【ハ の 花】
ハエドクソウ
はえどくそう科
山野の林中に生える多年草
茎:直立30〜70cm、節間の下部膨らむ
葉:対生、細い葉柄、卵形または長楕円形、鋸歯、葉脈上に細かい毛
花:夏、枝先に細長い穂状花序、多数の小花、下から順に咲く、対生、無柄、花序の軸に密着、花冠は淡紅色、唇形で下唇大、雄蕊4本、上側2本は長い
箱根(170730)
ハクサンイチゲ
きんぽうげ科
高山に生える多年生草本、全体緑色で粗毛、15〜20cm
葉:長柄根性葉が叢生、掌状3ないし5出複葉、裂片無柄2〜3分裂、小裂片は更に分裂して線状、先端鋭形あるいは鈍形細裂片、総包葉は無柄3個、3裂
花:夏、総包葉の中心から散形状に数本の短花柄、柄先に1個の白花、萼片は花弁状5個、卵形、花弁なし、雄蕊多数で黄色、雌蕊多数
涸沢(170817)
ハクサンコザクラ(ナンキンコザクラ)
さくらそう科
高山帯の湿地にはえる多年生草本
葉:数個が根際に集まり、葉質は厚く、倒卵状くさび形で下部は次第に細まり、中部より上には多少2重になった鋭鋸歯がある
花:夏、葉の中心部から長さ10pほどの花茎を出し、頂に紅紫色の花を数個散形に開く.がくは深5裂し緑色.花冠は径約2p、下部は筒となり上部は5裂し、裂片は2裂して尖る.おしべ5本、雌蕊1本、ともに筒の中にある
※白山小桜で、石川県白山で初め見つけられたのでいう.南京とは無関係
白山(200703)
ハクサンシャクナゲ
つつじ科
亜高山帯の林内に生える常緑低木
葉:互生、革質、葉身は頂楕円形、先は鈍く、基部は円形または浅心形、表面無毛
花:7〜8月、枝先に短い総状花序、10個内外の花、花冠は淡紫紅色、上部内面に濃色の斑点が密生、漏斗状鐘形、5中裂
富士山麓(170723)
ハクサンシャジン(タカネツリガネニンジン)
ききょう科
亜高山帯に分布し、草原や砂礫地にはえる多年草
茎:群がって立ち、稜があり無毛.茎の各節に4〜6枚づつ葉を輪生し、節間は短くつまる
葉:倒卵状披針形、広楕円形、倒卵形など変化が多く、先は鋭形または鋭尖形、ふちには基部をのぞいて鋭い鋸歯があり、基部はくさび状に狭くなり、柄はない
花:7〜8月頃、茎上部の2〜4節に淡紫色または紫色、時に白色の花を2〜6個づつ輪生し、斜め下向きに開く.花冠は広鐘形、浅く5裂し、先は広がる.包葉は披針形でふちには外曲する鋸歯がある.がく裂片は線形、全縁またはまばらに鋸歯がある.花柱と花冠はほぼ長さは等しく、または少し長く花冠の外へ突き出る
※花柄が短く花は接近して固まって咲くので、ツリガネニンジンと区別できる
雨飾山(200823)
ハクサンタイゲキ
とうだいぐさ科
白山、戸隠山など本州中部の山地に生える多年生草本.茎は直立し毛はない
葉:互生、薄質で全縁.長楕円状皮針形で先は鈍くなっているか凹んでおり無柄.茎先で数個の葉が輪生.総包は側枝の先に2〜3個輪生して花序を包み、三角状広卵形を示す.小総包は鐘形で外面が平たく滑らか、腺体は4個、半月状腎形
花:小総包は内に1本の雄蕊を持つ雄花数個と、雌花1個を含む.また基部が裂けた鱗片包葉も含んでいる.子房は柄を持ち柱頭は深3裂、子房は低いこぶ状の突起があり、幼い時には毛がある
白山(200703)
ハクサンチドリ
らん科
高山帯の草地にはえる多年背草本で高さ20〜35cm.茎葉単一で緑色、直立し稜がある
葉:4〜5片の葉はまばらに互生し、倒皮針形または長楕円形、鈍頭、全縁で基部は狭くなった短い鞘型をして茎を包み、上葉は細狭で尖り、葉面に紫斑がない
花:6〜7月頃、茎先に総状花序が出て10数花内外の花が固まって咲き、包葉は針形で多くは花よりも長い.花は紅紫色で径15mm内外、花被片は卵形または卵状皮針形で先端が尖る.唇弁は広倒卵形で濃紅な紫斑があり、乳頭毛が一面にあり前端が浅く3裂し、中裂片は先端が長く尖る
白馬岳(190721)
ハクサンフウロ
ふうろそう科
高地に生える多年生草本、ほふく枝なし
茎:直立、かすかな毛
葉:茎葉は固まってつく、やや堅く掌状に5〜7深裂、裂片はひし形で分裂し細片、先端鋭く尖り、表面にかすかな毛、裏面は脈状に毛、托葉は皮針形または卵形、先端尖
花:夏、梢に花柄、1〜2個の紅色5弁花、萼片5は花弁より短、皮針形または卵形、花弁5個は倒卵形、雄蕊10本、柱頭5個の雌蕊1本
涸沢(170817)
ハコネウツギ
すいかずら科
海岸附近に生える落葉低木、全体がほとんど無毛、枝は灰褐色で太い
葉:対生、有柄、厚く光沢、広楕円形または倒卵状楕円形、先は急に鋭尖、基部は急にくさび形、鋸歯
花:初夏、新枝の葉腋から出る短花柄状に岐散状に多数の花、花冠鐘状漏斗形、先5裂、白色から紅紫色に変化、雄蕊5本雌蕊1本は花内から突き出ない ※箱根に本種なし
三国山(170604)
ハコネコメツツジ
つつじ科
秩父、富士、丹沢箱根周辺に分布、岩壁に生える常緑小低木、幹は屈曲し密に分枝
枝:輪生状、若枝に褐色の毛が密生
葉:密に互生、楕円形または狭楕円形、質やや厚く両端尖、両面にこわい毛、裏面脈上に褐色の伏した毛、全縁毛、無柄、枝先に輪生状
花:7月、葉間に白色筒状小花、花冠筒部8mm、先は浅4〜5裂、花柄に褐色の毛が密生、雄蕊5本
坪庭(160730)
ハコネシロカネソウ(イズシロカネソウ)
きんぽうげ科
箱根および伊豆地方に分布、山地帯の落葉広葉樹林の林床に生える小形多年草、繊細な感じ
茎:直立10〜20cm、無毛
葉:根葉は1〜2個あるいは数個、2回3出複葉、柄2〜7cm、茎葉は対生、2回3出複葉、柄3mm、小葉は広卵形ないし菱状広楕円形、鈍頭の粗鋸歯、基部は浅いくさび形
花:5月、茎先に数個散形状あるいは単生、白色、横向き、やや半開き、萼片花弁状、楕円形鈍頭、花弁T字状、楕円形、柄1.5mm、雄蕊10本
三国山(170604)
ハコベ(ミドリハコベ、ハコベラ、アサシラゲ)
なでしこ科
路ばたや田んぼに普通にはえる草質の軟らかい越年生草本で、秋に発生し、根はひげ状
茎:叢生し、下部は横に伏して、上部は斜めに立ち、緑色で円形をしており、片方に1列に毛がはえている
葉:対生で、卵円形ないし卵形、先端は鋭く尖り、全縁、無毛、下部の葉は長い柄があり、上部の葉は無柄
花:春、枝先に集散花序を出し、多数の白色小花を開く.がく片は5個、卵状長楕円形で先端はやや鈍形、緑色で腺毛がある.花弁は5個、がく片とほとんど同じ長さであるか短くて、基部の辺りまで深く2裂している.雄蕊は10個、子房は卵形で、頂部に短い花柱が3個ある
南郷山(210407)
ハシリドコロ 花と果実
なす科
谷あいの湿った木陰に生える多年草
茎:直立、まばらに分枝、高さ30〜60cm
葉:柔らかく互生、有柄、楕円状卵形、先尖、10〜20cm、全縁、下部の葉は粗鋸歯
花:春、葉の脇から1個の花を下垂、萼片緑色鐘形、先浅5裂、花冠は鐘形、外面暗紫色、内面淡緑黄色、先浅5裂、2cm、雄蕊5本、花後萼片が大きくなり果実を包む
果実:球形
特徴:猛毒
茅ヶ岳(180528)
ハッポウタカネセンブリ
りんどう科
茎は直立して分枝する
葉:対生
花:枝先及び葉腋に花を開く.花は白色で紫色の斑点がある
八方尾根(190724)
ハナイカリ
りんどう科
山地の日当たりのよい草原に生える二年草
茎:直立分枝12〜30cm、緑色の細い陵がある
葉:ごく短い柄をもち、対生し長楕円形または卵状皮針形でやや鋭頭、3主脈明瞭で質は柔らかい
花:8〜9月、葉腋に細い花柄数本立て、淡黄色で帯緑色花を多数つける.萼は緑色深4裂、裂片は尖る.花冠は深4裂、裂片下部は線形の距になり、内側に曲がる、雄蕊4本雌蕊1本花冠の中にある
三ツ峠(170903)
ハナイバナ
むらさき科
キュウリグサに似ているが根際の葉は長柄がなく、葉の表面にしわがある、葉内花の意
茎:群がって生え、基部は短く地を這う
葉:長楕円形または楕円形、基部は次第に細くなる
花:春から秋、枝上部と葉と葉の間に短柄でるり色の小花を開く.花冠5裂
入笠山(170610)
ハナネコノメ
ゆきのした科
主として関東及び中部の山間の谷川のふちにはえる多年生草本
葉:小形で葉柄があり、一般に対生であるが時に互生も交じり円卵形、少数の鈍鋸歯があって、黒緑色
花:花序は頂生し、2〜3個の花がまばらにつき早春の頃開く.花弁は無く、がく片は白色で4個、直立し、鐘状に開く.長倒卵形で先端は鈍形、縦の脈がはっきり見える.雄蕊8個、花糸は細長く直立し、がく片よりはみ出し、葯は紫黒色の点状であるから、白いがく片との対照が著しい.雌蕊1個、花柱は二つに分かれ、高さは雄蕊と同じ
丹沢(210314)
バライチゴ(ミヤマイチゴ) 花と核果
ばら科
山地に生える草状の小低木
茎:無毛直立、緑色角張り隆起線走る、尖ったとげ散生、上部まばらに分枝
葉:有柄互生、奇数羽状複葉、小葉は2〜3対で短柄、皮針形、鋭尖頭、基部は円形、二重鋸歯あるいは深鋸歯、両面無毛、表面は支脈に沿ってしわ
花:7月頃、白色花を枝先に1個開く、花柄無毛で小さい刺がある、花弁5で水平開出する、広楕円形または倒卵形
核果:小形、多数集まって楕円形になり、赤く熟す
箱根(170618)
ハンカイシオガマ(ハンカイアザミ)
ごまのはぐさ科
山地の林下などのやや湿った日陰にはえる多年草
葉:数枚の大型葉が根ぎわにはえ、長い柄を持ち、卵形で深く羽状に裂け、裂片は長楕円形でさらに深く裂け、へりに鋸歯がある
花:秋、根生葉の間から細長い茎をのばし、下部に1〜2対の対生する葉をもつ.茎の頂に短い花穂を作り、数個の紅紫色の大きな花を開く.包葉は卵形でふぞろいな鋸歯があり、萼より少し長い.萼は短い筒形で上端は5裂し、裂片は卵円形で鈍い鋸歯をもつ.花冠の下部は筒となり、上部は2裂して唇形となる.花冠上唇は舟形で先端鈍く、下側のへりに細かな毛がはえる.下唇は上唇より僅かに短く、上唇を包み先端3裂
箱根外輪山(160906)
ハンゴンソウ
きく科
深山に生える大形多年草
茎:太く1〜2m、帯紫色、根茎は横に節太い
葉:互生、有柄、羽状3〜7深裂、裂片は狭く長い、側裂片は葉の先端に向かって狭角、鋭い鋸歯をもち先端は鋭く尖る.基部は葉柄に流れる.下面に縮れ毛がある
花:7〜9月、茎上端で散房状に多数の黄色頭花が密集し、緑色円筒形の総包の上に1列の舌状花4〜5個と中心に多数の管状花がある、頂に黄白色冠毛
箱根(170924)
ハンショウヅル
きんぽうげ科
山地林中に見られる落葉木質のつる
茎:細長、しばしば帯暗紫色
葉:有柄対生、3小葉複葉、小葉は短柄または無柄、卵形または楕円形、先端短鋭尖形粗鋸歯、4〜9cm、質やや硬く表裏に短毛
花:初夏、枝上に叢生している葉間から長柄、先端に紅紫色の1花、鐘形で下垂、全開せず2,5cm.萼片4個長楕円形で白縁、外面縁に毛が密生、花弁なし.雄蕊多数、葯は短小、花糸やや扁平で白色短毛.雌蕊多数
そう果:狭卵形、頭部に宿存した花柱が1個つき尾状、白色羽毛状4cm
※日本名:半鐘蔓、花の形が半鐘に似ているから
金時山(190607)
【ヒ の 花】
ヒキオコシ(エンメイソウ)
しそ科
山野にはえる多年草.茎は四角形で直立し、下向の毛が密生する
葉:対生し、広卵形で先は尖り、基部は急に狭くなり、ひれのある柄となる.ふちにあらい鋸歯があり、脈上には短い軟毛がある
花:秋、枝先や葉の脇に大きい円錐形の花穂をだし、淡紫色で小形の唇形花を多数つける.萼は5裂し、細かい毛が密生し灰白色をおびる.花冠の上唇はそり返って直立し、浅く4裂して紫色の斑点があり、下唇は舟形で前方に突き出している.雄蕊4本のうち2本は長く、株によって雄蕊が長く花柱が短いものと、雄蕊が短く花柱が長いものとがある
高座山(201016)
ヒトリシズカ(ヨシノシズカ)
せんりょう科
浅い山の林内にはえている多年生草本.茎は直立し、節が3〜4個あり、液質、無毛、なめらかで暗緑に紫色をおびている
葉:各節には2個の鱗片葉が対生している.茎の先には4個の葉が相接して対生していて一寸見ると輪生のように見える.葉には柄があり、楕円形で短鋭尖頭、基部は円形または鈍形、ふちに鋭い鋸歯がある.葉の色は暗緑色でやや艶があり、膜質
花:早春、茎や葉が十分伸びきらない頃、先端に直立した白色の穂状花穂を1個出す.花には花被が無い.雄蕊1個、花糸は3本に分かれ、白色糸状で水平に出る.外側に2本には基部の外側に葯の半分に当たるものが付く.中央の1本には葯は無い
丹沢(210328)
ヒナスミレ
すみれ科
中部以北、太平洋寄りの本州山地、林下の腐食地に多い.多年草で無茎種である
葉:束生、少数、長柄があって斜に立ち、上部はやや平く開いている.葉身は三角形を帯びた狭長な卵形で上半部はやや尖り、基部は円耳形の深い心臓形となる.ヘリには低いがやや目立つ波状の鈍鋸歯がある.葉の表面は淡緑色、無光沢、平たく、裏面は多くの場合紫色をおび、最初の葉は無毛であるが、後から出るものはしだいに白毛がはえてくる
花:4〜5月頃に開き、淡紅色.がくは5個、皮針形または広皮針形で先が尖り、紫色をおびる.花弁片は楕円形で先は円いか、いくぶんへこむ.側弁の内側は無毛あるいはわずかに突起毛がある.花柱の先は倒三角形にふくらみ、下に紫のまだら模様のある子房がある.花柄は葉上に高く出て、紫の細点がある.花柄の中途には細い2枚の包葉がある
西丹沢(220407)
ヒメイチゲ(ルリイチゲソウ)
きんぽうげ科
山地に生える小形の多年草、高さ6〜10cm
茎:直立繊細
葉:根生、細い葉柄、3出複葉、広卵形、不揃い鋸歯、葉状の総包3個、茎の先に輪生、其々に短柄、各小葉は皮針形で鋸歯、時に全縁
花:5〜6月頃、総包の中心から直立した2cmくらいの花柄を1本、先端に白色小花1個、萼片は花弁状5個、長楕円形、花弁なし、雄蕊多数黄色、雌蕊多数、子房に短毛が密生、そう果は長楕円形で先端尖、短いくちばし状
浅間隠山(190625)、薬師岳(180626)
ヒメイワカガミ
いわうめ科
山地に生える常緑多年草.根茎は長く、その先端に根出葉をつける
葉:小形卵円形、1,5〜4cm、幅1,3〜3cm.縁に三角形の荒い鋸歯、質固く光沢
花:初夏、根出葉の中央から基部に鱗片を持つ花茎、少数の白色または紅紫色の花、径1cm、花弁の縁が細かく裂ける.雄蕊5本雌蕊1本でさく果をつける
※コイワカガミは誤りである
越前岳(170523)
ヒメウツギ
ゆきのした科
山地に生える落葉低木、若い枝は毛がない
葉:対生有柄、皮針形または卵形、先端長尖、基部ほぼ円形、縁は細かい鋭鋸歯、表裏とも細かな星状毛
花:5〜6月頃枝先に円錐花序、白花、花序は無毛、萼片に細かい星状毛、ほぼ三角形の5裂片、花弁5、長楕円形1cm、雄蕊10本
三浦アルプス(180408)
ヒメエンゴサク
けし科
山地の樹林中にはえる多年草.地下に球形の塊茎、それからただ1個の花径
花茎:10〜20cm
葉:基部に1個の鱗片葉、中部に2個の普通葉.普通葉は有柄、葉身は長柄の3個の小葉、小葉は更に2または3個の小葉に分裂.小葉は広楕円形、あるいは線状楕円形、先は鈍形または円形、基部は円形あるいは切形、長さ5〜8mm、幅3〜5mm
花:花径の先に総状、4〜5月に咲き、基部に葉状の苞.苞は先が欠刻状に2または3裂、2または3の歯状の鋸歯.花は青紫色で花序にまばらに付き、長さ1,5〜2,5cm
両神山(190509)
ヒメオドリコソウ
しそ科
小形の1〜2年草
茎:基部から分れ高さ10〜25cm、四角形で短毛
葉:太く軟い、対生、長柄、丸みのある卵形、長さ2cm.基部心臓形で縁に鈍鋸歯.上面は葉脈が網状にくぼみ縮んで見え、両面に軟毛が密生.茎上部の葉は短柄で密に集まり暗紅色
花:早春から開花、上部の葉の脇に暗紅色の小さい唇形花を1〜3個輪状に付ける.がくは長さ5mm、針状に尖った5片、縁に毛.花冠は長さ8〜10mm.果実は4個の分果
松田山(190331)
ヒメガンクビソウ
きく科
やや乾いた山林内に生える多年草
茎:細く全体に短軟毛が密生
葉:基部に多くロゼット状、先は鈍い倒皮針形、不整の浅切れ込みがまばらにあり、茎葉は狭小でまばら
花:夏から秋、茎先で分枝し、枝頂に管状花からなる淡黄色の小頭花を下向きに開く、頭花は円柱形4mm、頭花の基部には1〜2の包状葉がある
金時山(160906)
ヒメキンミズヒキ
ばら科
丘陵地や山地の樹陰や沢筋にはえる.多年草で貧弱な根茎がある
茎:細くまばらに分枝し、全体に毛がはえる
葉:奇数羽状複葉で3〜5個、まれに7個の小葉からなり互生するが、茎の基部に集まる傾向があり、上〜中部にはまばらにつく.小葉は薄い草質で楕円形または倒卵形、先は鈍形または円形、基部はくさび形で、ふちには全体にわたり円みのある粗い鋸歯があり、裏面には半透明の腺点がある
花:夏に頂生の総状花序を出す.花は黄色、萼筒は小さい.花弁は5、長楕円形、雄蕊は5〜8本
箱根外輪山(210804)
ヒメクワガタ
ごまのはぐさ科
高山に生える小さい多年草
茎:基部で分枝、細かい毛、上部斜上して7〜18cm
葉:対生、短柄、卵状楕円形、先鈍形、鈍い小さな鋸歯
花:夏、茎先に総状花序、数個の淡紫色の小花、花柄は細かい毛、花冠は皿形で深4裂、短筒、径5〜7mm、雄蕊2本、果実は平たい楕円形さく果で先端凹む
櫛形山(170627)
ヒメジソ
しそ科
山野に生える一年草
茎:四角直立30〜60cm、節に白毛
葉:対生、ひし形状卵形、荒い鋸歯、上面まばらに伏毛
花:9〜10月、枝先に総状花穂、白色または淡紫紅色の唇形花を密、上唇は浅3裂、下唇は深2裂、まばらに毛、花冠は筒部短く下唇長い、雄蕊4本のうち2本は長い
※イヌコウジュに似ているが、全体に毛が少なく葉がやや菱形、鋸歯が粗く大きい点で区別
箱根(160804)
ヒメシャラ
つばき科
山林中に生える落葉高木、幹は直立、樹皮はつるつるして淡赤黄色
葉:やや薄く、互生、葉柄あり、先鋭尖、長卵形、鋸歯、裏面細毛
花:夏、枝上に有柄の白い花を腋生、花下に2個の葉状の包葉、緑色萼片5個、下部は互に合着、単体となった多数の雄蕊と1本の雌蕊、花柱5分し、子房には白い毛がある
真鶴(160619)
ヒメシロネ
しそ科
山野の湿地にはえる多年草.根茎から細長い白色の地下茎をだし、節には多数のひげ根がはえる
茎:四角形で細く滑らか、直立し30〜70cm、上方は分枝して枝が多い
葉:対生しほとんど無柄、細長い皮針形または長楕円状皮針形で先は尖り、基部は円形または心臓形、縁に鋭い鋸歯、時に上部の鋸歯は緩やかで、下部のものは大きく切れ込むことがある
花:8〜10月頃、葉の脇に小形白色唇弁花を数個密につける.萼は中ほどまで5裂し裂片鋭く尖る.花冠は短筒状、上唇は直立し先は浅く凹み、下唇は3裂して平開.雄蕊2本、花柱は花冠より長く突出し先は2裂
※姫白根で小形の白根の意
芦ノ湖遊歩道(160804)
ヒメハギ
ひめはぎ科
全国の山野に普通にはえる常緑の小形多年草
茎:硬くて鉄線状で、根もとから束生
葉:小さく、互生、卵形または長楕円形、先端は尖って短い葉柄があり、茎と共に細かい毛がはえている
花:春、茎の上に短い総状花序を作って紫色の蝶形の花を開く.がく片は5個、花弁状の両側の二つのがく片は大きく、翼状を呈する.花弁の下部は合体して一方に裂け目がある.前面に当たる花弁の背中に切れ込んだ裂片がある.雄蕊8本、花糸は基部で合生
箱根外輪山(220526)
ヒメヤブラン
ゆり科
原野の日当たりの芝地にはえる小形の多年生草本.ジャノヒゲよりも小形
葉:みな根から出て線形、根もと近くから外方に向かっていることが多い
花:夏、葉より短い花茎をまっすぐ出し、その上部に総状に淡紫色またはたまに白い小花が咲く.花柄は短く膜質の小葉から一つづつ出る.その先に花が上向きに咲き花被は6で平開し、各々長楕円形である.雄蕊6、葯は長形で黄色.花柱は円柱形で柱頭は小形
※ジャノヒゲより葉が柔らかく、花序は曲らないし、花被は基部が漏斗状に狭まらず鐘形に開出する.種子は黒い
箱根外輪山(210804)
ヒヨドリバナ
きく科
広く分布し、林縁、道端に生える多年草
葉:対生、短柄、単一または分裂、両面短毛
花:8〜9月、小花は白色または帯紫色
芦ノ湖畔(160804)
【フ の 花】
フジアザミ
きく科
山中の砂礫地に生える巨大な多年草
茎:1m内外、分枝
葉:長大で基部に集まって根生、狭楕円形、羽状中裂、裂片狭楕円形5〜6対、刺針、先鋭尖、両面白毛、茎葉は互生、無柄、基部は耳状で茎を抱く
花:秋、細い管状花の紫大形頭花、枝頂に横向き
富士山(170827)
フジイバラ
ばら科
富士、箱根山以西の陽当りの良い山地に多い落葉低木.枝は盛んに分枝して強く丈夫.所々に真直のとげを生じる
葉:互生し、奇数羽状複葉、小葉は2〜4対、広楕円形でやや革質で光沢がある.下面はやや白色、先端は鋭形または鋭尖形.基部は円形または鈍形で無柄.ふちには鋭い鋸歯がある.托葉はやや全縁で腺毛がある
花:夏、枝先に円錐花序を付け白花を開く.花径2.5pくらいで姿が上品.がくには腺毛が無く紅紫色.花弁は5、平開、倒三角状心臓形で頭部は凹む.雄蕊は多数で黄色、秋の末に偽果が赤く熟す
金時山(220630)
フジオトギリ
おとぎりそう科
富士山および乗鞍岳付近に生える無毛の多年生草本
茎:丸く、稜線不明瞭
葉:対生し、細い線状楕円形、無柄で基部は茎を抱く、黒色油点、縁にも黒点
花:夏、枝の梢が上方でわずかに分枝し、5花弁の黄花を数個、萼片5個、長楕円状皮針形、先端はやや尖る、黒点黒線、花弁9mm、雄蕊多数雌蕊1本
富士山六合目(170806)
フシグロセンノウ(フシ、オウサカソウ)
なでしこ科
山地の樹陰地の草間に生える多年生草本
茎:直立50〜70cm、やや無毛緑色、円柱形、単一またはまばらに分枝、節は太く帯紫黒色
葉:対生、卵形、倒卵形ないし楕円状皮針形、先端鋭尖形、基部は狭まり、ふちに短毛
花:夏、茎先に集散状に分枝、少数の朱赤色の大きい花、短柄、花弁5個平開
御岳山(170917)
フジハタザオ
あぶらな科
富士山を中心に、高山の砂礫の地に多い多年生草本
茎:10〜30cm、2〜4岐する星状毛、または無毛、地上付近で分枝、束生状
葉:根生葉は先太りのへら形、先端鈍形、長柄、荒い鋸歯、茎上葉は長楕円形、先端鋭形、基部無柄、茎をやや抱く、荒い鋸歯
花:6〜7月、頂上に総状花序、白色やや大形の十字状花、花少数で有柄、花弁は広へら形、先端円形
富士山麓(170723)
フタリシズカ
せんりょう科
山地や林野にふつうに見られる多年生草本
茎:中ほどに4〜5節、鱗片葉を対生、多くは無枝単一、上部2〜3節は短節間で対生
葉:楕円形、卵状楕円形、短柄、鋭尖頭、鋭底で黄緑色、縁は刺状でかすかに尖った鋸歯
花:4〜5月頃、茎葉の若い時、茎先に穂状花序、無柄の細かい白花を点々、花穂は2〜3本
※ヒトリシズカは鋸歯の違いと、葉の偽輪生
不老山(160529)
フデリンドウ
りんどう科
山野の日当たりのよい場所に生える二年生の小さな草
茎:直立し、6〜9cm
葉:半ばから上に密生対生した葉、卵円形短く尖、葉質やや厚く、下面の主脈に稜、緑色
花:春、茎頂に数個の青紫色の花を集まってつける、萼は緑色5裂、花冠は長鐘状で5裂、裂片の間に副裂片、日中に開く、雄蕊5本雌蕊1本、柱頭は2裂
金時山(170507)
【ヘ の 花】
ベニサラサドウダン
つつじ科
本州中部の深山にはえる落葉低木.高さ2m
葉:互生し枝先に集まってつき、倒卵形で両端尖り、ふちに細かい鋸歯、2〜4p、裏面中央脈にそって褐色の毛
花:6〜7月、総状花序を下垂し、花軸には褐色の軟毛.花柄は1〜1,5p、がく片は披針形で3mm、花冠は鐘形で下向きに開き、長さ6〜8mm.先は5裂、紅色で濃紅色の縦の条がある.雄蕊10本、花糸に毛、葯には2本の角状突起
金時山(200603)
ベニドウダン
つつじ科
山地に自生、落葉低木、2m、幹は滑らか、直立輪生状に分枝
葉:狭倒卵形、2〜5cm、先端尖、基部くさび形、細かい鋸歯、枝先に数個の葉が輪生状に互生
花:初夏、小枝の先から総状花序を下垂、紅色有柄の短鐘形、花冠6〜8mm、縁は細裂、雄蕊10本雌蕊1本
愛鷹山位牌岳(180602)
ベニバナイチヤクソウ
いちやくそう科
高山の森林内に生える常緑多年草
葉:長柄、2〜5個根際に群がる、広楕円形または円形、まばらな鋸歯、質厚い、黄緑色光沢から茶褐色に変化
花茎:単一直立、上部は総状花序
花:6〜7月、肉紅色の花を下向き、花柄基部に小形の抱葉、花冠は広く開き、左右やや同形に深5裂、裂片は楕円形で先は円形、雄蕊10本、葯は赤紫色、花柱は花外に突出し上方に湾曲
富士山麓(170723)
【ホ の 花】
ホウチャクソウ
ゆり科
丘陵の林中に普通に生える多年生草本
茎:直立、上方で分枝
葉:長楕円形、先端尖り基部は丸く茎に接す
花:5月、枝端に短柄1〜3花が垂れて咲く、花被片6筒状、正開せず各片上部は緑色、下部白色、球状液果は黒熟
真鶴(170430)
ホソバツメクサ
なでしこ科
八方尾根(190724)
ホソバミミナグサ
なでしこ科
本州中部の高山帯にはえる多年生草本.茎は叢生し、高さ10〜35cm.1側に毛があり、上部には短い腺毛が密生する
葉:下部はへら形で小さく、他は広皮針形または皮針形で、長さ1,5〜2cm、幅3〜6mm、ほとんど無毛または毛を散生
花:夏、枝先に少数の花がある集散花序をつけ、比較的に大きい白花を開く.包はすべて葉質.萼片5個、卵状皮針形で先端は鈍形、長さ4〜6mm、細毛があり、縁は白い膜質.花弁5個、萼のほぼ2倍の長さ、上部は2裂する.雄蕊10個
さく果:萼片よりも長く先は10裂
日本名:細葉耳菜草の意味
八方池(190724)
ホタルカズラ(ホタルソウ、ホタルカラクサ、ルリソウ)
むらさき科
日当たりの良い山野の乾燥地や林中の班日陰の草地に生える多年草
枝:新枝は直立、15〜20cm、開花後その基部から横に這う無花枝
茎:細く強く粗毛、先端は根を下ろし新株
葉:無柄2〜6cm、倒皮針形で互生、先端鈍形、下部は細くなり濃緑色、冬枯れず両面粗毛
花:春、葉の付け根にるり色花、がく緑色5深裂、裂片は線形で鋭尖6〜7mm、粗毛、花冠は下部筒状、上部5裂平開、径15mm、裂片楕円形、中央に縦の白色隆起、雄蕊5本花筒内部、葯は淡黄色、花柱は直立
三浦アルプス(180408)
ホタルブクロ
ききょう科
山野に生える多年草
茎:直立、粗毛が多い
葉:根葉は長柄の卵心形、茎葉は互生、長卵形で先尖、上葉は無柄、鋸歯、粗毛が多い
花:6〜7月頃、枝上部で分枝、白色または淡紅紫色で内面に紫色の斑点、萼は緑色、萼筒は子房と合着、5裂の裂片間の彎入部のへりは反曲、花冠は大形鐘状下向、花口が短5裂、雄蕊5本、花柱1本、柱頭3裂
富士山麓(170806)
ホトトギス
ゆり科
山地に生える多年生草本
茎:直立または下垂し、円柱形で粗い長毛がはえ、多くは単一
葉:2列に互生し長楕円形あるいは皮針状楕円形で鎌型を帯び、尾状に鋭尖頭となり、基部は円く茎を抱き、表面は平坦で両面ともに軟毛がはえている
花:10月に入ると葉腋に2〜3花づつの花序を出す.花は柄があり上向き、漏斗状鐘形で花被片6個は斜めに開き、外面に毛があって白質、内面全体に濃紫斑があり、基部近くに黄斑がある.まれに白花が咲く.雄蕊6個、花糸には腺毛があり子房を囲んで立つ.花柱は3本に分枝しその先が更に2岐する
金時山(171001)、西丹沢
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