統一応募用紙

進路保障の取り組み 2023年は全国高等学校統一応募用紙が制定されて50周年を迎える年でした。埼玉で起きていること= 2020年7月県教委との話し合いで明らかになった事例として、2019年の高校生の企業採用試験で違反企業として是正指導を行った企業は県内13社と回答を得ました。また別に明からなった違反事例があり、2023年、埼人教として違反企業に対し、是正指導するよう県教委に求めてきました。
就職差別につながる限定14項目の遵守を求め、就職試験報告書の活用が課題です。下記の資料を活用し、授業実践をして、守られている権利を子どもたちに伝えましょう。

統一応募用紙制定の歩み
1970年前後まで就職する高校生に本籍や親の職業、家環境を記入させる履歴書(「社用紙」)が使われ、それを元に企業が同和地区出身生徒を不合格にする差別が行われていました。この本人の適性や能力と無関係な事柄を記入させ採用選考に使ってきた「社用紙」(企業が独自に作成していたもの)ではなく、差別的な項目を削除した「高等学校統一応募用紙」が、1973年に文部省・労働省・高等学校長協会によって制定されました。1996年改訂で「本籍」「家族」「胸囲」「色覚」欄の削除、「男女」欄から「性別」欄への変更が行われました。

 

全国高校統一応募用紙の見直し 2025年2月 厚労省 第 34 回 高等学校就職問題検討会議 応募書類の取扱い性別欄は削除
新規中学校・高等学校卒業者の採用選考に係る応募書類については、応募者の適性・能力に基づいた公正な採用選考が行われるよう、「職業相談票(乙)」又は「全国高等学校統一用紙」の使用の徹底を図っているところであるが、選考と直接関係のない生徒の個人情報等に配慮するなどの観点から、その一部を別紙のとおり改定し、令和8年3月の新規中学校・高等学校卒業者から適用することとしたので、その周知及び使用の徹底に努めること。 また、全国高等学校統一用紙のうち生徒本人が作成する履歴書の作成方法については、求人者の意向を踏まえて、①手書き記入、②パソコン入力、③どちらでも可、のいずれかとするとともに、応募書類の作成方法によって採用選考に有利不利が生じないよう、事業所への周知・指導を行うこと。

 

コラム

就職差別選考につながる限定14項目違反の実態が次々に明らかに
日本労働組合総連合会は、採用選考における就職差別の実態を把握するため、2019年の調査(※)に続き2回目となる「就職差別に関する調査」を2023年4月1日~4月4日の4日間でインターネットリサーチにより実施し、最近3年以内に就職のための採用試験(新卒採用試験、または中途採用試験)を受けた、全国の15歳~29歳の男女1,000名の有効サンプルを集計しました。 ○1000人の内訳(最終学歴)中学校 31人 高等学校 214人、専門学校・短期大学 161人、四年制大学・大学院 588人

○応募書類やエントリーシートで記入を求められたことがあるもの

「性別」80.5%、「本籍地や出生地に関すること」43.6%○採用試験の面接で質問されたことがあるもの「性別」28.6%「本籍地や出生地に関すること」28.3%

就職差別に関する調査2023はこちらから

昭和40年代に企業が社員を募集していた時代の社用紙

1980年代全国高等学校統一応募用紙が制定された当時

統一応募用紙は現行のもの(2005年度版)に至るまで数度の改訂を経ているので、その年度と変更点。そして2025年変更点は現在関係機関に周知している段階で2025年度卒業生から適用されます。

年 度 変 更 点
1984年(昭和59) 資格・特技」が「免許・資格等」に変更。「資格・特技名」が「免許・資格等の名称」に変更。調査書の「特別活動の記録」欄に「1.活動の意欲 2.集団への寄与」が追加。「行動及び性格の記録」欄に「基本的な生活態度」が追加
1985年(昭和60) 「資格等」欄から‘免許’が消え、「資格等の名称」へと変わる。「所属部」欄が「所属クラブ等」に変更。調査書の「特別活動の記録」欄から」「1.活動の意欲 2.集団への寄与」が消える。「行動及び性格の記録」欄から「基本的な生活態度、勤労意欲、社会性」が消える。
1996年(平成8) 「履歴書・身上書」が「履歴書」に変更。「男・女」欄が「性別」に変更。「保護者氏名」欄から「続柄・年齢」が消える。「学歴・職歴」が一項目にまとめる。「中学校卒業」が「高等学校入学」に変わる。調査書から「胸囲、色覚」が削除。「行動および性格の記録」が削除。代わりに「本人の長所・推薦事由等」が加わる。「留学による修得単位数」が追加。
2005年(平成17) 氏名」欄から「印」が削除。「保護者氏名」欄が削除。「資格等」欄の取得年月日から「日」が削除。「趣味・特技」欄の「所属クラブ」が「構内外の諸活動」に変更。「志望の動機」欄が大きくなる。調査書の「生年月日」欄に「平成」が追加。「総合的な学習」が追加。「学校」欄に電話番号が追加。
2025年(令和7) (1) 履歴書① 性別欄を削除② 学歴・職歴欄を在籍校欄と職歴欄に変更③ 趣味・特技欄を削除④ 志望の動機欄を志望の動機・アピールポイント欄に変更
(2) 調査書
① 総合的な探究(学習)の時間に変更② 身体状況欄を削除③ 本人の長所・推薦事由欄を本人のアピール
ポイント・推薦事由等欄に変更④ 特記事項欄を追加⑤ 押印を削除