アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療

アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療(下鼻甲介粘膜焼灼術)アレルギー性鼻炎(花粉症も含む)は最近では人口の1割〜3割いるといわれています。体質による病気のため、治療期間も長くなりがちで、途中で治療を止めてしまう方も多いようです。治療も内服や点鼻薬の使用が主で、体質改善(減感作療法)も行われていますが、長期の通院が必要だったりして、一般的に行われているところは少ないようです(当院では行っています)。そこで外来でも手軽に行え、またほとんど痛みや出血もないことから普及してきているのが、アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療です。

当院でも安全な最新のCO2レーザーを使用して施術します。

アレルギー性鼻炎は鼻腔内に侵入した抗原(ハウスダストやスギ花粉など)が鼻の粘膜に接触すると、それを認識して抗体というものが体の中に作られます。再び抗原が入ってくると、過剰な抗原と抗体との反応、すなはちアレルギー反応が起こり、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を引き起こします。生体の過剰防御反応といえます。

アレルギー性鼻炎は体質的な疾患ですので、長期にわたる治療が必要になります。「仕事や学校の都合で通院ができない」、「手っ取り早く症状をなくしたい」という方にはレーザー治療をお勧めしています。副鼻腔炎(蓄膿症)や強い鼻中隔湾曲症がある場合にはレーザー治療では効果がなく、別な手術をお勧めすることもあります。

レーザー治療(Laser Assisted Turbinate Reduction)とは

外来で行います(日帰り手術)。アレルギー性鼻炎をはじめレーザーは鼻疾患に広く応用されています。

施術可能な年齢は一般的には10歳前後からです。7〜8歳でも数人可能でした。暴れたり泣いたりしなければですが・・・

鼻づまり・鼻水・くしゃみの改善が主な目的です。特に、鼻づまりを改善する効果が最も高いようです。

薬剤量の減少と副作用の回避、通院回数の減少で、医療経済的にも効果的です。術後に鼻内にガーゼなどをつめる必要がなく、患者の負担が少ないのでお勧めです。レーザーによる下鼻甲介粘膜焼灼術は保険が利きます(900点)。3割負担ですと、両側で5400円です。両鼻の手術と診療費と薬剤費合わせると、3割負担でも1万円以内で可能です。

鼻粘膜の表面に、塗布麻酔を約15〜20分間行い、痛みを完全に無くした後、アレルギー反応が起こる鼻粘膜をレーザー照射によって表面を蒸散させます。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー症状が減少するのです。

レーザー照射の手術時間は15〜20分(両側)程度で、疼痛や出血は殆どありません。

レーザー治療後は・・・

すぐに帰宅できますが、当日は入浴、飲酒、激しい運動は避けてください(出血の危険性があります)。

術後の薬剤として「ステロイド入りの点鼻薬」と「やや強力な抗ヒスタミン剤」を処方しております。

眠気を催すことがありますので運転や機械の操作などにはご注意下さい。

まれに「うずく」ような痛みを感じることがありますので「鎮痛剤」を屯用で服用下さい。

術後一時的に鼻づまりなどを感じることがありますが約1週間程度で回復していきます。

術後1〜3日ほど鼻出血が見られることがあります。大量に出ることはほとんどありませんので、しばらく椅子に座るなどして安静にされるとすぐに(5分以内で)止まります。激しく出血される場合は、すぐに病院にご連絡下さい。

レーザー治療の効果としては・・・70%〜80%の改善率です・・・経験的には9割以上の有効率ですが・・・

1回だけで効果が不十分な場合は、その後約1ヶ月に1回位で、2〜4回の追加照射をします。

レーザー照射の治療効果は、永続的に続くものではありません。効果の持続期間も人によって様々です。

1〜2年経つと、効果が薄れてくる場合がありますが、再照射で効果を維持することができます。

スギ花粉症でレーザーを希望される方は12月後半〜1月下旬までに受けることが望ましいです。(ひどくなってからではツライ!)

噂を聞いて、最初からレーザー治療目的で来院する患者さんが多いのですが、診察しないことには「適応があるかどうか」わかりません。
まず,診察を受けてください。必要に応じた検査を行い、「適応あり」と判断した患者さんのみレーザー治療を行います。
もし、家族や知人等に御紹介される場合でもその旨をお伝え頂けると幸いです。