待合室にある本のご紹介 2017年 1月

待合室に置いてある本を、1週間に1回程度ご紹介いたします。
貸し出しもいたしておりますので、ご希望の際は受付でお声かけください。

よだかの星
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宮沢賢治・作
伊勢英子・絵
講談社

いきているのが つらくなったよだかは ぐんぐん まうえのそらをめざし のぼっていきます  なぜ? なぜって そのわけは よだかとおなじように みにくく みなからきらわれる  いきものにはわかるのです こおりのように つめたいくうきを つんざきながら よぞらにまたたく  うつくしいほしになるのです 

おおきな木
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シェル・シルヴァスタイン 作
村上春樹 訳
あすなろ書房

「あるところに、いっぽんの木がありました」「その木はひとりの少年のことがだいすきでした」ではじまる絵本。 少年の意のままに何でも与える木。少年は成長します。 お金がない青年に木の実を与え、売ることを教えます。 中年になった少年が家に困っていると家をつくるための木の枝を与えます。 初老の少年が舟で旅に出るために木の幹をきって与えます。 ずいぶん時間がたって少年は老人として戻ってきます。 疲れて座る場所以外なにもいらないという老人に木は切り株にすわるように言います。 そして、それ以上何もできない木はそれでもしあわせでした。 本の原題は“The Giving Tree”さて、この少年とはだれのことでしょうか。 このいっぽんの木はだれのことでしょうか。

みんな、絵本から
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柳田邦男・著
石井麻木・写真
講談社

にほんじゅうの すべてのおさなごが おかあさんに まいにち よるねむるまえ じゅうごふんでも  えほんを よみきかせて もらうことが できたなら みな こころのゆたかな こどもに なるにちがいない
 
絵本を読むおかあさんは絵本のなかにいるのです。 絵本を読むおかあさんの表情や声の音色や匂いがおさなごのこころの中に最も優しい記憶として残るのです。

岸辺のふたり
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マイケル・デユドク・ドウ・ヴィット作
うちだややこ訳
くもん出版

夕ぐれの海に向かって漕ぎ出す父を見送る娘 父は帰って来なかった それでも待ち続ける娘  歳月はながれる そしてさいごには・・・
極度に省略された言葉とこげ茶色を主調とした絵の世界がつむぎ出す父と娘の物語  これは読むもののこころの奥底に沁みる一篇の詩である

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