アンクルKの他愛もない話

人形劇・影絵劇の台本 BGMを操作しながらナレーター気分になってお楽しみ下さい。

お客を甘くみるな

私の知っているごく普通の婦人がこう言っていた。セールスマンがお客に対する一番悪いことは不誠実の罪を犯すことである。

その婦人が店に買い物に行くたびに、店員が応対してくれる。大仰な言い振りで、とてもお綺麗だとか、なんと素晴らしいご様子でいらっしゃるとか、その帽子がとても素敵とか言って褒めそやすのである。

『それはみんな、馬に鳥の羽が生えたようなもので、根も葉もないことです。わたしはそれがわかります。店員も万々承知しているはずなのです。それは売らんが為にはウソをつかねばならないと考えているのです。マネージャーは店員に、なぜ、誠意を尽くす技術を教え込まないのでしょうか。』

その話はともかくとして、この若い婦人の言ったことは確かに大切なことである。

誠意がないとわかると、すべて阿諛(あゆ)として排斥される。

しかし、自分が知っている何か立派なことをお客に言うとき、その言葉は真実であり、賛辞であり、人はこの賛辞を好むものである。

本当の賛辞を呈するよりも高邁な販売技術はない。しかし、これが阿諛に堕落すると、これくらい下劣な販売技術はまた他にない。

この相違は誠意の如何にある。

お客が本当に言ってもらいたいと思っていることを話すならば、決しておべっかつかいとは思われない。そこで客が聞きたがっているのは一体何なのか見込みをつけるのが要石である。

▲一番上に

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