国民の栄養調査や摂取栄養量の計算、集団給食(学校、病院、事業所など)の献立作成などのためにも食品中の栄養素の含量を確定しなければならない。第2次世界大戦以前は1,045種類の食品についての分析値をまとめた「日本食品成分総覧」が作られ、1947年には104種の食品分析値を記載した「暫定標準食品栄養価」が公表された。続いて1950年は「初訂日本食品標準成分表」が公表された。1953年3月、改訂版が科学技術庁資源調査会から発表され、17食品群、695食品、14成分の分析値が記載公表された。1963年には3訂版が発刊され、1978年には「3訂補日本食品標準成分表」が追加された。
現在、公的には科学技術庁調査会が発表する「4訂日本食品標準成分表」を基本に、その内容を充実させ疾病予防ならびに健康増進と関連が深いとみられる食品成分の含量を示した成分表が刊行されている。刊行されている日本食品成分表には、「4訂日本食品標準成分表」に改訂日本食品アミノ酸組成表、日本食品脂溶性成分表(脂肪酸、コレステロール、ビタミンE)、日本食品無機成分表(マグネシウム、亜鉛、銅)など・・・このような趣旨で追加された成分のことを通称フォローアップ成分という・・・が併記されているものが多くみられる。
「4訂日本食品成分表」は1982年に発表された。ここには食品1,621種類が収載され、それらのエネルギーや基本的な栄養成分の含量が示されている。日本食品標準成分表には食品1,621種が18食品群に大分類され、小分類と細分(アルファベットの小文字)で各食品に食品番号を付している。それぞれの食品についての一般的な記載成分項目は廃棄率、エネルギー、水分、タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン含有量でそれぞれの単位で記載されている。この含有量は原則として食品可食部100g当たり表示(kcal、kJ、g、mg、μg、IU)されている。