臨床余録
2022年1月2日
去年をふりかえるとき

 いつのまにか新しい年になっている。コロナに振り回されるような1年だったが、今年はどうだろうか。少し余裕を持ちたいところだがそうもいかないかもしれない。それにしても頑張ろう思えばいくらでも頑張れる年齢ではないことも自覚しなくてはならない。

 ところで昨年、診療以外で自分なりに力を集中して取り組んだのは1年前から頼まれていたエンデイングノートについての講演とBRAIN & NERVEという定評のある医学雑誌への在宅診療についての投稿である。

 講演は地域ケアプラザで2年前にも行ったがそれをだいぶアップデートし、“希望のエンデイングノート”というタイトルにした。人生の最終章に至る3つのステージ、元気なうちからするべき3つの貯金、医療や介護との関わり方、病院とかかりつけ医の役割分担、延命治療と救命治療の違い、胃ろうを巡る論議、ライフの3つの意味、物語をつむぐいのち、最終章のためのエンデイングノートやリビングウィルなどの事前指示書の意味と限界、アドバンスケアプランニング(人生会議)の意義、そこにおける共同意思決定の必要性、4つの事例を通しての学びなどをを話した。講演を準備することにより自分をふりかえり考えを整理することができた。講演の中で本多先生のハッピーエイジング10か条を紹介した。

 雑誌への投稿は“キュアからケアへ”(在宅診療医へのキャリアパス)というタイトル。内容は
 Ⅰ在宅診療とは
 Ⅱ筆者のキャリアパス(精神科→脳神経内科→内科:在宅療養支援診療所医師) 症例(ALSの独居高齢女性を多職種連携で在宅で看取ったケース)
 Ⅲ診断と治療
 Ⅳ脳神経内科医にとっての在宅診療の意味
 Ⅴ良き指導医を持つこと
 Ⅵ病む人の言葉に耳を傾けること
 Ⅶ共同意思決定
 Ⅷ終末期ケアと人生会議
 Ⅸ症例を看取ったチームのその後
 Ⅹ精神科的素養の必要
 Ⅺ筋萎縮性側索硬化症の緩和ケア
 そして「おわりに」で超高齢社会の医師のプロフェッショナリズムとはお互いにリスペクトしあう多職種とのフラットな連携のなかでリーダーシップをとることであると述べた。良き指導医としての本多先生について記した。

 過去を振り返り、これからの時間をどう生きるか、を思うときいつも本多先生がそこにいる。

 

 

 

 

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