端午の節句の頃

山が手招き したんだよ

「ホーイ ホイホイ 待ってるよ!」

「ヘーイ ヘイヘイ 今から行くよ!」

お母ちゃんが ちまき 作るから

ガレンバ(包み葉) 山に採りに行く

ぬくーい空気 谷底の故郷(ふるさと)

端午の節句の頃

川が歌って 流れたよ

「サーラ サラサラ 気をつけて!」

「ヘーイ ヘイヘイ いつもおおきに!」

お母ちゃんが よもぎもち(おもち) 作るから 

よもぎを 土手に摘みに行く

ゆったりと暮れる 川沿いの故郷(ふるさと)

端午の節句の頃

日本海(うみ)寝そべり 見てたのよ

「ドーラ ドラドラ 採れたかい!」

「ヘーイ ヘイヘイ いっぱい採れた!」

お母ちゃんの ちまき 食べられる

思った だけで唾が出る

餘部鉄橋(てっきょう)も見てた 海沿いの故郷(ふるさと)



スーパーで買った柏餅 たった一人で食べてたら

想い出あんころ ころころ 少ししょっぱい味がした

想い出あんころ ころころ

注:ガレンバとはふるさとの方言で、一般にはサルトリイバラとかサンキライと言うらしい。
柏の葉の代わりに故郷ではこれを使い、山に採りに行くのは子供の仕事だった。


写真は千里山ブラウズ様よりお借りしました