青い空 日本海 宙に投げ出されたように 汽車が行く
餘部鉄橋 汽車が行く 絵になったね どこから見ても
橋なくしては語れない 村の一世紀 季節のめぐり
さようなら 餘部鉄橋 東洋一の大鉄橋
春 しろつめ草茂る原っぱ
鉄橋の下 子供ら集い
橋脚によじ登り 猿のよに
四つん這い はしご足掛けて
列車が 通りかかると
伝わる振動 面白がった
夏 あちちと石踏んだ浜辺
タンス島から 長島わたり
唇が紫に 変わるまで
汐の中 時を忘れてた
急行が 下っていくと
海から上がる 時間と知った
秋 涼しい風渡る谷間に
カンカンカンと 槌音響く
一年に一回の ペンキ塗り
命懸け 橋に足掛ける
人影が ちらついていた
何とはなしに 活気に満ちた
冬 明け方猛吹雪仰げば
物悲しそうな 汽笛を鳴らし
雪かき列車が 渡ってく
ああいやだ あれの後追って
トンネルを 四つ越えねば
高校には 間に合わなかった
青い空 日本海 宙に投げ出されたように 汽車が行く
餘部鉄橋 汽車が行く 陸の孤島 不便に泣いた
橋なくしては語れない つらい想い出や 愉快な記憶
さようなら 餘部鉄橋 東洋一の大鉄橋
100年間、持ちこたえた餘部鉄橋。そろそろ
架け替えの予定です。子供の頃から見上げて
育ってきたなつかしい橋。思いの丈を詠って
見ました。