ねこたび日記



猫撫でる 薫風やさし 島のみち

2023.5.12~21 瀬戸内

~遠方の猫たちに会いに出かけた旅の記録を日記風に綴ります~

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第一部「尾道・竹原・松山」


2023年5月12日(金)快晴  
今年も春の瀬戸内猫旅の季節♪
ただ、今年はいつもの年よりも一週間ほど早い。というのも4月半ばに尾道と竹原の町並み撮影の依頼が入って5月19日までに作品を出して欲しいという。さすがにGWの人の多い時期に行くわけにはいかないし、こちらの都合もあるので日程を5/11からにしました。順調に行けば2日か3日で終わる。それから家に戻ってまた出直しというのは二度手間になるので、その足で瀬戸内巡りにしようということに。こうすれば旅費も一部浮くしね。(^^;
今回は相棒がいて大阪在住のF君。まだ40代の若い彼とは北海道でのネイチャー撮影で何度か仕事を共にしたことのある気心知れた仲です。
先乗りして竹原の撮影を始めてくれるとのこと。
「朝3時に家出れば7時前には着けますからじっくり撮れます。××さんは夕方にゆっくり来てくれればいいですよ」
とのことなので、お言葉に甘えさせてもらうことにしました。もうロートルになると出発当日にいきなり撮影という荒業?はちょっときつくなってきてるんでね。(^^;
ということで11日は午後3時過ぎに着く飛行機で私は広島空港入り。F君は空港に迎えに来てくれていました。
もう竹原のカットはかなり押さえてくれたそうな。今日は天気よかったからなぁ。
「でも天気よすぎて影がきついんですよね。明後日雨模様みたいだし追加カット撮ることになるかもしれないですよ」
まあ、それはクライアントさん次第だね。今日のF君のカットを送ってみて向こうが何というか…。それでOKとなれば竹原は終了でいいわけだし。私は何も仕事してないことになるけど。(^^;
「その代わり、尾道の方は××さんにお任せしますよ♪」
おいおい、何で?
尾道だってキミの方がよく知ってるじゃない。
「だって猫がらみのカットってボクは苦手ですからね。これは××さんじゃないと」
あんだって???
聞いてないぞ、そんな話。
なんでも昨日F君がクライアントから聞いた話では「猫を絡めた町風景も数枚欲しい」んだと。私のほうにはただ「町風景」としか…。今回のクライアントは関西の業者だからメインの連絡先はF君なんですけどね。
正直、メインテーマさえしっかり押さえれば空いた時間に猫写真を気楽に撮れると思っていたんだけど、そういうわけにはいかなくなっちゃった。猫も真剣に撮らなきゃいけないわけ?(^^;
まあ私なりのいつものスタンスで行きますけどね。動物写真って構えちゃったら却っていいカット撮れないから。
それで私に声がかかったのかいな。まあ尾道は猫の町でもあるから当然といえば当然かもしれないけど。
関東に比べて西日本は日没が遅い。ここから竹原までクルマで走れば小一時間で行きます。まだ充分撮影可能時間帯なので日没前に竹原のカットを少し撮り足しておこうということに。
F君と二人で夕方の竹原の町風景を小一時間撮りました。これが夕方ならではのいいカットが撮れたんですよね。残念ながら版権渡しちゃったのでここには掲載できませんが…。

その後、F君のクルマに同乗して尾道へ。午後7時過ぎに到着してホテルに投宿。その日は軽く小宴会をして早目に寝ました。

さて翌日12日。
撮影は二手に分かれF君は時計回りに、私は反時計回りに尾道の町を撮影することに。当然同じ場所を二人が撮影することになるんだけど、こうすれば撮影時間帯が違って来るので同じ場所でも趣の違ったカットが撮れます。できるだけ時間をずらすためにF君には「9時過ぎに行動開始でいいよ」と。昨日はかなりカバーしてもらったしね。その分今日はこっちが頑張らないと申し訳ないから。
朝食を早めに済ませて、私は7時過ぎにホテルを出て撮影開始。ひとつには今日は快晴の予報で気温も高いという。日中になると猫は日陰に入っちゃって撮りづらくなるかもしれないので…猫がらめは私の担当みたいだから。与えられたテーマを早くクリアしてあとは気楽に撮りたい。(^^;
駅東側の踏切を渡ると、そこが町歩きコースの入口。

おっと、さっそく猫がいる。(^^;

ちょっと歩くとまた一匹。

やっぱり朝は遭遇確率が高いですね。(^^;
5分ほど歩くと持光寺。

尾道七佛巡りのスタートになるお寺です。宗派は浄土宗。
石段を登ったところにある特徴的な山門は裏山から切り出された花崗岩で出来た大石門で、「巨石パワー」により寿命が延びるパワースポットと言われているそうです。
その石段の登り口には「二階井戸」というものがあります。

坂の町である尾道。そんな町に住む人たちの知恵が感じられる遺構。
坂や階段を上がったり下りたりせずに二階から桶と滑車がついた鎖で水を汲み上げるものです。ここともう一ヶ所あるんですよね。
その二階井戸のそばから階段を見下ろすと踏切があります。

尾道のメインストリートからこの階段を上がってくることもできるのですが、さすがにこれはキツイ。
持光寺の境内。もうちょっとすると紫陽花が盛りになります。尾道の「あじさい寺」。
この日はハナショウブが咲いていました。

境内を通って右に抜けると道は二手に分かれます。左手は急な階段道。右手は人一人がやっと通れるような細い路地。私は楽な右手へ。
F君はあとで左手の道から時計回りに歩いていくことに。まあ若いから。(^^;

この路地を通り抜けると光明寺。

このお寺も浄土宗ですが古くは村上水軍の将:宮地一族の帰依を受け、瀬戸内水軍の心の拠り所として信仰を集めた寺院でした。
そこからさらに歩いていくと吉備津彦神社・宝土寺を通り、道はゆっくりと下って行きます。
いかにも猫がいそうな家並み。(^^;

いったん下がってまた石段を上がり…尾道ってこれがあるんですよね。(^^;
けっこうハードな運動になります。
志賀直哉旧居。ちょっとした公園になっているのでここで腰を下ろして休憩。

志賀直哉と言えば「暗夜行路」ですね。高校二年の時、夏休みの読書感想文の宿題がこの作品だったなぁ。今思えば高校生にはちょっと難解だったんじゃ…。

そして…この坂道。(^^;

尾道の坂の道、おしなべてこうなってます。もちろんクルマはおろか自転車も通れません。
日も高くなってきて、ちょっとゲンナリ…しかけたら横の日陰で「大丈夫?」と言うように猫が見つめていました。

ふと見れば、もう一匹。

そう、このあたり猫多いんですよね。二匹とも日向に出て来てモデルさんしてくれました♪

課題?の「尾道らしい猫がらめの町風景」カットはここでクリア!
残念ながらその写真は載せられませんけど。

わき道に入って…。

ふと見下ろすと新緑が美しい。斜めに空中を走っているケーブルは、千光寺山頂に通じるロープウェイです。

すぐ左手には…。

曹洞宗天寧寺の三重塔。実は天寧寺の本堂はこれより坂を下ったところにあります。
この三重塔はやはり上から見た方がいいですね。尾道といえばこの景観、という代表的な絵です。観光ポスターで見た人も多いでしょう。そんな定番カット。

よく見ると三重塔の向こうに山陽本線の線路がカーブしています。ちょっと鉄ちゃん写真も撮れる場所。(^^;
写っているのは今や珍しくなった115系電車。ここではまだまだ主力です。

さてその三重塔の案内板があるんですが、そこに一匹の猫が。

「え~、この天寧寺三重塔は建立された室町時代には五重塔でごニャいましたが、江戸時代に入って元禄年間に老朽化した四層目・五層目を取り除いて現在のような三重塔になったのでごニャいます。内部には弥勒菩薩が安置されておりニャす」
ガイドしてくれました。(^^;

はい、よ~くわかりました。(^^;
ガイド料払わないといけないかな?
さて三重塔の脇を回り込むように下っていく道。

これを歩いていくと細い石段の道になります。ここが「猫の細道」と呼ばれる小道。

その小道には…こんな石があちこちに。

福石猫。
これは尾道在住の画家、園山春二さんが25年ほど前から作り続けているもので、この「猫の細道」を中心に市内でもう1,000個いや1,000匹ほどあるそうです。この福石猫を探しながら町歩きするのも尾道での楽しみですね。たくさん見つければ見つけるほど幸せが舞い込むとも言われています。
ちなみに「福石猫」と呼んだり「福猫石」と呼んだり人によってさまざまですけど、どちらでもいいそうです。(^^;

その猫の細道の途中に「福石猫神社」という小さなお社があります。鳥居とかはないのでうっかりしていると見過ごしてしまうんですが…。

ここでは「福石猫のおみくじ」というのがあって…。

拝殿の前にある福石猫を回して、止まったところで猫の顔が向いたところにある絵と同じところのおみくじを引くようになっています。
ネズミ(白)・お魚(青)・肉球(赤)・鈴(黄色)。私も100円をお賽銭箱に入れて石を回してみました。赤の肉球♪

さてさて…。

吉でした♪
「猫の耳に念仏」って??(^^;

この道を下まで降りると千光寺山頂に至るロープウェイの乗り場になります。
細道を下りきるちょっと手前で猫に会いました。首輪をつけてますから飼い猫さんですね。

ロープウェイ乗り場から数分歩いたところにあるのが日蓮宗妙宣寺。

このお寺には猫がいます。お寺で世話をしてる猫が3~4匹。でもこの時はかなり暑くなってきていたせいか、見つけることができませんでした。たぶん涼しい本堂の中か軒下に入っていたんでしょうね。そう岩合さんの「ネコ歩き」にも出て来たお寺です。
さてここからはロープウェイで山頂まで一気に登りましょう。
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