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[本ページの最終チェック日 : 2023/7/30]
(2008年7月6日アップロード)
70年代半ば過ぎにスタートを切ったマイコレクションの初期の時代に、 OGUN とともに重要な地位を占めたレーベル VINYL / VIEW を紹介しよう。
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本レーベルは、70年代後半から80年代中頃にかけて、主に英国とドイツのミュージシャンによる、ジャズロック系のアルバムを中心にリリース活動を行った。特に、その設立初期の1977年から79年にかけては、英国ミュージシャンの作品を立て続けにリリースした。活動半ばの1980年から81年頃に、そのレーベル名称を VINYL から VIEW に変更している。
本レーベルの設立には、その多くの作品をプロデュースしている MANFRED SCHIEK, GERD PEECKEL という2人のドイツ人?が関係しているようだが、詳細は不明である。この2人は、80年代以降、 KONNEX, DOSSIER, ATONAL, EAR-RATIONAL などのレーベルを新たに立ち上げ、その活動を継続した。ただ、これらのレーベルにおいては、英国ミュージシャンが関係する作品の比率は VINYL / VIEW よりも小さなものとなっている。これらのうち、少なくとも KONNEX は現役のレーベルで、VINYL / VIEW のいくつかの作品のCD化を行ったほか、のちにはメジャーなアーティストの作品もリリースするなど、旺盛な活動を繰り広げて現在に至っている。
紹介に先立ち VINYL / VIEW の規格・番号について説明しておこう。規格は全作品 VS 、番号は2系列あり、いずれも当方の確認分だけの範囲だが、第1の系列(前期作品)は100番から114番まで、第2の系列(後期作品)は001番から0031番までである。「100番台」のシリーズは、少なくともオリジナルは 全作品 VINYL のレーベル名でリリースされている。一方、「(0)000番台」の方は、初期リリースの数作品が VINYL レーベルであるほかは、 VIEW レーベルでのリリースとなっている。
定かな記憶はないのだが(我がことながら!)、リリース当時には、英国ミュージシャン以外の作品もチェックしていたとみえ、そのメモが現在も手元に残っている。ただ、このメモについては、せめてミュージシャンの名前だけでも記録してあればいいのだが、例えば、単に『ドイツのフュージョンバンド』などというのもあって、資料的価値がない!ので今回は披露しないことにする(データの揃ったもののみ末尾に「おまけ」として記載しておいた)。少なくとも、上記の番号の範囲では、以下に紹介する作品以外には、英国ミュージシャンの関係したアルバムはなさそうである。なお、上記番号以降のリリースがあるのかどうかについては不明。
というわけで、本コンテンツでは、まず、 VINYL / VIEW レーベルのリリース作品のうち、当方所有の英国ミュージシャン関連のアルバムを番号順に紹介することにする。
1. AMALGAM - ANOTHER TIME (VINYL VS 100) (1976)
VINYLのファーストリリースはトレバー・ワッツ率いるアマルガムの本レーベルデビュー盤。アマルガムにとってはTANGENT盤に続く第4作となる。この時期の当グループは、ワッツとドラムスのリアム・ジェノッキーの2人が不動のメンバーで、これにギターとベース(ときに2人)というのが基本的なラインナップであった。
2. KEITH TIPPETT, JULIE TIPPETT, TREVOR WATTS, COLIN MCKENZIE - WARM SPIRITS COOL SPIRITS (VINYL VS 101) (1976)
ワッツ、マッケンジーの「アマルガム組」に、ティペット夫妻が加わったセッションアルバム。この組み合わせとしてはたぶん唯一の作品。
3. JOHN STEVENS - CHEMISTRY (VINYL VS 102) (1975)
盟友スティーブンスとワッツが、ケニー・ウィーラー、レイ・ウォーレイらとコラボレートする、ユニークなラインナップのクインテット作品。
4. EL SKID (VINYL VS 103) (1977)
いまさら言うのもなんだが、エルトン・ディーンとアラン・スキッドモアで「エル・スキッド」!、の唯一作。ディーンにとっては、当時の様々な演奏形態による活動の一環としてとらえることができようか。スキッドモアには、サックス2本にベース、ドラムスという同じバンド構成による、同年録音のゲルト・デュデックとの双頭サックスのカルテット作品が、 EMI ELECTROLA と EGO (いずれも独盤)にある。
5. AMALGAM - SAMANNA (VINYL VS 104) (1977)
本レーベルにおけるアマルガムの第2作。ベースギターが2本になった。
6. JOHN STEVENS QUARTET - TOUCHING ON (VINYL VS 105) (1977)
なんとアラン・ホールズワースのギターをフィーチャーしたスティーブンスのリーダー作品。
7. RAY WARLEIGH, JOHN TAYLOR, RON MATHEWSON, FRANK GIBSON - REVERIE (VINYL VS 106) (1977)
68年録音のデビュー作品以来となるレイ・ウォーレイの実質的なリーダーアルバム第2作は、本レーベルの諸作とは一線を画するリリカルな ECM 的な内容の作品。CD化は残念ながら未だのようだ。
8. KEN HYDER'S TALISKER - THE LAST BOTTLE (VINYL VS 107) (1978)
75年のCAROLINE盤、77年の独JAPO盤に続くケン・ハイダー率いるタリスカーのたぶんサードアルバム。4人グループになった。
9. AMALGAM - DEEP (VINYL VS 108) (1977)
ベースが、ウッドベースのハリー・ミラーに変ったアマルガムの当レーベルにおける最終作品。
10. JOHN STEVENS DANCE ORCHESTRA - AH! (VINYL VS 111) (1977)
ロック化?が進化して絶好調のスティーブンス作品。ギタリスト2人にウッドベースとベースギターの2人のベーシストをフィーチャーした分厚いサウンド。
11. HOWARD RILEY - THE TORONTO CONCERT (VINYL VS 112) (1977)
うって変わったライリーのソロピアノのフリージャズ作品。
12. BARRY GUY, HOWARD RILEY, PHILIPP WACHSMANN - IMPROVISATIONS ARE FOREVER NOW (VINYL VS 113) (1977)
続いてフリーインプロビゼーションのアルバム。タイトルがすごい!
「100番台シリーズ」の紹介は以上だが、このシリーズについては、後述する「114」まで確認しているが「109」と「110」の2枚は「存否不明」なので、これまでに確認できたアルバムは合計13枚となる。それらのうちここで採り上げたように12作品が英国ミュージシャンがらみとなっており、それらは1977年を中心に集中的に?録音され、77年の後半から79年のはじめ頃までの1年半ほどの間にリリースされた。
[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]
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13. ROB KORAL, CHRIS MILLS, PAUL ROGERS, GEOFF SERLE - RISING (VIEW VS 008) (1979)
「(0)000番台シリーズ」に入って、英国関連作品のリリースがなかったが、8作目にして英国人作品の登場。ただし、これはかなりユニークな取り合わせのバンド。女性ボーカリスト、スー・ホーカーとの共演や、メインストリーム系のギタリストとして、ごく最近もリーダー作をリリースしたコーラル、フリー系のベーシストで、英国とフランスをまたにかけて大活躍中のロジャーズ、フリーミュージックやプログレッシブロックの要素を取り入れ、多くのユニークなアルバムをリリースしているサールなどのコラボ作品。
14. KEN HYDER'S TALISKER - THE WHITE LIGHT (VINYL VS 009) (1979)
8に続くタリスカーのアルバム。デビューアルバムからのメンバーであるジョン・ランゲクロフトと、前出のポール・ロジャーズとの3人のバンドになった。この後のタリスカー名義のアルバムとしては、当方のコレクションでいうと、あと1枚、85年録音のIMPETUS盤がある。
15. GORDON BECK, ALAN HOLDSWORTH, JEFF CLYNE, JOHN STEVENS - CONVERSATION PIECE PART 1 & 2 (VINYL VS 0010) (1977)
共演作品もあるベックとホールズワースの2人を迎えた、スティーブンスのリーダーアルバム。
16. EVAN PARKER, PAUL RUTHERFORD, BARRY GUY, JOHN STEVENS - 4,4,4, (VIEW VS 0011) (1979)
名うてのインプロバイザー4人によるフリーアンサンブル。クリアビニール盤あり。
[ 2012年11月17日追記 ]
最近 EMANEM レーベルよりリリースされた再CD化盤のスリーブノートには、録音は正しくは1979年ではなく1978年であること、また、一部のディスコグラフィーではエバン・パーカー名義と扱われている本作だがジョン・スティーブンス名義がふさわしく、そのことについてはパーカー自身も認めていることなどが記されている。
17. SPONTANEOUS MUSIC ENSEMBLE - "LIVE" BIG BAND & QUARTET (VINYL VS 0015) (1971)
S.M.E.の71年録音のライブ作品をリリース。第1面は、多数の有名ミュージシャンを含むビッグバンド、第2面は、スティーブンス、ワッツにジュリー・ティペッツのボイス、ロン・ハーマンのベースが加わるカルテット。
18. SKETCH - OUTSIDE - IN (VIEW VS 0016) (P1981)
女性ボーカルリストのスー・ホーカーをフィーチャーした、ロブ・コーラルを中心とするグループ、「スケッチ」のたぶんデビュー作品。スケッチは、90年代初めにかけて、さらに3枚のアルバムとシングル盤を発表(追記参照)。コーラルとホーカーのコラボレーションは現在に至る。
[ 2012年4月8日追記 ]
1988年録音のアルバムを新たに入手した(「BFJリスト」を参照)。
19. SOH (VIEW VS 0018) (1981)
演奏者3人の頭文字を取ったSOH。79年録音のEGO盤に続く第2作。昨年、83年録音の第3作が「発掘盤」としてリリースされた。
20. HOWARD RILEY - DUALITY (VIEW VS 0020) (1981)
11に続くライリーのソロピアノのアルバム。
21. THIRD EYE - LIVE! (VIEW VS 0021) (1982)
サード・アイは、ドイツ人ベーシスト、アリ・ハウランドの率いるグループで、本作はたぶん第3作にしてラストアルバム。ハウランド以外のメンバーは流動的で、本作品には、スキッドモア、ウィーラー、レビンと3人の英国勢が参加した。
22. GEOFF SERLE'S RESEARCH - LAWS OF MOTION (VIEW VS 0022) (1982)
13に登場したジェフ・サールのたぶん初リーダー作品。本作には、ベルヤン・ウェストン、ジム・ドゥボラックなど参加。サールは、この後、多くのグループを率いて、プログレ系のミュージシャンとも共演している。
[ 2023年7月30日追記 ]
40 年あまりの歳月を経て、このほど CD 化された (FMR CD655-1222) 。
23. ROB VAN DEN BROECK, HARRY EMMERY, TONY LEVIN - REFLECTIONS (VIEW VS 0024) (1983)
オランダのピアニスト、バン・デン・ブロックのトリオアルバム。トニー・レビンが参加。同じメンバーによる84年録音の作品が TIMELESS レーベルからリリースされている。
24. JOHN STEVENS - RE TOUCH (VIEW VS 0025) (1977)
またまたホールズワースを迎えたスティーブンスの77年録音作品。
[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]
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最後におまけとして、上にあげた作品以外で、アーチスト名、アルバムタイトルが確認できたアルバムを以下に紹介しておく(リストのみ)。ちなみに、これらの作品には英国ミュージシャンは関係していない。なお、当方、これらのアルバムは未所有(一部未見)である。
・PETER PONZOL - PRISM (VINYL VS 114) (1978)
・KLAUS LENZ BAND - WIEGENLIED (VINYL VS 001) (1976)
・KLAUS LENZ BAND - AUFBRUCH (VINYL VS 002) (P1978)
・ZBIGNIEW NAMYSLOWSKI QUARTET - JASMIN LADY (VINYL VS 003) (1978)
・ELECTRIC CIRCUS - LIVE AT THE QUARTIER LATIN (VINYL VS 004) (P1979)
・KLAUS LENZ JAZZ & ROCK MACHINE - FUSION (VINYL VS 005) (1978)
・QUARTETT & BRASS - RECYCLING (VIEW VS 006)
・FREEPORT - DUALESSNESS (VIEW VS 007)
・JAZZWHEEL - SPANISCHE FLIEGE (VIEW VS 0013) [ 2010年2月13日追記 ]
・LABORATORIUM - NOGERO (VIEW VS 0014) [ 2010年3月24日追記 ]
・FREEPORT - ALTERNATING CURRENT (VIEW VS 0023)
・GLENN MULLER'S STREAMLINE (VIEW VS 0026) [ 2010年3月25日追記 ]
・CROSSING - AIR BALLOON (VIEW VS 0027)
・INNER ATEM (VIEW VS 0029) [ 2010年3月26日追記 ]
・JUERGEN WUCHNER'S STRING PROJECT - THE LISTENER (VIEW VS 0030)
・GITARRENQUINTETT - QUERBEET (VIEW VS 0031)
これらのほかに、同じ VIEW レーベルに 「GOOD NOISE」シリーズ? というのがあるようだが、シリーズ名どおりジャズ系の作品はなさそうだし、英国ミュージシャンが関係した作品も見当たらないようだ。同シリーズのディスコグラフィーが下記サイトにある。
http://www.highdive.de/info/gn/index.htm [ 2010年3月26日閲覧 ]
(2008年7月)
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