骨頭は再生する




21    内科医の良い話
更新日時:
2007/12/10
サイトを見ていたら、内科医でありながら、漢方薬や加圧トレーニングを治療に取り入
れている医者を見つけた。埼玉県から遠く離れた、山口県であるが、病気に対する治療
について良いことが書いてあるので抜粋してみた。
         (この先生のサイトはリンク集に掲載済み)
医療法人 田村内科(田村 周)
1 治るきっかけになる近道
@ あきらめないでください!
 あなたがどんな病気であっても,今までほかの人が治っていないから・・という理由で治らないと
決めつけないでください。
 治らないというイメージを持った時から、よい方向には進まなくなります。
 どこも悪くない人でも,「お腹が痛くなる」と何度も思いつづけると,お腹は不思議と痛くなって
いくものです。病気においても「わたしはもう治らない」と思い続けて,治るはずはありません。
 気持ちを「治る!」というイメージに変えることにより、体の状態はよい方向に変わっていきま
す。人間の持つ力は,未知なのです。自分の未知なる能力を信じてください。
A まずは治療を信じてください!
 この外来ではさまざまな治療法を組み合わせて行っていきます。中にはすぐに理解できない
ようなものもあるかもしれません。
 しかし私が見た、‘治る患者さん‘は、まさに信じるものが救われたといった印象でした。どん
な治療法も「治る」と信じて治療をされている方のほうが明らかに早く効果があらわれます。
 信じられないと思うことは,やはり自分の心の中で「治らない」と思っていることと同じだから
です。疑い、信じられないまま治療を続けても治癒への道は開けません。私のためでなく自分
が治るために信じてください。それが必ずきっかけにつながります。
B がんばりすぎることはやめましょう!
 どんなことでも 頑張りすぎはよくありません。なかなか治らない病気の方は,がんばり過ぎ
て無理をしてしまう傾向があります。中にはがんばっている自分が好きであったり,「NO」と
言えない方も多いようです。何事もほどほどに、を心がけてください。
C ストレスになることは避けましょう!
 ストレスが悪いことはだれもがご承知のとおりだと思います。
 生まれたての赤ちゃんは、ストレスを感じることによって呼吸を始めるといわれています。
人間は特別な事をしなくても、普通に生きているだけでストレスなのです。
 「痛風」という文字通り風が吹いただけでも足が痛むといわれる病気を、みなさん一度は耳に
したことがあることでしょう。その原因の一つは食事と言われていますが,もっとも大きな原因は
実はストレスなのです。痛風に限らず、どんな病気であってもストレスにより症状や状況は悪化
していきます。
忙しいから、といって、ストレスを抱えて仕事をしすぎないでください!
 仕事はだれかに変わることができますが 家族にとってはあなた以外に変わる人はいません。
D なにごともプラスに考えるようにしましょう!
 嫌なことや運が悪いことが起こってしまうと,気持ちが下向きになります。そうなると
免疫力等の低下をきたすといわれています。
過ぎたことは変わらない、と気持ちを切り替える癖をつけましょう。
すべて前向きに考える習慣をつけることが、治療につながっていきます。
 上記のことは,できればすばらしいことですが,なかなか難しいことばかりです。
 無理にしようとはせず意識だけでもしてみてください。みなさんの心と体がゆっくりとかわって
いき,きっかけをつかむことができます。
2 治るきっかけになる近道(子供の場合)
 子供は自分自身できっかけをなかなか作ることができません。是非、周りの方が治ることへ
のきっかけを一緒に作ってあげてください。
 子供をほめてあげましょう!
 子供は天使そのものです。私たちに生きがいを与えてくれます。
その子供に感謝をし、いいことは積極的にほめてあげましょう。そうする事が子どもの自信と
なり、プラスへの方向付けになるでしょう。
 子供の嫌がることは,無理にしないようにしましょう。
 どんなに本人にとってよいことであっても,無理にさせようとすると子供は嫌がりストレスを
感じます。
 嫌がることはよいことであっても、受け付けなくなってしまっては本末転倒です。無理強い
はやめましょう。
 子供の治癒力を信じて、良い暗示をかけてあげましょう!
 「大丈夫だよ。病気は治るからね!」などと子供に言い聞かせながら、病気が治っていく
よいイメージを持つように暗示をかけてあげることは重要です。
 なにより親自身がまず子供の治癒力を信じることです。それは自然と子供に伝わります。
 そうすれば子供は自分で治ると感じ、未知の治癒力を引き出すことができます。
 子供の力は大人の治癒力以上に計り知れず、無限です。
 子供を幸せにするために 親も幸せになりましょう!
 子供は繊細です。何もしなくても親の気持ちを読み取ります。子供の幸せはもちろんの
こと、親が幸せになれば子供はさらに幸せな気持ちになれます。子供も親もストレスを感
じないように楽しく過ごしていきましょう。それは病気を治してゆくきっかけづくりにつなが
ります。
 子供の笑顔を大切に!
 子供が笑顔になることをしてあげましょう。なんでもわがままをきくという意味ではありま
せん。
 楽しませて笑うという事だけでなく、笑うから楽しくなるということもあります。
 笑うことが自律神経のバランスをとってくれ安定した心と体をつくります。
3 薬について
 当院では,漢方薬ビタミン剤、整腸剤等を中心に必要なときに必要なだけ使用しており
ます。
 薬をできるだけ使わない治療、そして薬をやめることのできる治療を心がけております。
 薬は、症状が楽になる反面、副作用という悪い面もついてきます。
 当院の治療の中には,薬を使わない治療も多く、薬がなるべく飲みたくない方や薬を飲
めない方の治療も行っています。
4 最後に
 誰しも人間の能力の限界はわかりません。治るきっかけづくりや家庭でできる治療を実
践する事で不思議と治っていく方も多くいます。
 わたしは、病気で悩んでいる患者さんが、いつか病院や薬に別れを告げる日がくること
を切に願ってこの治療に取り組んでいます。
 医師の中には,患者さんの人生を自分の経験で勝手に予想する人がいます。
 「あなたの病気はだいたいこうなる」とか「何年後にはこうなっている」と言われたり、落
ち込むような変なことをたとえ言われても、全てに耳を傾ける必要はありません。
 医師は神様ではありませんから、本当にどうなるかなどわかる人などいないのです。
 まずは、良いイメージで自分の人生を想像してみてください。
 それを作っていけるのは自分だけです。
 自分の思う人生を作るきっかけを、一緒に見つけて行きましょう。
22    筋肉作りと成長ホルモン
更新日時:
2007/12/11
第9章
 成長ホルモンと聞けば、なにやらドーピングをイメージしてしまいそうですが、ここで取り上げる
のはあくまでも生物が自ら合成し分泌するもので、服用するものではありません。
ホルモンとはなんぞや!?
 まずホルモンとはどういうものなのかを理解しておきましょう。
 人間が作り出した「ロボット」は、その複雑な動きを電気信号でコントロールされています。
この電気信号は電線を介して各動作部位に伝えられています。我々の身体も基本的には同じで、
電線に当たるものが「神経」です。
 しかし、それだけですべてがコントロールされているわけではなく、もう一つのしくみが存在します。
それがホルモンによるコントロールです。このホルモンは血液を通じて運ばれます。
血管を持たないロボットには絶対に真似のできないコントロール系統です。
 ホルモンの正体はほとんどの場合、タンパク質です。分子量の小さいホルモンは特別に
ペプチドホルモンと呼ばれる場合もあります。ホルモンが作り出される場所は、脳(視床下部、
脳下垂体)、甲状腺、副腎、生殖器、膵臓、消化管などですが、体内で作った物質を体内に
放出するので、これを「内分泌」と呼びます。
成長ホルモンの働き
 成長ホルモンは脳の視床下部で作られ、血液にのって全身に運ばれます。このホルモンは
その名の通り、体の成長を促す役割をします。具体的には、骨を伸ばし、筋肉を作り、また体
内の様々な化学反応を促進します。我々草野球人にとっては、「筋肉を作る」作用がもっとも
興味あるところとなるでしょう。
 筋肉は運動することによって、様々な程度に傷害を受けます。筋肉線維が目に見えないレベル
でブチブチと切れてしまい、筋肉痛の原因となってしまいます。成長ホルモンはこの切れた筋肉
線維の修復を促進します。
 つまりアクチンやミオシンなどの筋肉タンパク質の合成を促しているのです。筋力アップのトレ
ーニングを毎日続けることを想定すると、この時、筋肉が壊れ、それを修復するという生体反応
が毎日繰り返されていることになります。
 この破壊と修復を繰り返すことによって、筋肉組織は増大していきます。
成長ホルモンの分泌
 成長ホルモンは絶えず分泌されているわけではありません。分泌されるタイミングというものが
あります。運動後と睡眠中です。
 運動により筋肉が壊れると、それを修復しようと成長ホルモンが分泌されます。この時の運
動は、15分程度のウェイトトレーニングで十分です。重要なことは、運動後、体を休息状態に
することにあります。
 成長ホルモンの分泌は約3時間ほどありますので、その間、体を休息状態に保つことが求
められます。スポーツ選手の合宿で昼寝の時間が確保されている理由はここにあります。
 運動をしなくても、夜間の睡眠中に成長ホルモンは分泌されます。睡眠に入って30分程度
で、ノンレム睡眠(深い睡眠)に入りますが、その時、成長ホルモン分泌量は最大となります。
ここからの3時間ほどが、一日のうちで最も筋肉が作られている時間といえます。
 以上のことからわかるように、成長ホルモンは我々の意志で自由に分泌できるものではあ
りませんが、分泌する状況にセットすることはできるわけで、その方法が睡眠であるわけです。
「寝る子は育つ」という言葉は、その意味で生物学的に理にかなった言葉です。
成長ホルモンを考えた栄養摂取
 筋肉作りを考えたとき、タンパク質やアミノ酸を食欲にまかせて食べるよりは、成長ホルモ
ンの分泌のタイミングを考えて食べた方が効果が高そうです。前述のことを踏まえると、夕食
に肉類をたっぷり食べるか、寝る前に吸収のよいプロテインやアミノ酸などのスポーツ食品、
または牛乳などを摂って、さらに15分程度のウェイトトレーニングを行なってから寝るという
パターンがよさそうです。それで寝つきがよければなお効果的です。
(初版2001.8.14)
【参考資料】
(1)「スポーツにおける栄養対策」, 鈴木正成, Food Style 21, vol.4,2000
(2)「実践的スポーツ栄養学」, 鈴木正成, 文光堂, 1993
23    筋力トレーニングの基本理論
更新日時:
2007/12/11
名城大学助教授 鈴木正之著「トレーニングの理論と実際」から抜粋
筋トレーニングの負荷と効果
 トレーニングにおける負荷量(重さ、回数など)の決定は、それぞれの目的によってこれまで
多くの運動生理学者や体育学の専門家たちによって研究が進められてきており、科学的基礎に立
ったウェイト・トレーニングの理論的体系が多数確立されている。
 ドロームやバーガーらによる筋力増強に関する研究では、最大負荷で1〜3回の反復で3〜4
セット実施するのがよく、筋肥大のためには8〜12回の反復を3〜4セット繰り返すのが
よいとされている。また、両者をともに発達させるには、最大筋力の90〜80%の負荷で5
〜6回ずつ、3〜4セットやるのがよいといっている。
 そして、筋力と筋持久力の両者の関係は、筋力、パワー、筋肥大のためには重い負荷で行い、
筋持久力のためには中等度の軽い負荷で行い、筋持久力のためには中等度の軽い負荷を与える
べきだとしている。
 ヘッティンガーらの研究では、筋力および筋肥大のための最大トレーニング効果が現れるのに
必要な負荷は、最大筋力の3分の2以上の負荷が必要で、それ以下では効果が減少し、そして、
3分の1以下では効果が現れない。また、筋持久力に対しては3分の1の負荷がよいと、負荷の
量を定量的に位置づけた。
 さらに、静的トレーニングの時間的な表現として、最大筋力による6秒間の筋力発揮がよいと
発表している。
 以上の研究成果をまとめてみると次のようになる。
 筋力、筋肥大を引き出すためには、中等度の負荷で早く反復するのがよく、筋持久力を引き出
すためには、中等度より軽い負荷を用いて高反復回数(ハイ・レップ)を採用したトレーニング
がよいと結論付けられている。
最大筋力に対して   100〜90%  80〜70%  60〜40%  40〜30%  
                ↓        ↓        ↓       ↓
反復回数         1〜3回    8〜12回   15〜20回  30〜50回
               (筋力)    (筋肥大)    (パワー)   (筋持久力) 
 これら筋力と筋持久力の関係についての研究は多くあるが、小野三嗣氏自身が実験した「上体
起こし」による反復トレーニングは、筋の性質を端的に表しているといえる。
 当初、6回しか出来なかった上体起こしが8週間後に60回と、10倍の動的筋持久力の増大
が見られたのに対し、腹筋力(37kg.)には全く変化がみられなていない。
 この結果は、筋の性質の全てを示唆しているわけではないが、筋持久力の増加が、主として筋
肉中の血流改善によるものであることを証明すると共に、筋持久力の増加には筋力を伴わないこ
とを示している。
 別のウェイト・トレーニングの研究の中にも1セット25回反復できる重量を選択し、これを
1セット15〜18回の反復運動として継続し、総回数1,000回反復したとしても、筋力の
増加は認められなかったという研究報告もある。
 今までのこの常識を覆したのが加圧トレーニングである。通常であれば、最大筋力
の80%、つまりバーベルをやっと8〜10回上げられる重量を使用し、3〜4セットやら
ねば筋肥大は起きず、仮にも最大筋力の半分以下の軽い重量を使用し、何十回、何
百回やっても筋肥大は絶対に起こらなかったのである。
 それが、加圧トレーニングをした結果、高強度:最大筋力の80%の負荷で通常のト
レーニングをするより、低強度:30〜50%の負荷で加圧トレーニングした方が筋量
が増加したのである。
 平均年齢60歳の女性を対象にした週2回、4ヶ月に渡る実験データで、高強度の
通常トレーニングにおいては、鍛えた上腕二頭筋(力こぶの部分)の筋量が15%増
加したのに対し、低強度の加圧トレーニングでは、筋量が20%増加したのである。
 さらに、通常トレーニングでは上腕三頭筋(全く鍛えていない側)にも5%の筋量増
加が認められたのに対し加圧では何と13%も増加していたのである。
 また、下の表のように以前は高強度のトレーニングのみ成長ホルモンの分泌が促
されると信じられていたが、加圧を行えば高強度のトレーニングをしなくても成長ホル
モンの分泌が盛んになることが実証されたのである。

24    壊死の自然経過と予後の予測について
更新日時:
2007/12/11
厚生省研究班、病型分類からみた
特発性大腿骨頭壊死症の自然経過と予後の予測
 ●94例113関節、男性58例、女性36例
  ステロイド投与歴66関節、アルコール多飲31関節、特発性16関節
 ●経過観察期間
    3〜15年
    3〜6ヶ月ごとに定期健診を実施、レントゲン所見で圧潰の有無、程度、股関節症性変化の
   有無を観察して病期の進行度を調査した。
 @ Type T−A ・・・・ 圧潰は0%
 A Type T−B ・・・・ 40%が2ミリ以上の骨頭圧潰を生じステージ3に進行した。
                 60%は、病期の進行はなく、ステージ2のままに留まる。
 B Type T−C ・・・・ 88パーセントが著明な骨頭圧潰を生じステージ3に進行した。
                追跡開始から3年以内の骨頭圧潰が大多数である。
                 6〜9年の間に著明な関節症性変化を呈してステージ4に進行。
 C Type U    ・・・・ 100%が1〜2年以内の短期間内に骨頭の著明な圧潰と関節
                破壊が進行しステージ3ないしステージ4に達した。
 D Type V−A ・・・・ 圧潰0%。
 E Type V−B ・・・・ 90%が圧潰。
★考察
 壊死域の大きいTypeT−C、TypeU、TypeV−Bは90%以上の高頻度で骨頭圧潰に進行
すること、壊死域の小さいTypeT−AやTypeV−Aでは進行する心配のないこと、そして中間
型のTypeT−Bでは40%程度に進行が見られるので経過観察のうえ適切な処置が必要にな
る。
 TypeT−C、TypeU、TypeV−BはMRI分類のタイプCという広範囲壊死群としてまとめるこ
とが出来、これらは進行するリスクが高いので、早期から積極的な治療計画を立てる必要があ
る。
 

25    ION発症の原因について
更新日時:
2007/12/11
金沢大学医科歯科大学による研究結果
●はじめに
 これまでの疫学調査により、特発性大腿骨頭壊死症は
   @ステロイド性 
   Aアルコール性
   B狭義の特発性
の3つに大別されることが報告されているが、その発症機序については
   ・脂肪塞栓説・コンパーメント説・血管障害・脂質代謝異常・凝固線溶系異常
などの諸説が報告されたものの、詳細な病態は未だ不明である。
 近年、これらの諸説に加えて、我々は骨頭壊死と
     酸化ストレス
との関与の可能性を検討してきた。
 
●酸化ストレスとは
 酸化ストレスとは、一般に生体内において生成される
     活性酸素群
の酸化傷害力と、生体が持つ抗酸化能力の差として定義される。
 有酸素呼吸を行う生物では、酸素を還元することでエネルギーを産生しており、
その過程で活性酸素群が生成される。
 一方で、細胞はこれらの活性酸素群に対する抗酸化分子群を有しており、これ
らが総合的に生体内の酸化還元状態を平衡に保っている。
 しかし、何らかの原因で酸化状態に傾くと活性酸素群や活性窒素群が増加し、
    還元型グルタチオン(GSH)
をはじめとする抗酸化酵素などが低下するという状態に陥る。その結果、
    血管内皮傷害や組織傷害、細胞死
などが惹起され、ガンや高血圧症、動脈硬化症、脳梗塞、心筋梗塞など種々疾
患の発症、進展に大きく関与しているとされている。
 
●骨内での酸化ストレスの発生について
 ウサギにステロイド(酢酸メチルプレドニゾロン)を4r/s投与したモデルを作
成し検討を行った。
 10羽中、骨頭壊死発症は
    5日目で・・・・0例
   14日目で・・・・7例
であり、5日目の状態で骨頭内を調べた結果、骨内酸化ストレスが亢進してい
ることが確認された。つまり、ステロイド投与後、5日目とかなり早期に骨内酸化
傷害が発生しているということは、骨壊死の発生イベントに何らかの形で酸化ス
トレスが関与している可能性があるということが考えられた。
●酸化誘発剤による骨壊死の発生について
 ラット7匹で検査。今までウサギではステロイド投与で壊死発症が確認できたが、
ラット(ねずみ)にステロイドを投与しても壊死発症を誘発することが難しかったた
め、ねずみを検査に使用することが少なかった。
 ところがラット7匹に酸化ストレスの誘発剤を14日間投与したところ、
    3匹
のラットが骨頭壊死を発症した。
 ステロイドを投与してもウサギと違い中々壊死を発症しないラットにもかかわら
ず酸化ストレス投与では壊死を発症した。
 
●抗酸化剤投与による骨壊死抑制効果について 
次にウサギに対し、ステロイド投与した骨壊死モデルを次の2種類作った。
    @ ステロイド  4r投与群(S4)
    A ステロイド 20r投与群(S20)
@Aに対し、活性酸素を中和させる
    A 還元型グルタチオン(抗酸化酵素)を5r/sを投与した群
    B 生理食塩水を投与した群
を比較検討した結果、
    A グルタチオン投与群のION発症は
      @S4・・・・・・0%
      AS20・・・・30%
    B 生理食塩水投与群のION発症は、
      @S4・・・・・70%
      AS20・・・・90%
となった。
 この実験により、ステロイド投与中に抗酸化酵素(還元型グルタチオン)を投与
すれば、骨頭壊死の発生を抑止することが示された。
※トニー
 情報にも書いているが、「病気にならない生き方」に書いてある新谷弘美教授が
    ミラクル・エンザイム(酵素)
が不足するといろいろな病気になると言っている。エンザイムが現象する事由に、
活性酸素が大量で出ることも述べている。
 また、ガンの専門医はストレスが、ガンの原因であるとも言っている。
 そして、我々IONでも活性酸素が骨破壊の元凶である結果が出てきた。
 還元型グルタチオンは、通販で買えるサプリメントなのでリンク集にとりあえず
通販サイトを載せておいた。
 
26    骨髄単核細胞移植術
更新日時:
2007/12/11
広島大学病院で大腿骨頭壊死症の新しい治療方法として骨髄単核細胞移植術が開発された。
 この新たに開発された骨髄単核細胞移植術についてどのようなものか調べてみた。
●はじめに
 特発性大腿骨頭壊死症(ION)は青壮年期に発症することが多いため、可能な限り
関節温存に努めるべきである。
 わが国では、
   ・大腿骨頭回転骨切り術(TRO)
   ・内反骨骨切り術
   ・血管柄付き腸骨移植術
などが主に行われてきたが、必ずしも満足できる結果が得られていない。
 近年、再生医療は多分野において注目を集めており、運動器疾患において骨、軟骨、
神経などの基礎的研究や臨床応用が行われ、骨髄細胞中の多分化能を持つ
   間葉系幹細胞(MSC)
の存在が報告されて以来、骨再生において重要な細胞源として利用されている。
 広島大学整形外科において、ラットモデルにて連通孔性ハイドロキシアパタイトを足場
材料として用いた間葉系幹細胞の移植を行い、良好な骨形成が得られた。また、骨髄内
の血管・骨再生のための細胞源として、
   骨髄単核細胞(BMMNC)
の有用性も確認し、2005年7月より大腿骨頭壊死に対する骨髄単核細胞移植の臨床
応用を開始した。
●手術法
 BMMNC(骨髄単核細胞)の採取法は、手術開始時に腸骨稜より骨髄液を約700mL
を採取し、フィルターにて濾過した後に遠心分離装置を用いて骨髄液よりBMMNCを含む
分画液を抽出、同分画液をハイドロキシアパタイトに浸潤させて移植した。
 移植法々は、大転子遠位から大腿骨頭の壊死領域に向けて軟骨下骨の直下まで、イメ
ージ下に6〜10ミリ径でドリリングを2カ所に行い、MSC(間葉系幹細胞)を浸潤させた円
柱状のハイドロキシアパタイトを骨孔よりに挿入し、骨壊死部へ移植した。
●結果
 BMMNC(骨髄単核細胞)単独移植例16関節では、1関節を除いて壊死部の陥没ある
いは陥没の進行を認めなかった。
 陥没の進行を認めた1関節は、ステロイド性で手術時年齢64歳、術前病期3Aで術後3
ヶ月で数ミリの陥没の進行を認めたが、術後8ヶ月の現在陥没の進行はなく、疼痛もない。
 
 全例で術後3〜6ヶ月頃より移植部および修復層の骨陰影の増強を認め、MRIにて移
植部周囲および骨壊死領域の一部に造影効果を認めた。
 回転骨切り術と骨髄単核細胞移植術の併用例11関節では、移動した骨壊死領域に
圧潰の進行を2関節に認めた。細胞移植を小範囲にしか行えない例が多く、明確な画
像評価が困難な例が多いが、5関節で術後3〜5ヶ月頃より移植部での骨陰影の増強
を認めた。
 現在のところ軽度の疼痛を訴える症例は骨切り、骨髄移植の併用例で圧潰の進行を
認めた2関節のみであり、人工股関節置換術などの追加手術を必要とする症例はない。
●考察
 IONに対する低侵襲な治療のひとつとして欧米では、穿孔術が報告されているが、そ
の成績は決して満足できるものではなく、また壊死の局在や大きさによる成績評価では
ないために、手術適応とその効果は明確ではない。
 
 BMMNC(骨髄単核細胞)移植では、術後早期から修復層の陰影増強を認め、修復層
の肥厚に伴い壊死領域の縮小する例も認めた。この所見はBMMNCが壊死領域内にお
ける局所血行の改善に寄与し、健常骨側から骨形成が促進された可能性が考えられる。
 しかし、BMMNC移植後の経過は未だ短期であり、症例数も少ないことから、今後も慎
重な経過観察を続ける必要がある。
※用語説明
●ハイドロキシアパタイトとは、
 私たち人間をはじめとする脊椎動物の骨や歯の無機質成分はハイドロキ
シアパタイト(以下HAと略します。)という物質でできています。このこ
とに注目し,化学合成したアパタイトを人工の骨や歯の材料として使用する
ようになったのは,1970年代後半になってからです。はじめは人工歯根
(じんこうしこん)として研究が開始されましたが,今では事故や病気で骨
をなくした多くの患者さんに対する人工骨(じんこうこつ)として使われて
います。
●間葉系幹細胞
最近になって、骨髄の中にある間葉系幹細胞が,ES細胞に近い能力を
秘めていることが分かってきた。
間葉系幹細胞は、骨、軟骨、脂肪、心臓、神経、肝臓の細胞などになる
ことが確認され、「第二の万能細胞」として注目を浴びている。
 骨髄に含まれ、骨のもとになる『骨芽細胞』(間葉系細胞が骨の細胞に
変わる途上の細胞)から、再生の難しい神経細胞をほぼ100パーセント
の高効率で作り出すことに,慶応大学医学部病理学教室の研究グループ
が、マウスを使った実験で世界で初めて成功した。
(2001年2月2日付読売新聞)
 目的の細胞に成長させる技術が確立出来れば,臨床応用は5年程度で
始まる可能性が高いと見ている。(2001年2月26日付日本経済新聞)
とのことである。
この方法では,患者自身の骨髄を使うため,拒絶反応の心配がなく,ヒト
の受精卵を使うES細胞のような倫理的な問題もない。
※写真はわかりづらいが、壊死域が小さくなっている。(黒い矢印が小さくなった壊死領域)
 

27    血管柄付き腸骨移植術の長期成績について
更新日時:
2007/12/11
骨頭壊死については、いろいろな選択肢があるが、骨移植術とはどんなものか医学書
から抜粋してみます。
1984年から行われているらしいです。
●手術方法
 図のように血管柄付きの浅腸骨を切除し、骨頚部に穴を開けそこから移植する。
●目的
 壊死組織を除き、生きた骨で置換する。
 壊死巣の血行改善。
●長期的成績について
 満足度の検討で、血管柄付き骨移植に満足しているのは半数以下であり、人工骨頭の
症例と比べ満足度が低い。
 長期成績では、術後4年以後に関節症変化を生じ、長期の臨床成績も低下した。血管
柄付き骨移植術は、圧潰がない早期に行うべきである。

28    骨頭壊死の完治例
更新日時:
2007/12/11
MRIで大腿骨頭壊死病変の
修復を観察しえた1例
 今まで、人づてに壊死が完治した人がいるのは聞いているが、実際の例として
確かな情報がなかったので、医学書に載っている完治例を掲載します。
1 症例
 25歳男性、右股関節痛、ネフローゼ症候群で1994年3月より副腎皮質ステロイドを
70r/日の投与開始し、投与2ヵ月後に疼痛が出現。
2 治療経過
 1994年7月より、右下肢免荷療法を行う。1ヵ月後、右股関節痛は軽快したが、左股
関節の疼痛が出現、同年9月にMRIにより両大腿骨頭壊死症と診断。
 ステロイドは継続投与。
 車椅子による両下肢免荷療法を実施した。両下肢免荷2ヵ月後の11月のMRIで壊死
域が縮小し、骨頭全体の信号が正常化したため全荷重を許可する。
 1998年2月にステロイド投与を中止した。発症から4年経過した現在は、股関節痛な
く経過は良好である。
3 考察
 一過性大腿骨頭萎縮症との鑑別では、骨シンチグラムでは異常集積を認めず、MRI
では帯状の低信号領域を示し、初期の大腿骨頭壊死によく見られる特徴像であった。
 これら画像所見から、一過性大腿骨頭萎縮症は否定された。
 大腿骨頭壊死症の予後については、壊死範囲と部位が重要な影響を与えているとさ
れている。本例の場合MRIの所見から病変の範囲は決して小さくないが、病変は大腿
骨頭の前上方の内側にあり、関節荷重面よりやや内側寄り、また、徹底的な完全免荷
による保存治療は病変部での浮腫の消退、細胞性修復につながると考えられる。
トニー
 やっぱり完治する人もいるんですね。

29    骨頭の修復
更新日時:
2010/09/19
大腿骨頭壊死に対する回転骨切り後のリモデリング
【リモデリング】
意味:骨が一旦つくられた後で、常にその一部がつくりかえられており、つくったり
こわしたりする現象。
 大腿骨頭壊死症に対する回転骨切り術の基本概念は、前方または後方に残存
する生存域を臼荷重部に移動し、この部で荷重を受け、さらに内反位による求心位
を得て股関節の安定性を図ることである。Stageが進行していない症例に対する回転
骨切り術は、理想的適応であり、その成績も良好である。
 しかし、実際に回転骨切り術の適応となる症例は、壊死範囲が広いため圧潰の進行
も速く、術前に圧潰が進行している症例が多い。このような症例では、回転後のX線正面
像では骨頭形態が球形に回復しても前方、後方に圧潰域は残存しており、適合性は三次
元的には不良である。とくに前方回転骨切り術後には、圧潰域は前方に位置し、屈曲動作
の多い日常生活の中では圧潰域が荷重部に移動し、不適合が生じる。
 しかし、術後に臼荷重部に生存域が広く得られた症例では、長期にわたって関節が温存
される。その理由は前方、後方の圧潰による変形に対する生体反応としてのリモデリングが
生じるからである。また、関節裂隙が明らかに狭小化した症例でも、末期変形性股関節症に
対する外反骨切り術の術後に類似したリモデリングが生じるため、関節温存が可能となる。
 
 難しい話は抜きにして、要するに圧潰した骨頭も骨切り術で非荷重部に移動させれば、図3
のように
   骨が修復され、圧潰域、壊死域も矢印のように修復され、骨頭の再球形化が生じる
ということである。
 再球形化という医学用語は判らないが、言葉から想像すれば潰れた骨頭が球形に戻るという
意味ではないか?
 
 著者らの検討では、軟骨下骨梁骨折・圧潰域の変化でみると、術後3年以内で91パーセント
の症例に軟骨下骨梁骨折は消失し、89パーセントの症例で骨頭に再球形化がみられたとある。
 また、後方回転では、術後に前方に球形を呈する生存域が位置しているため、屈曲動作の多い
日常生活動作においては、病巣はさらに後方に移動するため、より非荷重域となり、リモデリング
が旺盛に生じる。
 
 つまり、非荷重となれば、手術しなくても、圧潰した骨頭が再生するということではないか?
 
 図3からすると、壊死部が全くの非荷重部に移動してから完治まで7年かかっているのをみると、
我々、加圧トレーニングで足を持たせようと考えている人間は、壊死部が修復するまで相当の年数
が必要となるだろう。

30    大腿骨頭骨切り術について 6
更新日時:
2007/12/11
後方回転骨切り術
  
利点
@大腿骨頭栄養血管
 特にposteterior column vesselsは回転により進展せず内方に移動し、ゆるむために、
短外旋筋群の切離を十分に行えば血行障害は生じないので、高度後方回転が可能となる。
A回転後壊死病巣は骨頭後方に位置し、生存域は前方に位置する。ADL上、股関節はほと
んど屈曲位をとることが多い。そのため、臼蓋に対してはADL上、常に骨頭生存域が荷重部
に位置するという優位性がある。




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