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”六甲山系ふもと” の秋
エッセイ/随筆とイラスト

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のじ菊 春にくらべると秋は野草の花の数は少ないですね。
しかし よく観察すると個性あふれる素敵な花たちがそろっています。
今回は西日本の ”六甲山系” (神戸) で見られる代表的な野草について イラストや気のついたことを記載します。   秋はどうしてもキク科のものが多くなってしまいます。 
その他 リンドウ ホトトギス など。
なお 「秋の七草」 については別のブログを作成しています。
   ・・・ <七草へ>


ついでながら 野菊 という名の菊は存在しません。
キバナノジギク 野菊とは ノジギクやリュウノウギクを中心とした野生の菊の総称です。  場合によっては ノコンギク ヨメナなども含めます。

ノジギク − 野路菊
日本固有種の野菊で 11−12月に咲きます。
丈は50−80cm程で 茎の上部で数多く枝分かれし その頂部に一つずつ3−4センチ位の白い花を咲かせます。   総苞 (花基部の花びらをまとめる部分) は三重で 最も外側のものは短く  白い毛が生えています。  葉は広卵型で3−5裂し 裏面には白っぽい毛があります。
咲き終わりの花は赤みを帯びます。  
のじ菊 キバナノジギク といって黄色ノジギクも少なからずあります。

兵庫県では 県花 とされていますが  その兵庫県の場合 瀬戸内海に面した姫路近辺は瀬戸内海沿岸固有の ”セトノジギク” と なります。
いっぽう淡路島あたりを境として神戸は大阪湾に面しており大半が ”一般的なノジギクないしその神戸六甲型の変種” と 考えられます。
兵庫県がノジギクの東限(自生の東の限界)とされますが厳密には東西で二つの系統があるわけで 特に葉の形態に目立った違いがみられます。
しかしどちらも立派なノジギクです。   

リュウノウギク リュウノウギク − 竜脳菊
やはり日本固有種のノギクで, 10−11月に咲きます。  ただ 咲く時期はノジギクより遅く ノギクのうちでは最も遅咲きといわれています。
丈は50−80cmほどで 茎の腰部で数多く枝分かれし一つずつ3−5センチ位の美しい白い花を咲かせるのはノジギクと同じです。
日当たりの良い山地に生え、 葉や茎からは樟脳に似た 芳香 を発します。
福島県から南の本州および四国九州に分布します。

<ノジギク と リュウノウギク の違い>
ノギクの葉 どちらも日本を代表するキク科キク属の素敵な野生の菊で 野菊と呼ばれるのは多くの場合はこの二つのことが多いようです。
両者は区別するのが難しいほどそっくりな白い花を咲かせます。  
ただ両者の区別は 葉 にあります。  ノジギクの葉の基部は水平で、 リュウノウギクは くさび型 という大きな違いがあります。
なおノジギクの葉は変異が多く 基部が内側に切れ込んだものもあります。
 
また ノジギクは先端の一本の茎に花(頭花)が三つなど 複数つくことが多いのですが リュウノウギクは一つだけのことが多いようです。
従って ノジギクは株全体では花(頭花)の数はとても多くなるのでとても華やかに見えます。   一方 リュウノウギクは一株あたりの花(頭花)の数は少ないので やや寂しい感じになります。   
   頭花とは  末尾に注釈 

シマカンギク   (アブラギク)
シマカンギク これも立派にキク科キク属の野菊です。 前二者は日本固有種ですがこのノギクは日本以外に中国 朝鮮 台湾にも生育します。  日本では近畿以南に分布して いるとのことですが数は少ないようです。
六甲山系では 再度山に自生が見られます。
花の大きさ、葉の型など ノジギクと良く似ており、 だだ色は黄色いので見まがうことはありません。 

以上 ”キク科キク属” のものが普通は 野菊 と呼ばれるようです。   但し以下のキク科(ただしキク属 ではない) のものも広い意味で 野菊 とされるようです 

ノコンギク ノコンギク
キク科シオン属 に属します。
従って 葉はいわゆるキクの葉と違い 卵型長楕円型です。  花は 2−2.5センチで紫がかった色のものが多いようです。
北海道を除く日本じゅう至る所に生育します。
そっくりなものに ヨメナ があります。 両者の区別は難しく、 ただ葉に毛がありざらざらしているのが ノコンギクで 無毛でつるつるしたものがヨメナなのだそうです。


イナカギク イナカギク
またこれらの近縁種で葉の形もよく似ている白色の野菊です。
本州中部以南にかなりな分布があります。 ノジギクなどに比べて花びら(花 舌状花)の数は少なく素朴なイメージですが なかなか可愛いので 庭に植えている人達も多いようです。



アキノキリンソウ
アキノキリンソウ キク科アキノキリンソウ属
秋の野草といえばこの花をはずすことは出来ません。
8−11月に日本全土に咲きます。 草丈はやや大ぶりで 1Mを越す場合もあり 黄色い花をたくさん咲かせるのでよく目立ち ご存知の方は多いと思います。





ヤクシソウ
ヤクシソウ キク科オニタビラコ属 
二年草。  日本全土の日当たりの良い場所に自生。
草丈は50−100センチ で径1.5センチ位の黄色の可愛い花を咲かせます。  花は上向きにつきますが咲き終わるとうつむく特徴があります。 
地域によっては白色に近いものもあります。   小ぶりですがすっきりとした美しさなので 目を引かれる方も多いのではないでしょうか。
近縁種に ハナヤクシソウ があり 葉の形状が違うだけで ほぼ同じ可愛い花を咲かせます。

キク科でない秋の野草。 またはキク科なのに菊らしくない野草。

リンドウ リンドウ
本州四国九州の野山に咲きます。 
花は上向きにつき、 紫色の釣鐘型で晴天の時だけ開きます。  葉はやや細く 対生につきます。     秋の花々の特徴 として花期がとても長く 山野で見かけると はっとするほど 気品に満ちた美しい花です。

北海道以外の日本全土に自生している リンドウ ホソバリンドウ が一般的です。


リンドウ しかし最近では リンドウという名で 切花として売られている園芸種のものを リンドウと考える人が多いようです。  しかし これは野生のものとは別物です。   エゾリンドウ というものが改良されたもので、  誤解を避けるため エゾリンドウという名前で販売してほしいものです。
野生の本物のリンドウがあまりに素晴らしい花なので気になります。

薬草としてよく知られている センブリ はリンドウの近縁種(リンドウ科センブリ属)の二年草で 秋に 白く美しい花を咲かせます。


ヨシノアザミ ヨシノアザミ
キク科アザミ属。 
アザミは地域変種がとても多いそうですが イラストしたヨシノアザミは近畿中国に分布します。 アザミとしては花数が少なく 開花は8−10月。
岩手県に南部地方という所がありますが、 その名を持つ ナンブアザミ の変種だということです。
春に開花する ノアザミ 以外のアザミはすべて秋に咲くそうです。
アザミは個性的で素敵な花ですが キク科だったのですね。
ついでながら ヨモギ もキク科のうちです。

ホトトギス ホトトギス
ユリ科ホトトギス属。
花の模様が鳥のホトトギスと似ているので同じ名前をもらいました。  なかなか個性的な花ですね。
国内だけでも多くの変種があるようですが  ホトトギスは日本全土に分布しています。 日本以外の東アジアに存在しますが 日本原産とされています。
私の住む兵庫県六甲山系では  セトウチホトトギスというものが晩秋に咲きます。  




ノブドウ ノブドウ
ブドウ科ブドウ属。
花ではありませんが秋を彩るいい植物だと思います。
食べられませんが 見てなかなか味のある小さなブドウを秋に実らせますので愛好する方も多いようです。


フジバカマ − 藤袴 
フジバカマ キク科ヒヨドリバナ属
フジバカマは有史以前の帰化植物という説があります。    しかし とても帰化植物では生育しえない場所でも見つかるので 日本の自生植物 であるという声も 有力です。
万葉時代に唱えられたとされる 秋の七草 の一つで古来から日本人に愛されてきました。
なかなか個性的な野草で 芳香を発します。  現在では野生のものは絶滅寸前といわれているのが心配されます。

なお近縁種に ヒヨドリバナ があります。  両者の簡単な見分け方は フジバカマの葉は三裂しますがこの花は単葉です。
葉の形が少し違うだけで 見分けるのが難しいほどそっくりな花を咲かせるのに フジバカマほど 人気がないのは可哀想という気がします。
日本各地に多く自生するので旅する蝶として有名な  アサギマダラ  への蜜の供給源としてとても重要です。


ツワブキ 
フジバカマ キク科ツワブキ属。  石蕗 イシブキ とも。
これもキク科に属します。  
福島県 石川県以西の本州 四国 九州に自生します。  10−11月に美しい黄色の花を咲かせ 葉は常緑で艶があります。 
日陰にも元気に成育し 花も葉も気品があって美しいので庭によく植えられます。 
なお 食用にされる フキ はキク科フキ属です。  
観賞用 食用にされるキク科の草花の種類の多さには驚かされますね。 




その他 8−10月に咲く花
センニンソウ  ツユクサ
 ゲンノショウコ  センブリ

なども秋の野草に数えてイラストを添えました。
センニンソウ ツユクサ ゲンノショウコ センブリ


以下はみな野菊(野路菊)です。
野路菊 野路菊 野路菊 野路菊 野路菊 > 野路菊 野路菊 野路菊

野生種 栽培種を問わず 秋に咲く花々は寿命が長く 一か月以上も咲き続けてくれて 私たちの心をなごませてくれますね。 


<注釈>  頭花とは :
キク科などの場合 真中の黄色の部分は筒状花といい まわりの花びらのような部分は舌状花といいます。  それらによって形成された全体が頭花です。 (頭状花序)。
花びらと見える舌状花は  花びらではなく 実はひとつひとつが花なのです。 
なおキク科でも タンポポ(キク科タンポポ属) は舌状花しか見えません。
またアザミ、 イソギク、 シオギク 等は筒状花しか見えません。

キク科について :
秋に限らずキク科の草花は大きな勢力を持っていますね。
このキク科は地球上で最も進化している植物とされています。 つまり地球上に出現した最新の植物とされ、 現在もかなりなスピードで進化 を遂げつつあるのです。 
キク科に変異が現れやすいのはこのせいですが、 変異というより進化というべきでしょうね。


筆者は兵庫県神戸市に在住しており、 主として近隣の野草の観察やスケッチをしておりますが 2017年11月末頃に不思議な野菊を 見つけました。  兵庫県以外の方にはあまり興味がないとは思いますが 下記の記事を追加しておきます。

 新発見の神戸固有種??    新種の可能性も
謎の野菊

市内の或る川の河口部で神戸には存在しないはずの野菊がみつかりました。
高知県と和歌山県の一部の南岸に自生する ”シオギク”  という野菊に酷似しておりその近縁とみられます。 
しかしシオギクが筒状花 (真中の黄色い部分)だけで形成されているのに対して、 神戸で発見されたものは写真のように外側に花びら(正しくは舌状花) を持っているのです。

つまり他の自生地にない独特な形態をしており 状況からみて他地域から移植されたものとは思えません。   シオギクと酷似して いることからその仲間に違いなく 外来種ではありえません。
神戸の海岸部のみに誰にも気ずかれないまま昔から自生していたものの生き残りのように見えます。   花径2ー2.5センチ程と小ぶりですが なかなか美しい野菊です。

神戸市の南岸はほぼ100パーセントはコンクリートその他で人工化されてしまっており、 奇跡的に残った狭い土地にかろうじて少数が 生き残ったと考えるのが妥当と思われます。  野草など生態系に関心が薄かった時代に神戸市南岸部の土地が人工化され 古い植生が壊滅し誰にも 気ずかれないままだったのではないでしょうか。

もし太古から自生していたのに誰も気ずかなったものが今回発見されたとするととても貴重です。
和歌山県に存在するキノクニシオギクは 高知県のシオギクの変種とみられ 染色体数は共に72であるところから 神戸で発見のものも同じと考えられ るので  ”シオギクの神戸型変種”  と見なすべきでしょうか。  ないしは ”新種” の可能性もあります。
いずれにしろ神戸固有種として貴重です。
とりあえず コウベシオギク  と仮の和名をつけておきます。
より詳しい関連サイトを作成しています。
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この他の秋の草花については 「秋の七草」 のページをも別途作成していますので ご覧になってみてください。
<秋の七草 春の七草> のページへ

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