風邪症状で何科を受診する?

Dr.TOSHI的考察

風邪症状でどこを受診する?・・・耳鼻咽喉科?小児科?内科?

異論・反論あると思いますが、管理人Dr.TOSHIの考え方と思ってお読み下さい。(^^)

子供さんの風邪に対して「小児科と耳鼻咽喉科とどちらを受診したらよいか?」という質問をよく受けます。出される薬は似たような ものです。

耳鼻咽喉科は当クリニックもそうですが、子供さんの患者さんが多く、「小児科ですか?」って言われることもあります。

風邪は耳鼻咽喉科でも小児科でも内科でも・・・産婦人科でも、どこでも診てくれます。

「熱が出たから小児科受診した」「鼻水がひどいので耳鼻科に来た」などという受診分け(?)をしている方もおられます。

「咳が出るので小児科を受診した」とか、「咳が出るので耳鼻科に来た」という方もおられます。面白いですね。

耳鼻咽喉科受診のメリットとしては・・・

問診のあとになりますが・・・視診、これが1番大事で、次に触診です。

「百聞は一見に如かず」です。鼻の中や咽頭・喉頭、鼓膜、中耳を実際に見て判断をすることが大事です。

見れば風邪、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎なども分かることが多く、無駄な検査もしなくて済みます。

上気道系に関しては視診・触診・問診・聴診のすべてを総動員して診療するのが耳鼻咽喉科ですね。

鼻水を吸い取って鼻腔を広げる処置などを行いますし、扁桃や咽頭にルゴールなどを塗ったり、膿栓除去をする処置もあります。

しかし・・・鼻水を吸うだけで「鼻処置」なんていうことではありません。中を見て、粘膜の状態や粘液の色合いや性状を判断しています。

鼻腔や咽頭・喉頭を詳細に視診することが出来、異常部分の説明が出来ます。

むやみに吸引してもダメです。やらんよりは「まし」・・・ですが、へたすると出血や傷の現認にもなります。。

頭と目を除く胸から上に関してはかなりピンポイントな治療が出来ると思います。

ツライ状態で病院に来て、帰るときにちょっとは楽になっているという面では耳鼻咽喉科受診のメリットは大きいのかもしれません。楽になるので毎日 のように処置に来られる方も多くいらっしゃいます。逆に「怖い・痛い」で避ける方もいらっしゃるのも事実です。

 

副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、鼻茸などが風邪と勘違いされて放置されているケースを発見することも出来ます。

咽頭炎って言われていたのが実は急性喉頭蓋炎、扁桃炎って言われていたのが扁桃周囲膿瘍・・・なんていう事例は多数あります。

また、胸部レントゲン写真や胸部・腹部の聴診・触診も行いますが、そこら辺にはノータッチという耳鼻咽喉科もあります。

当院は救急病院での救急業務経験を生かして結構いろいろやる方かもしれません(^^)。もちろん、レントゲンもありますので胸や骨折などもある程度診断が出来ます。(やむを得ない場合)

喘息を診てくれるかどうかもその医師によります。当院は軽症〜中等症の喘息は診ています。

喘息は上気道、特に副鼻腔、中耳との関連が強いからでもあります。点滴もネブライザーも準備していますが重症化・コントロール不良ですと、近くの地域機関病院を紹介しています。

例えば、気管と副鼻腔と中耳の粘膜は基本的に同じ細胞で同じ組織系です。だから同じような種類の菌やウィルスに感染して、同じような薬が効くわけです。

ところで、意外と耳鼻咽喉科が『甲状腺を診る』って知らない方も多いような・・・内科から紹介され、手術をするのも耳鼻科だったりします。もちろん外科の先生方も宇あることもありますが…喉頭などとのつながりを考えるとやっぱり耳鼻科だと思います。

さて、地域の呼吸器内科や小児科との連携もしていますので、安心して診療できます。

小児に関しては小児科との連携が不可欠です。非常に小児科の先生方にはお世話になっております。

小児科や内科受診のメリットは全身的な診察と、各種ウィルス感染症などについて我々耳鼻咽喉科医よりも詳しいですし、迅速な診断キットなども常備していますので、小児に多い感染症などについては相談しやすいと思います。

腹部症状がある場合などは特にそうですね。 インフルエンザやおたふくかぜなどは耳鼻咽喉科を含めてかかりつけの何科でも問題ありません。

点滴を必要とする乳(幼)児などに関しては、一般的に針や薬の豊富さ・点滴の腕前(?)は我々耳鼻咽喉科医は小児科には及びません。また「総合かかりつけ医」として安心できる存在であるとも言えますでしょう。

例えば花粉症の点眼薬や、腸炎の整腸剤や胃薬、皮膚炎の軟膏などは、当然のように専門のクリニックに比べたら、軽症の方に使うような薬の使い方しかできません。

やはり、連携して専門家にお願いすることが必要になると思います。

なぜか小児科学会が中耳炎の診療ガイドラインを発表したりしてますが、確実な診断と判断ができてこそのガイドラインと思うのです。耳垢で鼓膜が見えないのに「耳を見て中耳炎と言われました」ってどういうこと?

中耳炎や副鼻腔炎をしっかりとした治療を受けられるようにしてあげたいものです・・・ただでさえドロップアウトしやすいのですから。

成人の顔面レントゲンをみると、小児時期の副鼻腔炎によるものと思われる、副鼻腔の「未発達像」が多くみられます。副鼻腔が未発達のまま成人を迎えると、難治性の副鼻腔炎になり、手術が必要になる例も多くなります。

中耳炎も自覚症状のないまま進行した「滲出性中耳炎」、ひどい場合は「真珠腫性中耳炎」になって鼓膜切開、チューブ挿入、手術などが必要になる患者さんたちを診ることがあります。将来に『難聴』になるんだろうなあ〜的なケースもちらほら・・・抱え込まずにうまく連携してあげてほしいところです。

逆もしかりで、小児の肺炎や脱水、その他分からないことがあればすぐに小児科に行っていただきます。

いろいろ異論もあるかと思いますが、管理人Dr.TOSHIはそんな感じで考えております。

とにかく、無理に患者を抱え込まないようにし、適切な診療科を紹介するようにしています。

だから迷ったときには、信頼できる病院で相談してみることです。

セカンドオピニオンも気軽に行ってみるのもいいでしょう。

そうすれば適切な紹介先を紹介してくれると思います。

話は逸れますが・・・

小児科や救急病院を疲弊させないためにも、受診は急変・重症以外は診療時間内に余裕を持って受診して下さい。

親の仕事の都合や、子供の学校の都合で夜間当番医や休診日や当番医を気軽に利用するのはやめましょう。

その地域から最後の砦となるいつでも診てくれる小児科医や救急病院の勤務医を疲れさせ、やる気をなくさせ、ついには追い出すことになります。

「子供は急変したり、夜に悪くなるからしょうがないじゃん!」「仕事だったんだよ。来れるわけないだろう!」

・・・こんなこと言うひどい人、実際にいるんです。

こんな人が増えれば、最終的に皆さんが困ることになるだけです。

地域の医療体制を守るために、マナーやエチケットを守りましょう。

小児科や救急病院はもちろんですが、他の医療機関でも時間外や休診日に診てもらったら・・・

・・・「ありがとうございます」を心をこめて口に出して下さい。

その一言があるだけで、医師やスタッフのモチベーションは上がります。

「がんばるぞ!」ってなるんです。(^^)

異論がある方は無視して下さい。考え方を押し売りはしません。

他にもいいお医者さんがたくさんいます。(^^)