質問への回答(ツイッター編ver.01)

質問内容:焼売に使う香辛料と練り具合は三代目のオリジナルなのか。

1.香辛料について

 海員閣の焼売に使う香辛料(薬味含む)は、【長ネギ】・【コショウ】・【ごま油】になります。海員閣のレシピでは香辛料の分量が挽肉何kgに対して何gという明確なものはありません。先代から教えていただいた時は「見ておけ、この位な。」で終わりました。ですので分量は作り手の好みが反映されていると思われます。先代社長はコショウたっぷり。先代鍋振りは塩味バッチリ。というのが私の印象です。

私の場合、香辛料の量はその日の肉の状態(新鮮さ)で調整しています。鮮度が良くないと香辛料を多めに使用しがちです。なのでその日その日で分量が異なっています。

2.練り具合について

 練り方は作り手ひとりひとり異なりますし、その時の挽肉の状態でも変えます。先代鍋振りから教わったのは【包むときに手にまとわりつかない練りあがり】・【皮がはがれない練りあがり】といったあいまいなものですので、正直今でも練りあがりの正解を正しく把握出来ているかというと答えにくいです。ですが、今出している焼売は先代鍋振りの作品に近いと思っています。

ちなみに練りあがりの状態を左右する三大要素は【挽肉に使う部位の割合】・【肉の挽き方】・【練り方】だと思っています。海員閣のレシピは【調理理論】に基づいたものではなく【経験則】に基づいているようなので調理理論からは逸脱しているかもしれませんがご容赦下さい。

使用している挽肉の部位の割合によって【ふんわり焼売(ハンバーグのような食感)】になったり【しっかり焼売(ウインナーのような食感)】になったりします。

肉の挽き方は肉屋次第なのですが、肉の粒をつぶしてしまった挽き方では、いくら練り方を工夫しても皮はがれ焼売になる傾向にあります。

練り方については練りが足りないと纏まりが悪い焼売になり、練りすぎると皮がくっつかない焼売になります。程よい練りが理想となりますが、これを体現するには経験値を積むしかありません。

※今回はざっくり書いてこのボリュームです。仕込みも営業も私一人で調理せねばならない状況故、この辺でご容赦願います。

2020年11月10日