待合室にある本のご紹介 2017年 3月

待合室に置いてある本を、1週間に1回程度ご紹介いたします。
貸し出しもいたしておりますので、ご希望の際は受付でお声かけください。

つるちゃん
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金城明美/文・絵
高文研

おきなわ 中城(なかぐすく)のさとうきび畑ではたらく おとうさん おかあさん そしてあに  あね いもうと おとうととのせいかつが とつぜんこわされ じゅうだんのなかにげまどう  めのまえでつぎつぎにかぞくがしんでゆく そして さいごは たったひとりに なってしまった  8さいのしょうじょ そのめをとおして ものがたりは かたられる

それでも笑みを
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大石芳野/写真・文
清流出版

カンボジア、広島、コソボ、アフガニスタン・・・
戦争や内乱の地にも 涙をこらえた笑み、はにかみの微笑、はじける笑顔がある
写真家・大野芳野の 「笑み」に出あう旅

世界には こんなに 多くの悲しみがあり そしてほほえみがある 日本だけにいては わからない  多くの にんげんの 生(いのち)のかたちを 発見する

人生の最初の思い出
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パトリシア・マクラクラン/文
バリー・モーザー/絵
長田弘/訳
みすず書房

なぜ ここを はなれなくちゃいけないんだろう どんなところへ ゆかなくちゃいけないんだろう  どこまでも澄んだ空 どこまでもつづく大草原 大きなハコヤナギの木 じぶんがそこで生まれ育った  いとしいものすべてに 別れを告げる日 人生最初の思い出は いつもじぶんと一緒 それを  忘れないようにハコヤナギの小枝をもってゆこう 大草原の土も 袋につめて もってゆこう  原題は WHAT YOU KNOW FIRST 強制移動(displacement)の物語 また 3・11が来る フクシマをおもう フクシマの子どもたちは  ハコヤナギの小枝も 庭の土も もってゆくわけにはいかない この本を読みながらそのことをおもった

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