『フラガール』
監督 李相日


ヤマのMixi日記 2006年10月13日00:57

 慇懃無礼という言葉があるが、僕が田舎に暮らしてるせいか、妙にすっきりしない感じがして気持ちよく乗れなかった。別に都会人を癒し再生させるためにあるんじゃないやいってな感じや、都会人の指導と刺激を抜きに田舎では何も生まれないのかってな僻み根性を刺激されてしまった。それと“プロ”って言葉が何度も出てくるんだけど、そういうことかなぁって妙に浅薄に感じられ、まどか先生(松雪泰子)が磐城を後にしようとする心情もリアルに感じられるよりも展開上の必要性のように映って、何だかとってもとっても損な見え方になってしまった(とほほ)。富司純子は、よかったけどねー。

 蒼井優が一人で踊っている場面は花とアリスを思い出したけど、シーンとしての鮮やかさは断然『花とアリス』のほうが優っていたように思う。踊りのイチバンの見せ場だったステージでのフラダンスのソロは、あれほどカット繋ぎをしちゃなぁ…。吹き替えとの切り替えを細かにしてたのかなぁ。

 脱力したのが、吉本部長(岸部一徳)がまどか先生に言った「いい女になった」という手向けの言葉。“プロ”っていう言葉の使い方にも通じる妙な違和感を覚えた。でも、銭湯に早苗の親父を咎めに乗り込む場面はよかったなー。それと蒼井優の笑顔。

 それにしても、李相日は、うんこネタが好きだなぁ(苦笑)。


*コメント

2006年10月13日 06:20
(sikiさん)
 あららー・・・ヤマちゃんわ、乗れなかったのねー?
 わたくしなんかわ「今世紀最大おススメマーク」だのにー(゜σ・・゜A``

 出てくるヒトの「足りなさ」もナニやら自分の足りなさにも通じててハラが立たないてゆーか・・・「いいオンナになったなー」もその言葉そのまんまよりか『おっさん、アンタがゆーな』みたいな
 ダッテ、あんくらいの勘違い発言 身の回りじゃー(自分もダケド)良くあるもの

 最後のダンスのシーンわ 物足りなさわ「もっと観たいから」って わたくし思ってマシタが、「カット繋ぎ」とやらのせーデシタかー・・・ ソレわ、しろーとにわわからんかったなー(///‥//A``
 凄く練習したってパンフレットに書いてあったケド 吹き替えもあったのー?


2006年10月13日 12:16
(アリエルさん)
 評判いいけど、何となく見たくないな~でパスです。でも蒼井優は好きなのでDVDでは見ます。
 彼女のこと1つ。映画に出る前、お芝居してて、声を大きくが必須。当然ですね。で、映画に出るようになり、今度は声が大き過ぎる、と怒られたそうで、小さい声でセリフをいうのに苦労したそうで、彼女のセリフ廻しは何となく、それを意識してる気が、聞いていてしますね。

 『花とアリス』は大好きです。踊るシーンもいいけど、父とのデートシーンは、少女が離婚した父と会う映画ベスト1 だと思ってます。万年筆のエピソード、ところてんを食べる、電車での別れなど今も浮かびます。


2006年10月13日 13:23
(ケイケイさん)
 私はヤマさんとsikiさんの間くらいの感想かな? びゃーびゃー泣いたし、ほっこりもさせてくれたし、取り立てて文句はないですが、一斉に「今年のNO.1!」っていうのは、えっ?という感じです。

 ただ、全年齢向けに楽しめる娯楽作としては、すごく上出来だと思います。『カーズ』なんかだと、大人も楽しめる子供映画でしょ? その点『フラガール』は、ファミリー向けとはちょっと違う大人向け作品だけど、「子供も楽しめます、もちろんお年寄りも」というところが、私は一番感激したかな? 私たちが子供の頃は、こういう作品を親と観てちょっと大人気分を味わったもんですが、最近みかけませんもんね。


2006年10月13日 19:45
(ミノさん)
 なるほどね~。ヤマさんの意見は意見でわかるなあ。 これ、ツッコミどころ満載映画だと思うんですが、でもなんかねえ、勢いで見れる。

 お風呂場に殴りこむシーンは私も大好き! ああいうキップのいい女になりたいわ(笑)。


2006年10月14日 08:38
ヤマ(管理人)
>四季さん、
 「『おっさん、アンタがゆーな』みたいな」って、ギャグやったんかいねー(笑)。 ギャグっつぅよりも苦笑だな。
 それはそうと、吹き替えが入ってたかどうかは、僕知らないので、ご了解をば(たは)。彼女自身が踊っているところが随分とたくさんあったようには思うんだけど、あまりに細切れ編集してたもんだからねー。後ろ姿たくさん混ぜてたし(笑)。
 でも、それは尻振り撮れば、どーしてもそうなるわけだしねー。


>アリエルさん、
 そーですか、優ちゃん、舞台女優出身なんですか。きちんと演技指導を受けてたんですねー。
 『花とアリス』は、拙日誌も綴ってますが、'03年度の私撰ベストテンの日本映画第1位とした作品なんです。僕も岩井監督の集大成的な結実を感じたものでしたよ。アリエルさんは、DVDで再見したうえ、メイキングも御覧になってるんですね~。


>ケイケイさん、
 ケイケイさんの映画日記では、何と言っても、紀美ちゃんに呼びかけた確かに『オラの人生だ!』なんですが、あのね紀美ちゃん。以下、早苗の気持ちを一番理解出来るのが紀美子の兄ではないのかとの受け止めに至っておいでのとこが素敵でしたよ。こっちの兄妹は涙そうそうと違って実の兄妹という設定ですが、兄妹間のこういう部分を鋭く察知するケイケイさんなら、『涙そうそう』は、きっと思うところの多い作品だと思いますが、食指が動かないそうで、残念(笑)。映画日記、読んでみたいのになぁ。

 僕の『フラガール』についての思いを言えば、通俗的な作品だということでダメってのは全くないんだけど(あは、先刻御承知か)、通俗的であろうがなかろうが、気に障るというか納得のいかないセンスを、特に、正義とか愛とか国とか田舎とかって題材で見せられると、なんかなぁ~って引けてしまうんだよねー(笑)。
 嫌われ松子の一生にしても『フラガール』にしても、娯楽作として上出来なんだと思いますよ。泣いて笑ってしみじみして、ちょこっと考えて…ってね。なかでも『嫌われ松子の一生』にもカーズにもない年齢不問性ってとこでは、『フラガール』は確かに私たちが子供の頃は、こういう作品を親と観てちょっと大人気分を味わったもんですが、最近みかけませんもんね。ってのが、なるほどなぁとの思いを呼び起こしてくれました。
 マーケッティングなどというものが浅薄に流行って偏ったのかもねー。


>ミノさん、
 ミノさんってば、颯爽と男湯に乗り込んでみたい気持ちがはやりつつも「さすがにそれは」って足が動かないって感じですもんね(笑)。まどか先生は、そんな省みが湧いたりしないタイプですから、「あのやろー!」って猛進できちゃうんでしょうね(笑)。
 それはともかく、みなさんこぞってお褒めの作品に乗れなかった哀れな僕へのとっても優しいお言葉、ありがとうございます(あは)。

 そうだこれってやはり、登場する女たちの女っぷりに惚れる映画なんだわとmixiにお書きのことは、あんちゃんの台詞にありますもんね。「かあちゃんもセンセーも紀美子も、女は強えよなぁ~」って(笑)。こういういかにも僕が食いつきたくなりそうな台詞があるのに、僕が乗れなかったのは何故かというと、やっぱこういう肝んとこを台詞にしちゃって擽り笑いのネタにしちゃうセンスもちょっと合わないってことなんだろうな(たは)。
 李相日監督作品は、『青 chong 』を“ぴあフィルムフェスティバル ベストセレクション”という企画上映会で観て、映画学校卒業制作作品とは思えない技術力と完成度の高さに驚嘆したんだけど、その後『69 sixty nine 』『スクラップ・ヘブン』と観てきて、合いそうで合わない相性ゆえに増幅される違和感みたいなのを感じてる(とほほ)。


2006年10月14日 18:12
(TAOさん)
 ああ、わかります!
 「女は強えよなぁ~」の台詞やそこに収斂させる各エピソードのいくつかが、私のセンサーにもすこし引っかかりました。田舎に関するセンサーはゆるいので、トータルではOKなのですが。
 いろんな方の感想を読むと、いつも思うことですが、人の感受性って、敏感なところと鈍いところがまだら状に組み合わさっていて、みんなそれぞれに違うものなんだなあとしみじみ思いますね。


2006年10月14日 22:51
ヤマ(管理人)
 僕にしたって、そんなによくはなかったよってことでフツーマークのB中なんで、不愉快とか腹立ちには至りませんでしたよ。そういう意味ではリトル・ダンサーとも同じ(笑)。
 そう言えば、あれも最後は踊りだったよな。炭坑と踊りは相性がいいのかな(笑)。ちなみに『ブラス!』はB上、『遠い空の向こうに』は未見です。『リトル・ダンサー』は拙日誌を綴ってるけど、『フラガール』は、ここでそこそこ書いちゃったんで、日誌はもう綴らないつもりです。

 それはともかく、人の感受性についての感慨、全く同感です。だからこそ、気になる人の感想ってとても楽しみなんですよねー。ケイケイさんとこの掲示板に書いておいでた「プロの映画評やチラシってまるで当てにならない」どころか、つまんないですからねー。例えばゆれるで、稔と智恵子の間にセックスはあったのか、なかったのか、なんてことに想いを巡らせてはいないでしょうしね(笑)。


2006年10月15日 07:50
(ミノさん)
ミノさんってば、颯爽と男湯に乗り込んでみたい気持ちがはやりつつも、さすがにそれはって足が動かないって感じですもんね(笑)。
 ふふふっ。ヤマさん読み甘いっ(笑)。いざとなれば、男湯でも。

 私もセリフで表現、はひっかかりましたけど、それよりも音楽の使い方がちょっとセンス悪いかな、と。いかにも音楽を流すでしょう? ちょいお涙頂戴っぽくてあれはやめて欲しい。

 田舎云々は、やはりひっかからなかったので、圧倒的にこれは自分が都市部で暮らしているからだ、と思います。ひっかかる部分の差は面白いですね。その人らしさが出るから。


2006年10月15日 08:25
ヤマ(管理人)
 なんだ、ミノさん、いざとなればの準備ができているのなら、別に「ああいうキップのいい女になりたいわ」って、羨むことじゃないやないですか(笑)。あ、そーか、羨んでいるのは、実は、実際に颯爽と男湯に乗り込む口実をまどか先生が得たことのほうだったのかな?(笑)

 音楽の使い方に少し注文がっていう人は、わりといそうですね、確かに。でも、たぶんミノさんもそうなんでしょうけど、トータルOKの場合、わりっと赦せる部分だったりしません? 音楽の使い方への不満が決定打となって作品に対する印象が×ってとこまでいく場合は、比較的少ないのかなと 思ったりするのですが、そうでもないのかなぁ。

 それも含め、引っ掛かる部分の違いって面白いよね。ほんと、その人らしさが出ますからねー。


2006年10月15日 09:44
(TAOさん)
炭坑と踊りは相性がいいのかな(笑)
 歌舞演芸の軟派な価値観は、炭坑=マッチョな世界に対し、いろんな意味でアンチを象徴させやすいからでしょうね。


2006年10月15日 11:03
ヤマ(管理人)
 そういう意味では、踊りだけでなくブラスバンドも同じく歌舞演芸ですからね。それに昔から労働歌って、キツイ現場ほどに必要とされ、生まれているような気がしますよね。ゴスペルにしたって出自的には、そういう部分と繋がるのかもって気がします。
編集採録 by ヤマ

'06.10.12. TOHOシネマズ4



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