アンクルKの他愛もない話

人形劇・影絵劇の台本 BGMを操作しながらナレーター気分になってお楽しみ下さい。

返答には気をもたせよ

あるお客が反対の難問を持ち出した。駆け出しのセールスマンは数日、老練のセールスマンと同行し、見習ったばかりで、その返答の仕方を知っていた。早速彼は覚えたとおりにすらすらと喋ってしまった。そのために、先方を文字通りかんかんに怒らせてしまったという話だ。

販売が失敗に終わり、その二人は外に出た。

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『ねえ、君に少しばかり気をつけてもらいたいことがある。』と古参のセールスマンが切り出した。

『それはね、反対に対する返答の仕方を知っているからといって、事も無げに、すらすらと早口に言ってはいけないということだよ。』

『君は熱心のあまり、お客の方が間違っているということを断言してしまったので、あの販売は駄目になってしまったのだ。』

『お客が反対を言い出した時には、君は返答に窮したような様子になるのがよい。一本参ったという形だ―― また、お客にもそう思わせるために、口篭ってしばらくして返事の仕方を考え出したように振舞った方がよかったのだ。そして、これなら納得してもらえるかしらと躊躇しながら返答すべきなのだ。』

『お客は君が事情の顛末をよく考えてのことと信じて、自分も、反対してはならないことで反対していることに気づいて、君の言葉に耳をかしたかもしれなかった。それなのに、その心繕いもなく口走ったので、すっかり買気を追っ払ったことになったのだよ。』

反対にこたえるのに熱心のあまり、販売ができなくなった例は山ほどある。ゆったりと、いそがず、さわがず、静かに進めていくことは、販売上の優秀な人達の取るべき信条である。

 

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