真空管ラジオ(5球スーパーラジオなど)の レストア


 今まで入手してきた真空管ラジオなどは都度ラジオの型番ごとにレストア内容を掲載しておりました。
しかし、真空管ラジオのレストア内容や経過は同じような内容が多く重複するするので一つのページである程度分かるように取りまとめたページを作りました。その上で、そのラジオの型番に従ってもっと詳細に見てみたい場合は該当するページを見るのが良いと思います。
 このページはどのラジオでも起こり得る修理・調整・レストア経過を主に掲載しております。ご参考になれば幸いです。
 掲載写真は以前レストアしたラジオのものを掲載しておりますので説明と写真がマッチしないことがあるかもしれません。


古い真空管ラジオの入手時によく見られる現象・不具合

該当項目をクリックしてください。
掲載箇所を表示します。
@電源が全く入らない。ヒュースが飛ぶ!電源コードが痛んでいる。

A真空管の劣化や不良。ヒーター断線!

Bボリュームの接触不良。S付きボリュームスイッチ不良!

C劣化した抵抗、コンデンサー、配線、糸ダイヤルなどの交換!

Dアウトプットランスの断線やスピーカーコーンの破損

EIFTや同調トラッキングがズレている

Fシャーシが埃、ヤニなどで汚れている

Gシャーシ内部の劣化が進んで部品交換では対応不可の状態

H木製ケースラジオでは状態の良いものもありますが、痛みの酷い物が多いようです。

Iラジオパネル面の布(サランネット)の破損汚れ

Jトランスレスラジオの整流管ヒーター断線他

K自己発振と雑音の発生

Lボリュームが絞り切れない現象

M大きいハム音がする

Nマジックアイの照度が暗かったり、全く光らない

O5球スーパーで電信やSSB信号を聞きたいとき

P「シャリシャリ」「ジャリジャリ」「チリチリ」と言ったノイズ対策

Q5極管6D6をMIX管とした5球スーパー

写真をクリックすると大きくなります。

電源が全く入らない。ヒュースが飛ぶ!



@古くなった電源コードは今後のことをを考え交換します。
 電源コードを保護するゴムも劣化しているので交換します。
A電源が入らない不具合は・電源スイッチの不良・ヒューズ断線・電源トランス断線・トランスレスラジオでは真空管ヒーター(整流管が多い)の断線などです。 
 いづれもテースターで容易に原因を特定できます。写真はヒューズボックス破損の対処例です。
 電源トランスの断線はめったにありません。幸い今まで断線のトラブルは皆無でした。
 スイッチの接触不良は接点洗浄剤で解消できます。(接点復活剤はべとつく溶液が残るのでお勧めできません!) S付きボリュームで電源をオンオフするS付きボリュームの修復例は後述しています。
Bヒューズが飛ぶ
 通常ヒューズ容量は1〜3Aです。この範囲でヒューズが飛ぶ不具合として考えられるのはショートして過電流が流ているためです。
 電源周りでのショートや高圧電源回路、ヒーター回路周りをチェックします。電源オフの状態高圧電源回路、ヒーター回路とアース間のショートの有無を調べる判明することが多いです。
 また、ブロックコンデンサーなどのコンデンサーがショートしているケースも多くみられます。
AC電圧を徐々に上げてテストすると発煙などのトラブルは防げるので、トライアック電源(消光電源)を活用すると良いと思います。

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真空管の劣化や不良。ヒーター断線!

真空管のチェック
@トランス式ラジオに使用されている真空管(ヒーター電圧が6.3X)ではヒーターの断線はマジックアイを除きめったに見られません。
 トランスレスラジオでは整流管に見られることがあります。トランスレスラジオではヒーター電圧が真空管ごとに異なり使用真空管のヒーター電圧の合計が100Xになるように設計されています。電源オン時に一時的に特定真空管に過電流が流れ劣化を早めるためだと思います。
A真空管はバルブチェッカーで確認すれば善し悪しが判断できます。
真空管チェッカーがない場合は動作するラジオで実際差し替えて確認すると良いと思います。





真空管の破損
@真空管ST管(6D6など)のセンターキャップがガタついたり、取れていることがあります。
 センターピンに配線されている線(真空管から少し出ている)により線などを絡めてハンダ付けした上でセンターピンにハンダ付けします。センターピンは事前に真空管に接着しており来ます。
瞬間接着剤はNGです。エポキシ系接着剤が良いと思います。

AGT管やST管などにソケットがガタ付いたり、少し引っ張ると取れてしまう場合があります。
 ソッケットの接着部分の劣化やピンのハンダ付けの劣化です。
 上ののセンターピンと同様に接着し、ピンのハンダ付けはピンにハンダを流し込むようにしてはんだ付けします。

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ボリュームの接触不良。S付きボリュームスイッチ不良!



ボリュームに見られる不具合には
@ガリや接触不良
A音量が絞っても比較的大きな音が出る。
BS付きボリュームのスイッチの不具合。
などです。
@ガリや接触不良は接点洗浄剤を塗布することにより解消する場合があります。
 また、B2程度の鉛筆でなぞると解消する可能性があります。
A音が絞り切れない場合はボリュームの交換しか手はありません。
 交換の場合は新旧のボリュームのシャフト部分を切断し接続金具で繋ぎ合わせが必要になることが多いようです。
 ただ、PHなどの切り替え用S付きボリュームの場合はPH切り替えを断念する以外ないようです。
BS付きボリュームのスイッチの不具合も接点洗浄剤やバネの調整で解消することが多いと思います。


劣化した抵抗、コンデンサー、配線、糸ダイヤルなどの交換!


痛んだ配線

痛んだ配線

配線の交換

電球配線の交換

スピーカー配線の交換

コンデンサー交換

劣化部品交換

ダイヤル糸交換

@劣化した配線の交換
 ナショナル製のラジオによく見られる配線がボロボロになっているケースです。他のメーカーではあまり見られません」。
使用したビニール線の品質に問題があったと思われます。このまま使用するのは危険なので全て交換します。
A劣化したコンデンサー、抵抗などの交換
 古い真空管ラジオにはオイルコンデンサーが使用されていました。コンデンサーが古くなると容量抜けや、蝋が溶け出したり、絶縁が不良になったりします。特に電力増幅部(6AR5など)のグリッドパスコンでは絶縁不良(抵抗値が100KΩ〜1MΩ前後)の場合は音が歪ンでしまいます。
この部分は無条件に交換したほうが良いと思います。
 抵抗は古くなると若干抵抗値が増加傾向(10〜20%)を示します。この程度であれば動作にさほど問題はないと思われますが20%を超える変動があった場合は交換したほうが無難です。使用箇所によってがこれ以下でも問題が発生する可能性はありますが抵抗についてはあまり神経質にならなくともよいと思いますが、焦げ跡が見られるものはよりW数の多い抵抗と交換した方が無難です。
B糸ダイヤル糸の交換
 真空管ラジオでは同調メカに糸ダイヤルが使用されています。糸ダイヤルは古くなると切れたり、伸びて緩くなってダイヤルが動かなくなった利してしまいます。この場合は糸の張替が必要です。
糸ダイヤルに使用する糸は簡単に切れない糸がを使用する必要があります。DIYや100円ショップでも入手できますが私の場合は繊維製(ビニール製でない)釣り糸(舟釣り用リールに使用するもの)を使用しています。なかなかグーですよ!  
Cパイロットランプ交換
 使用されているパイロットランプは6.3V用がほとんどです。今でもショップで容易に入手できます。LEDという手もありますがオリジナルに近いほうが良いと思っています。
Dその他の劣化部品の交換
 バリコンの固定ゴムなどが劣化した場合は交換部品がないので写真のような代用品を使用すると良いと思います。
このゴムはスピーカーからの振動がバリコンに伝わり、音質を劣化させないためのものなので、直付けは避けるのが賢明です。
取り付けネジにひどい赤さびがある場合なども交換します。古い真空管ラジオに使用されているネジはJASネジが多いようです。現在市販ネジはほとんどISOネジです。オスだけ、メスだけの交換はネジピッチの違いで難しい場合があります。

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アウトプットランスの断線やスピーカーコーンの破損

@アウトプットトランスの断線
 
電源オンしても全く音が出ない場合一番可能性があるのはアウトプットトランスの一次コイルの断線です。スピーカーコイルの断線は少ないと考えられます。
断線の有無はテスターで簡単に調べられます。
 この当時のスピーカースピーカーのインピーダンスは3.2〜4Ωです。
今、市販で入手できるアウトプットトランスのスピーカー側コイルのインピーダンスは8Ωです。インピーダンスの違いが気になるのですが目をつぶるほかなさそうです。

Aスピーカーコーンの修理
 最もひどい状態のスピーカーを例示します。
 この状態でスピーカーから音が出るか試したところ、ちゃんと音は出ていました。
この状態であれば、コーン紙を張りかえればなんとか使えそうです。
和紙をカットしコーンを新たに貼り付けました。
 音質に若干の不満は残りますがトランジスターラジオよりははるかに良い音質です。
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IFTや同調トラッキングがズレている(感度低下調整)

@IFT調整
 かなりの年数が経過しているのでIFTは再調整します。
写真のタイプのIFTは調整時、コイルを巻いた軸(ボビン)が回転しやすいようです。注意しないと、コアを廻したつもりがボビンごと回って、結果的にコイルが断線します。悲劇を何度も経験しています。充分注意が必要です。
 同調が大分ずれている中間周波トランスが見られます。
A同調トラッキングの調整
 トラッキングはバリコン上のトリーマーと局発ダストコアーを交互に調整し、ダイヤル表示指針に会うように調整します。
IFT、トラッキング調整にはテストオシレーターやオシロスコープがあると便利です。
IFTは455KHを発信させてオシロスコープ波形最大に調整すればOKです。
トラッキングローバンド、ハイバンド周波数を発信させて同様に局発トリーマーとダストコア調整します。
 放送を受信した調整も可能ですが、ばらつきが出ると思います。
テストオシレータ、オシロは中古品で十分なので入手したい測定器です。

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シャーシ・パネルが埃、ヤニなどで汚れている(シャーシ洗浄)

@シャーシ上部、裏配線部の洗浄
 埃などは事前に刷毛などで落としておきます。
 洗浄に使用する洗浄剤はマジックリなどがありますが、スプレー式シンプルグリーンがお勧めです。
マジックリンの場合はブラッシなどでこすらないと落ちが悪いかもしれません。
一度で落ちない場合は数回繰り返しました。泡が消えた後、良く水洗いをし4〜5日掛けてしっかりと乾かせば、電源オンでヒューズが飛んだり、発火したりすることはありません。
電源トランスにはできるだけ洗剤がかからないようした方が無難です。
Aフロントパネルの洗浄
 フロントパネルにヤニが付着しているケースが多く見られます。真空管ラジオが利用されていたころは、タバコ、炭火や石油ストーブの時代でヤニの原因になっています。
何度か洗浄剤をかけるときれいに落ちると思います。

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シャーシ内部の劣化が進んで部品交換では対応不可の状態

 シャーシの赤錆や内部状態がひどく部品交換では対応できない時は一から配線し直ししたほうが良いようです。一旦解体し新しい抵抗、コンデンサーで組み立て直します。
解体

@シーャシから全ての部品を取り外します。メーカー製なのに配線はかなり粗悪な配線状態のものが時々見られます。
A使える部品は写真の電源トランス、IFT、バリコン他です。
Bブロックコンデンサー、抵抗類他は再使用できないことも多いようです。
シャーシ塗装
 
シャーシの錆を錆落とし剤とサンドヤスリで落とし、シルバー塗装を施します。 
また、電源トランスも同様に黒塗装すると見栄えがようなります。
その他のIFTやバリコン、プーリーはそのまま使用するほうが無難です。

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痛みの酷い木製ケースラジオの修復

ケースの補修
 
合板の剥がれが酷い場合は合板全体の接着材が劣化しているので交換が基本ですが、オリジナリティーを追及する場合は補修します。剥がれた箇所を根気よく丁寧に接着します。
@接着剤は水性の木工用接着剤を注射器で注入できる程度に水で薄め剥がれている箇所に抽入し半日ほど万力で固定し接着しました。
A白い汚れは固定に使った板がケースに接着するのを防ぐために間に挟んだティッシュです。
B接着補修完了後サンドペーパーで表面を滑らかにします。塗装を落とす場合は、普通剥離材で塗装を落とすのですが、合板の場合ケースへのダメージを考えサンドペーパーで落とします。
Cその後、ひび割れ箇所などを木工ボンドで補修します。
D補修のため木工ボンドで固めたところをサンドペーパーで綺麗に表面加工します。
Eその後240番、400番のサンドペーパーでさらに表面を綺麗に磨き上げます。
F表面がかなり綺麗に仕上がっているので、敢えてとの粉の塗布は必要ないと思われますが、と粉を塗ると小さな溝などは埋まるり塗装の出来ばえが一段と綺麗に仕上がります。

塗装1
ケースのひび割れ箇所は木工ボンドで丁寧に埋めましたがどうしても分かってしまうので、との粉をぬります。その上で240番程度のサンドペーパーで磨き上げます。
ケース上部・横の塗装面とツマミ面の塗装色が違うのでツマミパネル面の養生をしておきます。
@この写真の例では下塗りは10工程繰り返しました。塗装を乾燥させ上塗りを繰り返します。段々塗回数に従って色が濃くなっていきます。
A下塗りの後に、800番ノサンドペーパーで水砥ぎし最後に仕上げ塗装を施します。
Bツマミ部分のパネルを同じ要領で黒ニス塗装したのでコントラストが際立ちました。
塗装のコツは塗装表面を磨き上げ、筆にしっかりと塗装を染み込ませた上で、しっかり筆をしごき、できるだけ薄く塗っていくことです。一度に厚く塗ろうとすると刷毛目が目立ち失敗します。


塗装落とし

砥の粉塗り

紙やすりで研磨

下塗り

研磨

塗装例その2(1枚板のケース)
@塗装剥離剤で塗装を落とす。
A120番サンドペーパーで磨く
A砥の粉を塗り、240番サンドペーパーで磨きあげる
B塗装&水研ぎを繰り返します。

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ラジオパネル面の布(サランネット)の破損汚れ対策(交換)

 木製ラジオの正面パネルには布製のいわゆるサランネットが使用されています。
これも長年の使用で破損やシミ、くすみで汚れが目立つようになります。
同じものは入手できないので代わりのものを探し取り付けます。
ネットでサランネットと称して販売しているお店もありますので入手は難しくありません。家庭にあるままった布切れを利用する手もありそうです。
今回なオークションで入手した布を利用しました。このサランネットは大変薄い生地だったので2重に張り付けました。

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トランスレスラジオの整流管ヒーター断線の場合の代替案他

35W4の代用真空管の作成
@現在35W4の入手は難しくなっております。インターネットオークションで出品されることはあっても振り込み手数料、配送料を考えると結構高価なものになってしまいます。そこで35W4の変わりに整流はダイオードを使用し、ヒーターの代わりに抵抗を使用することすることにより動作せせることができます。
A7ピン用のソケットが入手できなかったので、マイクジャックのピンを利用し7ピンソケットを自作しました。
B代用真空管の回路図は写真の通りです。
C35W4の代わりに差込んでテストしたところ35W4と全く同様に使用できることが確認できました。
Dソケット方式ではなく真空管ソケットに直接ハンダ付けすればソケットは必要ありません。真空管をそのまま差し込んでおけば真空管が5本差し込まれたままで形としては5球スーパーのままとなります。
ST管ラジオ検波管6ZDH3Aの代替としてマジックアイ(6E5)が使用できます。
ST管ラジオでは検波管の6ZDH3Aの不具合(ハム音発生など)が時々見られます。
この場合手元に光らなくなった6E5などのマジックアイがあれば、これを6ZDH3Aの代わりに使用することができます。
差し替えにより不具合が解消できれば6ZDH3Aに問題があったことが特定できます。知識として覚えておくと便利ですよ!

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自己発振と雑音の発生

感度を最大に調整すると(しなくとも)ピーピーと発振してしまうことがあります。
発振の原因は様々ですが可能性のある回路を検討すると
@周波数変換回路で発生
A中間増幅回路で発生
B検波及び低周波増幅回路で発生
などが考えられます。
多くの場合、真空管シールド不良、バイパスコンデンサー交換、カソード抵抗の変更、SG電源を独立させるなどで止めることができます。
詳しくはこちらのページをご覧ください。

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ボリュームが絞り切れない現象

ボリュームが絞り切れない現象で一番考えられることは、ボリュームを絞った状他のボリューム抵抗値が高くなっている場合はボリュームを絞っても音が出てしまします。
新品のボリュームに交換するとほとんどの場合解消できます。
ボリュームを交換しても解消できない場合は他に原因があります。
その場合の対応方法についてはこちらのページをご覧ください。

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ハム音

@真空管にかける直流電圧を作るための電源回路の平滑コンデンサーの容量抜け。
・平滑コンデンサーには電解コンデンサーが使われています。経年変化で電解コンデンサーが劣化し容量抜けするとハム音の原因となります。
・その他B電圧(直流)回路に入っている電解コンデンサーの容量ぬけの可能性もあります。
・電解コンデンサーの交換で多くの場合解消します。
A真空管の不良
・真空管の不良によりハムが出る場合があります。
・別の真空管と入れ替えれば確認できます。
Bヒーターの配線が原因の場合もまれに見られます。

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マジックアイの代替(LED式マジックアイ)

 真空管式マジックアイの寿命は大変短く、長年使用していると段々と照度が落ちて最終的には全く光らなくなってしまいます。
マジックアイの寿命は500時間くらいで、普通の真空管が数千時間持つのに比べると短く。最初の100時間で急激に輝度が下がり、それから1,000時間までは徐々に輝度が下がるがほぼ一定で、2,000時間までは周りを暗くすれば見える程度となってしまいます。
 真空管式マジックアイは今でも入手可能ですが、寿命を気にせずに使用できるLED式マジックアイを作成して取り付けてみました。
詳しくはこちらのページに掲載しているのでご覧ください。

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5球スーパーで電信やSSB信号を聞きたいとき

BFO機能の追加
 
短波が受信できる5球スーパーで7MHz ハムバンドのSSB交信を聞きたいときにがあります。
本格的に復調するにはBFOが必要ですが、5球スーパーの中間増幅部に簡単な回路(短いビニール線)を追加するだけでSSB信号を聴けるようなります。SSBを受信するために簡易BFO機能を追加しました。
@追加したBFO機能は中間周波増幅部を発振させてBFOの代わりにするものです。
AIF増幅部のグリット入力をプレートに正帰還させて発振させます。
B発振の程度はビニール線のグリット、プレートへの密着度によって調整します。
CAM受信のときはこのビニール線をアースすると発振は止まります。
Dシャーシ後方のスイッチをSSB側にするとBFOがオンに、AGCはオフになります。
EAM側に倒すと、ビニール線がアースされ発振が止まります。また、AGCが働きます。

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5極管6D6をMIX管とした5球スーパー

 普通、ST管5球スーパーは6WC5(周波数変換)、6D6(中間周波増幅)、6Z−DH3A(検波)、42(電力増幅)、80(整流)などで構成されています。
 このラジオは6D6(周波数変換)、6D6(中間周波増幅)、6D6(検波)、42、80で構成されている5球スーパーです。
5極管6D6使用で周波数変換回路の5球スーパーは戦前から戦後まで、昭和23年に6WC5の5球スーパー用MIX管が発売されるまで見られましたが、現在このタイプの5球スーパーはめったにお目にかかることはありません。
 今ではなかなか入手できない大変貴重な5球スーパーで内部の配線も傷んでいたので、一旦解体し一から配線をし直しました。
@配線図は左端の通りですが、局発2次コイルの巻き数が不足していたので、Mix回路は右側の回路図に変更しました。配線図の局発は巻き数が不足すると発振が起こりません。
また、巻き数の少ないコイルのイン、アウトを逆に接続すると発振しません。コイルは並4ラジオのコイルが使用できますが。一次側コイルは巻き線の少ないローインピーダンスのコイルが使用できます。巻き線数の多いハイインピーダンスコイルはNGです。
Aこのタイプの5球スーパーはAGC回路を設けると局部発振が不安定になる場合があるので、あえてAGCはかけないようにしました。
B検波回路は6D6低周波増幅によるごく普通の検波増幅回路となっています。
Cスピーカーはフィールドコイル型スピーカー(励振型スピーカー)なのでハム音は少ないと思います。
 励振型スピーカーのコイルは整流回路のチョークコイルとて機能しスピーカー用電磁石として動作します。

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「シャリシャリ」「ジャリジャリ」「チリチリ」と言ったノイズの解消

ノイズ解消

 古くなった真空管ラジオのノイズ発生源は様々です。
可能性のある発生源としては
@真空管から発生
Aコンデンサー劣化不良
Bハンダ劣化や接触不良
Cボリューム劣化
D電源トランス
などがあげられます。また、外部からの侵入と言ったケースもあります。
@真空管に原因
 
真空管チェッカーで調べてもわからないことが結構多いと思います。
 真空管を差し替えて確認するのが一番です。真空管ピンにハンダ付けされている芯線がハンダ不良の場合もあります。
Aコンデンサーに原因
 コンデンサーを全て交換で解決することが多い。
・不良コンデンサーを特定する方法としては
 周波数変換部から低周波増幅部の真空管を順に抜いてどの部分でノイズが出ているか調べます。
 周波数変換部真空管を抜いてもノイズレベルに変化が見られなければ中間周波部真空管と進めていきます。
 真空管を抜いてノイズが消えれば抜いた個所で発生している可能性があります。
 その回路についているコンデンサーを取り外すか交換することによって特定がある程度可能になります。 
Bハンダ劣化や接触不良
 シャーシを揺らしたり、部品を一つ一つ揺らすことによってノイズが変化するのであれば接触不良が疑われます。
 接触不良個所のハンダをし直せば解消できます。
 真空管ソケットと真空管ピンとの接触不良もノイズの発生源になります。
Cボリューム劣化
 ボリュームが原因の症状はほとんどの場合ガリとして現れます。
 稀にスイッチ付きボリュームでスイッチの接触不良がノイズ発生源になる場合があります。
  スイッチについている配線を一度取り外すと解消するのであればスイッチの可能性があります。
D電源トランスに原因
 電源トランスの特定は難しいと思います。
 他の電源からB電源とヒーター電源を供給した場合解消するのであれば電源トランスに原因ありと特定できます。
 トランスネジ止めが弱い場合はトランスのうなりとなって現れますが「シャリシャリ」「ジャリジャリ」「チリチリ」と言ったノイズの発生源になることは少ないように思います。



下のイラストをクリックするとそのページを表示します。


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