骨頭は再生する




11    自然形体療法 3 (施術方法)
更新日時:
2007/10/21
 実際にどのような施術をしているのか、五十肩のフリーライター(渡辺)の話を抜粋します。
 診療台に上がって仰向けに寝ながら、1年半程前のある朝、起きてみたら左肩と二の腕辺り
に痛みがあったこと、よくある寝違えだと思ったのにいつまでたっても治らないこと、左腕の痛み
によって肩の可動範囲が狭まったことなどを説明した。
山田 「1年半ですか・・・。それはちょっと、今日だけでは治らないかもしれないね」
渡辺 「今日だけでは治らない?ということは、1回の治療だけで治る場合もあるんですか?」
山田 「よくありますよ。痛み出して間もない症状であれば、その日に完治して2回目はなしと
     いうことが多い。何度も通うのは面倒でしょう。私は患者さんに時間的・金銭的浪費
     や痛みを強いるのが嫌なんです。」
 まず、仰向けに寝た私の両膝下を持ち、ヒザを曲げさせて足の長さを比べる。私は左足の
ほうが長いらしい。左のひざ小僧の位置が右より高い。
 次に「うつ伏せになって下さい。」と言われそうすると、山田先生は背骨の位置を確かめる
ように、首の付け根から腰にかけて背骨の突起の両側を軽く触れていった。
山田 「上半身を右に捻った状態でいることが多くないですか?」
渡辺 「はい、原稿書きに使っているパソコンのデスクトップが机の右寄りにあるので、いつ
     も身体をそちら側に向けて仕事をしています。
山田 「パソコンを正面に置いた方がいいですよ。背骨が少し歪んでいます。」
 身体は正直なものだ日常の生活態度や習慣が直ぐに現れてしまう。そう思いながら「もう
一度あお向けになって」と言われるまま寝返り、両足を再び持ち上げられる。
 先生は、持った両足を軽く左右に振る。全身がユラユラ揺れて気持ちがいい。それから腰
を回転させて、ヒザを曲げた右足を左足の外まで持って行き、一度戻して左足を右足の外側に。
 腰痛は全く無いので、腰の後ろ側を押されて下半身を目一杯捻ることが出来る。
山田 「これで少しよくなったでしょう。どうですか?」
 ヒザを立ててみたら、ひざ小僧の高さが同じになっている。「ウソ!さっきと全然違ってますよ。
両足の長さが合ってる」と編集部のKさん。私はの体験取材に同行し、第三者の立場で観察し
てもらっているのだ。
 驚いたKさんには申し訳ないが、心こそかに(まあ、そういうこともあるだろうな)と思った。
骨と骨の間の組織や筋肉がほぐれれば、縮んでいるほうの足が元の状態に伸びることは
十分に考えられる。私は疑り深いのだ。
 次はいよいよ左肩に先生の手が触れる。「両腕を挙げて万歳の格好をして下さい。」と言わ
れてやってみたが、左側だけ痛みがあって真上まで挙げられない。右腕は診療台の上部に
ペタンと下ろせるのに、左腕は痛くて宙に浮いたまま止まっている。
 両腕を元の状態にさせると先生は、診療台と左肩の間に手を入れて腕の付け根を支えな
がら、もう一方の手で私の左腕をやや伸ばすように持ち上げ、ゆっくりと角度を変えたり回し
たりする。
 痛みが不安なところをしっかり支えられているせいか、肩と腕を動かすことに安心感がある。
痛みは全くない。というか、山田先生の手が私の痛みの範囲をちゃんと知っていて、その一歩
手前でセーブしてくれているようだ。
 例えば、肩を揉んでもらって、こりがほぐれていく時の心地よさ。痛みはないが、ジン・・・・と
くる感触が効果を実感させる。
山田 「さっきのように、両腕を挙げてみて下さい。ただし無理はしないでね。」
 試してくると、左腕がさっきより上がる。つまり「痛い」と感じて動きを止める位置がほんの
1分前より高くなっている。
 ふと思い立って自分から症状の検査をしてみた。私は、以前、片腕を下から後ろに、もう
片方を上から後ろに伸ばすと、背中で両手をガッチリつなげられるのが密かな自慢だった。
それが五十肩になってから出来なくなってしまったのだ。そのポーズをしてみて山田先生
に訴える。
渡辺 「腕が痛くてこれが出来ないんです」
山田 「ああ、それですね」
山田 「腕のどの辺がズキズキしますか?」
 聞かれて確かめようとしたが、よく考えてみると痛みの場所が正確には判らない。「この
へん・・・・いや、このあたりかな?」と二の腕の外側や内側を押しながら探したのに、自分
でもはっきりとしないのだ。
山田 「その程度判れば結構です。そもそも筋肉痛の原因は、本人が痛いと感じている
     ところと別の部分にあることが多いんですよ。75パーセントは別のところに原因
     があると思っていい」
 先生はそう言うと、私が曖昧に指した部分に片手を当てた。そしてもう一方の手で、私の
手首を持って少しだけ挙げる。腕に当てた手は約10秒ごとに位置をずらし、私が指した部
分の周辺全体に動いた。
 当てた手は腕の筋肉を強く揉むでもなく、ギュッと掴むでもない。強いて言えば、手全体で
包むように柔らかく押さえている感じだろうか。山田先生の手は適度な暖かさを持ち、治療
を受けているうちに「手当て」という言葉が自然と思い浮かんできた。
「これで動きますか?」と言われて、左腕を下から背中に伸ばしてみる。「おお、さっきより
上がっていますよ」とKさんが教えてくれる。
 先生が「もう少しだね。今はどこが痛いですか?」と言われるので再び腕を動かして痛い
部分を探してみると、さっきとは違うところに痛みが残っている気がした。
 痛いところが移動した、というのではない。痛い箇所のベストテンがあったとして、痛みの
第一位がなくなり、第二位の箇所を自覚できるようになった感覚だ。
 それを言うと先生は「なるほどね」と笑った。「その表現は的確だと思います。あなたは
先ほど五十肩になって1年半だと言われたでしょう。私が完治までに時間がかかりそうだ
と思ったのは、1年半も痛みを抱えているうちに、その痛みをかばうために別の痛みを増
やしている可能性があるからなんです。日常で『この動きは痛くてできない』となると、身体
はそれを補おうとして別の動きをする。その動きはもともと自然な動きではありませんから、
どうしても体に無理がかかる。疾病期間が長いほど、さまざまな無理が重なって複合的な
痛みになっていることが多いんですよ。」
 そう説明されている間にベストテン2位の痛みが治療されたので、もう一度、起き上がって
左腕を背中に伸ばした。「また上がるようになっています!」とKさんから聞くまでもなく、今度
は自分でも自覚があった。左手の指先が肩の上から回した右手の先に触れたのだ。ほんの
5分間の施術で左腕が確実に4センチは高く上がるようになっている。
 あっという間に五十肩が改善方向に進んだ不思議を反芻しているまま、残りの施術を受けた。
五十肩になっていない右の肩と腕にも同じ手法が行われ、次いで手指、首、顔の輪郭線、額な
どに移る。どれも無理な力は一切加わらず、自然な動きを助けられているようで心地よい。
 「はい、終わりです」と言われるまで、治療にかかったのは計15分。こんな短時間にもかかわ
らず、全身が伸び伸びと軽くなっている。目の前の世界が明るさを増したような爽快感。
 ところが、私が「どうして治ってしまうんでしょう。先生がこうやって当てた手に秘密があるんで
しょうかねと言いながら左の二の腕を掴んで揉むと、今までにない慌てた様子で「あっ!揉んじゃ
ダメ!」と山田先生。
 えっ、この動作、いけないんですか?
「無造作に揉んだり叩いたりしたら絶対にダメ。試しにさっきの格好をしてごらんなさい」と言われ、
左腕を下から背中に回してみる。
 一度は動くようになった腕が痛くて挙がらない!
 
 先生は苦笑交じりに、再び方を治療してくれた。
山田 「家に帰ってからも、痛みを感じる動作をしたり、自分で無造作に触ったりすることはし
     ないで下さいね。それだけで身体は『攻撃されている、危ない』と感じて緊張を強めてしまい
     ます。私の治療はいわば、身体に『この動きは安全だ。攻撃されているわけではない』とわか
     らせて緊張を解くというものなんです。」
渡辺 「身体が危険か、安全かを判断するのですか?」
山田 「はい、正確には『身体の脳』ですね。人間には『身体の脳』と『心の脳』があって、現代医学
     の名称に置き換えると身体の脳は生命脳、心の脳は大脳新皮質ということになります。
     身体の脳は自律神経など、意識下の生命活動を司っている。これに対して心の脳は、
     生命に関わらない思惟活動を担当する。私が自然形体療法で重視しているのは身体の
     脳です。人はよく『身体のことは自分が一番よく知っている』などと言いますが、自律神経
     の働き方や条件反射の仕組みなどを見れば、心の脳がいちいち判断しなくても、身体が
     ひとりでに動くことがあるのは一目瞭然でしょう。」
 そして、外部からの接触などに反応するのは、心の脳ではなくて身体の脳。
山田 「そうです。外部環境の変化を五感で察知すると、身体の脳はひとまず、全てを『危険だ、
     攻撃されている』と受け止める。動物は全て同じです。そうしなければ、弱肉強食の自然
     界で生き残っていけませんからね。身体の脳が『危険だ』と感じることで、筋肉は過度に
     緊張してさまざまな痛みを引き起こします。」
 この説明のおかげで受けたばかりの山田先生の治療に納得する手かがりを得た。
12    大腿骨頭骨切り術について 5
更新日時:
2007/11/11
前方回転に内反を加える方法

13    大腿骨頭骨切り術について 4
更新日時:
2007/11/11
大腿骨頭前方回転骨切り術

14    大腿骨頭骨切り術について 3
更新日時:
2007/11/11

弯曲内反骨切り術について
適応
 大腿骨頭壊死症例の中で、大腿骨頭外側部が壊死より免れ、外転位X線前後像でその骨頭外側健常部が臼外側荷重部に移動し、臼荷重部の36%以上を占めるものが適応となる。
 臼荷重部は、臼蓋外側縁と涙痕像先端を結ぶ線の垂直二等分線が臼を横切る点と臼蓋外側縁までを便宜上、臼荷重部と定め、過去の遠隔成績調査に用いてきた。
15    IONの自然経過のポイント
更新日時:
2007/11/16
@ ステージ1、2では基本的には股関節の疼痛を生じず、ステージ3A以降に初めて疼痛が
  出現する。
A 骨頭圧潰の進行の頻度は
     タイプA ・・・・・ 16%
     タイプB ・・・・・ 50%
     タイプC-1 ・・・ 61%
     タイプC-2 ・・・ 91%
  であり、病型依存性に骨頭圧潰進行の確立が高くなることが示された。
B IONの手術法の選択
     タイプA: 基本的に手術を要さない確率が高い。
     タイプB: 進行例が約半数に認められるので、側面像の評価も行って検討する。
     タイプC-1:進行の確率がより高くなるので積極的な骨・関節温存手術の適応となる。
     タイプC-2:高い確率で進行するうえ、骨切り術の適応外のものもあり、人工股関節置換
            術の適応も視野に入れる必要がある。

16    末期の股関節症が保存療法で再建可能
更新日時:
2007/12/05
富士温泉病院名誉院長
 矢野 英雄
  1969年東京大学医学部卒業。
  三楽病院整形外科部長、東京大学専任講師、国立身体障害者リハビリテーシヨンセンター
  学院長、東京大学大学院教授を経て、現在に至る。
進行期や末期の股関節症でも痛みをコントロールしながらの
保存療法で再建可能
1 適切な保存療法は手術に代わる
    
    昭和50年代のことです。私は、ある一人の変形性股関節症の患者に出会いました。仮にCさんと
   しましょう。当時50代だったCさんに寛骨臼回転骨切り術を行いました。一時は順調な回復を見せ
   ていました。ところが、手術後1年も経たないうちに子供の運動会で転倒し、再び股関節を傷めてし
   まったのです。
    痛みを我慢しているうちに急速に関節の破壊が進行し、外来を訪れたときには、既に末期状態に
   陥っていました。当時の私には、Cさんに一番有効な治療法は、人工関節置換術と思われました。
   しかし、Cさんはもう手術はしたくないといいます。そこで止むを得ず、運動療法や温熱を中心とした
   理学療法などの保存療法を行ったのです。
    この時点で私は、Cさんの股関節の改善はほぼあり得ないだろうと予想していました。ところが
   予想に反し、数年後には痛みが消え、崩れていた関節がキレイに再建したのです。この経験から、
   私は保存療法の可能性に注目するようになりました。ちょうどそのころ、手術をしたくないという患者
   が増えたという事情もあります。
    このような患者さんたちに対応しているうちに、私は先のCさんの例が特別ではないことがわかり
   ました。末期の患者でも、痛みを上手にコントロールしながら保存療法に努めれば、数年で関節が
   再建することが確認できたのです。
    もうひとつ症例をご紹介しましょう。
    1998年に私が担当した60代の女性・Oさんは、臼蓋形成不全で、右の臼蓋が崩れ始めていま
   した。そこで人工股関節置換術を勧めたのですが、Oさんは気が進まないと言います。だからといっ
   ても保存療法に積極的だったわけでもありません。結局、2年後の2000年には、臼蓋に骨頭が
   めり込んだ末期状態になってしまったのです。
    この時点で、ようやくOさんは保存療法にきちんと取り組むようになりました。その結果、2年後の
   2002年には、レントゲンで骨頭の丸みが確認できるまで関節が再建したのです。
    CさんやOさんたちのように、変形性股関節症の進行期、末期であっても、痛みをコントロールし
   ながら保存療法に努めることで、手術をせずに関節が再建したケースは数多くあります。8割の方
   は、それで治るといっていいでしょう。
    あらためて考えれば、これは何も不思議なことではありません。変形性股関節症は激しい痛みが
   特徴です。痛みは筋肉や神経の緊張を招きます。その状態が続くと、血流が悪化し、骨や関節は
   痛みやすくゆります。変形性股関節症はこうして進行するのです。
    ですから、痛みを取り去り、筋肉や神経の緊張をほぐしてやれば、傷んだ箇所は当然、治癒に
   向かいます。
    私は、手術療法を100パーセント否定するつもりはありません。手術療法にも、痛みを速やかに
   取るなど、利点が多くあるからです。
    例えば股関節が脱臼しやすく、激しい痛みを伴う脳性マヒの方の変形性股関節症であれば、私は
   迷わず手術療法を勧めます。変形性股関節症の治療法は、患者本人がその長所・短所を把握し、
   自身の状態や生活環境などを考えたうえで選択するべきでしょう。
    ただ、痛みを管理し、適切な保存療法を受ければ、手術をしなくとも関節は再建するという点は
   覚えておいてください。
2 進行を止めるには自己管理が不可欠
    
    手術をしても、その後の自己管理次第で変形性股関節症は進行します。75歳のSさん(女性)は
   40歳ごろから左の股関節が痛み出し、歩行が困難な状態になりました。そこで56歳のときに寛骨
   臼回転骨切り術を受け、リハビリに取り組んだのです。
    手術から7年後の63歳のときには、骨頭も丸くキレイに整いました。ところが、手術から15年後の
   71歳のとき、変形性股関節症が再発。骨頭は再び潰れ、変形してしまったのです。
    そこで運動療法を再開し、生活を改善して痛みのコントロールに努めたところ、3年後には再び
   骨頭の丸みを確認するまで回復しました。現在、痛みは全くありません。これは、手術後の自己管
   理が適切でなかったため、変形性股関節症を再発させた一例です。
    
    変形性股関節症の進行は、加齢だけでなく生活環境や習慣も大きく関わっています。どんな治療
   法でも、股関節に痛みと過剰な負荷を与えない自己管理が不可欠といえるでしょう。
    保存療法は、温熱や通電などによる理学療法、歩行訓練、水中歩行訓練といった運動療法など
   様々です。何れも有効ですから、医師と相談しながら、自分に合ったものを探して下さい。
    運動療法は、出来るだけ痛みのないものを選ぶと良いでしょう。
    繰り返しますが、痛みの排除こそが、関節再建につながるのです。
 
    なお、水中歩行訓練では、体温より低い温度の水に長時間さらされないように注意して下さい。
   水中で体温が下がると痛みを感じにくくなるため、気付かないうちに関節や筋肉を傷める可能性
   があります。
    
17    慢性痛の効く漢方薬『痛散湯』
更新日時:
2007/12/10
漢方の妙薬「痛散湯」
医師(漢方・整形外科)
関 直樹
プロフィール:1969年東京大学医学部卒業、東大病院整形外科、東京都立多摩老人医療センター
        (現・東京都医療保健公舎 多摩北部医療センター)、リハビリテーション科などに勤務。
        早くから漢方薬の有用性に注目し、専門の整形外科診療の傍ら、漢方薬の臨床応用を
        実践。漢方専門医療機関・日中友好会館クリニック所長、(財)日本漢方医学研究所常
        務理事、日本東洋医学会代議員などを歴任。
体の内側から働きかけ痛みの出にくい体にする痛散湯は慢性痛にはぴったりの妙薬だ!
1 関節リウマチの初期にも有望な薬
 
 漢方では、私たちの体には、
       気(生命を維持しようとする基本的な活力)
       血(臓器に栄養を与える物質)
       水(生命活動を物質的に支える体液)
 という三つの流れがあると考えています。この三つがそれぞれ、スムーズに体を循環
することによって、私たちの健康のバランスが保たれているわけですが、なかでも「水」
は、痛みの発生と深く関係しています。
 昔から漢方では「水毒」という言葉が使われていますが、これは「水」つまり、体
液の流れが滞った状態で、その状態から、さまざまな痛みなどが生じてくるのです。
こうした痛みに対して、これだけ発達した西洋医学でも、十分に対処できているとは
いえないのが現状です。
 変形性膝関節症などから生じする様々な症状、例えば正座が出来ない。階段の昇り
降りがつらい。立ったり座ったりがつらい。歩くと痛い等々。これらの症状に悩まさ
れている方はたいへん多いと思います。
 しかも、こうした症状はしばしば慢性化しやすく、整形外科で治療しても、なかな
か改善しないケースも見受けられます。あるいは、また、尻から太もも、ふくらはぎ
にかけて、筋肉が突っ張る、こわばるような痛みがある。同じ姿勢でいるとつらい。
ピリピリと電気が走るように痛いなどの坐骨神経痛の諸症状も同様です。
 ヒザの痛みや坐骨神経痛だけに限らず、四十肩や五十肩、三叉神経痛、初期の関節
リウマチなども含めて、現代医学でも思うように楽にならない痛みがあるのも事実で
す。こうした治りにくい関節痛に悩まされている方に、ぜひ試してみてほしいのが、
今回ご紹介する痛散湯という漢方薬です。
 痛散湯は、五つの生薬(漢方薬の原材料となる動植物薬)から成り立っています。
その五つとは、麻黄(マオウ科の植物の茎)、意苡仁(イネ科のハトムギの成熟種子)、
防已(ツヅラフジ科のオオツヅラフジの茎、根茎)、杏仁(バラ科の杏の種子)、甘草
(マメ科の多年草の根)です。
 麻黄は、高い薬理効果を持った生薬で、抗炎症作用を有しています。?苡仁には、
優れた鎮痛作用があります。麻黄、防已、杏仁は三つとも「水毒」を治す作用があり
ます。最後の甘草は、互いの生薬を調和させる働きがあり、甘味もあるため、薬を飲
み易くさせる効果も兼ね備えています。
 水毒は、最初にも触れたとおり、体の痛みを引き起こす原因ともいうべきものです
から、麻黄などの生薬の働きによって、水毒が解消できれば、患部のむくみや冷えも
取ることにつながりますし、それがまた、慢性的な痛みの改善に大きな効果を発揮し
ます。
2 穏やかな作用で最後に大きな効果
  
  痛散湯を含め漢方薬は、西洋医学とは考え方を全く異にした薬剤です。そして、一
時的に痛みを取り去る対症療法の薬では必ずしもありません。体の内側から働きかけ、
水毒を解消し、体のバランスを回復させることで体質改善を図ろうとするものです。
それによって、痛みの出にくい体の状態を目指すのです。
 私の経験した症例をあげてみましょう。53歳の女性で夏場にクーラーで体を冷や
しすぎたため、慢性的な腰痛に悩んでいました。夏が過ぎ、9月、10月と月日が経
っても、いっこうに状態が改善せず、私のクリニックを訪れました。その女性に、私
は、麻杏意甘湯という漢方薬を処方しました。
 すると、この漢方薬を5〜6回飲んだだけで、長期間苦しめられていた腰痛がアッ
サリ解消しました。その方も驚き、かつ、とても喜んでいたことが印象に残っています。
 この麻杏意甘湯という漢方薬は、三世紀初頭に成立したとされる中国漢方の古典
『金匱要略』にも載っているものです。その古典において既に、筋肉や関節の痛みに効く
と記述されています。つまり、この漢方薬は、関節痛などの治療のため、1000年以上前
から使われてきたわけですが、実は、この麻杏意甘湯は、麻黄、杏仁、意苡仁、甘草の
四つの生薬を調合した漢方薬なのです。
 つまり、痛散湯は、関節痛の治療に長年使われてきた麻杏意甘湯に同じく水毒の解消
する効果の高い防已を加えたものということになります。
 痛散湯は、いわば、漢方の長年の知恵を活用したもので、それが高い治療効果の裏づ
けともなっているといってもいいでしょう。
 症例の女性のように、漢方薬を使い始めて、わずか数日で効果が出るケースもあります
が、ただちに、劇的な効果を期待するよりも、やはり根気よく毎日飲み続けることが肝腎です。
 漢方薬が目指すのは、痛みの症状を生み出している体質を抜本的に改善することなのです
から、体質改善のためには、ある程度の時間が必要と考えて下さい。
 そして、時間をかけて気長に続けて行けば、大きな効果が期待できるでしょう。
18    プラセンタ注射が関節痛に鋭く効くのは、痛んだ組織を修復し血流を促す力が強いため
更新日時:
2007/12/10
吉田クリニック院長 吉田健太郎
1 20もの薬理作用が備わったプラセンタ
 胎盤は、胎児に酵素と栄養を補給するだけでなく、肺や肝臓や腎臓の働きを担ったり、
ホルモンを作ったり、免疫力を強化したりするなど、胎児にとって「万能の臓器」ともいえ
る存在です。
 プラセンタとは、人間やブタの胎盤から抽出されたエキスのことを指し、現在、医薬品
(注射薬と内服薬)・健康食品(粒食品やドリンク)・化粧品として広く利用されています。
 中でもプラセンタ注射が特に優れている点は、その即効性にあります。実際に、プラ
センタ注射を行うと治りにくい股関節痛やヒザ痛などの関節痛に短期間で驚くような効
果の現れることが少なくありません。
 プラセンタが関節痛によく効くのは、胎盤にはさまざまな栄養素と生理活性物質が含
まれているからです。
 たんぱく質・脂質、糖質の三大栄養素はもとより、ロイシン・リジン・・・・・・など十数種
類のアミノ酸と・・・・・など少なくとも100種類を超える酵素を含んでいることも確認され
ています。
 これまでの研究で胎盤には全部で20もの薬理作用のあることがわかっています。
      基礎代謝向上・細胞活性化・呼吸促進・血行促進・造血・疲労回復・血圧調節・
      自律神経調節・ホルモン調整・免疫強化・活性酸素除去・抗突然変異・創傷回
      復促進抗炎症・抗アレルギー・体質改善・強肝・解毒・妊婦の乳汁分泌促進・
      食欲増進・精神安定
 これだけたくさんの薬効を持つ薬は、プラセンタ以外には存在しません。
 プラセンタ注射が関節痛によく効くのも、痛んだ組織を修復する作用や結構を促す作
用、それに炎症を鎮める作用が複合的に働くためと考えられます。
 また、もう一つ大きいのは、精神安定作用です。関節痛やヒザの痛みで悩んでいると、
ウツ状態に陥りやすくなります。
 そうなるとやる気が減退して体を動かさなくなり、ますます関節が弱っていきます。
2 年間7万人が使っても思い副作用は全くない
 しかも、プラセンタが優れているのは、重大な副作用が全くないことです。私のクリニッ
クでは年間で述べ7万人近くの患者さんにプラセンタを用いていますが、これまで重篤な
副作用は一件も出ていません。
 プラセンタが医薬品の承認を受けたのはほぼ半世紀も前になりますが、残念なのは
康保険が適用されるのは更年期障害や慢性肝疾患(肝硬変・肝機能改善)などに対して
だけです。
 そのため、股関節やひざの痛みに対してプラセンタを用いる場合は、自費診療となりま
す。その費用は施設によって異なるので事前に電話などで確認して下さい。
 注射の量は、基本的には1回に1〜2アンプルです。私は、注射の頻度は週に1回が標
準的な回数で、それを3ヶ月続けるように患者さんに勧めています。しかし、症状が重い場
合は、1〜2週間、毎日、注射ををして、それから回数を減らしていくこともあります。
 これだけ沢山使っても、プラセンタに限っては副作用が出ません。
 股関節やヒザなどの痛みの激しいときには、医師と相談してその回数を決めればいいで
しょう。また、プラセンタの健康食品も毎日続けて摂れば注射と同じように効果が出てきま
す。
 多忙な人など、通院が難しい人は、まずは健康食品を試すのもいい方法でしょう。
※吉田クリニックの場合の費用
 初診料2000円
 注射1回(2アンプル)・・・・2,000円
 内服薬(1か月分)・・・・・・10,000円〜20,000円(医療機関により異なる)
トニー
 IONの発生原因については、金沢医科大学の研究で酸化ストレスにより、骨壊死の発生を
確認している。また、ステロイド投与後に骨内酸化傷害を確認おり、何らかの理由で生体内が
酸化状態に傾くと
   活性酸素
が増加し、還元型グルタチオンを始めとする抗酸化酵素などが低下し、大腿骨頭壊死に至る
ことがだんだんと判ってきた。
 プラセンタで一番、気になったのは
    100種類を超える酵素
を含んでいる点と
    活性酸素除去
である。
 痛みがある人には、即効性があるが、既に痛みがなくとも、壊死の原因である活性酸素を
除去できるなら、壊死再生に何らかの効力を発揮するのではないか。
 今、還元型グルタチオンを摂っているが、プラセンタも摂れば、効果は倍増となるはずだ。

19    股関節のローテーターカフを強化する
更新日時:
2007/12/10
筑波大学体育学系助教授:白木 仁
昭和54年、筑波大学体育専門学群卒。昭和57年、同大学院体育研究科体育学修士修了。
平成3年より筑波大学体育科学系にてスポーツ医学講師として教育と研究に従事。日本陸
上競技連盟医事委員会トレーナーなども務める。
1 股関節は上体と下肢をつなぐ最も大きな関節
 私の専門は、アスリートを対象としたスポーツトレーニングです。パフォーマンス(競技成果)
を高めるために、いかに体調を整え、上げていくか、ということに日夜とり組んでいます。その
なかで重要視しているもののひとつが、股関節です。
 
 股関節は体のなかで最も大きな関節で、上体と下肢をつなぐ要のような存在。その機能を
高めることで、関節などの痛みが消えたり、体の動きがよくなったりするのです。しかし、反
対に股関節の機能が低下すれば思わぬところに痛みが出たり、体調がすぐれなかったりし
ます。
 いわば体の要であるとともに、健康の要でもあるのです。股関節が健康を維持するうえで、
いかに大事か。それを説明するには「インナーマッスル」の話は欠かすことができません。
 インナーマッスルとは、主に肩関節を安定させるための筋群を総称したもので他の関節に
は使用されない用語です。しかし、股関節は肩関節同様に球関節なので、股関節を安定さ
せるための筋群として、あえてここでは股関節のインナーマッスルとしました。
 インナーマッスルは深層部にあります。逆に、アウターマッスルとは皮膚に近い浅層にあり、
関節を大きく動かすことによって、働く筋肉のことです。一般的なトレーニングの多くはアウタ
ーマッスルを鍛えるものです。
 しかし、インナーマッスルは関節をしっかりと固定する役目があり、これを鍛えておかないと
関節の機能が低下するのはもちろんのこと、いわゆる故障(ケガ)の原因にもなりかねません。
 肩関節はほかの関節にくらべて回旋運動(回す動作)ができるなど、自由度がとても高くなっ
ています。ただ、自由に動かせるぶん不安定だともいえます。その不安定な状態を安定させる
ためには、肩関節周辺のインナーマッスルを鍛える必要があるのです。肩関節周辺のインナ
ーマッスルを鍛えると肩の筋肉の動きがよくなり、野球の投手ならばより速い球が投げられる
うえ、故障も少なくなるというメリットがあります。
 その肩関節と似ているのが股関節です。しかし、肩のインナーマッスルが重要視されている
にもかかわらず、股関節のそれはこれまであまり注目されていませんでした。
 股関節のインナーマッスルを鍛えればアスリートのパフォーマンスは向上するのではないか
……と考えたのです。
 結論からいえば、それは正解でした。あとのページで話しますが、その股関節の機能を高め
るための効果的な方法が「腰割り」です。股関節の働きをよくすることのメリットはアスリートだ
けではありません。
 じつは、一般の人こそ股関節の機能を高めてほしいのです。というのも、前述したように股関
節は健康の要だからです。
2 歩かない人ほど股関節の機能が低下
 股関節は、大腿骨の骨頭が骨盤の両側にある寛骨臼という大きなくぼみにはめ込まれた形
状になっています。そのため、ひじや膝の関節が一方向にしか曲がらないのに対し、股関節
は前後左右自在に曲げることができます。
 その股関節周辺を、腸腰筋(腰部から股関節をへて太ももにつながる筋肉)、中殿筋(骨盤
の骨から太ももにつながる筋肉)、大腿直筋(太もものつけ根から膝までつながる筋肉)、内転
筋(股関節の内側にある筋肉)といった股関節のインナーマッスルと考えられる筋が囲んでい
ます。
 当然、これらの筋力が低下すれば股関節がスムーズに動かず、不安定になってしまいます。
体の要である股関節の機能が低下すると、体幹(体の中心部)がアンバランスになります。
すると、股関節が不安定になるので歩幅が小さくなります。体が無意識のうちにバランスをとろ
うとするので、必然的に姿勢は前屈ぎみになります。
 当然、そんな姿勢で歩けばつまずきやすくなります。最近、つまずく回数がふえたという人は、
股関節の機能の低下を疑ったほうがいいでしょう。
 ではなぜ、股関節の機能が低下してしまうのか。最大の原因は、日本人が歩かなくなったか
らです。わずかな距離の移動でも自動車や電車に頼り、歩かなくなったという人は少なくないで
しょう。
 また、加齢とともに体を動かすのがおっくうになり、あまり歩かなくなったという人も多いはず。
でも、こうして歩く量が減ると股関節周辺のインナーマッスルが落ち、機能も低下します。
 すると体のバランスが失われ、いたるところに不調が出やすくなるのです。
トニー
 肩関節のインーマッスル(ローテーターカフ)については、以前、ウェイトトレーニングをして
いたころ、肩痛に悩まされ鍛えたことがあるので知っていた。
 股関節については雑誌など掲載されていなかったので関心がなかったが、言われてみれば
その通りで、この病気になり、初めて股関節のインナーマッスルを鍛える気になった。
 股関節のローテーターカフ(深層筋)の鍛え方については、リンク集に掲載した。
 トニーは、既に股割りとつま先ワイパーを毎日やっている。
20    成長ホルモンについて
更新日時:
2007/12/10
成長ホルモンの効果・効能
1 体力とスタミナの向上
 日ごろ、疲れて運動できないといっていた人が、すすんで身体を動かすようになります。
ゴルフを1ラウンドやってもう疲れていた人が、さらに1.5ラウンドめをやりたくなります。
長距離走るときのタイムは非常によくなります。成長ホルモンによるスタミナ向上作用は
非常に強力で、オリンピックなどのアマチュア競技ではドーピング薬剤にあたると認定さ
れているほどです。日常生活の活力は極めて高まります。
2 体内組織の若返り
 @背が伸びる Aシワ・たるみの軽減 B勃起力が高まる Cバストが大きくなり形が整う 
 D若ハゲ防止 E夜就寝中のトイレ回数の減少 F内臓脂肪の減少
 成長ホルモンは、骨端軟骨に働きかけ、長幹骨(大腿骨など)を伸ばします。
 第2次性徴が終了するまでに利用するのが効果的です。ところが、成長ホルモンには関節
内の軟骨を成長させる働きがありますので、場合によっては20歳を超えても背をのばすこと
ができます。
 足首、膝、股関節、そして椎間板のそれぞれを1〜2mm増大させるだけで、2〜5cmぐらい
は背が伸びるものです。成長ホルモンはスプレータイプのもので十分な効果が期待できます。
トニーの考え
 加圧トレーニングを行うと、通常の290倍もの成長ホルモン分泌が促されることが立証され
ている。
 加圧により、骨頭壊死が治ったという話もあるが、具体的に加圧の何が壊死に効いたのか・・・・
      血管が増加したから・・・・
      成長ホルモンが多量に出たから・・・・
      筋肉により骨が支えられ非荷重となったから・・・・
といろいろな説があるが、成長ホルモン投与で低身長の子供が人並みの身長になることは
事実だ。
 トニーの通っている整形にも、低身長の中学生が加圧に通っている。理由は身長を伸ばし
たいためだそうだ。
 成長ホルモンの人体に対する影響として、「骨端軟骨に働きかけ」というのがある意味、骨
壊死に有効なのかもしれない。
 リンク集に掲載したが、成長ホルモンは医師の処方があれば、受けられる。外国では比較
的簡単に、人成長ホルモンの注射をしている。
 それで中年女性が若返っているが、年間180万円かかるそうだ。それってやめたら、急に
シワが多くなったりして・・・・。
 日本だと注射は金がかかるので、リンク集にあるように、スプレー式の物で、舌にスプレー
するらしい。でも値段が
   1本 58000円(1〜2か月分)
では、年間約70万円もかかる計算となる。
 また、日本は外国と違い、医薬品を処方する場合の制約が厳しいから、単に大腿骨頭壊死
症だからと言っても処方してくれないかもしれない・・・・。
 でも、加圧しなくとも楽して成長ホルモンを摂取出来るとすれば、月58000円も高くないかも・・・・。



|Back |Index |Next"


|ホーム |加圧リハビリの経過 |トニーのレントゲン&MRI |掲示板のバックアップ |掲示板U | 情報 |加圧療法の効果 |股関節再生道場 |
|加圧トレーニングメニュー(病院) |自宅での加圧リハビリ |リンク集 |病院情報 |股関節のリハビリテーション |痛み回復の記録 |IONと付き合う小道具 |トニーの独り言 |
|サプリメント |減量作戦 |プロフィール |


メールはこちらまで。