早春の朝 早起きした

太陽も 目が覚めたばかり

その色は オレンジ色の火の玉

平成二十年三月九日朝六時八分の夜明け
我が家二階より臨む

こちらの世界は 影絵

屋根という屋根 つらなって影絵

その下で安らかに まだ眠りをむさぼる人々

私の視線は 釘付けになった

東の空に 繰り広げられている 天体ショー

二階の寝室から 勝手に飛び出した 私の分身

人の形の 影となり

屋根の上 飛び乗っていた

早春の朝 天体ショー

おごそかに 始まっています

スクリーンに 原始の人の生活

男も女も 深く

清らかな眼で ゆったり動く

忘れてた何かしら ふと思いをめぐらすこの一瞬(とき)

 

私は見つめた 見つめていた じっと

原始の人も 見ていたに違いない 天体ショー

火の玉溶け始めて 影絵も薄くなり いつもの明け方

さあと 自分を うながして

屋根から 飛び降りていた

つながっていた 一直線に この一瞬(とき)

火の玉と私 そしてこれを見ていた人々

同じ眼で 原始の人と同じ眼で・・・