BFJ (ブリティッシュジャズ=英国ジャズとほんの少しのニュージーランドジャズ) ホームページ コンテンツ#1 ニュージーランドジャズの知られざる新旧ピアノアルバムなど

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[ 本ページの最終チェック日 : 2023/11/7 ]



(2007年2月16日アップロード)
[ 2012年2月27日再構成版アップロード ]


[ 本コンテンツで紹介した作品を含め、ニュージーランドジャズのアナログ盤については、当サイトの コンテンツ #8 で紹介しておりますので、合わせてご覧下さい。 ]



ニュージーランドジャズの知られざる新旧ピアノアルバムなど


ニュージーランドのジャズピアニストというと、国外での活躍が目覚しく、ニュージーランド出身とは特別に意識されないマイク・ノックやアラン・ブロードベント、あるいはわが国で一時中古盤が高値を呼んだフィル・ブロードハーストあたりが思い浮かぶ。かのジュディー・ベイリーももともとはニュージーランドにいたらしいが。

今回は、ニュージーランドの新旧ピアニストたちの「知られざる」トリオアルバムとその関連作品を中心に紹介してみたい。

1. PHIL BROADHURST, TONY HOPKINS, KEVIN HAINES - M6 (LIVE AT THE LONDON BAR) (ODE SODET407) (カセットテープ)
2. PHIL BROADHURST - THE ROAD AHEAD (VOX 003) (2002,2003) (CDR)

まず、前書きでも触れたフィル・ブロードハーストだが、わが国で人気のあったODEレーベルから80年代にリリースされた2枚のアナログアルバムの他に、アルバムに録音年などの記載はないが、彼の新しいウェブサイトによれば、「Jazz Album of the Year 1993」であるそうな、同じODEからリリースされた 1 、2002,03年録音の自主レーベル作品 2 がある。 1 はカセットのみのリリースのようだが全曲トリオ、 2 はトリオの演奏は全体の半分ほどだがアナログ1枚分ぐらいの分量はある。
[ 2012年7月追記 ]
アイテム 1 がCD化された(ODE CDODE 407)。

3. SUSTENANCE - FOOD FOR THOUGHT (SOUTHBOUND SD1) (P1997) (CD)
4. JULIE MASON - ESTATE (SUMMER) (VOX 004) (2003,2004) (CD)
5. COLIN HEMMINGSEN - THE RITE OF SWING (RATA RT001) (P2005) (CD)

ブロードハーストは、フュージョン寄りのワンホーンカルテットのグループ「サステナンス」名義でもKIWI-PACIFICレーベルから80年代にアナログ3枚と、10年のブランクを経て97年に製作された 3 のCDを発表している。また、奥さんでボーカルとピアノのジュリー・メイソンのアルバムをプロデュースしたり、演奏にも一部参加している。メイソンは3枚のアルバムを発表しているが、その最近作は03、04年録音の 4 。ブロードハーストはこれらの他にも、アラン・ブロードベント・トリオのドラマーとして知られるフランク・ギブソンや、在英中にイアン・カーの「ニュークリアス」などで活躍したサックスのブライアン・スミスのアルバムにもたびたび登場している。ジャズバスーン奏者コーリン・ヘミングセンの05年の 5 で最近の演奏が聞ける。

6. THE FRANK GIBSON QUARTET - RAINBOW BRIDGE (ODE CDMANU2023) (2003)(CD)
7. BRIAN SMITH & FRIENDS - TAUPO (ODE CDMANU2028) (2005,2006) (CD)

フランク・ギブソンは、80年代にODEから3枚のアルバムを出した2管クインテットのグループ「スペース・ケース」、また、古くは70年代のジャズロックグループ「ドクター・ツリー」を率いて活動し、一時は在英して英国でも録音を残している。2003年に久し振りのリーダーアルバム 6 をリリースしたが、これにはブロードハーストは参加していない。一方、スミスも、今年、05,06年録音の新作 7 を発表している。

ODE レーベルはジャンルを問わずニュージーランドの音楽を幅広く紹介しており、そのカタログの全貌は容易につかみきれない。ピアノトリオについては上にあげたブロードハーストの他にもノック、ブロードベント、さらに最近わが国でそのCDが高い人気を得たクロンビー・マードックなどの作品が知られているが、ここではこれら以外のアルバムを紹介しよう。

8. DAN PAPIRANY TRIO - SESSION ONE (ODE CDMANU2025) (2004) (CD)
9. DAN PAPIRANY TRIO - ORIGINALS VOL 1 (自主制作) (2004) (CDR)

新しいところでは04年のダン・パピラニーの 8 がある。イスラエル生まれのパピラニーはこの他に、オリジナル曲からなる 9 を同年に、さらにライブ盤を翌05年に、それぞれ自主制作によりリリースした。現在、これらの自主制作盤については、ダウンロード方式で頒布されている。

10. MURRAY McNABB - WAITING FOR YOU (ODE SODE271) (P1987) (LP)
11. MURRAY McNABB - SONG FOR THE DREAM WEAVER (MOD X MODX002) (1990) (CD)

アナログの時代では、87年のマレー・マクナブの 10 があり、これはオーソドックスな仕上がりながらもバラエティーに富んだオリジナル曲で構成されている。マクナブにはアメリカ録音の90年のトリオ作品 11 やクラブ系のアルバムもある。マクナブも楽歴の古いミュージシャンで、ギブソンのグループ、「スペース・ケース」や「ドクター・ツリー」のメンバーでもあった。

12. NORM CUMMING TRIO - SWING LIGHTLY THROUGH LATIN AND WESTERN (ODE SODE020) (LP)
13. NORM CUMMINGS TRIO - YESTERDAY (THYME 32) (LP)

ODE初期のノーム・カミング(スリーブ裏表紙と背文字の表示はカミングス)のアルバム 12 は70年代前半のリリースと思われる。この人にはさらに古そうな 13 がある。ただし、こちらのクレジットはすべてカミングス。これらのLPには録音年はおろか製作年・リリース年の記載もないが、ベース、ドラムとも同じラインナップで、2作ともカバー曲中心のイージーリスニング風の作品である。
[ 2014年9月2日追記 ]
ニュージーランド国立図書館のサイト(2014年9月2日閲覧)によれば、12 は1972年、13 は1970年のリリースとある。

14. DAVID FRASER - EMBRACE (11TH HOUR PRODUCTIONS EH100) (1998) (CD)
15. THE DAVE FRASER TRIO - MUSIC A LA CARTE (NZ. HMV CSDM6317) (P1970) (LP)

ODE レーベル以外に目を向けると、デビッド・フレーザーという人が 2000 年に 14 をリリースしている。軽めのピアノトリオアルバムである。ニュージーランド HMV から 70 年に発表されたデイブ・フレーザー名義の 15 は同一人物の作品であろうか。もしそうだとすれば、 30 年というずいぶん長いブランクではあるが、それを埋めるアルバムが他にもあるかもしれない。
[ 2018年1月29日追記 ]
フレーザーについて書かれた下記サイト* を最近発見。それによれば、この 2 枚のアルバムは同じ人の作品。 30 年というブランクもそのとおりらしい。そして・・・、もうひとつのことが書いてあった。フレーザーはアイテム 14 のリリースから 2 年後に亡くなっている。
*https://www.audioculture.co.nz/people/dave-fraser (2018 年 1 月 29 日閲覧)

16. BARRY BRINSON TRIO - PICK YOURSELF UP (自主制作) (2003) (CD)
17. PAUL DYNE - SHELTER OF THE TI TREE (ODE CD MANU5010) (2004) (CD)

ライトクラシックといったおもむきでジャズ度はかなり落ちるが、バリー・ブリンソンの03年の 16 もピアノトリオが中心である。ブリンソンの名前は初めて聞いたが、ベースのポール・ダイン、ドラムのロジャー・セラーズはともに 314 にもラインナップされているニュージーランドジャズ界では常連の人たちである。そのダインは04年にODEからリーダーアルバム 17 をリリースしている。セラーズは在英中、「ニュークリアス」に在籍したキャリアを持つ。

ニュージーランド北島、オークランドの南東150kmほどのところにタウランガという港町がある。ここはリゾート地としても知られ、古く1963年を第1回として毎年ジャズ祭が開かれてきた。このジャズ祭の演奏がLPに記録されている。全容は明らかではないが、少なくとも80年代中頃までは年によっては2枚組のアルバムとしてほぼ毎年リリースされてきたらしい。トラッドジャズ、スウィングジャズが主であるが、モダンジャズの演奏もわずかだが収録されている。ギブソン、マクナブの名前は演奏者リストに何度か出てくるし、65年にはアラン・ブロードベント、73年にはジュディー・ベイリーが出演している。エディー・トンプソンなど外国ミュージシャンの参加もある。
[ タウランガジャズ祭のライブ盤については コンテンツ #8 で詳しく紹介しております。 ]

18. VARIOUS MUSICIANS - SPECIAL EDITION 25 YEARS OF THE TAURANGA NATIONAL JAZZ FESTIVAL (自主制作) (1963-87) (2LPs)
ブロードベントのトリオ演奏については65年のアルバムは残念ながら未見だが、ジャズ祭の25年間を回顧して作られた87年の編集盤 18 で1曲ながら聴くことができる。
[ 2012年12月追記 ]
65年のライブ盤を入手した。 アラン・ブロードベント・トリオ の曲が1曲収録されている。

19. CHARMAINE FORD - BUSY SILENCE (FORD MOTION FMR9002) (2006) (CD)
20. CHARMAINE FORD - BLUES FOR GUPPY (FORD MOTION FMR9001) (2003) (CD)

今年に入ってリリースされた 19 は若手の女性ピアニスト、シャーメイン・フォードのセカンドアルバムで、2曲にサックスがフィーチャーされている以外はトリオ作品が並ぶ。彼女のデビュー作は03年録音の 20 で、こちらは全曲ピアノトリオである。

これらの他にも重要作が埋もれている可能性が高いが、最後に活きのいいトリオ作品を紹介できたところで本稿を終わりたいと思う。


[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

01. - P.Broadhurst-Live At The London Bar ***** 02. - P.Broadhurst-The Road Ahead ***** 03. - Sustenance-Food For Thought ***** 04. - J.Mason-Estate (Summer) ***** 05. - C.Hemmingsen-The Rite Of Swing

06. - F.Gibson Quartet ***** 07. - B.Smith & Friends-Taupo ***** 08. - D.Papirany Trio-Session One ***** 09. - D.Papirany Trio-Originals Vol 1 ***** 10. - M.McNabb-Waiting For You

11. - M.McNabb-Songs For The Dream Weaver ***** 12. - N.Cumming Trio ***** 13. - N.Cummings Trio-Yesterday ***** 14. - D.Fraser-Embrace ***** 15. - D.Fraser Trio-Music A La Carte

16. - B.Brinson Trio-Pick Yourself Up ***** 17. - P.Dyne-Shelter Of The Ti Tree ***** 18. - Special Edition 25 Years Of The Tauranga N.J.F. ***** 19. - C.Ford-Busy Silence ***** 20. - C.Ford-Blues For Guppy


(2007年1月)



[ 追補 1. (2007年8月26日アップロード) ]

A. THE DOUG CALDWELL TRIO (KIWI PACIFIC CD SLC-218) (1990) (CD)
B. DOUG CALDWELL - OFF THE CUFF (KIWI PACIFIC CD SLC-213) (1992) (CD)

新譜というわけではないが、最近入手した「べテラン風な」ダグ・コールドウェルの2枚のピアノ作品を紹介しておこう。 A はトリオで、 B はソロ。2作ともスタンダードとオリジナルを組み合わせた構成で、軽快なタッチの演奏が楽しめる。


[ 追補 2. (2007年9月4日アップロード) ]

C. GERARD MASTERS TRIO - PALINDROME (JAZZGROOVE JGR 004) (2001) (CD)
D. GERARD MASTERS TRIO - ISLAND LIFE (JAZZGROOVE JGR 013) (2003) (CD)

これも新譜ではないが、そのコールドウェルに師事したという、ニュージーランド出身で現在はオーストラリアで活動している、ジェラード・マスターズのトリオ作品。ほとんどがメンバーのオリジナル曲からなる2枚のアルバムは、いずれも新しいタイプの演奏。


[ 追補 3. (2007年10月1日アップロード) ]

E. CHARMAINE FORD, NICK TIPPING, RICHARD WISE - LIVE AT SANDWICHES (FORD MOTION FMR 9003) (2006) (CDR)
本文でも紹介しているシャーメイン・フォードの事実上の(今回のアルバムはメンバー3人の共同名義になっている)サードアルバムが前作から1年を経ずにリリースされた。といっても、録音はこちらの方が、セカンドアルバムより2箇月半ほど前。全曲トリオ演奏が楽しめるライブ盤。


[ 追補 4. (2008年1月17日アップロード) ]

F. JULIE MASON AND THE JAZZ DIVAS - CHARMED LIFE (VOX 005) (2007) (CD)
同じく本文で紹介したジュリー・メイソンの新譜は、女性3人のボーカルグループと共演したボーカル(コーラス)アルバム(メイソンもボーカルに専念)だが、バックではフィル・ブロードハーストがピアノを弾いていて、聴きようによってはハーストのトリオ作品、また、ゲスト参加のブライアン・スミスが加わったナンバーなどでは、ホーン入りのコンボ作品としても楽しめる、軽いタッチの好アルバムに仕上がっているので紹介しておこう。


[ 追補 5. (2008年9月25日アップロード) ]

G. BRIAR ROSS - FLY ME TO THE MOON (ODE CDMANU 5045) (2002,2008) (CD)
ODEレーベルからリリースされた女性シンガー、ブライアー・ロスの新譜は、全14曲中、6曲でジュリー・メイソン、4曲でフィル・ブロードハーストの夫妻がそれぞれピアノを演奏し、この二人の共同プロデュース作品ということでもあるので、ここで紹介しておこうと思う。その他にもフランク・ギブソンが全曲でドラムスを、また、2002年の録音分(4曲)では故アンディー・ブラウンがベースを演奏しているなど、おなじみの顔ぶれがバックを固めている。


[ 追補 6. (2008年10月16日アップロード) ]

H. GERARD MASTERS TRIO - PENDULUM (JAZZGROOVE JGR 041) (2007) (CD)
上記追補 2 で紹介した、ジェラード・マスターズ・トリオの第3作がリリースされたので紹介しておく。


[ 追補 7. (2008年12月1日アップロード) ]

I. THE JAZZ-TEMPERED TRIO - BACH IN BLACK (MAXIMUM 3/007) (2007) (CD)
「バッハをジャズでやる」ニュージーランド版は、若手ピアノトリオによる演奏(ただし、15曲中4曲にフルートが加わる)。


[ 追補 8. (2009年2月19日アップロード) ]

J. CHARMAINE FORD, NICK TIPPING, RICHARD WISE - AFTER THE LAST DANCE (FORD MOTION FMR 9005) (2007) (CD)
上記追補 3 で紹介した E と同じラインナップによるトリオアルバムが、2008年12月にリリースされた。2007年12月録音の新作。
このコンテンツを最初にアップした2年前には、少なくともわが国では全く「無名」だったフォードも、今ではすっかり「有名」になり、旧譜を含めた各アルバムも国内ディーラーの販売リストにしっかり載るようになった。本コンテンツからはそろそろ卒業だろうか。


[ 追補 9. (2009年6月25日アップロード) ]

K. ALAN BROADBENT, FRANK GIBSON, PUTTER SMITH - TOGETHER AGAIN (ODE CDMANU 2055) (2008) (CD)
本年4月頃にリリースされたアラン・ブロードベントほかの新譜。ブロードベント絡みのアルバムならすぐに日本国内でも話題になると思って当コンテンツでの言及を控えてきたのだが、予想に反して少なくとも現時点ではほとんど知られていないようなので、遅ればせながらここに紹介することにした。もっとも、本アルバムは、アーティスト名やスリーブ写真から期待?されるようなピアノトリオ作品ではなく、チャック・マニング、ゲイリー・フォスターの二人のサックス奏者のほか、ボーカリストまで加わったコラボレーションアルバム。米国録音。


[ 追補 10. (2009年10月7日アップロード) ]

L. BARRY MARKWICK - PLAYS THE LENNON McCARTNEY SONG BOOK (PEAK OKLP 6068) (P1965) (LP)
長らく探していたピアノトリオのアルバムを入手したので紹介しよう。バリー・マークウィックという人が1965年にリリースした作品。内容はタイトル通りだが、予想に反し?イージーリスニング寄りの演奏ではなく、軽やかなピアノタッチの楽しめる好盤である。ビートルズのサードアルバムに収録された曲あたりまでから選曲されておりカバーアルバムとしては初期のものかもしれない。録音当時22歳だったというマークウィックは、クライストチャーチ周辺で活動していたとのことだが、その後の消息は分からない。
[ 2009年11月10日追記 ]
「Googleブック検索」により閲覧した1965年4月3日付『ビルボード』には、当アルバムの英国でのリリースを期待させる記事が掲載されているが(2009年11月10日閲覧)、実際にリリースされたかどうかは不明である。
[ 2009年12月11日追記 ]
http://www.highbeam.com/doc/1P2-17471246.html なるサイト(2009年12月11日閲覧)にその後のマークウィックらしき人物についての情報がある。


[ 追補 11. (2010年7月24日アップロード) ]

M. THE FIRST LADIES OF JAZZ (THE FOUR CHICKS) - GIRL TALK (レーベル名・規格/番号なし) (CDR)
本コンテンツでおなじみのジュリー・メイソンや、コンテンツ#8でロニースコッツでのライブ盤を紹介したビーバーことビーバー・ストームら、4人の女性からなるソロありコーラスありのボーカルアルバム。ピアノアルバムではないが、本年5月に59歳の若さで他界したという、ビーバーの追悼アルバムにもなっているので紹介しておきたい。アルバムはピアノトリオをバックにした女声ハーモニーをたっぷり楽しめる内容。
[ 2011年3月22日追記 ]
その後、ODEレーベルからスリーブも一新して正規?CD化された。新しいスリーブ写真などは下の M のスリーブ写真 をクリックして参照。


[ 追補 12. (2010年10月13日アップロード) ]

N. JOHN NILAND - BARNETT LANE (EELMAN 014) (1988) (CDR)
コンテンツ#8、アイテム#43でトリオアルバムを紹介したピアニスト、ジョン・ニランドのソロ作品がリリースされたので紹介しておこう。といっても録音は1988年とずいぶん古い。当時、マイク・ノックとともににピアノを学ぶために3年間滞在したシドニーの街の情景などにインスパイアされたというオリジナル曲をストライド奏法で演奏している。


[ 追補 13. (2010年10月19日アップロード) ]

O. JOHN NILAND - INSIDE (EELMAN 007) (1982, 85) (LP)
ジョン・二ランドのCDリリース(上記の追補 12 参照)があったのを機に、コンテンツ#8で紹介済みのトリオアルバムを当コンテンツにも再掲しておく。
(以下、コンテンツ#8から転載)
画家でもあるニランドのピアノ作品。第1面は、比較的オーソドックスなトリオ演奏。第2面はソロで、現代音楽風なところもあるモダンな内容。


[ 追補 14. (2011年6月20日アップロード) ]

P. DOUG CALDWELL, SUSAN DE JONG - I HEAR MUSIC (POLYJAZZ RECORDINGS CPJZ 113) (2005) (CD)
上の追補 1 で紹介した老?ピアニスト、ダグ・コールドウェルの軽妙なピアノをバックに、同じく上の追補 4 で紹介した「ジャズ・ディバズ」のメンバーの一人、スーザン・ド・ヨングがスタンダードナンバーを歌ったアルバムを入手した。


[ 追補 15. (2011年9月23日アップロード) ]

Q. DOUG CALDWELL - WILLOWS (POLYJAZZ RECORDINGS CPJZ 111) (1994, 95) (CD)
R. DOUG CALDWELL - LEGACY (POLYJAZZ RECORDINGS CPJZ 112) (2002) (CD)

前項にも出てきたダグ・コールドウェルのアルバムを2枚入手したので紹介しておこう。コールドウェルは、クライストチャーチをベースに、2008年に80歳そして楽歴65年を数えたというベテランピアニストだ。 Q は94年から95年にかけて録音されたソロによるライブ演奏、 R はソロを主に、ギター、ベースとのトリオ(2曲)及びそれにバイブを加えたカルテット(3曲)の演奏を交えた2002年の作品。いずれもスタンダード中心の選曲で、ベテランらしいゆったりとした演奏を楽しめる佳品。


[ 追補 16. (2011年9月29日アップロード) ]

S. THE FSH TRIO - IRONY (RATTLE RAT-J-1001) (2008) (CD)
T. AMY REMPEL - CHATTER (RATTLE RAT-J-1006) (P2011) (CD)
U. PHIL BROADHURST QUARTET - DELAYED REACTION (INDEPENDENT ARTISTS IA-1001) (2011) (CD)

ジャズを含む幅広いジャンルのコンテンポラリーなアルバムを数多くリリースしているオークランドのレーベル、Rattle ラトルのCDを入手する機会を得た。これらのうちから「ピアノアルバム」を3枚紹介しよう。
S は、ドラマー、ロン・サムソムの呼びかけにより結成されたというモダントリオのデビュー作。ピアノのケビン・フィールドは90年代の初めからネイサン・ヘインズのアルバム製作に長く関わってきた。自身のリーダーアルバムもある(未見)。ベースのオリビエ・ホランドは、昨年、リーダーアルバムをリリースしている。10曲中2曲にそのへインズのサックスが加わる。全曲、メンバーによるオリジナル作品。
T は、カナダ生まれで米国において音楽教育を受けた若手女性ピアニスト、アミー・レンペルのデビューアルバム。米国録音。レンペルが現在ニュージーランドスクールオブミュージックの博士課程?に在籍し、ニュージーランドで演奏活動をしている(ラトルレーベルの他の何枚かのアルバムにも参加している)ことから同国でのリリースとなったようだ。「ラトルの1枚」として紹介しておく。彼女のオリジナルを中心にスタンダードが1曲。モダンな内容。
U は、ブロードハーストのたぶん本文のアイテム 2 以来の8年ぶりとなるリーダー作。ミシェル・ペトルチアーニにインスパイアされたというペトルチアーニへのトリビュートアルバム。ブロードハーストのオリジナルとペトルチアーニの作品がそれぞれ5曲ずつ収録されている。サックスをフィーチャーしたワンホーンカルテットの演奏で、トランペット、ボーカル(ジュリー・メイソン!)が加わった作品がそれぞれ1曲ずつ。インディペンデントアーティスツはラトルの傍系レーベルとのこと。


[ 追補 17. (2011年12月17日アップロード) ]

V. PEN ISLAND - JUST BLOWING (LADDER RECORDINGS LDR 002) (2011) (CD)
これまでにも何度か紹介してきたニュージーランド出身、現在はオーストラリアで活動中のジェラード・マスターズをフィーチャーした新しい?ユニットによるトリオのアルバムがリリースされた。ドラマーがリーダーのようだ。少々アブストラクトな感じのモダンな演奏だ。演奏時間が30分余りと短いのは残念。


[ 追補 18. (2012年3月7日アップロード) ]

W. KEVIN FIELD - FIELD OF VISION (WARNER MUSIC NEW ZEALAND HAVEN MUSIC CD 003) (P2011) (CD)
追補16で紹介した THE FSH TRIO のピアニスト、ケビン・フィールドの新譜がリリースされた。長年の盟友、ネイサン・ヘインズのプロデュースによる本作はファンク色の強い作品で、フィールド自身もシンセサイザーを多用しているなど、ピアノアルバムとは言いがたいが、わが国ではほとんど知られていないミュージシャンなので紹介しておこうと思う。なお、フィールドにはもう1枚、2003年製作の初リーダー作(未見)があるとのことで、これはピアノトリオを基本にした比較的オーソドックスな?作品らしい。


[ 追補 19. (2012年12月29日アップロード) ]

X. CRAYFORD SELLERS DYNE - OUR OWN SWEET WAY (INDEPENDENT ARTISTS IA-1003) (P2012) (CD)
ユニークな活動を続ける RATTLE(追補16参照)の傍系レーベル INDEPENDENT ARTISTS の新譜リストにピアノトリオ作品を見付けたので紹介しておこう。クレイフォードはこれまでにピアノデュオやワンホーンのアルバムなど何枚かのリーダーアルバムをリリースしているが、トリオフォーマットの作品はたぶん本作が初めてではないかと思う。ベースとドラムスはおなじみの二人。全曲スタンダードナンバーで、オーソドックスな聞きやすい演奏を楽しめる。


[ 追補 20. (2013年4月21日アップロード) ]

Y. KEVIN FIELD - DANGEROUS CURVES (レーベル名・規格/番号なし) (P2003) (CD)
追補16及び追補18で触れたケビン・フィールドの初リーダー作品を入手したので紹介する。2003年に自主製作されたらしい本作は、1曲だけだがボーカル曲があったり、ネイサン・ヘインズのサックスがフィーチャーされた曲などがあったりするけれど、全10曲中5曲はトリオフォーマットで、バラエティー豊かなフィールドのピアノを聴くことのできる佳品だ。


[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

A. - The Doug Caldwell Trio ***** B. - D.Caldwell-Off The Cuff ***** C. - G.Masters Trio-Palindrome ***** D. - G.Masters Trio-Island Life ***** E. - C.Ford, etc.-Live At Sandwiches

F. - J.Mason And The Jazz Divas-Charmed Life ***** G. - B.Ross-Fly Me To The Moon ***** H. - G.Maters Trio-Pendulum *****   I. - The Jazz-Tempered Trio-Bach In Black *****  J. - C.Ford-After The Last Dance

K. - A.Broadbent, etc.-Together Again ***** L. - B.Markwick-Plays The Lennon McCartney Song Book ***** M. - The First Ladies Of Jazz-Girl Talk ***** N. - J.Niland-Barnett Lane ***** O. - J.Niland-Inside

P. - D.Caldwell, S.de Jong-I Hear Music ***** Q. - D.Caldwell-Willows ***** R. - D.Caldwell-Legacy ***** S. - FSH Trio-Irony ***** T. - A.Rempel-Chatter

U. - P.Broadhurst Quartet-Delayed Reaction ***** V. - Pen Island-Just Blowing ***** W. - K.Field-Field Of Vision ***** X. - J.Crayford-OurOwn Sweet Way ***** Y. - K.Field-Dangerous Curves



[ 追補 21. (2013年4月26日アップロード) ]

ZA. PHIL BROADHURST QUARTET - FLAUBERT'S DANCE (RATTLE RAT-J-1015) (P2013) (CD)
追補16で紹介したアルバムからほぼ1年半ぶりとなるフィル・ブロードハースト・カルテットの新作がこのほどリリースされた。レーベルサイトの解説によれば、前作がミシェル・ペトルチアーニへのトリビュートアルバムだったのに対し、本作はハービー・ハンコック、キース・ジャレットからマヌ・カチェ、イリアーヌ・イリアス、トーマス・スタンコに至る幅広い音楽に影響を受けた作品とのことである。3曲にトランペットが加わる。


[ 追補 22. (2013年6月9日アップロード − 7月4日更新) ]

ZB. PEN ISLAND - COME (LADDER RECORDINGS LDR 003) (2011) (CD)
ZC. GERARD MASTERS - RANDOM ACTS OF JAZZ VOL. 1 (LADDER RECORDINGS LDR 004) (P2012) (CDR)

ジェラード・マスターズをフィーチャーしたアルバムを2つ紹介する。ZB は追補17で紹介したデビュー作から約半年後に録音された PEN ISLAND の第2作で、アブストラクトなピアノトリオ作品。本年1月リリース。ZC はマスターズのリーダー作だが打って変って自身のボーカルも入るホーン入りのロックといった風情の作品。こちらは昨年7月のリリース。
[ 2013年10月28日追記 ]
最近、2009年にリリースされたマスターズ名義の5曲入りミニCDを入手したが、彼のボーカルを全面的にフィーチャーしたポップス風な内容なので、本コンテンツでは特に紹介はせず書き置くに留めておきたい。


[ 追補 23. (2014年8月26日アップロード) ]

ZD. DOG (RATTLE RAT-J-1019) (P2014) (CD)
ZE. JONATHAN CRAYFORD - DARK LIGHT (RATTLE RAT-J-1020) (2013) (CD)

本年4月にリリースされたラトルレーベルの新譜のうち、ピアノ関連のアルバムを2枚紹介しておく。
ZD は、本コンテンツおなじみのピアニスト、ケビン・フィールドを含むワンホーンカルテットのデビューアルバム。本レーベルのアルバムとしてはかなり「ストレートアヘッド度」?の高い演奏。
ZE は、追補19で紹介したクレイフォードのトリオアルバムの新作。ニューヨーク録音で、ベーシスト、ドラマーは米国ミュージシャン。現代音楽風味も感じられるアブストラクトな内容。クレイフォードは、映画音楽をはじめ多方面で活動するマルチジャンルのピアニスト、コンポーザーで現在はパリ在住とのこと。


[ 追補 24. (2014年12月6日アップロード − 12月18日更新) ]

ZF. MURRAY McNABB GROUP - EVERY DAY IS A BEAUTIFUL DAY (SARANG BANG SBR 027) (2012, 13) (CD)
国内ディーラーサイトに掲載されていたオーストラリアのサックス奏者、バーニー・マクガンのニューリリース作品(コンテンツ8、追補26で紹介)を、発行元 SARANG BANG レコードのサイトで確認している時に見つけたのがこのアルバムだ。本年1月にリリースされていたらしい。その紹介冒頭に "The late Murray McNabb's final recording session." とあるのでびっくりした。ネット検索により、マクナブ(1947年生まれ)が昨年6月9日に亡くなっていることを知った。ジャズピアニストであるばかりでなく、作曲家として映画音楽や数多くのコマーシャルソングなどを作ったとのことだ。
本作は、このレーベルの作品らしく、ニューエイジというかヒーリングミュージックというかといった内容で、マクナブの演奏もほとんどがシンセサイザーだが、1曲だけややアブストラクトながらピアノ+ドラムス(フランク・ギブソン!)のデュオ作品があり「ジャズ」を聴ける。
なお、このアルバムの最終収録日は2013年5月27日とのことなので、文字通りの「ファイナル・レコーディング・セッション」だ。


[ 追補 25. (2015年6月22日アップロード − 6月29日更新) ]

ZG. REUBEN BRADLEY - CTHULHU RISING (RATTLE RAT-J-1025) (2013) (CD)
ニュージーランドのドラマーが、ピアニストにテイラー・アイグスティを迎えたニューヨーク録音のトリオアルバムがリリースされた。全曲ブラッドリーのオリジナルで、1920年代から30年代にかけて活動した米国のホラー小説家ラヴクラフトの作品に触発されたというナンバーを中心に構成された組曲風のアルバム。タイトルもそれにちなむ。ほんの少しだがナレーションが入る。


[ 追補 26. (2015年10月9日アップロード − 10月19日更新) ]

ZH. PHIL BROADHURST QUINTET - PANACEA (RATTLE RAT-J-1028) (P2015) (CD)
追補21で紹介したアルバムに続くブロードハーストのラトルレーベル第3弾(第1作は傍系レーベルからのリリース)は、前作ではゲスト扱いだったトランペットをレギュラーメンバーに加えたクインテットのアルバム。ホレス・シルバー、ケニー・ウィーラーのほか、ニュージーランドのビーバー(女性ボーカリスト、本コンテンツ追補#11及びコンテンツ#8を参照)、マーティン・ウィンチ(ギタリスト、コンテンツ#8を参照)など、近年物故したジャズミュージシャンに捧げるナンバーを含む。
ウィンチが亡くなっていたことは知らなかった。ウィキペディア英語版によれば2011年62歳没。


[ 追補 27. (2016年2月17日アップロード − 3月1日更新) ]

ZI. KEVIN FIELD - THE A LIST (WARNER MUSIC NEW ZEALAND 5419673342) (P2015) (CD)
「ニュージーランド情報」のチェックをサボっていたら、こんなアルバムが昨年7月にリリースされていたことを半年以上も経って初めて知った次第。
追補18で紹介したアイテムW以来4年ぶりのフィールドの新譜らしい。今回のアルバムはニューヨーク録音、共演者も米国で活躍中のミュージシャン。ただしベーシストはニュージーランド出身とのこと。2曲だけながらジャズファンク風な?ボーカルもフィーチャーされていて「キーボードアルバム」全開と思いきや存外「ピアノ」の音も。


[ 追補 28. (2016年5月5日アップロード) ]

ZJ. MURRAY McNABB - THE WAY IN IS THE WAY OUT   THE MUSIC OF MURRAY McNABB (SARANG BANG SBR 029) (P2016) (2LPs)
コンテンツ8、追補31でアップした記事を当コンテンツにも再録しておく。
当サイト、「NZコンテンツ」の「レギュラーメンバー」のひとりで3年前に他界した、ピアニスト、キーボード奏者のマレー・マクナブの演奏を集めたコンピレーションアルバムがこのほど2枚組LPでリリースされた。1枚目はジャズ作品、2枚目はエクスペリメンタル、アンビーエント方向のソロ作品を中心にコンピレーションされている。全17曲のうち13曲が未発表作品だ。
各ナンバーの演奏メンバーの詳細は下のスリーブ写真をクリックして参照してもらうとして、ジャズ作品についていうと、ブライアン・スミス、フランク・ギブソンなどをはじめ、おなじみの顔ぶれが揃い、「スペースケース」(2曲)や「ドクター・ツリー」の未発表曲がラインナップされているのも興味をそそる。既発表の1曲も当方未見のカセットアルバムからのセレクトだ。


[ 追補 29. (2016年5月23日アップロード) ]

ZK. JACK ROBERTS - ROBERTS PLAYS RODGERS (HIS MASTER'S VOICE (N.Z.) COLUMBIA SEGM 6007) (7インチEP)
前項に続き、コンテンツ8、追補33でアップした記事を当コンテンツにも再録しておく。
最近初めて知った60年代から70年代にかけてオークランド周辺で活動したらしいピアニストのたぶん60年代のトリオ作品。ラウンジピアノといったイメージでジャズ度は低いが。本作はEP盤だがLPも何枚かリリースされているらしい。
[ 2016年6月5日追記 ]
10インチLPを入手したので紹介しておく。タイトルどおり『マイ・フェア・レディ』、『王様と私』、『南太平洋』のミュージカル3作のナンバーを。ジャズではありませんが。
ZL. JACK ROBERTS - SHOWTIME FAVOURITES (HIS MASTER'S VOICE (N.Z.) COLUMBIA 33MS.6009) (10インチLP)


[ 追補 30. (2016年7月24日アップロード − 8月3日更新) ]

ZM. JONATHAN CRAYFORD - EAST WEST MOON (RATTLE RAT-J-1033) (2015) (CD)
追補23、アイテム ZE に続くクレイフォード・トリオの2年ぶりの新作がリリースされた。前作と同じニューヨーク録音で、ベーシスト、ドラマーとも不動の米国ミュージシャン。アブストラクトな内容も同傾向だ。


[ 追補 31. (2017年6月22日アップロード) ]

ZN. MIKE NOCK TRIO / NZTRIO - VICISSITUDES (RATTLE RAT-D065) (2015) (CD)
このアルバムが昨年の秋にリリースされていたのは知っていたが、「 classical piano trio 」との共作とのことで入手をためらっていた。メジャーなディーラーのセールリストには見当たらないことでもあり。
ところがラトルレーベルからのメールで、本作が 2017年の「ベスト・ジャズ・アルバム」 (2017 Jazz Album of the Year Tui Award ) のファイナリストに選ばれたことを知った。その後のメールによれば、受賞は逃したとのことだったが(ちなみに、受賞作品は前項、追補 30 で紹介したジョナサン・クレイフォードのアイテム ZM )、ちょっと聴きたい気になった。たまたま、当のラトルレーベルから「ジャズアルバム」が 2 枚ニューリリースされたのでこれらと合わせてオーダーして、このほど入手に至ったという次第だ。
「 NZTrio 」は、バイオリン、チェロ、ピアノからなる 「 classical piano trio 」で、多数のアルバムをリリースしており、その世界では知られたグループらしい。
7 曲からなる組曲風のタイトル曲はノックのオリジナルで、彼の生地でもあるクライストチャーチで 2011 年に起こった大地震の被災者への励ましを込めた作品とのことだ。組曲のほかに 4 曲が収録されているが、こちらは 6 人の共作によるインプロビゼーション。
肝心の内容についてだが、一言で言えば「現代音楽風なインプロ作品」といったところか。ジャズ風味は薄いと言わざるを得ないかなー。


[ 追補 32. (2017年12月27日アップロード) ]

ZO. JOHN KEY TRIO - BACK & FORTH (ODD 006) (P2016?) (CD)
このところすっかりサボっているニュージーランドジャズの「探索」だが、先日、現地ディーラーのセールリストを何となく見ていて、ユーズド CD のうち「 Nz Jazz 」と記されたアイテムを気まぐれにピックアップしてみたら、何と初見のアルバムが 20 枚近くも見つかってしまいビックリ。それらの中から「ひとまず」数枚をセレクトしてオーダーしてみた。そして届いたうちの 1 枚がこのピアノトリオアルバムという次第。
オークランド在住のピアニスト、ジョン・キーにはこれまで「ストレンジ・フルーツ」名義で(英国にも同名のフュージョンバンドがあるがもちろん別バンド)たぶん 3 枚のアルバムがあり、これらはボーカル、サックスをフィーチャーしたスムースジャズ系?の作品。トリオアルバムのリリースは今回が初めてではないかと思う。
ユニークなスリーブの本作は、これまでの作品とはちょっと違い、リリカルなメロディラインが印象的で、ときには「モダンクラシカル」といってもいいような雰囲気を持った内容だ。全曲キーのオリジナル。10 曲中 3 曲にトランペット、フリューゲルホルンが入る。


[ 追補 33. (2018年10月14日アップロード) ]

ZP. BILL MARTIN TRIO - DARK WATER (KYMOGRAPH KMG-002) (2014, 17) (CDR)
前項と似た出だしになることを承知の上で。
このところ、「全く」サボっているニュージーランドジャズのコレクションだが、これは国内ディーラーのディスカウントセールリストで見つけたアイテム。ニュージーランド南島、クライストチャーチのさらに 300 キロあまり南の街、ダニーデンに住むというピアニストのアルバム。全曲彼のオリジナルナンバーで軽快なタッチのモダンな演奏を楽しめる。「一発録り」のライブレコーディングだそう。 2014 年録音の「ボーナス」1 曲を加えても演奏時間が 35 分ほどと短いのは残念。


[ 追補 34. (2018年10月30日アップロード) ]

ZQ. DOG - NO DOGS ALLOWED (RATTLE RAT-J-1041) (P2018) (CDR)
追補 23 、アイテム ZD で紹介した「ドッグ」のセカンドアルバムが同じラトルレーベルから本年 6 月にリリースされている。遅ればせながらアップしておこう。オーストラリア録音の本作は同国の「レジェンダリー」なギタリストをゲストに迎えたクインテットの演奏。ピアノのケビン・フィールド他 3 人のメンバーに変更はない。


[ 追補 35. (2019年11月8日アップロード) ]

ZR. PHIL BROADHURST QUINTET - POSITIF (RATTLE RAT-J-1045) (P2019) (CDR)
ZS. DIXON NACEY - THE EDGE OF CHAOS (RATTLE RAT-J-1046) (2019) (CDR)

ラトルレーベルからの新譜案内メールで知った 2 枚。 ZR は追補 26 で紹介したアイテム ZH に続くたぶん 4 年ぶりのブロードハーストのニューアルバム。メンバーも同じクインテットの演奏。 ZS はギタリストのリーダーアルバムだがおまけで紹介しておく。ピアニストは当コンテンツではおなじみのケビン・フィールドだし。双方ともモダンな内容。


[ 追補 36. (2019年12月9日アップロード) ]

ZT. DAN PAPIRANY TRIO - 2018 (レーベル名・規格/番号なし) (2018) (CD)
本文アイテム 8, 9 で紹介したダン・パピラニーは、その後も多くのアルバムをリリースしているようだが、セールサイトではデジタル配信のみが専らだ。久しぶりに入手した CD が、タイトルどおり昨年録音されたこのトリオアルバム。パピラニーは、現在、オーストラリアに拠点を移しているので当サイトにはそぐわないかもしれないけれど。全 10 曲中 3 曲がパピラニーのオリジナル。モダンで聴きやすい内容。国内ディーラーサイトで大々的にセールされてますね。


[ 追補 37. (2020年1月16日アップロード − 1月23日、2月5日更新) ]

当方にとっては未知の(「世間」でもあまり知られてはいないと思うが)ニュージーランドゆかりのピアニストを見付けた。
その名はジャン・ラザフォード。
盲目の女性ピアニスト。 1964 年、ニュージーランド、ダニーデンの生まれで、同国で音楽教育を受けたのち、 20 代半ばにシドニー移住。以後は主にオーストラリアのジャズシーンで活動したが、ニュージーランドのミュージシャンとも交流があった。 2003 年、 38 歳で早世。
以上は逝去時の追悼記事*( 2020 年 1 月 16 日閲覧)から。
* https://static1.squarespace.com/static/58bf64e6c534a5e3ac61401d/t/5972efb6414fb5f8ab92d4ca/1500704698976/ShandJohnRutherfordJannOBITUARY.pdf

このラザフォードの 2 枚のリーダーアルバムを紹介する。もちろん他にもあるかもしれない。
ZU. JANN RUTHERFORD - DISCOVERY (TALL POPPIES TP 125) (1998) (CD)
ZV. JANN RUTHERFORD - THE SCENTED GARDEN (TALL POPPIES TP 163) (2003) (CD)

ZU はソロ、 ZV はデュオ(ピアノ+ドラムス/ベース/ソプラノサックス)、トリオ(ピアノ+ベース+ドラムス)及びワンホーンあるいはツーホーンのカルテット・クインテットの演奏(たぶん)。 2 枚ともシドニー録音、オーストラリアの同じレーベルからのリリースだが、 ZV の共演者のなかには当コンテンツでおなじみのニュージーランド出身のサックス奏者、ロジャー・マニンズの名前も。その ZV は彼女の早すぎる死の数週間前の録音だそう。 ZU は全曲、 ZV も 1 曲を除き、彼女のオリジナルナンバー。
ZU はソロとしてのデビューアルバムだそうでアブストラクトな内容。アンビエントな雰囲気で現代音楽風味の演奏だ。スリーブにはマイク・ノックの賛辞のコメント。
ZV は少々アブストラクトながらモダンな仕上がりで、ラザフォードのエネルギッシュな演奏が心に残る。ちなみに、こちらにもマイク・ノックが「登場」し、スリーブ冒頭に弔辞めいた短いコメントを寄せている。

そして、
マイコレクションにラザフォードがクレジットされたアイテムが、次追補で紹介するアルバムの他にもう 1 枚あることを発見!(他にもあるかも)。ニュージーランドジャズを紹介する?オムニバスアルバムに、「ジャン・ラザフォード・トリオ」名義の演奏が 1 曲収録されている。このトリオは、ピアノ、サックス、ドラムスのラインナップ。なお、このアルバムはラザフォード逝去の 1 年後にリリースされたもので、スリーブにラザフォードに献呈する旨の記載がある。
タイトル等のみ以下に紹介しておく。
# VARIOUS MUSICIANS - TRANS TASMAN    A JOURNEY INTO NEW ZEALAND JAZZ (YELLOW EYE EYE 022) (P2004) (CD)

[ 2020年2月6日追記 ]
我ながらラザフォードに肩入れし過ぎるような気もするが、ラザフォードのディスコグラフィー的なものを求めてネット検索していたら、オーストラリア国立図書館 (NLA) の情報探索システム「 Trove 」にたどり着いた。このシステムの「完成度」はよく分からないけれど、「 Jann Rutherford + Sound 」で検索すると* 11 件のヒットがあった。
* https://trove.nla.gov.au/music/result?l-format=Sound&q=Jann+Rutherford ( 2020 年 2 月 6 日閲覧 )
11 件のうち、ラザフォードがパフォームしているのは実質的に 9 作品で、その内訳はリーダーアルバムが上で紹介したアイテム ZU, ZV の 2 つ、オムニバスアルバムが 3 つ(上にあげたものと、アイテム ZU, ZV からそれぞれ 1 曲ずつが収録された Tall Poppies レーベルのサンプル盤が 2 つ)、そして、演奏者として参加しているアルバムが 4 つである。これら 4 つのうちの 1 つは下の追補 38 で紹介したアイテム ZW なので、未見のアイテムは 3 つということになる。タイトル等のみ年代順に以下に紹介しておく。
# GRAEME NORRIS - PENTATOMIC (RUFUS RF 012) (1995) (CD)
# ED HUGHES QUINTET - ED STREET ((no label) ED 7001) (1997) (CD) (未見)
# JENNY GAME JAZZ QUARTET (no label, no number) (P2001) (CD) (未見)
これらのうち、最初のアイテムはいくつかのディーラーサイトでヒットする。リーダーはオーストラリアのサックス奏者、ニューヨーク録音でごきげんなクインテットの演奏。ラザフォードのピアノも十分楽しめる。
あとの 2 アイテムもオーストラリアのミュージシャンのリーダーアルバムだが、自主製作らしきものらしく入手は容易ではないようだ。

[ 2020年11月21日追記 ]
ラザフォードがクレジットされた 1987 年リリースのアナログ盤を入手した。コンテンツ #8 追補 39 で紹介しておく。


[ 追補 38. (2020年1月16日アップロード) ]

ZW. BOB JACKSON, PETER WOOD, BRIAN SMITH, ROGER SELLERS, JANN RUTHERFORD - THE GREAT AMERICAN SONG BOOK (ODE CDODE 1377) (P1991) (CD)
前追補で紹介したラザフォードの存在を知ったのが、最近入手した ODE レーベルからリリースされたこのニュージーランド産の CD 。参加ミュージシャンの一人にラザフォードがクレジットされている。ピアノアルバムというわけではないし、ジャズ風味も薄いのだけれど、おなじみのミュージシャンも出てくるのでおまけで紹介しておく。
実質的なリーダーらしいベーシストのボブ・ジャクソンは、コンテンツ # 8 で紹介した「 DR. TREE 」のメンバーだし、当サイトでは常連のブライアン・スミスやロジャー・セラーズのクレジットもあるので、「ジャズ」を期待したのだが、前述したようにあまり「ジャズ」ではない。アンビエントというか。タイトルどおりの有名曲がそのようにアレンジされた内容。 1 曲だけラザフォードのオリジナルナンバーが収録されている。
本作については、以前からその存在を知っていて、ディーラーサイトの「ウォンツリスト」に「登録」していたところ、入荷の知らせがありこのほど落手したという次第。


[ 追補 39. (2020年2月20日アップロード) ]

ZX. MURRAY McNABB - E-MUSIC : ELECTRONIC MUSIC FROM THE MOD-X ARCHIVE (SARANG BANG SBR 034) (P2019) (2LPs)
追補 28 で紹介したアイテム ZJ に続いて、同じサランバンレーベルから、 2000 年から 2008 年にかけて「ホーム・レコーディング」により録音されたマレー・マクナブの未発表コンピレーションアルバムが、昨年リリースされていたことを最近知った。こちらも 2 枚組 LP 。本作はタイトルどおり、全編にわたりエクスペリメンタル、アンビーエント方向の電子音楽のようだ。「ようだ」というのは、内容もさることながらハイプライスのため「元気」が出ずオーダーをためらっていて、いまだ「未見」だからというおそまつ。

[ 2020年11月19日追記 ]
他のサランバンレーベルのニューアルバム 3 枚とともにこのほどようやく入手。どれもスリーブが「立派」で(物理的に!)異様に重い。送料が高いわけだ。


[ 追補 40. (2020年3月7日アップロード) ]

ZY. STEVE BARRY, JUDY BAILEY - ELEMENTS (RATTLE RAT-D094) (2018) (CDR)
ラトルレーベルからの新譜案内メールで知ったジュディ・ベイリーの最新録音作? 二人のピアニストによるデュオアルバムだが、ジャズといった感じではない。まあ、現代音楽というか、コンテンポラリーというか。スティーブ・バリーはシドニー在住のピアニストでリーダーアルバムも何枚かあるようだ。


[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

ZA. - P.Broadhurst Quartet-Flaubert's Dance **** ZB. - Pen Island-Come **** ZC. - G.Masters-Randon Acts Of Jazz Vol.1 **** ZD. - Dog **** ZE. - J.Crayford-Dark Light

ZF. - M.McNabb-Every Day Is A Beautiful Day **** ZG. - R.Bradley- Cthulhu Rising **** ZH. - P.Broadhurst Quintet-Panacea   **** ZI. - K.Field-The A List  **** ZJ. - M.McNabb-The WAy In Is The Way Out

ZK. - J.Roberts-Roberts Plays Rodgers  **** ZL. - J.Roberts-Showtime Favourites **** ZM. - J.Crayford-East West Moon **** ZN. - M.Nock & NZTrio-Vicissitudes **** ZO. - J.Key Trio-Back & Forth

ZP. - B.Martin Trio-Dark Water **** ZQ. - Dog-No Dogs Allowed  **** ZR. - P.Broadhurst Quintet-Positif **** ZS. - D.Nacey-The Edge Of Chaos  **** ZT. - D.Papirany Trio-2018

ZU. - J.Rutherford-Discovery **** ZV. - J.Rutherford-The Scented Garden **** ZW. - B.Jackson, et al.-The American Song Book **** ZX. - M.McNabb-E-Music  **** ZY. - S.Barry,J.Bailey-Elements



[ 追補 41. (2020年3月28日アップロード − 5月13日更新) ]

ZZA. IRONIC TRIO - IN COLOUR (レーベル名・規格/番号なし) (2009) (CD)
ZZB. IRONIC TRIO - IN SONG (レーベル名・規格/番号なし) (P2010) (CD)

未知のピアノトリオによる 2 枚のアルバム。いずれも DISCOGS サイトで知ったアイテム。 10 年ほど前にピアニストのプライベートレーベルからリリースされていたらしい。メンバーはいずれもなじみのない人。
ZZA は録音時間 30 分あまりのミニアルバム。有名曲ばかり 4 曲。ライブ盤。モダンな印象。
ZZB はフルアルバムで前作とはちょっと雰囲気の違うファンキーというかそんな演奏。ベーシストが変わった。


[ 追補 42. (2020年6月2日アップロード − 6月22日更新) ]

ZZC. PHIL BROADHURST - SOLILOQUY (RATTLE RAT-J-1049) (2019) (CDR)
ブロードハーストの新譜は自宅録音、タイトル通りのソロピアノのアルバム。彼にとっては初めてのソロ作品ではないかと思う。アブストラクトな演奏。静謐な雰囲気。モダンクラシカル風味。


[ 追補 43. (2020年12月11日アップロード) ]

ZZD. THE BARRY MARKWICK TRIO - BRINGS HELP TO THE JET SET (PLAYS HELP! FOR THE JET SET) (PEAK OKLP 6080) (LP)
追補 10 で紹介したバリー・マークウィックにもう 1 枚「ビートルズ・アルバム」がリリースされていることをうかつにも最近まで知らなかった。すぐに検索サイトに当たってみたら、海外セールサイトで幸運にも即座に見つけることができ、プライスもまあまあお手頃だったので!?すぐに入手した次第。
番号からするとこちらが 2 枚目のようで、リリース年など全く記載がないが、たぶん、それほど間を置かずに製作されたものではないか。収録曲も前作がビートルズの 3 枚目あたりまでのナンバーだったが、本作は 1 曲 ( " A HARD DAY'S NIGHT " ) を除いて、タイトルどおり 5 枚目のアルバム『ヘルプ!』からセレクトされている。前作と同様、イージーリスニングに流されることのない、モダンで軽快なピアノトリオアルバムだ。
ちなみに、タイトルはスリーブとセンターレーベルで違っていて、最初の方がスリーブ、カッコ内がセンターレーベルに記載されているもの。あと、 1 枚目と 2 枚目でベーシストの名前の標記がちょっと違うが、たぶん同じ人だろう。
[ コンテンツ #8 にも同様の追補をしました。 ]


[ 追補 44. (2023年11月5日アップロード) ]

ZZE. AUCKLAND JAZZ ORCHESTRA - INVERTED (RATTLE RAT-J-1054) (2019, 20) (CDR)
フィル・ブロードハーストの最晩年の録音と思われる演奏を収録したアルバムがこのほどリリースされたので紹介しておく。
CD に添付されたマイク・ブースの「解説」によれば、本作の作成経過は次のとおりである。
2019 年の中頃、フィル・ブロードハーストの作品をオークランド・ジャズ・オーケストラの演奏により録音しようとする企画がスタートし、最初のセッションはその年の 11 月にブロードハーストをゲストに迎え、彼のソロを交えて録音された。次のセッションは翌 2020 年 2 月に行われ 4 曲が録音された。その後、新型コロナウイルス感染症が発生し、短期間でプロジェクトを継続できる可能性が不透明になったところへ、 4 月、ブロードハーストの他界という悲報が届いた。最後のセッションは 2020 年 12 月に録音された。
この文章では、 2 月のセッションにブロードハーストが参加したかどうかはイマイチはっきりしないが、どちらにしてもたぶんブロードハーストの最晩年の録音ではないか( 2 月のセッションに参加していなければアイテム ZZC と同月)。ちなみに 10 曲中 2 曲にブロードハーストのソロ演奏がフィーチャーされている。


[スリーブ写真をクリックすると、録音データなどが別ウィンドウで開きます。]

ZZA. - Ironic Trio-In Colour *** ZZB. - Ironic Trio-In Song *** ZZC. - P.Broadhurst-Soliloquy *** ZZD. - B.Markwick Trio-Brings Help To The Jet Set *** ZZE. - Auckland Jazz Orchestra-Inverted



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