洗濯物の間から 青空がのぞく

二階のヴェランダで 春がワルツを踊っていた  

 

大きなおしゃもじの先にのせられ  

大空に突き出されているような 浮遊感((かんじ))  

 

じっとじっと 見上げると

問わず語りに 返事をくれる

人生の旅(たび)の足取り くっきり示す

遠い遠い 空なのに 

頬ずり胸で 感じてる 

 

クォー クォー 頭の上で 飛行機の音

まるで大空に 白いとんぼが止まっているよう 

 

おもちゃのようなあの飛行機の中に 

大勢の人が乗っているなんて 不思議 

 

じっとじっと 見上げると

迷子の心を 優しくつつく

空飛ぶ人あれば 地べた歩く人ある 

やがて召される 空だから

今は現実(あしもと) 見つめろと 

 

この空の下の 森羅万象

絵空事のように見えても すべて現実(ほんとう)

じろじろと 自分の手足見つめる

 

青空が私の身体に入ってきた

ふんわり軽―い 空の色

洗濯したての心が ワルツを踊る