渡邊醫院の待合室の一角にそこだけ暖かい空気に包まれた絵本のコーナーがあります。「はちみつ文庫」「本の処方せん」と大きく書かれている。これは病を乗り越えようと懸命に今を生きている或る若い女性のアイデアで始められました。
「この文庫に触れる方が絵本や童話を通して少しでも楽しい気持ちになり、よい時間を過ごしていただけたら嬉しく思います。」と小冊子に説明がある。
どんな本を読んだらよいか迷うときの参考になるように自分の気持ちに合う本が20冊用意されている。例えば、「毎日生きるのが大変なひと」というポケットのカードを取ると『あすは きっと』という本が推されています。「自分は悪い子かも・・」と思う人には、そのカードを取るとそんな気持ちの時に読むとよい絵本の題名が書いてあります。
また文庫の横にある「おみくじコーナー」ではおみくじを引くと、ラテン語と日本語で生きることに対して箴言(しんげん)が書かれている。なかなか面白いのでいくつか紹介します。
Quod nimium est, fugito parvo gaudere memento
あまりに大きいことを避けなさい 小さいことに喜ぶことを忘れぬように
Festina lente.
ゆっくり急げ ―熱意を持ちつつもゆっくりじっくり行きましょう―
Errare humanum est
間違うことは人間らしい ―人間だもの・・―
Pulchre, bene, recte.
清く、正しく、美しく
Amicitia sal vitae.
友情は人生の塩
僕が引いたおみくじは「Errare humanum est 間違うことは人間らしい ー人間だもの・・―」。気に入ったので歩きながら「エラーレ フマーヌム エスト」と繰り返し呟いたりしています。癒し効果があります。
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