたボルトが除去できました。ボルトを抜いた穴と、誤って開けられていた穴です。これではネジ穴の作りようがないのですが

とりあえず「金属のように固まる」といううたい文句のただの耐熱エポキシパテを盛ってみます
普段の自分の修理仕事では不確実なケミカル的な補修材は使いません。
「金属のように固まった」ところでネジ穴補修金具が入るネジ穴を加工します。今回のような場合はインサートコイルでは持たないので
エンザートという鉄のパイプの内外にネジの切ってあるものを使っています

スタッドボルトの代わりに、柔らかい寸切りボルトを使ってもらうようにします。