コーンスープについて
コース料理で提供するお料理の説明:【雞蓉粟米】編
雞蓉粟米=【玉子入りコーンスープ】
玉子入りなのに…。
海員閣のメニューの「スープの部」に載っている料理名で【玉子入り××】と書かれたスープが出されると初めてのお客様は少し驚かれると思います。
なぜなら「玉子入り」と書かれているのにスープの具材にブツ切りの「小エビ」が使われていて、メニュー名になっている玉子よりも存在感を放っているからです。ちなみに時折具材に蟹肉を使用するグレードアップ版のコーンスープをメニューに採用することもあります。
海員閣の料理の特徴は、スバリ「旨味の足し算」です。ひとつの料理に色んな旨味を足して複雑みを出す手法が多く使われています。一例として「鮑のうま煮」を挙げます。少し専門的な物言いになりますが、鮑のうま煮には「鮑(貝類)から【コハク酸】」・「自家製チャーシュー(肉類)から【イノシン酸】」・「干し椎茸(きのこ類)から【グアニル酸】」といった旨味成分を足し込んでいます。
それと同じ原理でコーンスープにも海鮮系の旨味を足す意味で小エビ等を具材に使用しています。
脱線ついでに仏語で「ポタージュ」はスープ類の総称で、クリアなコンソメスープも濃厚なコーンスープもスープなので「ポタージュ」となります。仏語で「コーンポタージュ」は「クレーム・ド・マイス」と表現するようです。仏語は範疇外なので間違っていたらごめんなさい。
脱線し過ぎたのでコーンスープに話題を戻します。コーンスープという単語を耳にすると洋食の「コーンポタージュ」を連想する方も少なくないと思いますが、中華料理でもコーンスープはスタンダードなスープとして存在しています。
最近の中華料理では、洋食のコーンポタージュに近い作り方のコーンスープも見受けられますが、海員閣のコーンスープは自店の中華スープをメインに味わっていただくクラシカルなスタイルに仕上げております。