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『追憶』(The Way We Were)['73] | |||||
監督 シドニー・ポラック | |||||
ヤマのMixi日記 2010年06月06日16:41 高校時分の映画部にいた当時、土電ホールで観て以来の再見作。 周辺では至って好評だったのだが、僕にはどう見ても相性の悪そうな ハベル(ロバート・レッドフォード)とケイティ(バーブラ・ストライサンド)が互いに惹かれあうのが釈然とせず、どうも恋愛ものは苦手だという意識を植え付けられた覚えのある作品だ。当時は確かに評判だったけど、主題歌はともかく“午前十時の映画祭”の50本に選出されたことをいくぶん驚きをもって受け止め、五十歳を過ぎた年齢で再見すると、どのように映ってくるかが興味深くて、出向いてみた。 歳も重ねてみるもののようだ(苦笑)。 恋愛映画は苦手だと思っていた高校生も、この歳になれば、なにゆえ二人が永きに渡って惹かれ合うかが自ずと分かって来る。そして、結局折り合っていけなかったことも、それでも尚、互いに心を残すことも、よく分かる。 十代で観た当時は、ケイティの目線による映画だと思っていたが、いま観直してみると、紛うことなくハベルの目線による作品だった。なかなか味わい深かった。 そうそう、ジェームズ・ウッズが出てたんだなー。学生時分の登場だけで姿を消しちゃってたけど、全く記憶になかったよ(笑)。ま、僕は、ろくに俳優や監督・スタッフの名前を知らなかったから、当然と言えば、当然だけど(苦笑)。 *コメント 2010年06月07日 10:02 (アリエルさん) 『追憶』はボブのファンだったこともあり、DVDで持ってます。大学青春物でお話としては、とくにどうってことはないけれど、何故か大好きです。 バーバラは苦手だけど、闘争に燃える女性を、ここでは熱演していて、あの海辺の家みたいな家に住みたいな(修理は大変そう)と今でも思ってます。もう夢ですが。 ボブが恋をする瞬間を見た映画でもあります。ケイティの屋外演説シーンで彼は、なぜか恋に落ちます。イケメンなので、いくらでもいるのにな(^_^) 私と同世代あたりのボブ好きは、あの白い制服にしびれた、が一番印象です。 ヤマさんが書かれている男女の心演出もうまい! ラストもいいですよね。さりげなく出会ってしまい、もう会えないだろうとビラを配る彼女・・ ハベルは穏やかそうな、ケイティとはタイプ違う妻と一緒で、「結婚は?」とかきくでしょう。「してるわ」と答えるけど、たぶんしてないと思ってます。 子供を産んですぐ離婚も、今風(日本で)ではないかと。当時の米でもあまりなかったかもしれませんね。 お料理シーンで、ボブがいんげん豆を生で食べた事を想ったり。 そうです。ウッズも出ていたんです。 ハリウッドへ の辺りでは、多少もたつきもありますが、全体として、テーマ曲の良さもあり、生涯忘れない映画の1つです。 2010年06月07日 19:45 ヤマ(管理人) 観た年代によって特別な一品になるものですよね、映画って。そしてまた、同じ作品でも観直す歳年によって味わいが異なってきます。 今回、僕はケイティ目線ではなくハベル目線の作品だったことに気づいたのが一番の収穫でした。 ケイティの“少しラディカルだけれども真っ直ぐでリベラルな政治意識”に理解と共感を覚えつつも、現実主義者ゆえに、才能はありながら、彼女のような行動者たることを選ぶ勇気を持てないでいる青年ハベルが、僕には非常に印象深かったのでした。 彼がほぼ埋もれさせかけていた才能に励ましと力付けを与え、脚本家としての成功を得ても、小説を書くことを求め続けたケイティの存在は、親友JJが「失ったものは大きいぞ」と告げたように、測り知れないものがあったと思います。 それでもケイティと共に歩んで行くことが、彼には随分しんどいことであることがとてもよく伝わってきましたよね。彼が学生時分に少し夢を抱いたであろう作家への道は、ケイティとの別れを選んだときに同時に捨て去ったのだと思います。 ラストシーンは、おっしゃるように、僕もケイティは再婚していないと感じました。彼女の想いがハベルに残っていること以上に、彼女とうまくやっていける男は、そうそういないはずだという感じでしたね(笑)。 ケイティの真っ直ぐさは、大学卒業後に再会した夜の彼への臨み方にも端的に表れていたように、とても率直で潔く迷いがありません。泥酔したハベルが、自分であることさえも意識しないままに抱いているのだろうと思っても、少し哀しみをよぎらせるだけで、あくまでも在学時に叶わなかった自身の憧れを想い出として刻むためだけに、些かの駆引きも取引きも持ち出さずに臨んでいましたね。 大いに感心しました。計算などということと無縁の女性でした。 推薦テクスト:「映画ありき」より https://yurikoariki.web.fc2.com/waywewere.html | |||||
編集採録 by ヤマ '10. 6. 6. TOHOシネマズ1 | |||||
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