2025年1月18日・19日に大学入試共通テストが行われました。これを皮切りにいよいよ受験シーズン
が本格スタートするわけですが, 今回は共通テストの数学と物理を解いてみた感想をみなさんにご紹介し
たいと思います。
まずは「数学ⅠA」から:
[数学ⅠA]
○第一問([1]数学Ⅰ:2 次方程式 [2]数学Ⅰ:図形の計量)
[1]全部簡単。5 分で終わらせたい。
[2]変に考えず, 問題文の誘導に乗ることが大事。
○第二問([1]数学Ⅰ:2 次関数 [2]数学Ⅰ:データの分析)
[1]相当易しい。
[2]易しい。仮説検定の問題が出題されたが, 知らなくても解ける。
○第三問(数学A:幾何)
易しいが, 中学時代に (ねじれ)≠(垂直) と習った人は最後の設問を間違えたかもしれない。
○第四問(数学A:確率)
主に期待値の計算。簡単。
(総評)
昨年よりも易しい。算数色の強い問題が多かった。昨年は良い出題だったが, 今年は残念な出題が多か
った。受験生は文章量対策さえ押さえておけば問題ないであろう。
高 1 生で 60 点, 高 2 生は 70 点がそれぞれ目標。
[数学ⅡB]
○第一問(数学Ⅱ:三角関数)
典型問題。
○第二問(数学Ⅱ:常用対数)
出題に工夫の跡がみられるが, まあ簡単である。
○第三問(数学Ⅱ:微分積分)
基本しか問うてない。導関数が同じなので, F と G は同じ極値点をもち, 定数分しか違わないことに注
意しよう。
○第四問(数学B:数列[選択問題]
ずっと続いていた漸化式からの出題がなかった。Σ に関するただの計算問題で, すこぶる簡単。
○第五問(数学B:統計的な推測[選択問題]
基本問題。教科書を読むだけだ対応できる。
○第六問(数学C:ベクトル)[選択問題]
誘導に乗るだけ。考える所なし。
○第七問(数学C:複素数平面)[選択問題]
手の運動。考える所なし。
(総評)
非常に解きやすく, 簡単だった昨年よりも更に簡単であった。この難易度であれば対策などまったく不
要。90 点以下はハッキリ失敗。現高 2 生でも 80 点は取りたい。
[物理]
○第一問(各単元からの基本問題)
基本がしっかりできていれば問題ないが, 逆に基本が疎かだといくつか間違えるだろう
○第二問(単振り子)
決して難しいわけではないが, 背景にある数式まで含めて問うており, 良い問題だと思う。
○第三問
(A:気体の状態方程式, 内部エネルギー)
これは簡単であろう。
(B:波の重ね合わせ)
最後の設問は良い問題だと思うが, 実質的には 3 択問題(最初の答えは 0.50s 以外ありえない)。冷静に
考えれば |AP-BP| も正解できるだろう。
○第四問(電場・電位)
非常にオススメできる問題。物理は数学との結びつきが非常に強い科目なので, 可能なかぎり背景にあ
る数学まで含めて理解しておくことが望ましい。そしてそこまでの知識があれば, 容易に正解できるだろ
う。
(総評)
今回は良問ぞろいで非常に良い出題であった(昨年は物理以前の常識だけで正解できる問題が多く, ひど
かった)。付け焼き刃的な学習では, せいぜい 6 割ほどしか得点できなかったと思う。なぜそうなるのか,
まで含めた基本をしっかり身に付けることが非常に大切。背景にある数学まで知っておくとなお良い。