二〇〇一年 | |
・スカリー、FBIアカデミーに転属。 産休を終えたスカリーは、X−ファイル課を離れ、法医学教官として、FBIアカデミーに三度、勤務する事となった。これはおそらく、ウィリアムの育児を、考えての事であろう。 | |
二〇〇二年 | |
日付不明 | |
・ローン・ガンマン、死亡。 新型の生物化学兵器による、大量虐殺計画を阻止するために、ローン・ガンマンは、その命を投げ出した。 スキナーの計らいで、ローン・ガンマンの亡骸は、数々の英雄が眠る、アーリントン国立墓地に埋葬された。 | |
日付不明 | |
・スペンダー、スカリーとウィリアムに接触。
一九九八年以来、“無敵兵士”計画の実験台として、利用されてきたスペンダーは、“タバコを吹かす男”への復讐を果たすため、スカリーに接触する。 地球再入植計画の、必須要素であるウィリアムに、マグネタイトを投与して、“無敵兵士”としての全能力を、無効化する事――それが、スペンダーの復讐であった。 現生人類の存続に、希望を失った“タバコを吹かす男” は、一転して、その滅亡を、願うようになっていた。その歪んだ願いを、阻止する事によって、スペンダーは、“タバコを吹かす男”への復讐を、果たしたのだった。 ・スカリー、ウィリアムを手放す。 もはや、“無敵兵士”ではないとはいえ、このまま、自身の手元に置いては、いつまた、危険が及ばないとも限らない……そう考えて、スカリーはやむなく、ウィリアムを養子に出した。 | |
日付不明 | |
・ルーク誘拐・殺害事件、解決。 一九九三年のルーク誘拐・殺害事件には、三人の人間が関与していた。前年、事故死を遂げた幼児性愛者・ハーヴィー、ギャングのレガーリ、そして、この両者と癒着していた、ニュー・ヨーク支局時代のフォーマーである。 ハーヴィーに誘拐されたルークは、不幸にも、フォーマーの素顔を知ってしまった。それがために、レガーリによって、口封じに殺害されたのだった。 | |
日付不明 | |
・モルダー、ウェザー山地下施設のカード・キーを入手。
プレイズと共に、ニュー・メキシコ州ウィード・ホープの砂漠で、潜伏生活を続けるモルダーの元に、“賢者”を名乗る人物から、カード・キーが送られてきた。 カード・キーは、“影の政府”によって、ヴァージニア州ブルーモントに建設された、ウェザー山地下施設のものであり、その発送者は、“タバコを吹かす男”であった。 来たる二〇一二年十二月二十二日に、“先住民”によって開始される、地球への再入植を阻止する術は、もはや、存在しない――その事実を突きつけて、モルダーの希望を取り上げる事が、“タバコを吹かす男”の目的であった。 そうとは知らぬモルダーは、真実を突き止めるべく、カード・キーを利用して、ウェザー山地下施設に侵入する。 ・モルダー、逮捕。
ウェザー山地下施設に侵入したモルダーは、軍部によって、逮捕され、ヴァージニア州クアンティコの海兵隊基地刑務所に、収容された。 モルダーを待っていたのは、軍事裁判だった。それは、ウェザー山地下施設の警備にあたっていたローラーを、殺害したという、濡れ衣に基づくもので、モルダーの口封じを、合法的に行うための、茶番に過ぎなかった。 スカリーらは、全力を挙げて、モルダーの弁護にあたったものの、結局、薬物注射による死刑、との判決が、下されるに至った。 ・モルダー、脱獄。
スキナーらの協力を得て、海兵隊基地刑務所を脱獄したモルダーは、スカリーと二人、逃避行を開始する。 一方、FBIは、脱獄したモルダーを、ローラーの殺人容疑で、指名手配する。しかしながら、その目的は、モルダーを逮捕する事ではなく、FBIから、半永久的に追放する事にあった。 ・X‐ファイル課、閉鎖。
おそらくは、モルダーの弁護にまわった、ドゲットおよびレイエスへの報復であろう。FBIは、問答無用のうちに、X‐ファイルを回収する。その措置は、事実上のX‐ファイル課閉鎖を、意味するものであった。 ・“タバコを吹かす男”、爆撃さる。 “影の政府”は、ニュー・メキシコ州の砂漠地帯へと、爆撃用ヘリコプターを派遣する。その目的は、“タバコを吹かす男”への制裁にあった。ウェザー山地下施設のカード・キーを、モルダーに漏洩した、“タバコを吹かす男”の行為は、“影の政府”にしてみれば、裏切以外の何物でもなかったのである。 “タバコを吹かす男”は、潜伏生活を送る、アナサジ族の砦跡にて、爆撃を受ける。しかしながら、全身火傷を負いながらも、辛うじて、一命を取りとめる。 | |
日付不明 | |
・スカリー、FBI退職。 モルダーは、心機一転、未来と戦い続ける事を、スカリーに宣言する。そのモルダーを、側近くにあって、支援するためであろう。スカリーは、FBIトレーニング・アカデミーの教官を辞する。 | |
二〇〇三年? | |
・モルダーおよびスカリー、潜伏生活開始。 密室裁判の不当判決にもかかわらず、FBIは、殺人犯として、モルダーを指名手配する。それに伴って、モルダーとスカリーは、ヴァージニア州ファーズ・コーナーのウォリス通二二七七〇〇に建つ、人里離れた一軒家において、潜伏生活を余儀なくされる。 | |
二〇〇六年? | |
・レイエス、FBI退職。 レイエスは、“タバコを吹かす男”の脅迫によって、特別捜査官の辞職を、余儀なくされる。その交換条件は、スパルタ・ウイルスへの免疫抗体であった。この期に及んでもなお、“タバコを吹かす男”は、人類淘汰の野望に、固執したのである。以後、レイエスは、“タバコを吹かす男”の片腕として、その妄執に、助力する事となる。 一方の“タバコを吹かす男”は、まだ、医療施設において、火傷治療の途次にあった。その全快を待って、レイエスは、共に、サウス・カロライナ州スパルタンバーグの邸宅へと、移住するに至る。 | |
二〇〇八年 | |
日付不明 | |
・スカリー、“悲しみの聖母病院”就職。 スカリーは、ワシントンD.C.の“悲しみの聖母病院”にて、医師としての勤務を、開始する。“悲しみの聖母病院”は、キリスト教・カトリック教会による医療施設である。この“悲しみの聖母病院”において、スカリーは、難病・サンドホフ病に冒された、クリスチャン・フィアロンという少年を、担当する事となる。 | |
一月九日 | |
・FBI、モルダーの指名手配を、撤回する。 FBIのモニカ・バナン特別捜査官が、何者かによって、誘拐される。しかしながら、霊能者を自認する、ジョセフ・フィッツパトリック・クリスマンの出現によって、その捜査は、混迷を極める。特別捜査班のダコタ・ホイットニー主任特別捜査官は、超常現象に通ずる、専門家の必要性を、痛感する。 モルダーは、ホイットニーの要請に応じて、バナンの捜索に、協力する事となる。その見返として、FBIによる指名手配は、白紙撤回に至る。 | |
二〇一二年十二月二十二日 | |
・地球再入植計画、決行予定日。 どうあろうとも、現生人類は、当日をもって、絶滅する――そのはずであった。 しかしながら、実際のところは、“先住民”の地球再入植計画に代わって、新たなる陰謀が、始動する事となる。それは、“タバコを吹かす男”の独断による、現生人類の淘汰計画であった。 | |
TO BE CONTINUED(続く) | |