待合室に置いてある本を、1週間に1回程度ご紹介いたします。
貸し出しもいたしておりますので、ご希望の際は受付でお声かけください。
トメク・ボガツキ/作
柳田邦男/訳
講談社
「子どもの権利条約の父」という副題があります。
「すべての子どもたちは愛され、教育を受け、その命を守られなければならない。」
ナチス占領下のワルシャワでユダヤ人孤児たちの家を作り愛情をこめて一人ひとりの世話をする小児科医コルチャック先生。しかし、ナチスの手が及び、ゲット―に追いやられ、ついにガス室に送られます。その行進の姿がこの本のクライマックスです。
「およそ200人の子どもたちは、整然とならび、ゲットーから駅にむかって行進しました。64歳のコルチャック先生がいちばんおさない5歳の子を右腕にいだき、左手でもうひとりの子の手を引いて先頭に立ちました。道ぞいの人々は、子どもたちがあまりに静けさと威厳にみちていたので、おどろいて目をみはるばかりでした。子どもたちはコルチャック先生がいっしょにいるので、安心してついていったのです。」
富安陽子/作
いとうひろし/絵
ポプラ社
わたしの ママは
いま せんせい
でも もっと むかしは
~ ~ ~ ~ ~
もと こども
よのなかは 〈こども〉と
〈もと こども〉で できている
あたりまえの ことに
はじめて きがついたとき
せかいが ちがって みえる
宮澤賢治/作
田島征三/絵
ミキハウス
ある日一郎は裁判所の長である山猫から来てほしいと一通の葉書を受け取ります。
どんぐりたちの争いをおさめる知恵を貸してほしいというのです。
何日も続く裁判で、どんぐりたちは背の高さや大きさ、形のよさなどで誰が一番えらいか、何日も何日もわあわあ大騒ぎ。
困り果てた山猫裁判長が一郎に救けをもとめ、その言葉を判決として申し渡します。
それを聞いてどんぐりたちはいっせいにシーンと鎮まりかえり堅まってしまいました。
そして、この本を読んだあなたもあなたもきっとシーンと鎮まりかえるにちがいありません。
安井正樹
SL写真集
「鼓動とはドキドキと脈打つこと。SLにはそんなイメージがある。・・・僕も撮影するたび、ドキドキと全身が脈打つ・・・」
この安井君のことばにかつての主治医であった僕(渡辺良)の胸も脈打つ。彼の生きざまがこめられた素晴らしい写真集だ。
谷川俊太郎/詩
岡本よしろう/絵
福音館書店
わたしが いま ここに 生きていること あたりまえに 思える このことが 3・11のあとでは
一変した わたしが いま ここに いるのは 奇跡 わたしが ここに 生きている いま それは 永遠
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