日本人に愛される木に咲く花々は 桜、梅、紫陽花、藤、椿 など色々あります。
華やかにもてはやされるこれらの花木に較べると 山茶花 (サザンカ) は愛されるにちがいなくても 何故かやや注目度が低く地味な存在です。
サザンカ を知らない人も少なくないほどです。
殆どの花木の花期が終わり、 花の少ない季節に頑張っていっぱい咲いてくれるというのに。
西日本では真冬の凍える寒気のなかで咲く山茶花もあるのです。
サザンカは 日本固有種 といって日本の風土で生まれた品種です。 原産地は 四国や九州の南部だそうです。
多少は外国に輸出されたものの気候風土に適合しなかったりして、 現在は鑑賞用の花木としては日本だけでしか栽培されていないのではないでしょうか。
ということは 最も日本的な花木 ではないでしょうか?
原種である野生のものの写真を見てイラストしてみました。 園芸種とちがって 白色で花びらと花びらの間に隙間があるのが特徴です。
いかにも 原種という趣の 素朴で素敵な花です。 いちど原産地を訪れて実物をたいと思います。
サザンカは江戸時代には椿と共にとても人気があり、 現在広まっているものの多くは江戸時代に改良されていった園芸種ということです。 数十種
数百種あるといわれています。
<朝倉>
私が特に好きなのは 「朝倉」 という品種です。
これはため息をつくほどの美しい花です。
初めて見たとき、
こんなサザンカがあったの?
と思わず驚きの声をあげました。
うす桃色で花びらが幾重にも重なり 薔薇に似ていて、 美しさでは一歩もひけをとりません。
右の2枚写真の上をクリックすると拡大します
調べてみましたが 元は九州の久留米あたりで生まれたらしい以外のことはよく分からないそうです。
朝倉 という名前の由来も分かっていないそうです。
ですが 朝倉 という名はどこか風情がある良い名前だと思います。
朝倉は現在ではサザンカとしては人気品種となり 園芸センターでよく売られるようになっています。
興味のある方は植えてみてください。 鉢植えにも良く合います。
10月から咲き始める早咲きのサザンカで、 蕾が次々に開いてゆくとあまりの美しさに 間違いなく道行く人たちや
近所の人たちの評判になりますよ。
<サザンカの育て方><栽培のヒント>
日当たりのさほど悪くない場所に植えたほうが良い花木になります。
土壌はやや酸性のものにすると花が多く美しく咲きます。
土壌がアルカリ性が強いところでは生育が悪く 枯れる場合もあるのでご注意ください。 殊に朝倉は弱いようです。
近くにコンクリートがある場所はなるべく避けてください。 やむを得ない場合は 土壌に鹿沼土や赤玉土を大量に混ぜ 酸性を保ちやすく
してください。
肥料は市販の化成肥料を 花後 または春先に多すぎないように与えます。 水遣り は鉢植えの場合こまめに必要ですが 地植えの場合は必要ありません。
咲き終えてしおれた花は 葉にこびりついて痛めますので こまめに手で摘み取ってしまうようにします。
場所的に支障が無ければあまり剪定しないでおきたいものです。
<サザンカにつく害虫 − チャドクガ>
山茶花につく害虫はさほど多くはないものの チャドクガ というとても始末の悪い毛虫状の虫が初夏にかけてつく場合があります。 小さな毛虫ですが葉の裏にとても沢山つくので 初めて見た人はびっくりするかもしれません。
毒を持っているのでいっさいさわらないことです。 あわてないで 少し離れて殺虫剤をかけます。
スミチオン という薬剤が園芸ショップで売られています。 家庭によく置かれているゴキブリ駆除用のスプレー式の殺虫剤 (ピレスロイド系殺虫剤といいます) にも卓越した効果があります。
しかし たくさん虫や卵のついた葉は切り取って捨てたほうがよいでしょう。
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サザンカ はツバキの近縁種で交雑させた種も多く作られたそうです。 寒椿などもそうなんでしょうね。
サザンカは秋に咲き、 ツバキは春に咲きますね。
ツバキはどんな土質にも適合し 害虫を寄せつけにくい たくましい花木です。
サザンカは土質への適合性が難しく チャドクガなど害虫のつきやすい弱さがあります。
また人気の点でツバキにとても及びません。 或る調査では サザンカ の知名度や人気度は ツバキ の十分の一しかないということです。
きょうだいのような品種でありながら 何かにつけ ツバキに較べると負けるのが サザンカなるものでしょうか。
サザンカとツバキの違いについては別途の ツバキのブログ に詳しく記載しています。
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