豚バラの煮込みについて
コース料理で提供するお料理の説明:【東坡扣肉】編
東坡扣肉=【豚バラの煮込み】
海員閣ではリニューアル前からメニュー上、「豚バラの煮込み」を【東坡扣肉】と記しています。(扣肉は豚バラ肉の蒸し物の意)
中華料理に【東坡肉(トンポーロー)】という料理があります。東坡肉=豚バラの煮込みの様なイメージがついていますが、本場の東坡肉は豚バラ肉を紹興酒や中国醤油、香辛料と共に煮たり蒸したりして調理する風味のパンチが効いた料理です。
これは東坡肉の名前の由来に関係します。東坡肉は中国の宋代の詩人【蘇東坡(ソ トンポー)】が杭州の長官として赴任したときに民衆を指導し西湖の浚渫工事を行ったお礼に民衆から「豚肉」と「紹興酒」を贈られ、それを一緒に煮込んで生まれた料理が【東坡肉】=「東坡さんが好きな肉料理」と呼ばれました。
ですから本場の東坡肉は、独特な風味が特徴なお料理です。しかし、海員閣の「豚バラの煮込み」は、塩・砂糖・醤油のみで味付けしているので本場の東坡肉とは若干異なります。
ここからは余談となりますが、海員閣の「豚バラの煮込み」を食して、八角の風味が薄れたという意見をたまに耳にします。もともと豚バラの煮込みには香辛料を使っていないので、八角の風味がするはずはないのですが、調理工程上「牛バラの煮込み」を調理した後で「豚バラの煮込み」を調理することが多々あったので、牛バラに使っていた香辛料の風味が調理工程で豚バラに移ったのではないかと想像しております。あくまでも余談です。