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2024年度共通テスト数学/物理を解いてみた

 2024年1月13日・14日に大学入試共通テストが行われました。これを皮切りにいよいよ受験シーズン
が本格スタートするわけですが, 今回は共通テストの数学と物理を解いてみた感想をみなさんにご紹介し
たいと思います。
 まずは「数学ⅠA」から:

 [数学ⅠA]
 ○第一問([1]数学Ⅰ:根号を含む計算 [2]数学Ⅰ:図形の計量)
 [1]誘導に従って計算するのみ。5 分で終わらせたい。
 [2]易しい(中学レベル)。余計な日本語は相手にしないこと。
 ○第二問([1]数学Ⅰ:2 次関数 [2]数学Ⅰ:データの分析)
 [1]ベクトルの知識があれば △PBQ の面積は直接計算できる。3 秒を境に式が変わる。簡単にグラフを
 書いて, 動きを視覚的に捉えると間違えにくい。
 [2]易しいが, (記録がよい)=(タイムが短い) であることに注意しよう。
 ○第三問(数学A:確率)[選択問題]
 共通テストとしては標準的な難易度。カードの枚数や試行回数が増えると, 数が大きくなり間違えやす
 くなるいる。慎重に解いていこう。
 ○第四問(数学A:整数)[選択問題]
 分量が少なく処理しやすい。選択問題の中では一番解きやすいが良問。オススメ問題。
 ○第五問(数学A:平面図形)[選択問題]
 メネラウスの定理と方べきの定理だけの問題で難しくはないが, たくさんの線分が出てくるので状況把
 握は慎重に!
 (総評)
  よく調整された良い出題だったと思う。特に第四問の整数問題はオススメできる。平均も 50 点台前
 半で, 出題者サイドの狙いとも合致していたのではなかろうか。今後もこの難易度の出題が続くものと
 思われる。高 1 生で 60 点, 高 2 生は 70 点がそれぞれ目標。

 [数学ⅡB]
 ○第一問([1]数学Ⅱ:対数関数 [2]数学Ⅱ:多項式)
 [1]基本中の基本の問題で, 何ら難しいところはない。
 [2]共通テストでこの範囲からの出題はめずらしいが, 問題は易しすぎる。
 ○第二問(数学Ⅱ:微分積分)
 極力初見の問題となるような努力の跡がうかがえる。3 次曲線が変曲点に関し点対称であることは常識
 であろう。易しい。
 ○第四問(数学B:漸化式)[選択問題]
 あまり見ない出題だが, ヒントが書かれているので問題ないであろう。
 ○第五問(数学B:空間のベクトル)[選択問題]
 頻出問題だし相当易しい。5 分あれば十分だろう。
 (総評)
  昨年度がかなり易しかった(おそらく過去最易)ので今年度は難しくなると予想したが, 大して変わらな
 かった。来年度以降もこの難易度が続くのであれば, 数学ⅡBに関しては共通テスト対策は不要であろう
 。高 2 生は 80 点が及第点ライン。

 [物理]

 ○第一問(小問集合)
 各分野から出題されているが, 問 2, 問 3, 問 5 は一般常識で分かるだろう。
 ○第二問(仕事・運動量保存)
 難しいわけではないが, 与えられた仮定から立式して答えを出す必要があり, 公式暗記のような勉強法だ
 と対応が難しかったのではなかろうか。良い問題だと思う。
 ○第三問(弦を伝わる波)
 一般常識で分かる問題ばかりで, さすがに易しすぎるのではなかろうか。最後の問 4 は中学生でも正解
 できる。
 ○第四問(電場・電位)
 これも易しい。10 分も掛からないだろう。
 (総評)
  4 回目の共通テストとなるが, 物理は今回が一番易しい出題であった。基本からの出題は仕方ないが
 一般常識で分かるような問題は不要であろう。ここまで易しいと, 悪くても 90 点はないと不満。できた
 ら満点を取りたいところだ。

2024年01月29日

2024年度東大入試数学を解いてみた(理科・文科)

 2024年度東大入試数学(理科・文科)を解いてみましたので, その感想をご紹介いたします。まずは理科
から。

[理科(試験時間150分)]
○第一問(数学Ⅱ:領域 数学C:ベクトルのなす角, 楕円)
難易度B(標準)
多少計算が面倒だが全く難しくない。これは確実に取ること。
○第二問(数学Ⅲ:定積分の計算, 関数の最大最小)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)    (3)難易度B(標準)
f(x) が簡単に計算できるので難しいはずがない。時間もかからない。オススメ問題。
○第三問(数学A:確率 数学B:漸化式)
(1)難易度C(やや易)   (2)難易度B(標準)   (3)難易度S(難問)
(3) は色々勘違いしやすく正解しにくい。
○第四問(数学Ⅱ:円と放物線の共通接線, 4 次関数)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)
方針は簡単に立つが計算がやたらと面倒。問題としてはかなりツマらない。
○第五問(数学Ⅲ:回転体の体積)
難易度B(標準)
これは典型問題。場合分けも一回で済むし計算も楽。この単元の初学者にはオススメできる問題。
○第六問(数学A:整数)
(1)難易度C(やや易)   (2)難易度SS(捨て問題)
(2) を試験時間内に解決するのは無理だろう。
[文科(試験時間100分)]
○第一問(数学Ⅱ:接線, 面積)
(1)難易度B   (2)難易度D(基本)   (3)難易度A(やや難)
(3) は理系なら全く問題ないのだが, 文系ならどうであろうか。s=tanφ (0<φ<π/4) とおくと根号が外
れて解きやすくなるのだが…。
○第二問(数学Ⅱ:常用対数)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度S(難問)
m=27 or m=28 であることはすぐに分かるが, m=27 のときの可否の判断が悩ましい。良問だが文系用
としては難しい。
○第三問(数学Ⅱ:座標平面)
(1)難易度A(やや難)   (2)難易度D(基本)   (3)難易度B(標準)
条件 (ii) から得られる図形的特徴をうまく使って処理したい(二等辺三角形を作るのがよい)。力任せにや
ると複雑な計算になる。
○第四問(数学A:確率)
難易度S(難問)
余事象の確率を計算すればよいが, 文系には厳しいか。
[総評・対策]
 (理科)ここ最近では一番易しい試験だった。まず第一問はハッキリ易しいし, 第二問, 第五問も東大レベ
ルの受験生なら全く問題ない。第三問(1), (2), 第六問(1) も易しい。ここまでは確実に取ること。第四問
は決して難度の高い問題ではないが, 計算がやたらと面倒。この第四問でどこまで点を取れたかが, 一つ
ポイントになったであろう。
 (対策)今年はたまたま易しかったが, 例外と考えて対策しよう。まずはできるだけ早く基本を仕上げるこ
と。大数の新数学演習レベルには高 3 の一学期の時点で達しておきたい。残りの時間は, 東大の過去問や
大学一年レベルのテキストを使って, 思考力を徹底的に鍛える勉強に当てたい。
 (文科)難しすぎて試験にならない(理科の数学よりも難しい)。部分点をかき集めて半分取れたら大成功

 (対策)今年のような出題をされたら文系はひとたまりもない(難しすぎて差が付かない)。ただ易しい年
も少なくないので, まずは基本の徹底を図ろう。その後はハイレベルな問題集を使って実践力を養ってい
くとよいが, 特に数学 A の範囲は力を入れて取り組みたい。整数・確率の分野は相当難しい問題に当たっ
てもよいだろう。

2024年04月15日

2024年度京大入試数学を解いてみた(理系・文系)

 2024年度京大入試数学(理系・文系)を解いてみましたので, その感想をご紹介いたします。まずは理
系から。

[理系(試験時間150分)]

○第一問(数学A:場合の数と確率 数学Ⅲ:数列の極限)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)
これは簡単であろう。落とせない
○第二問(数学Ⅱ:軌跡と領域 数学C:複素数平面)
難易度B(標準)
普通の問題なのでテキパキと処理したい。ただ, この単元の標準問題としては非常にオススメできるので,
ぜひチェックしてもらいたい。
○第三問(数学C:空間における直線の方程式)
難易度A(やや難)
特に難しいところはないが, 基礎力と論証力の両方を問う良い問題だと思う。オススメ問題。
○第四問(数学A:整数)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)
これは簡単。確実に取りたい。
○第五問(数学Ⅲ:定積分の計算, 関数の極限)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)
40 点問題で高配点だが, ただの計算問題。多少タフではあるが, 確実に得点したい。
○第六問(数学Ⅱ:常用対数 数学Ⅲ:ハサミウチ)
難易度A(やや難)
常用対数をとった後が問題。極限を問うているので, ガウス記号を使いながらハサミウチで攻めていこう
。オススメ問題。

[文系(試験時間120分)]
○第一問(数学Ⅰ:図形の計量)
難易度B(標準)
OA=OB=OC=1 なので, O から △ABC に下ろした垂線の足 H は △ABC の外心となるりあえず
∠COA=∠COB=∠ACB=θ とおいて, △ABC の面積及び高さ OH を θ を用いて表してみよう。あとは,
△OBC ∽ △CAB を利用すれば cosθ が分かるので解決する。オススメ問題。
○第二問(数学A:場合の数と確率)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)
これは簡単であろう。
○第三問(数学Ⅰ:関数の最大)
難易度B(標準)
とりあえず関数 f のグラフを書いてみよう。さすれば, どう場合分けをすればよいか分かってくるだろう。
○第四問(数学Ⅱ:常用対数)
難易度B(標準)
基本問題。桁さえ分かればよい。答えは 2^30ー1 という書き方でよいだろう。
○第五問(数学Ⅰ:2 次方程式 数学Ⅱ:面積)
難易度B(標準)
本問が一番易しい。典型問題なので, 方針も立てやすいだろう。

[総評・対策]
 (理系)難易度は例年と同程度か, やや難といったところか。簡単な問題はないが, かと言って難しい問題
もなかった。力のある受験生なら高得点を出せるが, そうでない受験生は得点を見込めないといった, ある
意味入試問題としてよく機能した出題だったと思う。また良問も多く, どの問題もオススメできる。積極
的にトライしてもらいたい。
 (対策)まずは基本の徹底を図ろう。今年の問題に関していえば, 基本から大きく外れた問題は一問もなか
った。特に青チャートレベルの標準問題はすべて常識にしておくこと。その上で難し目の問題に多く当た
って, 思考力・論証力を養っていこう。この大学は出題傾向が毎年似通っているので, 過去問演習はオスス
メ。少なくとも直近 5 年分は解いておくように!
 (文系)どれも普通の問題だと思うが, ハッキリ典型問題といえるのは第五問のみなので, 力のない受験生
は苦戦したと思う。その意味では例年よりやや難し目の出題だったが, 文系受験者にはオススメできる問
題が多かった。積極的にトライしてもらいたい。
 (対策)まずは基本の徹底を図ること。基本から大きく外れた出題はされないので, 青チャート辺りの標準
問題集を徹底して練習するやり方がオススメ。力のある受験生なら満点も可能なので, できるだけ数学で
点数を稼げるよう準備したい。

2024年03月18日

2024年度阪大入試数学を解いてみた(理系・文系)

 2024年度阪大入試数学(理系・文系)を解いてみましたので, その感想をご紹介いたします。まずは理系
から。

[理(試験時間150分)]
○第一問(数学Ⅲ:数列の極限)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度A(やや難)   (3)難易度B(標準)
(2) はハサミウチで評価するのだが, その点が少し難しいかもしれない。
○第二問(数学C:複素数平面)
(1)難易度S(難問)   (2)難易度A(やや難)
A=f(1)ー3, B=f(i)ー1 と置いて f(1+i) を A, B を用いて表す(|A|≦1, |B|≦3 となるので, 状況把握がし
やすくなる)。それ以外の方法ではうまくいかないであろう。
○第三問(数学A:空間図形)
難易度A(やや難)
ベクトルを用いて計算で示す方法もあるが, 初等的に示してもよいであろう。なお計算で示すなら, 直線の
一方を x=y=0 などとして計算が楽になるように設定しよう。
○第四問(数学Ⅲ:回転体の体積)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)
ただの計算問題で簡単。他の問題の難易度を考えれば, この問題は落とせない。
○第五問(数学A:整数)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度A(やや難)
(1) は確実に取ること。(2) については, 素数 p≧3 に対し pー1 は偶数であることに注意すれば何とかな
ると思うが, 完答には時間を要する。

[文系(試験時間90分)]
○第一問(数学Ⅱ:面積)
(1)難易度D(標準)   (2)難易度B(標準)
ただ計算するだけだが, 文系用ならちょうどよい難易度であろう。
○第二問(数学C:空間における直線の方程式)
難易度B(標準)
理系の第三問を簡易化した形の出題。本問は連立方程式の解がただ一つであることを主張してもよいだろ
う。
○第三問(数学B:帰納法)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度B(標準)
P_n の意味を考えれば簡単に解決する。

[総評・対策]
 (理系)今年はここ最近では一番難しい出題だったと思う。ハッキリ易しいといえる問題は第四問のみで
残りはどれも容易でない。得点率 50% でもそんなに悪い出来ではないと思う。6 割以上なら十分であろ
ろう。
 (対策)年によって難易にバラつきがあるが, 今年のような出題の年もあるので, そのつもりで準備したい
。まずは青チャートレベルの基礎固めをできるだけ早く終えることを(理想は高2終了時まで)。その上で
レベルの高い問題集(大数の新数学演習など)に当たりたい。安易に答えに頼らず, 粘りずよく考えること
が大切である。勉強量も大事だが, 勉強の質も重視したい。
 (文系)毎年大したことはないが, 今年は難しい方だったと思う。まず第一問, 第三問は確実に取りたい。
この 2 問で得点率 65% に達するので, 十分に及第点。第二問も特に難しくはないので, できればこれも取
りたいところだ。
 (対策)まず 4STEP や青チャートを使って基本の徹底を図ること。これだけで十分合格点に達すると思う
が, 今年のように典型問題があまり出題されない年もある。余力があれば, 更にレベルの高い問題集を使っ
て思考力を鍛えるのもアリだろう。

2024年04月01日

2024年度神戸大入試数学を解いてみた(理系・文系)

 2024年度神戸大入試数学(理系・文系)を解いてみましたので, その感想をご紹介いたします。まずは理
系から。

[理系(試験時間120分)]
○第一問(数学B:漸化式 数学Ⅲ:関数の増減)
(1)難易度D(基本)    (2)難易度D(基本)   (3)難易度D(基本)
全部基本問題。
○第二問(数学Ⅰ:2 次式の判別式 Ⅱ:軌跡)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度D(基本)   (3)難易度D(基本)

文系との共通問題。文系用としても易しすぎる。
○第三問(数学A:場合の数と確率)
(1)難易度C(やや易)   (2)難易度C(やや易)   (3)難易度B(標準)
(1) と (2) は中学生でも解けるだろう。(3) は数え漏れに注意。
○第四問(数学Ⅲ:回転体の体積)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)   (3)難易度B(標準)
普通の問題。確実に得点したい。
○第五問(数学Ⅲ:不定積分, 面積)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度A(やや難)
(1) は易しいが (2) は少し難しい。逆三角関数を知っていれば問題ないと思うが, 知らないと厳しいか。

[文系(試験時間80分)]
○第一問(数学Ⅱ:微分 数学B:漸化式)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度D(基本)   (3)難易度D(基本)   (4)難易度D(基本)
(5)難易度D(基本)
簡単すぎ。瞬殺。
○第二問(数学A:場合の数と確率)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度C(やや易)    (3)難易度B(標準)
理系との類似問題。めちゃくちゃ簡単だが, (3) は数え漏れに注意しよう。
○第三問(数学Ⅰ:2 次式の判別式 数学Ⅱ:軌跡)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度D(基本)   (3)難易度D(基本)
理系との共通問題だが, 簡単すぎる。

[総評・対策]
 (理系)毎年当たり障りのない出題で, 今年も第五問の (2) 以外はすべて簡単だった。
 (対策)青チャートなどの標準レベルの問題を数多くやり込む勉強方法がよい。
 (文系)毎年簡単だが, 今年は特に簡単であった。基本問題のオンパレードで, 完答に 30 分もかからない
。いくら文系といえども満点必須の試験で, ここで失点しているようでは合格はおぼつかないであろう。
 (対策)教科書及びその傍用問題集を繰り返し解いて基礎を身に付ければ, それで十分。あとは試験前に
仕上げとして赤本を解けばよい。満点を取るつもりで対策しよう。

2024年03月15日

2023年度大阪公立大入試数学を解いてみた(理系・文系)

 2023年度大阪公立大入試数学(理系・文系)を解いてみましたので, その感想をご紹介いたします。まず
ずは理系から。

[理系(試験時間120分)]
○第一問(数学A:確率)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度B(標準)   (3)難易度A(やや難)
(1), (2) は易しいだろう。(3) は, B が最後にパーで負けたのが k 試合目であるとして, 排反に分けて計算
しよう。k=0 のときだけ他と計算が違うので注意。オススメ問題。
○第二問(数学Ⅲ:複素数平面)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度D(基本)    (3)難易度D(基本)   (4)難易度C(やや易)
これは基本問題。
○第三問(数学Ⅲ:部分積分, 積分の評価, 数列の極限)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度B(標準)   (3)難易度B(標準)
色んな問題集にありそうなポピュラーな問題。確実に取りたい。
○第四問(数学A:C の性質, 整数 数学B:帰納法)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度C(やや易)   (3)難易度B(標準)   (4)難易度D(基本)
(5)難易度A(やや難)
(1)~(3) は超の付く有名問題で, (4) は易しい。なのでここまでは取りたい。(5) は
(2n+1)^2≡2 (mod p) が見えれば出来るだろう。オススメ問題。

[文系(試験時間90分)]
○第一問(数学A:確率 数学Ⅱ:4 次関数)
(1)難易度C(やや易)   (2)難易度B(標準)   (3)難易度B(標準)
普通の問題だが, 文系なら割と差が付いたのではないか。
○第二問(数学A:整数 数学B:帰納法)
(1)難易度D(基本)   (2)難易度C(やや易)   (3)難易度C(やや易)   (4)難易度B(標準)
(4) は b_n が奇数であることを示せばよい。本問も実力差が出やすかったと思う。
○第三問(数学A:整数)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)   (3)難易度C(やや易)
理系ならすぐに複素数の利用が思い付くので難しくないが, 文系受験者はどうであろうか。偏角に着目
出来なければ苦しいだろう。
○第四問(数学Ⅰ:2 次関数の最大最小)
(1)難易度B(標準)   (2)難易度B(標準)    (3)難易度B(標準)
場合に分けて 2 次関数の最大最小を調べる典型問題。これはしっかり解き切りたい。文系受験者にはオス
スメできる問題。

[総評・対策]
 (理系)伝統的には数学Ⅲの比重が大きいのだが, 今年はそうでもなかった。第一問 (3) と第四問 (5) は
公立大受験者にはややタフか。しかし残りの問題はどれも取りやすく, これらでしっかり得点出来れば,
数学は合格点であろう。
 (対策)難し目の問題もなくはないが, 大半が標準問題で, 基本を問う問題も少なくない(第二問など)。
なので,まずはこれらにフォーカスして対策すること。青チャートレベルが余裕なら, 公立大の数学は大
丈夫であろう。
 (文系)この大学の文系数学は, 伝統的にそこそこタフで, 今年もそれなりの難易度であった。文系数学に
ありがちな易しすぎる問題が一問もなく, 数学があまり得意でない受験者は, 3 割も取れなかったと思う。
 (対策)この大学は, 文系受験者にも割としっかりした数学力を求めてくる。数学が苦手な学生は苦しい
だろう。まず高 2 終了時までには, 青チャートレベルを一通り学習し終えておきたい。その上で, 理系向
きのややタフな問題集にも積極的に当たっていきたい。難問は出ないので, 難しすぎる問題に手を出す必
要はないが, じっくりと考える習慣は絶対必要。関西限定の文系数学なら, この大学が一番難しい。

2023年04月16日

2024年度京大物理解いてみた

 京大の理科は 2 科目 180 分 で長丁場の試験ですが, 問題文が長く時間が足りないなど, 独特の難しさが
あります。今年は物理だけ解いてみましたので, 以下にその感想・対策を述べていきます。

物理問題Ⅰ(単振動)
難易度A(やや難)
誘導に乗って計算していけばよいが, ハードである。完答は容易でないが, 問題としてはオススメできる。

物理問題Ⅱ(ローレンツ力)
難易度B(標準)
問題Ⅰよりはやりやすいが, 最後の図示は難しい。

物理問題Ⅲ(光の反射)
難易度B
本問が一番解きやすい。誘導が非常に丁寧である。ただし, 所々ミスを犯しやすい箇所が点在しているの
で, 慎重に処理したい。

[総評・対策]
昨年よりは難化したと思うが, 問題Ⅱ・問題Ⅲは比較的解きやすいので, ここで点数を稼ぎたい。ただし時
間がカツカツなので, テキパキと処理しなくてはならない(ここが難しい)。70 点以上あれば上出来だと思
うが, 60 点は絶対欲しい。
(対策)結果や公式を覚えて, それを当てはめる勉強だけでは全く歯が立たない(基本練習としては勿論必要
だが)。できる限り数学を使って, 問題の背景に迫る練習をしておきたい。また, いわゆる典型問題とい
れる出題は少ない。普段から大学一年レベルの物理・化学のテキストに触れて, 読解力・思考力を訓練し
ておきたい。

2024年03月28日