御嶽山(3067m) H22.10.1〜2

 10月1日より1泊2日で御嶽山へ紅葉登山にでかける。名古屋で特急「しなの3号」に乗り換え一路木曽福島へ向かう。今ちょうど馬籠宿の本陣の当主を主人公にした島崎藤村の小説「夜明け前」を読んでいる最中。中津川を通過したあたりから車窓の景色と小説で描かれた光景を頭の中でかさねあわせる。「木曽路はすべて山の中である」と表現した木曽の中心地である木曽福島で降りる。今年の5月に木曽駒ヶ岳に登ったときもこの駅で下車しているので駅前の風景に懐かしさを覚える。レンタカーで御岳ロープウェイ乗り場へ、標高2150mまで一気に高度を稼ぐ。

 1日目は、黒沢口登山道を8合目まで登り、8合目あたりの紅葉見物をするだけだ。8合目から三の池方面へ向かう登山道からが紅葉のビューポイントらしい。御嶽山は信仰の山で夏場には白装束の老若男女の登山者の列でいっぱいになるが、さすがこの時期にはそれも見かけない。そのかわり8合目までの登山道には、紅葉見物のハイカーの列がとぎれることがなかった。
 御嶽山は、明治10年頃まで女人禁制で8合目より上は神聖域とされ女性は登山することを許されなかった。8合目に登山が許されなかった女性たちの御堂があったことから「女人堂」と名付けられたらしい。今夜は、その女人堂に宿泊する。

 翌日の朝は、8合目でご来光を拝みナイアガラの滝のような雲海を堪能することができた。乗鞍岳と槍ヶ岳、穂高の峰々が朝日を浴びて輝いている。雲一つない群青の空のもと紅葉のパッチワークを右手に見て頂上を目指す。9合目あたりからがきつい。白装束の人たちが「六根清浄(ろっこんしょうじょ)」を唱えながら登るのを思い出す。宗教的意味合いはともかく、登山の際のかけ声だそうでそれが現代の「どっこいしょ」になったとの説がある。「ろっこんしょうじょ」「どっこいしょ」と心の中でつぶやき登る。

 御嶽山は独立峰で、頂上では360度の素晴らしい展望を楽しめる。近頃、パワースポットとして御嶽山(御嶽神社)の名前をよく雑誌などでみかける。パワースポットの正しい意味は知らないが3067mを登りきったものだけが目にする素晴らしい景色が、自分に達成感(自信)と活力(パワー)を与えてくれることだけは確かなようだ。
また、頂上の奥宮の配置がおもしろい。神社の表側は、北アルプスから八ヶ岳、中央・南アルプスや富士山まで見える大パノラマだ。 それに対して神社の裏手は、白い噴煙をあげている荒々しい噴火口のある地獄谷となっている。奥宮の社を境に天国と地獄が表裏一体に存在する信仰と宗教の山にふさわしい頂上だと感心する。
 下山後、木曽温泉で汗を流し帰途につく

御嶽山の紅葉




御嶽山のご来光




登山経路図

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    御 嶽 山

○ 標高 3067m

○ 登山モデルコース

  上り 高原駅 ・・・・ 7合目 ・・・・ 8合目 ・・・・ 9号目 ・・・・ 頂上

            0:10           1:10           1:20           0:40

                     

  下り 頂上 ・・・・ 9合目 ・・・・ 8合目 ・・・・ 7合目 ・・・・ 高原駅

                     0:30            0:50           0:50           0:10               
写真ギャラリー

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1特急しなの3号 2ロープウェイ乗り場

3御嶽山を仰ぎ見る 4延々と続く階段

5女人堂 6女人堂からの御嶽山

7岩肌の紅葉 8魔利支天山の紅葉

9御嶽の夕暮れ 10滝のような雲海

11御嶽のご来光 12乗鞍と北アルプス

13紅葉のパッチワーク 14幻想的な白骨林

15頂上直下のザレ場 16御嶽山頂上

17一の池と二の池 18富士山が見える

19白い噴煙をあげる 20木曽温泉