1−1位置図 1−2地形地質概要 1−3偏光顕微鏡写真集 1-4《まとめ》.岩石写真とその特徴1 1−5《まとめ》岩石写真とその特徴2 1-6調査結果のまとめと考察 (参考)岩石区分図

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前川橋のすぐ上流地点には緑泥石を多く含む花崗岩のなかに、下の写真に見られるような凝灰岩の中に粗粒な白っぽい結晶が浮き出たような岩石(No.6)が見られる。基質が凝灰岩っぽく、その中に大粒の結晶が浮かんでいる感じだ。No.5は明瞭な花崗岩だが、その一方で、その間隙は細粒の結晶が流れたような状態になっている。No.6はその名前を破砕され結晶粒子がばらばらになった花崗岩となずけたが、一体どこでどのようにようにして形成された岩石か想像がつかないのが現状です。

岩石No.5(921603ー2)-花崗岩
オープン10× クロス10X
(肉眼観察)褐灰色。粗粒な結晶が明瞭。緑色の緑泥石含む。
(顕微鏡観察)組織は粗粒の等粒状結晶からなるが(上側の写真)、幅1mm程度の亀裂沿いに細粒の結晶がみられる(下の写真)。一般に粗粒結晶は地下深くゆっくり冷却したといわれるので、細粒結晶があるということは花崗岩が生成後、亀裂沿いに溶融物質(マグマ)が進入し、地下浅く固結したのだろう。ただ細粒も粗粒も同じ鉱物種からなるので同じ性質を持つマグマだろう。岩石は主に石英30%、斜長石25%、カリ長石35%、その他緑泥石、方解石など10%からなる(適当)。上の写真中央部はカリ長石(霜降り)、右側及び上側は斜長石。オープンで褐色に見えるように風化が進んでいる。下の写真は間隙内にみられる溶融物質の結晶。元の粗粒な結晶を削り込んだり、取り込んだりしている。
採取岩石の写真 (推定岩石名)花崗岩

 
境界は断層(見た目は整合的)

岩石No.6(921603-1)-破砕され結晶粒子がばらばらになった花崗岩
オープン10× クロス10X


(肉眼観察)茶褐色。全体に風化が激しい。表面には1〜15mm程度の結晶粒が散在している。また、7〜10数cmの花崗岩礫状のものもある。花崗岩とは整合的に重なるが(ペン先の写真)もう一方は漸移的に緑泥石花崗岩に変わる。基質は変質した細粒の凝灰岩のよう。よく観察すると、この地層は直線的で、部分的に膨らんだり、細くなったりしており、断層破砕帯のようである。走向はN80°W、傾斜は直角。
(顕微鏡観察)組織は0.01〜6mm程度の角ばった斑晶とその間を埋める変質鉱物からなる。斑晶は乱雑で淘汰されていなくて亀裂が発達し、分解した結晶も多くある。斑晶は石英やカリ長石、斜長石(双晶は発達せず)からなり、斜長石は変質している。また、等粒状の花崗岩質な巨晶が見られ、これは花崗岩の岩片を取り込んだものだろう。石基は変質鉱物からなる。その他の鉱物は緑泥石を含む。全体の割合は概略、変質鉱物が30%、石英30%、斜長石20%、カリ長石15%、その他5%。
採取岩石の写真 (推定岩石名)破砕され結晶粒子がばらばらになった花崗岩


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