LEDを使ったマジック・アイの製作(その2) 


 5球スーパーなどラジオの修理をやっていると、光らないあるいは輝度の落ちたマジックアイをよく目にします。これはマジックアイが他の真空管に比べて寿命が数百時間程度と大変短い事が原因です。また現在、新品のマジックアイは大変貴重で入手が難しくなってきています。オークションで入手できるマジックアイは6E5C(ST管タイプではなくGT管タイプ)でそのままではマジックアイのソケットに差し込めません。(変換コネクターが必要となりますが、そもそもUZプラグがもう入手は不可能です。)そこで、代表的なマジックアイEZ−6E5等にそのまま差し替えが出来、寿命が半永久的なLED式の半導体式のソリッドステート・マジックアイ)を作ってみました。 丁度10個のLEDを点灯できるレベルメーターIC TA7612AP (オーディオなどの出力を表示することができもの)を入手することができたので、そのままEZ−6E5と差し替えることができるようにEZ−6E5とほぼ同じ大きさにしました。
 今回は前回製作したLEDを使ったマジックアイ製作(その1)の経験を踏まえ@製造原価をできるだけ安くする。A外観もより真空管マジックアイに近づける。B前回のマジックアイは35mmフィルムケースに格納したので、真空管マジックアイよりも2ミリほど太く、そのまま取付金具に差し込むことができませんでした。(金具を少し広げる必要があった。)今回は金具にそのまま差し込める太さにする。などの改良を施すことにしました。
 製造原価については@使用したLEDはハムショップから1個10円ほど(通常30円前後)で提供していただきました。(200円の節約)A使用した抵抗類は1本当たり4円の精度の若干低いものを使用しました。(100円の節約)Bプリント基板は大きいプリント基板から切り出し加工しました。(200円の節約)C感度調整用ボリュームは多段階調整ができるものを使用しましたが、普通のボリュームであればさらに200円程度節約できると思います。
 従って前回部品代で約2,500円のものが今回は2,000円程度で仕上げることができました。
なお、このLEDマジックアイはその1に引き続き「なんちゃってマジックアイ(R)」開発プロジェクト
さんの記事を参考にし制作しました。
 

写真をクリックすると大きくなります。

回路図
 電源は、ヒーター電源を負側に半波整流して得ています。ヒーター極の接地側が1ピンか6ピンか決まっていないので、ダイオードブリッジを使います。
使用したLEDは丁度10個のLEDを点灯しオーディオなどの出力を表示することができるできるレベルメーターIC TA7612AP使用しました。TA7612APは製造中止になっておりますがインターネットショップで今でも入手可能です。OPアンプは製造販売されています。
また、感度調整用は10KΩのボリュームで行い、信号強度が弱い所でもマジックアイの閉じ具合調整(LEDが全て点灯)ができるようにしています。

部品1
@プリント基板はLED基板部分と、部品配線基板部分とそれぞれ1枚の基板から切り出し加工しました。
A外部筐体には潟Gーゼット P010用 白Sノズル オーバ-キャップ を一つのマジックアイに2個接続し使用しました。
B真空管マジックアイのように光らせるために、35mmフィルムケースの底部分、2mmアクリル板を円形に切り出し400番サンドペーパーを掛けたもの、パソコン用透明用紙に黄色をプリントしたものを組み合わせて使用しました。LEDの1個1個の点灯が目立たなくなります。
C感度調整用ボリュームは多回転のものでなく普通のボリュームでも問題ないと思います。多回転のもは結構価格が高いですね。(1個300〜500円もします)
DUZソケットのオスは現在入手はほとんど不可能です。運がよければ古い真空管ラジオの外部入出力に差込まれていたりしますので、これを流用するか、または真空管からソケット部分を取り外すより他はありません。

LED
@本来使用するLED(緑)は左側のLEDの方がベターです。光が全体的に広がります。(マジックアイの場合は個々のLEDの点灯が分からない方が都合が良い。)
A右側のLEDは豆電球のように光源が直接見えます。
B今回は、某ハムショップ長期在庫のLEDを安価に入手した関係で右側のLEDを使用しましたが、新たに入手する場合は左側のLEDをお勧めします。

基板作成
LEDはシーケンスに点灯するのではなく、互い違い点灯するように配線すると、マジックアイの閉じる感じが良く出ます。
@使用部品は精度よりも価格を重視し近所の部品ショップから入手しました。
ALED部プリント基板は写真のように1mmスズメッキ線で固定します。
Bソケット部も同様にスズメッキ線で固定します。ソケット部分にはケースを通して(ケースの底に鈴メッキ線を通す穴を開けて)ハンダ付けします。
C感度調整用ボリュームは多回転のものでなく普通のボリュームでも問題ありません。普通のボリュームは正方形なので若干プリント基板からはみ出してしまいますが問題はありません。
Dケースに入れたアクリル板のズレ防止にスペーサーをいれました。

マジックアイの光り具合
@同調すると全体が光ります。
A同調がずれると同調具合により光る幅が序所に少なくなります。
B信号が全く無い場合でも常時点灯するLEDを1個センターにセットしました。
C全体的に光る別のLEDを使用すればもっと全体的に1個1個の点灯がぼけて見えると思います。
Dそれでも、前回作ったものよりはより真空管マジックアイに近づいたと思っております。

マジックアイをラジオにセット
@真空管式マジックアイにかなり近づいたと思います。
A今回のマジックアイは真空管式マジックアイよりも1cmほど長くなってしまいましたが収めたケースのヘソ部分をカットすればほぼ同じ長さになります。
B前回作成のマジックアイは真空管式マジックアイとほぼ同じ長さでしたが、若干胴廻りが太く、また中のプリント基板が見えませんでした。(35mmフィルムケース使用)

アクリルケース
使用版

使用していたオーバ-キャップの入手ができなくなったのでケースをアクリルパイプに変更しました。
@アクリルパイプは外径30mm、肉厚2mm、長さ1000mmのものをカットして使用しました。
Aパイプを真直ぐに切るのは結構難しいものです。
 寸法にあわせカットする部分にテープを巻きつけふちに合わせてカットします。このとき添え木などで固定しパイプを少しずつ回すようにして金鋸でカットいます。
 切断面はヤスリなどで綺麗に整えます。紙やすりをテーブルに敷きカット面を磨くと綺麗に仕上がります。
Bマジックアイ正面パネルは2mmアクリル板をくりぬき作成しました。
Cパネル面やソケットは透明接着テープで固定しております。
Dそれにしてもアクリルパイプは何故こんなに高いのでしょうか。製作原価がなかなか2000円を切りませんね。
E左端がアクリルバージョンです。

LM3915を使用したLEDマジックアイ
@レベルメータ用IC TA7612APの入手が難しくなっています。
AそこでLM3915を使用したLEDマジックアイを作ってみました。
 LEDの表示の仕方がなんとなく直線的です。 
BTA7612APと似た動作をするのはLM3914の方が良いかもしれません。

LEDを使ったマジック・アイの制作(その3)を別のページに掲載しました。


下のイラストをクリックするとそのページを表示します。


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