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これから研究を始める高校生と指導教員のために:
研 究の進め方・論文の書き方・口頭とポスター発表の仕方

2013 年 7 月 10 日刊行
 酒井 聡樹著 共立出版
A5 版 352 頁 本体 2600 円(税込 2808 円)
2 色刷り(一部 4 色刷り) 折り込みポスター付き

ISBN  978-4-320-00591-4

2013 年 7 月 10 日 初版第 1 刷発行
2015 年 5 月 1 日 初版第 2 刷発行
2016 年 4 月 27 日 初版第 3 刷発行
2017 年 6 月 23 日 初版第 4 刷発行

累計 8260 部出来


はじめに
 本書は、これから研究を始める高校生およびその指導教員のための本である。現在、多くの高校で、授業の一環としての課題研究や科学部での自主的 な研究が行われている。しかし、どうやって研究を進めるのかがわからずに苦しんでいることが多いと聞く。そうした方々への手引き書にしようと本書 を書いた。
 研究においては、研究を進めて成果を出し、それを論文にまとめ、口頭発表やポスター発表をすることが求められる。論文にまとめるとは、あなたの 研究成果を、あなたの高校が発行する論文集等に文章としてまとめることである。口頭発表とは、研究成果発表会において、成果をまとめたスライドを 示しながら研究内容を説明する行為である。ポスター発表とは、同じく研究成果発表会において、成果をまとめたポスターの前に立って研究内容を説明 する行為である。口頭発表およびポスター発表のような、聴衆に対してものごとを説明する行為をプレゼンテーション(プレゼン)という。
 本書では、研究の進め方・論文の書き方・口頭発表とポスター発表のプレゼン技術を説明している。本書を読めば、課題研究を進める上で必要なこと がすべてわかるようにしているつもりだ。

本書の構成
 本書は四部構成である。
 第 1 部では、研究の進め方を説明する。研究とは何なのか、どうやって進めていくのか、どうやって成果をまとめるのか。データの解析の仕方も説明する。
 第 2 部では、論文執筆およびプレゼンの準備をする上で心がけて欲しいことを説明する。わかりやすい論文・プレゼンとはどういうものなのか。わかりやすくするた めに何を心がけるべきなのか。これらをしっかりと理解しておくことが大切である。
 第 3 部では、論文の書き方を説明する。論文の構想の練り方、序論・タイトル・研究方法・研究結果・考察・結論・要旨といった各部分の書き方、図表の提示の仕 方、引用文献・参考文献の示し方を、具体例を用いて説明していく。ここでの解説の多くは、口頭発表にもポスター発表にも共通することである。
 第 4 部では、研究発表のためのプレゼン技術を説明する。わかりやすいポスター・スライドの作り方。発表本番での、ポスター・スライドの説明の仕方。質疑応答の 仕方。これらを徹底解説している。

本書の使い方
 本書は長い。最初から最後まで一気に通読するのは大変である。だから、研究の各段階で該当部分を読むことを勧める。具体的には以下のようにだ。

研究を始める前に:第 1 部第 1 - 3 章
研究を進めながら:第 1 部第 4 - 5 章
成果がある程度まとまったとき:第 1 部第 6 - 7 章
論文執筆・プレゼン準備に入る前に:第 2 部
論文執筆を始めるとき:第 3 部
口頭発表の準備を始めるとき:第 3 部・第 4 部第 1 - 4, 7 章
ポスター発表の準備を始めるとき:第 3 部・第 4 部第 1 - 2, 5 - 7 章

このようにすれば、本書を最も効率良く利用できると思う。

本書が対象とする読者
 本書が対象とする読者は、「これから研究を始める高校生および指導教員」である。具体的には、次のような人たちを想定している。

・これから研究を始める高校生。スーパー=サイエンス=ハイスクール指定校・サイエンス=パートナーシップ=プロジェクト指定校などの生徒さん や、授業の一環として課題研究をしている生徒さん、各種科学クラブで活動している生徒さんを想定している。
・これから研究を始める中学生。研究活動をしている中学校もたくさんある。本書の内容は、中学生にも十分に理解できるものである。
・上記高校生・中学生の指導教員。研究指導に困っているという話をたびたび聞く。本書を、指導する上での参考にして欲しい。
・教員を目指す大学生・大学院生。自分が将来研究指導をするための備えとして欲しい。
・卒業論文を書く大学生。本書の内容は、卒論の執筆にもそのまま役立つものである。

目次
第1部 研究の仕方
第1章 研究を始める前に
  1.1 研究とは何か
   1.1.1 研究において行うこと
   1.1.2 学術的問題とは何か
   1.1.3 研究とはいえないもの
  1.2 何のために課題研究を行うのか
   1.2.1 科学的思考力を養う
   1.2.2 研究成果を他者に伝える技術を身につける
   1.2.3 実験・観察・調査を遂行する能力を培う
   1.2.4 科学技術の進歩に貢献する
  1.3 自分の興味を他者の興味に
第2章 取り組む問題の決め方
  2.1 問題の学術的意義を理解し、説明できることが大切
  2.2 テーマ候補の探し方
  2.3 取り組む問題を決める上で心がけること
   2.3.1 そのテーマは「問いかけ文」になり、かつ、その答えはわかっていないものであるのか
   2.3.2 解答できる問題を設定する
   2.3.3 人類にとって未解決の問題に挑む場合の注意事項
第3章 研究の進め方
  3.1 情報を集め、知識を蓄える
   3.1.1 学術的知見とは
   3.1.2 基礎的知識を得る媒体
   3.1.3 インターネットを利用した文献検索とその閲覧
   3.1.4 書籍・論文の現物を手に入れるには
  3.2 予備的な実験・観察・調査をしてみる
  3.3 何かに着眼しよう
  3.4 仮説を立てる
   3.4.1 仮説とは何か
   3.4.2 どうして仮説を立てるのか
  3.5 研究計画を立てる
   3.5.1 研究計画を立てる上で心がけること
   3.5.2 課題研究の範囲内でどこまで行うことができるのか
  3.6 研究記録を録る
   3.6.1 研究記録を録る目的
   3.6.2 研究記録に録るべきこと
   3.6.3 解析用のデータの管理
第4章 データ解析の基本
  4.1 データには二種類ある
  4.2 唯一の真の値がある対象の解析
   4.2.1 真の値の推定:平均と標準誤差
   4.2.2 ばらつきを減らすために行うこと
  4.3 データの値がそもそもばらつく対象の解析
   4.3.1 母集団とは
   4.3.2 知りたいことは何なのか
   4.3.3 母集団の状態の示し方
  4.4 検定に挑戦しよう
   4.4.1 検定とは何か
   4.4.2 仮説の立証と棄却
   4.4.3 検定の考え方とその手順
   4.4.4 検定を行う上での注意事項
  4.5 一般化線形モデルの勧め
第5章 統計・作図ソフト R を使おう
  5.1 統計・作図ソフト R
   5.1.1 R とは
   5.1.2 データ管理は Excel で、データ解析と作図は R で
   5.1.3 R を使うために
  5.2 R の使い方の基本
   5.2.1 まずは使ってみる
   5.2.2 実行結果の保存・R の終了と再起動
   5.2.3 R 用エディタ
   5.2.4 Excel のファイルの R への読み込み方
   5.2.5 データフレームの扱いの基本
  5.3 R での作図
   5.3.1 ヒストグラム hist( )
   5.3.2 棒グラフ barplot( )
   5.3.3 箱ひげ図 boxplot( )
   5.3.4 散布図 plot( )
   5.3.5 折れ線グラフ plot( , type="b")
  5.4 R でのデータ解析
第6章 研究の軌道修正
  6.1 非現実的で実行不能だった部分を現実的なものにした
  6.2 より面白い着想や結果を得た
第7章 研究内容のまとめ方
  7.1 なぜ、取り組む問題を決め直すのか?
  7.2 研究内容をまとめる手順
   7.2.1 取り組んだ問題のことをいったん忘れる
   7.2.2 手持ちのデータを元に結論を決める
   7.2.3 結論を元に、取り組んだ問題を決め直す
   7.2.4 取り組んだ問題から結論に至るまでの話の流れを整理する
  7.3 否定的な結果しか出なかった場合の対処法

第2部 論文執筆・プレゼン準備の前に
第1章 論文執筆・プレゼンにおいて心がけること
  1.1 論文執筆・プレゼンは、他者にわかってもらうために行う
  1.2 他者は、「わかってくれない」存在である
  1.3 理解の努力が最小の論文・プレゼンにする
第2章 わかりやすい論文・プレゼンのために
  2.1 わかりやすい論文・プレゼンとは
   2.1.1 読者・聴衆が、情報整理をしやすい
   2.1.2 その主張を導く論理を理解できる
  2.2 わかりやすい論文・プレゼンのために大切なこと
   2.2.1 わかりやすくしようという意識を持つ
   2.2.2 必要かつ不可欠な情報だけを示す
   2.2.3 淀みのない論理で伝える
   2.2.4 読者・聴衆の知識を想定する

第3部 論文の書き方
第1章 論文の構想を練ろう
  1.1 基本的な構成
  1.2 章立てをしよう
  1.3 論文の構成に関する注意事項
   1.3.1 やったことを、やった通りの順番で説明しない
   1.3.2 序論で、「研究動機」という見出しを使わない
   1.3.3 「方法 -> 結果 -> 方法 -> 結果」という順番にしない
第2章 序論に書くべきこと
  2.1 どうしてやるのかを説得する
  2.2 序論は前置きにあらず
  2.3 その研究でやることしか書いていない
  2.4 興味を持ったからやるのか
  2.5 説得力のある序論とは
   2.5.1 序論に書くべき五つの骨子
   2.5.2 取り組む問題と、その解決のためにやることとの区別
  2.6 序論の骨子の練り方のコツ
第3章 タイトルのつけ方
  3.1 タイトルの役割
  3.2 興味を惹くためには
  3.3 タイトルに入れる情報
  3.4 調べた対象をそのままタイトルにしてはいけない
  3.5 良いタイトルとは
  3.6 着眼点を訴えよう
  3.7 印象を強くする工夫
   3.7.1 「取り組んだ問題を述べる主題:着眼点を述べる副題」という形にする
   3.7.2 疑問文にする
第4章 研究方法の説明の仕方
  4.1 研究方法を説明する目的
   4.1.1 研究方法が適切であることを示す
   4.1.2 読者が研究を再現できるようにする
  4.2 読者に示すべき情報
   4.2.1 研究対象
   4.2.2 実験・観察・調査の狙い
   4.2.3 実験・観察・調査の方法
   4.2.4 統計処理の方法
  4.3 複数の実験・観察・調査を行った場合の説明の順番
第5章 結果で書き示すこと
  5.1 わかりやすい形にまとめたデータ等
  5.2 個々の結果の説明
  5.3 個々の結果の要約
第6章 考察で書くこと
  6.1 個々の結果の解釈・議論
  6.2 個々の結果を統合した解釈・議論
  6.3 他者の研究についての言及
第7章 結論で書くこと
  7.1 取り組んだ問題への解答
   7.1.1 結論を必ず書く
   7.1.2 「結論」という見出しを意識して立てる
   7.1.3 取り組んだ問題に対応した結論を示す
  7.2 結論を受けて
   7.2.1 「どうして取り組むのか」への応え
   7.2.2 今後の発展や課題
  7.3 結論を書く場所
第8章 要旨の書き方
  8.1 取り組んだ問題・問題解決のためにやったこと
  8.2 具体的な研究方法・研究結果・考察
  8.3 結論
  8.4 要旨を書く上での注意事項
   8.4.1 余計な前置きは不要
   8.4.2 要旨は、本文が完成してから書く
   8.4.3 短い文章で
第9章 図表の提示の仕方
  9.1 図にするべきか、表にするべきか
  9.2 図表およびその説明文を見ればわかるようにする
   9.2.1 タイトルおよび補足説明を書く
   9.2.2 軸名・単位を必ず書く
  9.3 データのばらつきも示す
  9.4 概念図を活用
  9.5 本文での記述の側に配置する
  9.6 図を作る上での注意事項
   9.6.1 区別のつきやすい記号・線にする
   9.6.2 独立変数と従属変数
   9.6.3 関連するデータの示し方
  9.7 表を作る上での注意事項
   9.7.1 データの並べ方
   9.7.2 関連するデータの示し方
第10章 引用文献と参考文献
  10.1 引用文献と参考文献の違い
   10.1.1 引用文献
   10.1.2 参考文献
  10.2 本文中での引用の仕方
   10.2.1 著者名・組織名を用いて引用
   10.2.2 通し番号を用いて引用
  10.3 引用文献・参考文献のリストの作り方
   10.3.1 引用文献・参考文献に付すべき情報
   10.3.2 引用文献・参考文献のリスト

第4部 プレゼンの仕方
第1章 わかりやすい発表をするためのプレゼン技術
  1.1  どういう情報を伝えるのかを前もって知らせる
 1.1.1 見出しをつける
 1.1.2 全体像を示してから細部を説明する
  1.2 情報を読み取りやすくする
   1.2.1 文章での説明を避ける
   1.2.2 情報の構造を視覚的に示す
   1.2.3 情報の示し方にめりはりをつける
  1.3 情報保持の負担を減らす
   1.3.1 言葉を覚えさせない
   1.3.2 同じ言葉を使い続ける
  1.4  直感的な説明を心がける
  1.5 説明なしでわかるようにする
  1.6 見やすくする
   1.6.1 大きな文字で
   1.6.2 ゴシック体で
   1.6.3 大きな図で
   1.6.4 背景とのコントラストを明確に
第2章 プレゼンの図表において心がけること
  2.1 論文の図表をそのまま使わない
  2.2 概念図を活用する
  2.3 図表の上に、その図表のタイトルを書く
  2.4 図の軸および表の行と列の説明に略号を使わない
  2.5 記号のすぐそばに、その説明を書く
  2.6 図表のすぐそばに、その解釈を書く
第3章 スライドの作り方
  3.1 口頭発表の構成
  3.2 わかりやすいスライドにするコツ
   3.2.1 一枚のスライドで一つのことだけを言う
   3.2.2 各スライドに見出しをつける
   3.2.3 そのスライドで言いたいことを明記する
   3.2.4 大切なことはスライドの上部に書く
   3.2.5 スライドの作り方に一貫性を持たせる
   3.2.6 次にどういうスライドが来るのかをわからせる
3.3 各スライドで書くべきこと
   3.3.1 タイトル・発表者名・指導教員名・高校名
   3.3.2 序論
   3.3.3 研究対象・方法
   3.3.4 結果
   3.3.5 考察
   3.3.6 まとめ
  3.4 アニメーションについて
第4章 口頭発表の仕方
  4.1 発表練習をする
   4.1.1 他者の意見を仰ぐため
   4.1.2 説明の仕方を工夫するため
   4.1.3 スライドの問題点を見つけるため
   4.1.4 淀みなく説明できるようになるため
   4.1.5 説明時間を確認するため
  4.2 発表時間を守る
  4.3 聴衆を見て話す
  4.4 演台の中央寄り前部に立って話す
  4.5 原稿を読み上げない
  4.6 会場の一番後ろまで届く声で話す
  4.7 適度に間を取りながら話す
  4.8 過度に抑揚をつけた話し方をしない
  4.9 スライドにないことを話さない
  4.10 ポインタ・指示棒をぴたっと指す
  4.11 図表の読み取り方を説明してから、データの意味することを述べる
  4.12 スライドの印刷資料を用意する
  4.13 発表用の原稿について
第5章 ポスターの作り方
  5.1 ポスターの構成
  5.2 ポスターを作る前に
   5.2.1 ポスターの大きさと視野との関係
   5.2.2 読んでもらえるポスターとは
   5.2.3 わかりやすいポスターとは
  5.3 すっきりとしていて、拾い読みをしやすいポスターにするコツ
   5.3.1 序論と考察を最小限にする
   5.3.2 まとめ(含む結論)を上部に書く
   5.3.3 結論先行型にする
   5.3.4 番号等を使って情報間の対応をつける
   5.3.5 情報を省略しない
   5.3.6 二段組みを基本にする
   5.3.7 情報の領域を明確にする
   5.3.8 読む順番がわかるようにする
  5.4 ポスターの各項目で書くべきこと
   5.4.1 タイトル・発表者名・指導教員名・高校名
   5.4.2 序論
   5.4.3 研究対象と方法
   5.4.4 結果
   5.4.5 考察
   5.4.6 まとめ
   5.4.7 付録
   5.4.8 要旨は不要
第6章 ポスター発表の仕方
  6.1 説明練習をする
  6.2 5 分くらいで説明できるようにする
  6.3 勝手に説明を始めない
  6.4 10 秒ほど見てくれたら声をかけてみる
  6.5 原稿を読み上げない
  6.6 全員に向かって言葉を発する
  6.7 聴衆の反応を見ながら説明する
  6.8 指示棒を使って説明する
  6.9 特定の聴衆と延々とやりとりをしない
  6.10 図表の読み取り方を説明してから、データの意味することを述べる
  6.11 縮刷版を用意する
第7章 質疑応答の仕方
  7.1 質問を歓迎しよう
   7.1.1 興味を抱いてくれたということである
   7.1.2 今後の研究に活かすことができる
  7.2 質問への対応の仕方
   7.2.1 質問の意図を捉える
   7.2.2 自分を落ち着かせる
   7.2.3 まず的確に答え、次に、必要に応じて補足説明をする
   7.2.4 質問者を見ながら答える
   7.2.5 他の聴衆にも届く声で答える
   7.2.6 質問者の声が小さいときは、他の聴衆のために質問を復唱する
   7.2.7 沈黙しない