【カ の 花】
カイフウロ
ふうろそう科
三ツ峠(170903)
カキドオシ(カントリソウ)
しそ科
野原や道端にはえる蔓性の多年草.全体に細かい毛.茎や葉に香気
茎:細く四角形、はじめ直立し、後に倒れて地上を這い、節から根を出し繁殖
葉:対生し長柄、腎臓状円形、長さ1.5〜2.5cm、幅2〜3cm、先丸、基部心臓形、縁に鈍鋸歯
花:4〜5月頃、葉の脇に淡紫色で柄のある唇形花を1〜3個.がくは長さ7〜9mm、深5裂、先鋭尖.花冠は長さ15〜25mm、上唇の先は浅く凹み、下唇は上唇の2倍の長さ、内面に濃紫色の斑点.雄蕊4本のうち2本は長い
※籬通で蔓を伸ばして垣根をくぐり抜ける
松田山(190331)
カキラン(スズラン)
らん科
山野や谷筋の多湿の地にはえる多年生草本.地下に根茎があって横にはい多数のひげ状の根を出している.茎下部は紫色、その他は緑色無毛円柱形で強く、中辺に7〜8葉を規則正しく2列に互生
葉:卵状皮針形で平開し、先端は漸尖形で基部は鈍形で鞘となり茎を抱く.質厚く深緑色、脈がはっきりして低いが隆起して見える.中部の葉は最大で下部のものは鞘状葉、上部のものは縮小して包葉となる
花:7月頃茎端に総状花序を出して10花内外を開く.包葉は葉状で皮針形で柄がなく、花後にも残存平開する.花は少し尖り、有柄で側向し、花冠は広鐘形、外花被片は厚い膜質で鮮明な橙褐色.内花被片と唇弁は白い.唇弁は内面に紅紫点があり、上下2唇の間ではやや関節し、上唇の内部には縦のうねが3本あり、下唇は内面が陥入している
金時山(230712)
カタクリ(カタコ)
ゆり科
山中にはえる多年生草本.鱗茎は癒合して筒状となり根茎の先から直立し、皮針形の柱状をして白色で厚みがある.早春に茎を1本出すが下部に1対の葉がある
葉:長柄があり平開し、狭卵形または楕円形で両辺には多少の波曲があり、まれには地にしいているものもある.葉質は厚く柔かく表面は淡緑色で紫色の斑紋がある
花:茎頂に1個、柄の端で紫色の下向きの花をつける.花被片6個は狭い長皮針形、先は尖り強く反り返る.内面基部近くに濃紫色のW字の紋がある.雄蕊6本は長さがやや不同で葯は紫色、広線形、柱頭は短く3裂する
大塚山(170416)
カシワバハグマ
きく科
山地の林内にはえる多年草
茎:直立、硬く細い、分枝しない
葉:やや茎の中部に集まって互生、長柄、広卵形、先鋭、基部は円状くさび形、まばらな欠刻状の鋸歯、柏の葉に似ている、両面に細毛、縁に毛
花:夏から秋、茎上部で数個の白色頭花、穂状、冠毛は純白
御岳山(170916)
カナウツギ
ばら科
山中にはえる落葉低木.枝は細くジグザグに曲り、しばしば湾曲して垂れ下がる
葉:有柄で互生、卵形、先端は尾状に尖り、基部は浅い心臓形、ふちには切れ込みがあり、しばしば3裂片状に切れ込み、さらに鋭鋸歯がある.支脈は規則的に斜上して平行する.托葉は大形で草質、卵状皮針形で永存する
花:6月頃、枝先に円錐花序を作り、小さな白花が群生する.花序の分枝は開出して滑らかで光沢がある.花径5mm、歯状のがく片は5,卵形で先が尖り、永存する.花弁5個、がく片より少し長い.雄蕊は20本以上、子房1個、1室で卵形、柱頭は丸い盾形
金時山(220630)
カニコウモリ
きく科
高山の針葉樹林の下に生える多年草
茎:直立、節ごとにくの字
葉:3枚互生、葉柄は葉身より短く、カニの甲形.縁に不整の刻み、先端短く尾状に尖り、基部は心臓形、やや膜質、両面無毛
花:夏から秋、茎上部で分枝、細い円錐花序状に頭花多数、3〜4個の管状花、白色で細長い
富士山麓(160611)
ガマズミ
すいかずら科
山地や丘陵地に見られる落葉低木、若枝には毛がある
葉:対生、広い倒卵形から円形の間で変化が多い.先は短くとがり、縁には不正の低い鋸歯がある.葉裏とも毛が生えている.葉柄は1p内外で托葉はない
花:初夏に多数の白小花を散房状に集めて開くが、花序は一対の葉がある短枝に頂生する.花冠は5深裂、雄蕊5本で花糸が長い.
箱根外輪山(200627) 小野子山(160605)
核果:卵形、鮮紅色から暗赤色に熟し甘酸っぱい
三ツ峠(151004)
カマツカ(ウシコロシ)
ばら科
山野に生える落葉性低木または小高木
葉:狭長倒卵形.表面ははじめ毛があり、後に脱落して無毛となるが、裏面は後までも細毛が残る
花:春に先端に散房花序を作って白色小花が密集する.がくは短い鐘形で花柄と共に有毛.浅く5裂し裂片は鈍形の三角形.花弁5、倒卵状円形、基部はくさび形.雄蕊20で花弁とほぼ同長.花柱は3、基部は癒着し、軟毛を密生する
伊豆山稜線(170527)
カマナシホテイアツモリソウ
らん科
葉:広楕円形、先端劣形、基部は茎を抱く、両面有毛
花:紅紫色から淡紅色、白花あり、唇弁は扁球形の袋状
入笠山(170604)
カモメラン(イチョウチドリ、カモメソウ)
らん科
本州中部以北の高木林下にはえる多年生草本
茎:1本で単一、1片の葉と共に根ぎわから出て、下部は2〜3の膜質さや状の葉に包まれる
葉:斜上し、円形または広楕円形で、少し青みを帯びた鮮緑色で先端は少し丸く、基部は急に狭くなっている
花:6〜7月頃、茎の先に淡紅色の花を2〜3着け、花径は1cm未満で花下に楕円形または皮針形の緑色の包葉がある.外花被3片は卵状皮針形、内花被2片は更に狭く、唇弁のみ大きく広楕円形をして不明に3浅裂し、中裂片は大きく円頭、濃紅紫斑を一面に着け、距は狭小で後方に向って尖っている.まれに白花がある
三ツ峠山(210610)
カラマツソウ
きんぽうげ科
山地あるいは山原に生える無毛の多年生草本
茎:直立、中空円柱形、緑色、紫色帯びる
葉:互生、下部有柄上部無柄、数回羽状複葉、小葉は広卵形または広くさび形、先3〜4裂、裂片の先鈍形、その先端部鈍鋸歯
花:7〜8月、茎先に多数の枝、多数の白色花で散房状、がく片4〜5個楕円形早落性、つぼみは紫色を帯びる、花弁なし、多数の長い雄蕊が輪状に集まる
富士山麓(170723)
カワラナデシコ(ナデシコ、ヤマトナデシコ)
なでしこ科
山野に自生
茎:数本叢生、直立、緑色、隆起した節
葉:対生、線形あるいは線状皮針形、両端尖、基部は相対する葉と短く連合して節を抱く
花:夏から秋、上方でまばらに分枝、淡紅色の花、花弁5個長い爪部、拡大部の縁は糸状深分裂、基部に鬚毛、雄蕊10個、花柱2個
八子ヶ峰(160825)
カンアオイ
うまのすずくさ科
山地の樹の下にはえる芳香の強い常緑多年生草本
根茎:地表近くを斜めにはい、多節、多肉でなめらか
茎:非常に短く、しばしば分枝し、茎の先に1個の葉と1個の花をつける.葉柄は汚紫色で長く、円柱形、多肉
葉:葉身は卵状楕円形、あるいは卵円形.葉の先端は鈍形で基部は深い心臓形、表面は平たくて濃緑色、あるいは白斑や泊脈があり、毛はまばらに生えている
花:晩秋から初冬にかけて開花する.花には短い柄があり、点頭または側向し、多くは半ば地にうずもれている.花の径は2p位、暗紫色であるがしばしば緑黄色をおびることがある.がくは多肉で3片に分裂し、無花弁、下部で筒状になり、内部には盛り上がった網目がある.6個の花柱は輪状に並び、先は尖り外側の先端から少し下がったところに点状の柱頭がある.雄蕊は12個で花柱の外側にある
丹沢(210214)
【キ の 花】
キオン(ヒゴオミナエシ)
きく科
深山の日当たりのよい場所に生える多年草
茎:90cm、直立して太い
葉:互生、広皮針形、浅い鋸歯、先端鋭尖、基部くさび形、短柄、両面に縮れ毛
花:夏、茎上部で分枝、多数の黄色頭花を散房状、周辺に1列の舌状花5個、中心に管状花10個内外
富士山麓(170827)
キケマン
けし科
低地や海岸地方にはえる越年草.茎や葉が大きくよく枝を張り出す.全体が白っぽい緑色
葉:柄をもち粗大、3〜4回羽状に分裂し、各裂片は卵状くさび形で深いきれこみがある
花:春、茎に長い総状花序をつけ、黄色の花をたくさん咲かせる.包は小さく長さは花柄とほぼ同じ皮針形、花冠は長さ15mm位で、一方がくちびる状に開き、他方はやや短めの鈍頭の距となっている.花の中には6本の雄蕊が両体を成す
丹沢(210411)
キッコウハグマ
きく科
山地の木陰に多い小型多年草で、地下茎は細長く這う
葉:茎の下部で互生し互いに接する.茎と共に目立った毛があり、葉柄は葉身の2倍ほどの長さ、葉身は浅く3〜9裂し、三角状円形となり、裂片は鈍い
花:秋に葉の集まりの中心から花軸が伸び、10個内外または多数の頭花をつけ、頭花には短柄があるが一見穂状花序状になる.各頭花には白色で5裂の管状小花が3個ずつあって、一輪の花のように見える.花冠の裂片は反曲、総包は狭い筒形、そう果には茶褐色羽毛状の冠毛がある.九州屋久島には変化品が多い
日本名:亀甲ハグマで葉が亀甲状をしているハグマの意
伊豆(201220)
キツネノボタン
きんぽうげ科
道端、溝の脇、山すそ、流れのそばなどの湿地に生える越年草
茎:直立して分枝、中空円柱形無毛
葉:根生葉は長柄、3小葉、2裂あるいは3裂、不規則な鋸歯、茎葉は互生で短柄、3つに全裂、柄の元はさや
花:春夏秋、各枝先に黄花、花弁5個平開、つや、倒卵状長楕円形、雄蕊雌蕊多数、そう果は楕円形金平糖状、径7〜10mm
箱根(170730)
キツリフネ
つりふねそう科
茎:直立分枝、多汁質、無毛柔らか、節膨らむ
葉:有柄互生、細長い楕円形、短く尖り基部鋭形、荒い鋸歯、薄質、柔らかい
花:葉腋から細い花柄、3〜4個の黄花、左右に大きな花弁、距は膨れて後ろに突き出し湾曲、5本の雄蕊の葯は連なる、雌蕊1本
上高地(170818)
キヌガサソウ(ハナガサソウ)
ゆり科
高山にはえる多年生草本.茎は1本で直立、少し太く無毛または葉の下面と共に軟毛がある
葉:8、時に7〜11、倒卵状皮針形で茎頂に輪生して開出、大きな傘形
花:夏、葉芯に茎よりも細い花柄を1本出して直立し、先に帯黄白色の花を1個開く.花はあとで淡紅を帯び更に淡緑色となる.外花被片は7〜9片で同形、白色、平開、皮針形または長楕円形、両端は狭くなって末端は尖っている.同数の内花被片は縮まって線形の細片となる.雄蕊2裂で多数、花被片と同数.子房は丸く数個の花柱は短い
液果:卵円形で緑色、後に暗紫色に熟し甘くなる
白山(200703)
キバナアキギリ
しそ科
低山地の木陰に生える多年草
茎:四角形、直立、長毛
葉:対生、長柄、ほこ形、先端鋭尖、基部心臓型、両端三角に突き出す、鋸歯、長毛
花:秋、茎頂に花穂、花茎の抱葉の脇に短柄黄色の唇形花を数段、包葉は卵形、がくは唇形、長毛、花冠上唇立ち上がり下唇3裂して前に突き出す、雄蕊2本、花柱は上唇より長く花冠より飛び出す
十二ヶ岳(180913)
キバナノアツモリソウ(コクマガイソウ)
らん科
亜高山に生える多年生草本、20cm内外
茎:緑色直立、円柱状で粗い毛、脚部さや状葉
葉:2、茎頂に向き合い、広楕円形
花:7月、葉間から有毛緑色の花柄、頂に1花を懸垂、淡黄緑色、紫褐色の斑点
三ツ峠山(210610) 入笠山(170610)
キバナガンクビソウ(ガンクビソウ)
きく科
山林内に多い多年草.茎葉直立して30〜60cm、上方の葉腋で小枝を分ける
葉:茎を通じて互生し、下葉は長柄、しばしば基部が心臓形となる.卵状楕円形、縁に不整の鋸歯があって、茎とともに軟毛がある.上葉に移るにつれて葉柄は短くなり、葉身もまた狭くなる.葉の下面に腺点がある
花:秋、茎上部の枝先に黄色の頭花を1個つけ、側向あるいは下向きに開く.頭花は径6〜8mm、2〜3の包葉があり、総包は鱗片状に重なり、外片は短く広く、内片は狭い
芦ノ湖遊歩道(190825)
キバナノコマノツメ
すみれ科
北半球の高山、亜高山、寒冷地に広く分布する有茎性の多年生草本で、日当りの良い草地、林縁などを好む.軟弱な少数の茎は長柄のある2枚の葉とともに株元から群がってはえる.地下茎は地中深く入る
葉:茎葉は鮮緑色、薄くしなやかで数少ない.葉身は腎臓形で鋸歯があり、縁に白い微毛が並んではえている.ふつう葉面、特に脈上にも微毛が散生するが、平坦で光沢がない.托葉は小さく、先が尖った卵形、縁に低鋸歯がある
花:初夏から夏、茎先に花柄を腋生し、左右対称の小さな花を横向きに開く.花は縦長で1cmくらい、花弁は黄色で各弁片には褐紫色のすじ.唇弁は一番大きく低く垂れており先端が短く急に尖る.側弁は無毛
八ヶ岳(190620)
キランソウ(ジゴクノカマノフタ)
しそ科
道端や土手に多く見られる多年草
茎:四方に広がって地面を這い直立せず、全体に多細胞の縮れた毛
葉:対生、根際の葉は放射状、長さ4〜6cm、幅1〜2cm、倒皮針形、先端鈍、縁に粗い鋸歯.緑色時に紫色、上部の葉は長さ1.5〜3cmで小形
花:春、葉の付け根に濃紫色の小花を数個、萼5裂で毛.花冠は長さ1cm、上唇短2裂、下唇大きく3裂し、中央の裂片は他の2片より大きく先は浅2裂.雄蕊4本で2本は長い
果実は4分果
松田山(190331)
キントキヒゴタイ
きく科
金時山でのみ観察できる
金時山(171001)
キンミズヒキ
ばら科
道端や原野に多く生える多年生草本、全株に密に毛をかむる
葉:互生、奇数羽状複葉、小葉は大小不揃い、側小葉は数対、大形のものは長楕円状皮針形、両面とも粗毛を密生、荒い歯牙状の鋸歯、頂小葉は大形の側小葉とほぼ同形、無柄、托葉は半心臓形、不揃いの鋸歯
花:夏から秋、茎の末端が分枝、小枝の先に多数の黄花を穂状に見える総状花序、短柄、花弁5、倒卵形または楕円形、雄蕊12本
大岳山(170916)
キンラン
らん科
低地の山林中にはえる多年生草本.高さ50cm
葉:10個内外、鮮緑色、長楕円形で基部は茎を抱き、先端は尖る.縦に荒いしわ、質は薄いが丈夫
花:春にギンランと同時期に黄花を10個内外付けた総状花序に開き、花下には短い包葉をともなう.花は直立して全開せず、長さ1,5cmで広楕円形.花被片は卵状皮針形をして鈍頭、狭脚.唇弁に距があり、3裂し側裂片は大きく低平な広卵形、内に赤橙色の縦のうねが数本ある.ずい柱の先端に円大な葯がある
箱根外輪山(190607)
ギンリョウソウ
いちやくそう科
山地の暗い木陰に生える腐食植物
茎:直立、1株に数本
葉:うろこ状で多数茎に互生、下部は密に重なる
花:夏、茎頂に包葉に包まれた下向き1花、花弁は筒状3〜5個、雄蕊10本、液果は球形白色
伊豆山稜線(170527)
キンロバイ
ばら科
高山に自生する落葉性小低木
茎:分枝多い、樹皮褐色
葉:互生、奇数羽状複葉3〜7枚小葉、小葉は長楕円形あるいは卵状長楕円形、先端鋭または鈍形、基部くさび形、両面に褐色の長い絹毛、葉柄の基部に拓葉
花:夏、茎頂に1〜3個の鮮黄色の花、花柄はやや短く絹毛を密生、萼5片、三角状卵形、副萼片5、線状楕円形、花弁5、円形、雄蕊雌蕊多数
坪庭(160730)
【ク の 花】
クガイソウ(クカイソウ、トラノオ)
ごまのはぐさ科
山地や高山にみられる多年草
茎:根際から数本直立して株、円柱形、分枝しない
葉:3〜8枚輪生して数層、長楕円形まれに楕円形、先尖、基部無柄、尖鋸歯
花:夏、茎頂に穂のような長い総状花序、密に多数の花、花序の下から順に咲く、花冠は萼より長い筒状、先浅4裂、裂片広卵形、花筒外部は無毛、内部軟毛が密生、雄蕊2本で花冠の外
八方尾根(190724)
クサイチゴ
ばら科
山野に普通に生える亜低木、葉は多少とも冬を越して緑色、20〜60cm
茎:直立または斜上、腺毛を密生、刺がまばらにつく
葉:互生、奇数羽状複葉、小葉は3〜5片、卵状皮針形または卵状長楕円形、鋭尖頭、基部は鈍形または円形、縁に切れ込み状の鋸歯、両面にやや密生する毛、葉柄はしばしば長く基部に針状の托葉
花:前年枝から側生する短枝の末端に1個、径4cm白色、花弁5片水平開出倒卵状楕円形
真鶴(180329)
クサタチバナ
ががいも科
茎:緑色直立30〜60cm、分枝しない
葉:有柄対生、楕円形ないし倒卵状楕円形、先端鋭尖、表面わずかに毛
花:夏、頂に花柄を出し分枝、白色花、花冠深5裂、長楕円形、副花冠は卵状三角形
三ツ峠山(210610) 笹子(160514)
クサボケ(シドミ、ヂナシ)
ばら科
山野に生える落葉小型低木
茎:下部は横に伏し、刺状の小枝
葉:倒卵形、円形、基部は狭いくさび形、鈍鋸歯
花:葉より先に赤色花、単立または2〜4束生、枝下部に多くつく、短花柄、萼は無毛、倒円錐形、萼片は半円形直立、縁に毛、花弁は倒卵形、あるいは倒卵状円形、基部は爪状、雄蕊多数、雌蕊の花柱は4〜5個、雌花と雄花が別
明神ヶ岳(160416)
クサボタン 花とそう果
きんぽうげ科
山地に生える落葉低木
茎:木質で直立、全体に毛
葉:長柄、対生3出複葉、葉質硬く葉脈が裏面に隆起、小葉は広卵形、先端尖り2〜3に分裂、ふちに粗鋸歯
花:秋、茎先や葉腋に短い集散花序が集まって円錐花穂、多数の紫花を下向き鐘状、下部筒状、上端は外側に反り返る.萼片4個で広い線形、1cm内外、外面は白色の絹毛、内面は紫色.雌雄異株、雌花は雄花よりやや小さい
そう果:卵形、花柱が頂端に宿存、1,5cmくらいの羽毛状
上高地(170817)
クマガイソウ
らん科
丘陵の木下に生え羽多年生草本、30〜40cm
茎:直立、粗毛多い
葉:無柄の大きい葉2枚を接近互生する
花:4〜5月、葉心から花柄1本直立、頂に大型花1個横向き、花の下に緑色卵形の包葉1枚、花は黄白色に薄く緑を帯び花被片は平開、唇弁は巨大な袋状で懸垂
入笠山(170604)
クモイコザクラ
さくらそう科
秩父山塊、八ヶ岳および赤石山脈の亜高山帯の岩場にはえる小型多年草
葉:長い柄を持ち、柄にはたった長い白軟毛が密にはえ、ほぼ円形で基部は深い心臓形.コイワザクラより深く掌状に7〜9裂し、裂片には少数のあらい鋸歯があり、上面には初め白い軟毛があるが後ほとんど無毛になり、下面には特に脈状に毛が多い
花:春、新葉とともに花茎を出し、下部には立った軟毛があり、先に1〜3個の紅紫色の花をつける.萼は半ばまで5裂し無毛、花冠の筒部はがくより長く、花冠裂片は1/3まで2裂する.雄蕊5本、雌蕊1本で、長さは株により異なる
※雲居小桜、高地に産する小形のサクラソウの意
鞍掛山(210523)
クモリキソウ
らん科
山地の林内にはえる多年生草本.地上部は年々枯れる.高さ15〜30cm
葉:2枚づつ前年の茎の側方に出て、そろぞれが反対の方向に斜開し、楕円形または卵状楕円形で鈍頭5〜10cm、質は少し厚く鮮緑色、縁は多くは細かく縮れ、基部は翼のある柄となって互いに抱いている
花:5〜6月頃、葉間から稜のある緑の茎を出し、上部に総状花序が出て10個内外の淡緑色花(アオグモ)、または淡暗紫色花(クログモ)を付け、花径は1cm、花下の包葉は微細.外花被片は開出し線状皮針形で鈍頭、内花被片は更に細く背後に垂れる.唇弁には爪があり、倒卵円形で少し頭部が突出し、中程からとよく外に反り返り、前から見ると倒三角形の唇弁の周りに5花被片の先端がはみ出して見える.花柱は腹がふくれ、中途から前方へ屈み腹面上部に柱頭がある
扇沢(190724)
クモマナズナ
あぶらな科
高山に生える多年生草本、5〜10cm
根茎:2〜3分岐
葉:互生、根生葉は根元から密集、倒皮針形またはへら状楕円形、5〜10mm、先端鋭、基部くさび形、上半分は縁に鋸歯、星状毛を薄く布く、茎上葉は3〜4個だけ茎下部につく、楕円形両端尖、浅く切れ込んだ鋸歯
花:7月頃、茎頂に総状花序、花柄が無毛の白色小形の十字状花を多数、花径6mm、萼片卵形、花弁は倒卵状楕円形で頭部凹む、雄蕊6本、雌蕊1
薬師岳(180626)
※黄色い花はタカネスミレ
クリンソウ
さくらそう科
葉:多数根際に群がり、広い倒卵状長楕円形、細かい鋸歯
花:長花茎、紅紫色の有柄花を花軸に輪生し数層を作る、萼は緑色5裂、花冠下部は筒、上部は5裂、裂片凹頭、雄蕊5本雌蕊1本は筒の中
※九輪草、輪生する花が九輪、多層をつくるの意
入笠山(170610)
クリンユキフデ
たで科
深山の樹の下にはえる多年生草本で、肥厚した根茎がある.茎は細長い円柱形で緑色、高さ20〜35cmくらいで分枝しない
葉:根葉は叢生し長柄、茎葉は互生で短柄、上部の葉は無柄で茎を抱いている.葉は卵形あるいは広卵形、先端は鋭尖形、基部は心臓形、長さ3〜10cm、葉質は薄い.葉鞘は膜質で2裂
花:7月頃、茎先に総状の花穂をつけ、また、葉腋に3〜5個の小白花をつける.花は短柄があり、基部に小包がある.がくは深5裂し、長さ2〜3mm.花弁は無し.雄蕊8個、花柱は3個、そう果は3稜形
浅間隠山(190625)
クルマアザミ
きく科
ノハラアザミの一変形で、頭花の基部には多数の葉状総包が放射状についている点が異なる.多年草で茎は直立し、下半分には粗毛がある
葉:根葉は輪状になって花時も生存しており、楕円形で縁に欠刻および鋭い歯がある
花:晩秋に茎上部でまばらに分枝し、各枝の頂に大形の頭花を付ける.頭花は直立し、葉状総包は皮針形、縁に刺針があり、大きいものでは6pになるが、内側のものは次第に小さくなり、総包片に移行する.総包片は狭皮針形で粘り気が無い.頭花は管状小花ばかりが多数あって紅紫色である.本品の葉状総包の出現は一時的の変態現象で、毎年その株から一定して出てこないため、一つの変種とは認め難い
箱根外輪山(211024)
クルマバナ
しそ科
山地や野原にはえる多年草
茎:四角で直立あるいは斜めに立ち上がり分枝する
葉:対生し、有柄、卵形または長卵形、先は鈍頭で基は丸く、縁に鋸歯がある
花:夏、枝先に花穂をつけ、淡紅色の唇形花を数段輪生する.包葉は線形.筒状2唇形で紫色を帯び包葉とともに立った毛がある.花冠は8〜10o、上唇は小さく下唇は大形で3裂し外面に細かい毛があり内側に赤い斑点がある.雄蕊4本のうち2本は長い
日本名:車花
金時山(220731)
クルマムグラ
あかね科
山地の湿った林内にはえる多年生草本.茎葉束生し、高さ30cmくらい、斜上または直立し、四角でふつう平滑
葉:質はやわらかく長楕円形または皮針形で先は細まって鋭く尖り、ほとんど認め得ない短柄があり乾くと黒くなる.ふつう6枚(2片正葉、他は正葉状に発達した托葉)を輪生する
花:夏に茎上部で分枝し、小白花をまばらにつける.花冠は4裂、雄蕊4本
果実:双頭状でかぎ状の刺毛が密生
富士山麓(190702)
クルマユリ
ゆり科
茎:直立
葉:倒皮針形、先端鋭尖形、基部は漸尖形、濃緑色で平滑、茎の中辺に6〜15片が輪生、上部に3〜4片がまばらに互生
花:茎の先に長柄を分枝、頂に黄赤色花を下向き、花柄の下に葉状の包葉、雄蕊6本雌蕊1本
富士山麓(170723)
クロイチゴ
ばら科
山地にはえて荒々しく広がって生長する落葉性の亜低木.茎は細長く多少つる状に伸びて分枝し、下向きのとげと細い毛がはえる
葉:まばらに茎上に互生し、長い葉柄をもち、普通は羽状の3出葉であるが、時には5小葉のものをまじえる.小葉は広卵形、先端は鋭頭形または鋭尖形、基部は円形か切形、縁には不揃いの歯牙状鋸歯がある.裏面には白色の短い軟毛が密生、脈上には小さい刺.托葉は針状で葉柄の基部に合着
花:6〜7月頃、側生の小枝の先に散房花序を生じ、少数の花をつけ、花柄はごく細く、毛を密生するが刺はない.萼片は両面とも白毛を密生する.花弁は小形で5個、白色へら状倒卵形.8月に核果は集まって小形の径8mmほどの球形になり、熟すと紫色から黒色になる
浅間隠山(190625)
クロトウヒレン
きく科
本州中北部の高山
茎:狭い翼、上部に短毛密
葉:根出葉は小さく卵形、先端鋭尖、基部は深心形、長柄に狭翼、下面は網脈状に細毛、茎葉は上ほど小さく卵形から皮針形、基部は心形またはくさび形
花:8〜9月、頭花は大きく、2〜3個の無柄、総苞は細毛密、暗紫色、花冠は紫色
涸沢(170817)
クロマメノキ
つつじ科
高山にはえる落葉小低木.高さ3〜6cmから1〜1,5mになり、多くの小枝に分れ、小枝は断面丸く密に葉を付ける
葉:小さく、褐色の小枝に互生、倒卵形、全縁で無毛、葉先に小凸起、下面緑白色で小脈が隆起してやや網目状
花:7月、前年の枝先に2〜3個の有柄の花を開く.がくは5裂、裂片は三角状.花冠は紅色を帯びた白色のつぼ形、先は浅く5裂、雄蕊10本、雌蕊1本、ともに花中にある
坪庭(160730)
液果:球形、紫黒色に熟す
根子岳(191020)
クロモジ
くすのき科
山地に多くはえる落葉低木.高さ2〜3mほどで枝が多い.樹皮は平滑で元来緑色であるが普通黒い斑点が見られる
葉:枝の上に互生し、葉柄があり、狭楕円形で両端は尖り、全縁で葉質は薄く下面は帯白色で、時には平たく伏した軟毛がまばらにはえている
花:春、葉よりも早くまたは新葉とともに淡黄色あるいは淡黄緑色の小花を開く.花は散形花序につき葉腋に三々五々群がる.花柄には軟毛がある.雌雄異株で、雄花は雌花より少し大きく数が多い.花被は6片に深く裂け、各片は楕円形.雄蕊9個.花が終わると雌の木には小さい球状の実が成り、10月頃熟して液果となる
樹皮に良い香りがあるのでつまようじを作り、また樹皮の油を香水の原料に用いる
伊東アルプス(240407)
クロユリ
ゆり科
高山にはえる多年生草本.高さ凡そ20〜30cm.茎は直立し、中部以上に4〜5枚の葉を2〜3段輪生し、上部には更に2〜3枚の葉が互生する
葉:葉は皮針形または楕円状の皮針形で、漸尖しているが先端は丸く基部は鈍形で葉柄がなく、長さ5〜8cmで質が厚く表面はつやがある
花:7月頃茎先に急に下を向いた花を1花付ける.悪臭があり長さは3cm内外、広鐘形で平開しない.花被片は菱形の楕円形または倒皮針状楕円形で暗紫色、内面は更に濃い色の斑紋がある.雄蕊雌蕊はともに潜在している
日本名:花の姿に基づいてつけた名前だが、ユリ属ではない
八方尾根(190724)
クワガタソウ
ごまのはぐさ科
山地の樹下などやや湿り気のある場所に生える多年草
茎:根際で分枝、直立12〜15cm、曲がった短毛
葉:対生、長柄、卵形、先尖、鈍い鋸歯
花:春から初夏、茎頂に総状花序、短柄の数個の花、萼は深4裂、花冠は淡紅白色で紅紫色の条、皿形で深4裂、基部に短筒、径8〜13mm、雄蕊2本、果実は平たい扇形で先凹む
※ヤマクワガタの果実は菱形で区別
富士山麓(160807)
グンナイフウロ ※つぼみ
ふうろそう科
高地にはえる多年草.高さ50cmに達し、茎葉直立し細長く溝があり、葉にも茎にも毛がある
葉:大形で掌状に5〜7裂し、裂片は倒卵形あるいは長楕円形で深い切れ込みがあり鋭頭、根生葉には長柄があり茎生葉にも柄がある
花:夏、茎上部で分枝、やや大きな淡紫紅色の5弁花を開く.萼片には毛があり長卵形で先端はかすかに尖る.花弁は倒卵形で萼片の1,5倍長さ.小花柄は花より長い.雄蕊には中央部まで非常に長い毛がある
※郡内(山梨県両都留郡の地方)風露
富士山麓(190702)
【ケ の 花】
ケマルバスミレ
すみれ科
マルバスミレと同じように分布するが、より普通に見られる無茎性多年生草本
葉:長い柄のある葉は根元から束生し、葉身は卵円形で基部は心臓形になり、縁に鈍い鋸歯がある.質は柔らかで、植物体にはややあらい毛が生えている
花:春、葉間から少数の花柄を伸ばして、その先に横向きに開く.白色または淡紅色の左右相称花をつけるがこの花は乾燥した後、長い期間を過ぎると黄色に変化する.側弁内側にふつう毛があり、唇弁に目立つ紫色のすじがあり、距は7〜8mmの円柱形
檜洞丸(180505)
ゲンノショウコ
ふうろそう科
野外に生える多年生草本
茎:地面に伏し、多少直立、分枝
葉:有柄、対生、掌状に3〜5裂、裂片長楕円形、倒卵形、上部に鋸歯、先端尖、毛
花:葉間に花柄、2〜3個の花、包葉は皮針形あるいは線形、白色、紅紫色、淡紅色、5弁で梅の花状
箱根外輪山(210804)
ゲンノショウコ(ミコシグサ)
ふうろそう科
野外に生える多年生草本 <
茎:地面に伏し、多少直立、分枝
葉:有柄、対生、掌状に3〜5裂、裂片長楕円形、倒卵形、上部に鋸歯、先端尖、毛
花:葉間に花柄、2〜3個の花、包葉は皮針形あるいは線形、白色、紅紫色、淡紅色、5弁で梅の花状
三ツ峠(170903)
【コ の 花】
コアジサイ
ゆきのした科
葉:対生、倒卵形、広楕円形、先端短鋭尖、基部はくさび形で細まり、上部は鋸歯
花:枝先に平たい小さな散房花序、淡い青紫の小花、装飾花なし
箱根(170618)
コイワザクラ
さくらそう科
富士山周辺、箱根丹沢などの岩場に生える多年草
葉:数個集まって根性、長柄、腎臓状円形、下部深心臓形、花期は一層小形、ごく浅く掌状に裂け、裂片に鋸歯、裏面は柔軟毛が密、葉柄とともに白色毛
花:晩春、花茎頂に紅紫色の花、有柄で3〜4個が散形状、柄の基部に緑色小包葉、花冠は深5裂平開、裂片倒卵形、先2裂で尖、凹部に1片の小突起、雄蕊5本雌蕊1本筒の中
金時山(170507)、檜洞丸(180505)
コウゾリナ
きく科
山野の道端などに咲く普通の多年草、全体に淡褐色または赤褐色の剛毛多
茎:円柱形直立、多少分枝
葉:根葉はロゼット状束生、下葉と根葉は倒皮針形、上葉は小形皮針形、基部は茎を抱く、不整の歯状鋸歯
花:初夏〜10月、茎上部の葉腋から分枝、先端に舌状花が集まる黄色の頭花、冠毛は羽毛状
三ツ峠(170903)、箱根
コウモリソウ
きく科
山地の森林内に生える多年草
茎:細く直立
葉:三角状ほこ形、幅が広い、基部は浅心臓形、頂片は最も大きくて鋭、大小不整の歯状鋸歯、茎上部の葉は縦に狭長
花:秋、茎上部で円錐花序状に多数の紫管状花6〜10個の頭花、総包6〜7片、先端に白色の冠毛
村山古道(160826)
コウヤボウキ
きく科
山地や丘陵のやや日当たりのある乾いた疎林の下などに多い草本状の落葉小低木.高さ60〜90p、幹枝は細く、葉と同じく短毛があり良く分枝する
葉:一年枝は卵形で縁にまばらな歯状の低鋸歯がある葉を互生、二年枝はやや細長な小葉を節ごとに3〜5枚くらいづつ束生し、いずれも3脈が目立ち圧毛がある.二年枝は秋に枯れる
花:秋に、その年に出た枝の先ごとに白色頭花を頂生する.総包片は鱗片に重なり、花冠は長筒状で5深裂、長さ15mm、1頭花に13個内外が集まる
梅ノ木尾根(201101)
コオトギリ
おとぎりそう科
箱根、丹沢の湿った日の当たる場所に多く生える多年生草本
茎:細長い円柱形で群をなしてはえ、直立し、梢は分枝し、下部はしばしば紅色に染まる
葉:薄弱で多数が茎に対生し小形、線状長楕円形あるいは線形、先端は丸く、基部は細いくさび形、非常に短い葉柄があり、全縁で表面は緑色で裏面は多少薄い緑色で、明るい点が一面に分布する
花:夏、茎の頂上に散房集散花序をつけ、短い小花柄のある小さな黄花を開く.花弁5個、細い皮針形で長さはがく片の2倍.多数の雄蕊は黄色で花弁より短い.がく片は5個で緑色長楕円形で先端は丸い.子房は卵形で3本の花柱がある
※オトギリソウよりずっと小形、葉は基部で狭いくさび形、黒点なし、で区別
箱根(210711)
コガネネコノメソウ
ゆきのした科
山地や谷川のへりにはえる多年生の小草本、白く軟らかい毛
花茎:3〜10cm
葉:1対の扇形、鈍鋸歯の小さい葉、花が終わってから伸び横に広がり、腎臓円形で円い鋸歯の葉を対生
花:頂部に集散花序の小形黄色花が密に集まる、早春に開花、萼片4個、丸くて目立ち、鮮やかな黄色、花弁状で2〜3mm、花が済むと緑色になる.雄蕊8本、萼片より少し短く、葯は鮮やかな黄色
両神山(190509)
コケイラン(ササエビネ)
らん科
深山の木陰の地にはえる多年生草本.地下には卵球形の偽鱗茎を具え、頂から1〜2葉、側方から1花茎を出す
葉:倒狭皮針形または線状倒皮針形でひだがある.下部は葉柄状に尖っている
花:夏、茎の頂部は総状花序をして褐色をおびた黄色花を10〜25つけ開花する.花は側向、径1p、花被片は線状倒皮針形、先端は少し鈍頭、唇弁は淡色、倒卵形、3裂、側裂片は小形で立ち、中裂片は大きく爪があり、卵形円頭、内面の基部には縦の隆起2個を並列.花柱は花被片より短く、花粉塊は4個が接し、細長い小柄を具えている
白山(200703)
コケモモ 花と液果
つつじ科
高山帯に生える常緑小低木、10〜15cm
茎:地下茎を引き細く直立
葉:密に互生、長楕円形または倒卵形、1〜2,5cm、先丸、全縁葉質厚い
花:初夏、枝先に短総状花序、帯紅色の白色鐘状花、短花柄の先に2枚の小包葉、花冠4裂6〜7mm、雄蕊8本雌蕊1本
富士山麓(170723)
液果:紅色に熟し、甘酸っぱい
富士山麓(160807)
コケリンドウ
りんどう科
日当たりの良い原野にはえる二年生の小さなくさである.茎は根もと近くから何本も分かれて立ち、高さ3〜8p
葉:対生し、下部の2〜3対は大きく、広皮針形で尖り、葉柄が無く茎を抱き、地面に接して重なり合って開き、十字形となる.茎葉は茎全体につき、狭卵形で小さく、基は合着し短いさやとなり、上部はやや開く
花:春、枝の先に淡青紫色の小さい花をつけ、日中に開花する.がくは5裂し、裂片は筒部よりも短くてとがる.花冠は鐘状でふちは5裂し、裂片の間には副裂片がある.雄蕊5本、雌蕊1奔、柱頭は2裂する
金時山(170507)
コゴメウツギ
ばら科
山地に生える低木.枝は細い円柱形で折れ易く、多く分枝する
葉:互生し卵形、先は次第に細くなってとがり、基部は心臓形、膜質でふちに切れ込みがあり、両面に柔らかい毛がある.葉柄は短くて有毛.托葉は皮針形で有毛.全縁または荒い鋸歯がある
花:初夏の頃、新しい枝の先に、短い総状花序を頂生または腋生して、小さい白花を房状に束生する.花径は4mmくらい.がくは広い鐘形、5裂し、裂片は卵形.花弁は5片でへら形、円頭でふちに毛がある.雄蕊10本
真鶴(210501)
ゴゼンタチバナ
みずき科
高山の林下に生える常緑小草本
葉:茎頂に6枚輪生、2枚が主軸に対生、あとは腋生の短小枝に2枚ずつ対生、倒卵形あるいは楕円形、全縁、支脈は長い
花:葉心から1花柄を直立、白色の1花序、4枚の開出総包片は白色で花弁のように見える、中央に小花が頭状に集まってつき、4花弁、雄蕊4本
涸沢(170818)
コチャルメルソウ
ゆきのした科
山地や谷川附近の湿地にはえる多年生小草本で、ほふく枝を出して繁殖する
葉:根生葉は長い柄があり、まばらに腺毛がある.葉身は心臓状円形で、幅も長さもほぼ同じ、基部は深い心臓形、ふちは浅く裂け、更に不正の鋸歯がある
花:4〜5月頃、高さ10〜20p位の花茎を出し、少数の花をつける.がくは5つに裂け、裂片はほぼ三角状で開出する.花弁は5個、淡黄緑色で羽状に細かく裂け、裂片は線形で普通7個ある.雄蕊5本、花弁と対生し、ごく短く、花糸は花盤につく.子房はがくに付着し、花柱は2個で短い
箱根(210402)
コナスビ
さくらそう科
原野、路ばたに普通に見られる小さな多年草
茎:柔毛、初め斜めに立つ、伸長し地上を這い、四方に広がる
葉:対生、卵形または広卵形、先端鈍または鋭形、基部円形、有柄
花:夏、葉脇ごとに黄花1個、萼深5裂、裂片は線形で尖、花冠5片深裂、裂片は三角状卵形、雄蕊5本雌蕊1本
箱根(170618)
コバイケイソウ
ゆり科
高山帯の日当たりの良い少し湿った地にはえる多年生草本で、群生する
茎:強壮で直立し、0,5〜1m
葉:緑色で互生し、茎に対して斜めにつき、広い楕円形で8〜17cm、頭は円くやや出ており、鈍頭で葉柄はなくすぐに葉鞘に続いている.縦ひだが多数走り、葉の先は内面に凹んだ感じがする
花:7月頃茎の先に総状花序をつけ、中央の大きな穂の下には4〜5の短い穂があってたくさんの白い花を開く.花軸には多くの短毛がある.花径は8mm内外で花被片6は倒卵状楕円形で先が少し狭くなっている.雄蕊6個は花被片より長く、先端に点状の葯がある
笠ヶ岳(190806)
コバギボウシ(ミズギボウシ)
ゆり科
湿地にはえる多年生草本
葉:きわめて変異に富むが普通の葉は葉柄10〜20pで時には翼状.葉面は長楕円形または卵状皮針形、先は尖り基部は時折丸く、表裏両面ともに深緑色で多少艶がある.ふちは平らで時折小さい波状をしており、支脈は主脈の各側に4〜5ある
花:8月に入ると葉心から細い茎を直立し、頂に総状花序を出す.花は斜めに下垂し、花被は漏斗状の鐘形をして裂片は長楕円形して反り返って開出する.花冠は薄紫色でまれに白いものがある.雄蕊6個で1本の雌蕊と共に長く花被より突出している
箱根外輪山(210804)
コバノイチヤクソウ
いちやくそう科
針葉樹林の林床にはえる多年草.根茎は細長くはう.高さ10〜20cm
葉:4〜8個がロゼットを作り、深緑色の広楕円形. 先端と基部は円形、縁に尖った低鋸歯.柄の長さ1〜3cm.花径に付く鱗片葉は線状皮針形で先が尖る
花:7〜8月、茎先にまばらに3〜7個を点頭、白色で径10〜15mm.苞は広い線形で先端は鋭く尖る.がく裂片は鋭三角形.花柱は長く突き出して湾曲する
北穂高岳(180716)
コバノガマズミ
すいかずら科
日当たりの良い山地に多い落葉低木.小枝に細毛がある
葉:対生し、毛のある短柄があり、葉身は卵状長楕円形で先は鋭く尖り、縁には低三角形の鋸歯があり、表裏共に細毛がはえている.葉柄の付け根に細小な托葉がある
花:初夏に1対の葉がある短枝の上に散房花序をつけ多数の白小花を開く.花冠は5裂し、長い5本の雄蕊がある
※画像は葉の表面に毛が無いので、テリハコバノガマズミかもしれない
愛鷹山黒岳(210526)
コフウロ
ふうろそう科
山地の木の下にはえるひ弱い多年生草本
茎:下部から分枝し、斜めに立ち細くて弱々しく、細かい毛がある
葉:根生葉は4〜8個、葉柄は8〜15p、葉身は掌状に5裂する.茎生葉はやや短い葉柄があり、多く掌状に3裂する.裂片は長卵形で深く分裂し、先端は尖る.托葉は小形で線形
花:夏から秋の頃、枝先に花柄を出し、1〜2個の白色の小花を開く.がくは卵状皮針形で3〜5脈があり、針状で先端はわずかに尖る.花弁はがく片と同長でへら状、先は凹頭となり、花爪の部分に毛がある.10本の雄蕊は大体がく片の半分の長さで、花糸には細かい毛がある
日本名:小風露
村山古道(160826)
コマクサ
けし科
高山帯の砂礫地にまれにはえる多年生草本.高さ8〜13cm.根はひげ状
葉:根生で長い柄を持つ.多数に細かい裂け目が入り裂片は線状楕円形で先端が尖っている.全体が滑らかでやや厚みがありやわらかい.色は白みがかった緑色
花:7〜8月頃花茎を2〜3本出す.花茎の先が垂れて1〜6個の紅紫色のかわいい花を開く.がくは2個で卵形、花冠の外側の2弁は下のほうが袋状で前端が反り返り、長さは1,3cm位ある.内側の2弁は下のほうが狭くなり互いに合着して前方に出る.雄蕊6個、3個づつ中央に近く合着し外の弁に対立する.3個のうち中央の雄蕊は湾曲して外側の花弁の袋に入る
日本名:駒草は細長い花冠の形が馬の顔に似ているから
白馬岳(190722)
コミヤマカタバミ
かたばみ科
深山、特に針葉樹林帯の木陰に見られる多年生草本
葉:長柄、3小葉、倒心臓形、少毛
花:春、花茎の頂に白色または紫紅色1花
※ミヤマカタバミに似るが、寒地を好み、体小形少毛、小葉は丸味、角が円頭で区別
入笠山(170610)
コメツツジ
つつじ科
深山に生える小低木
枝:短く密に分枝
葉:小形で枝先に密集、卵形または長楕円形、両端尖、無柄
花:夏、枝先に1〜4個の白色小花を散形状、花冠は漏斗状、先5裂し広開、雄蕊5本で花冠より長く外に出る
赤城長七郎山(160709)
コメバツガザクラ(ハマザクラ)
つつじ科
本州中部の高山帯にはえる、常緑の極めて小形の低木.茎葉地下を横に走り、枝は細く直立し高さ10〜15cm
葉:小形でやや密につき、多くは3個ずつ輪生し、極めて短い柄をもち、楕円形で5〜8mm.コケモモの葉に似ていて小さいが、はるかに厚い革質で、先端は鈍円形で1個の腺点がある.縁は全縁で多少外巻.表面は滑らかで中央脈だけ凹む
花:7月、枝先に3花または3条の総状花序を散形に出し、白色でつぼ状の小さい花が下垂し、花柄には小さい包葉がある.萼片は5個で淡緑色、裂片は卵状楕円形.花冠はつぼ状で長さ5mm.縁は浅く5裂.雄蕊10本、花冠の内部にある
八ヶ岳(190620)
コヨウラクツツジ
つつじ科
深山にはえる落葉低木.幹は直立して分枝、若枝は葉と共に毛がある
葉:枝先にほぼ輪生状に互生し、倒皮針形または長楕円形、先は尖り先端はやや堅く、ふちは全縁で毛がある
花:5〜6月、葉の出る前または葉と同時に、腺毛のある花柄を3〜6本散形に出して下に曲り、柄の先にゆがんだつぼ状の花を数個開く.萼は小さく、浅く5裂する.花冠は黄赤色でふちは短く5裂する.雄蕊は5本、雌蕊は1本
瑞牆山(220524)
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