待合室に置いてある本を、1週間に1回程度ご紹介いたします。
貸し出しもいたしておりますので、ご希望の際は受付でお声かけください。
レオ・バスカーリア/著
みらい なな/訳
童話屋
わたしたちは
どこから来て
どこへ行くのだろう
生きるとは
どういうことだろう
死とはなんだろう
葉っぱのフレデイの一生を通して
こうした問いに
向き合ってみよう
ジャン=ドミニック・ボービー/著
河野万里子/訳
講談社
「古ぼけたカーテンの向こうから、乳色に輝く朝がやってくる。踵が痛い、と僕は思う。頭も痛い。鉄の塊がのっているようだ。体じゅう、重たい潜水服を一式、着こんでしまったようなのだ。」このように始まる本書の著者は、世界的ファッション雑誌『ELLE』の編集長。脳出血で倒れ、ロックトインシンドロームに陥り、呼吸、嚥下、言語を含む身体のすべての動きを失う。唯一、動く左目のまばたきで彼は本書を“書いた”。読み上げる文字にYES, NOのまばたきを20万回以上くりかえして。絶望の極限にあって、人はどれほど勇敢になれるか、そしで同時にどれほど繊細になれるか。魂のエレガンスともいうべきものを読者は感じ取るだろう。蝶は、希望そして自由の象徴である。
谷川俊太郎/著
谷本美加/写真
塚本やすし/絵
東京書籍
ラマデビ(南インドの小さい村に住む9さいの女の子)と春佳(埼玉市のマンションに住む9さいの女の子) それぞれの 住む町、住まい、住む部屋、家族、食べもの、学校、仕事、などその違いを1ページごとに左右に展開していく。そして、〈たいせつなもの〉のページ:ラマデビにとっていちばんたいせつなものはたべもの、朝も昼も夜も野菜カレー、左手に皿を持ち右手で米飯をすくうすがた、悲しそうな表情にカメラをみつめる。対して、春佳のたいせつなものは大好きなタレントからもらったサイン、それを誇らしげにみつめる横顔。地球という同じ星のうえに生まれて、おなじ9さいの女の子の、この際立った生活のちがい。こころを動かされないひとはいるだろうか。
国境なき医師団 日本事務局
フランスに本部を置く非政府組織の医師団。その世界各地の現場の写真集である。政治や宗教の体制にかかわらず、内戦や天災の惨禍に苦しむ人々に、弱者の側にたって、救済の手をさしのべる。医師であることの最も崇高な理念がここにある。この写真集は10人の写真家が参加している。セバスチャン・サルガドなど有名な社会派写真家もいる。モザンビーク、リベリア、マダガスカル、スリランカ、ウガンダ、カンボジア、タイ、エルサルバドルなどに赴いて撮影された。「写真家に何ができるか」という苦しい問いへの答であるという。医者には何ができるのか、何をすべきなのかを問いかける写真集でもある。
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