ねこたび日記

2023年5月14日(日) 晴れときどき曇り 
朝7時起床。今日は少し寝坊しました。
昨日で仕事は終わったので、今日からは完全プライベート。解放された気分です♪
これから島猫たちの撮影に…と行きたいところですが、ちょっと今日は休養日に充てます。一日「観光客」しようかな、と。(^^;
松山市内をのんびり歩きましょうか。写真撮りながら…。
朝食を済ませ、9:00前にホテルを出発。まずは松山市駅へ。
松山市駅に行くには目の前の大街道電停から市電で行ってもいいのですが、ちょっと朝の散歩もかねて大街道・銀天街の二つのアーケードを歩きながら行っても15分ほど。とは言ってもまだこの時間、開いてるお店はありませんが。
伊予鉄松山市駅のある高島屋百貨店の1階の案内所で市内電車の一日乗車券を買います。800円。市内電車の運賃は均一180円ですので5回乗れば元が取れます。
まずは松山市駅前で市電撮影。ここ、南堀端から松山市駅に向かってくる電車を松山城外堀の緑を入れて撮れるのでいいポイントなんですよね。

ここから市電に乗って大街道へ。何のことはない、さっき自分がいたホテル最寄りの停留所に戻るわけですが。(^^;
乗ったのは旧型電車の51号車。
ここの市電、いや正確には伊予鉄市内線には昭和の匂いを色濃く残す旧型電車がまだ多数バリバリの現役で頑張っています。


大街道で下車。
歩いて5分、「坂の上の雲ミュージアム」のすぐ横の小道に入ってゆるい坂を登っていった先が…。

萬翠荘。
旧松山藩主久松定謨の別邸として大正11年に建設されたもの。純フランス風建築で、これは陸軍軍人としてフランス留学をした定謨の好みであったと言われています。

もっとも定謨が留学した時は日本陸軍はその軍制をそれまでのフランス式からドイツ式に改めつつある時であったと言われていますが、ただひとつ騎兵術だけはドイツ式よりフランス式のほうが優れていたと言われ、定謨のお付きとして留学した秋山好古がフランス式騎兵術を持ち帰ったことにより騎兵だけはフランス式が採用されました。後の日露戦争で秋山好古率いる日本騎兵はロシアのコサック騎兵と互角に戦ったと言われています。この辺は「坂の上の雲」に書かれていますね。
ちょうど館内で「バラ展」が開催されていましたので観てきました。

萬翠荘の二階に昇る階段。

踊り場壁面のステンドグラスは単色ではなくグラディエーションになっています。ヨーロッパ式ではなくアメリカ式ですね。

皇太子時代の昭和天皇の松山訪問に間に合わせるよう建設を急がせたそうです。昭和天皇の肖像がありますね。

建物の前にもバラの花が…。

さてその萬翠荘の傍らにあるのは…。

かつて夏目漱石が松山に赴任した際に下宿していた「愛松亭」跡。小説「坊っちゃん」に出てくる下宿はここをモデルにしていたと言われています。もともとは違う場所にあったのですが戦災で焼失。その後この場所に復元されましたが2010年の豪雨災害により倒壊し今は跡地だけとなっているのですが、最近ここに「漱石珈琲店:愛松亭」がオープンしています。実は私の目的地はこっちだったりして。(^^;

愛松亭には一時期正岡子規も同居していました。子規は家主に断りもなくこの下宿に「愚陀仏庵」という名前を付けてしまい、そこで盛んに句会をやったという話が「坂の上の雲」に書かれています。ちなみに「愚陀仏」というのは漱石の別号でした。
子規って無邪気というかなんというか、けっこう今でいう「自己中」なところもあったようで東京根岸に移ってからも、家主が植えている松が花が育たない元凶だと言って「伐っちまえ」と言ったという話があります。短歌詠んでますね。
「さ庭べにはびこる松の枝切らば 家主怒らん さもあらばあれ」
「下蔭の草花惜しみ日を蔽ふ 松が枝伐らん 家主怒るとも」
なんともはや。
で、実際に伐っちゃったみたいです。(^^;
「わが庭の三もと松伐り あはれ深き千草の花に日の照るを見ん」
(以上三首「仰臥漫録」より引用) 
その珈琲店の入口の前には…。

なぜか猫用ケージ。(^^;
中に入ると落ち着いた雰囲気の店内。

で、猫がいます。(^^;

この猫、名前を「マド」といいます。女の子。
これでもおうお分かりの方も多いはず。そう、岩合さんの「ネコ歩き」で出て来た子です。「マド」というのは小説「坊っちゃん」に出てくる「マドンナ」からのイタダキ。
その名の通り、なかなかの美猫です。

もう一匹いまして…こちらは男の子。名前は「坊っちゃん」。まんまですね。(^^;
兄妹猫なんでしょうかね。よく似ていますが、首輪で見分けてください。

この二匹、もともと保護猫ですが、今では立派なお店の看板猫になってます。けっこう人懐こくてお客さんにも愛嬌振りまいてます。この二匹に会うためにここを訪れる人も多いんですよ。私もそうだけど。(^^;
ウィンナコーヒーを注文しました。

お店にはテラスもあってそこでは外の空気に当たりながらのんびりすることができます。猫たちも自由に行き来しています。

お客さんのテーブルにご挨拶にくるマドちゃん

と、坊っちゃん。(^^;

この二匹の様子を見ているだけで時間がどんどん過ぎていきますね。

今日は日曜日。これからお客さんが多くなる。私が10:00の開店と同時にここに来たのは空いている時間にゆっくりこの子たちと触れ合いたかったから。
折からやはり猫好きなお客さんも来ていて、しばらく猫談議で会話が弾んでしまいました♪
小一時間ゆっくりしてお店を出たらもう11:00近い。でもお昼食べるのにはまだ早いかな…ちょっと歩けば松山城。お城に登ってみましょうか。
さすがにこの時間になると観光客が多くなってきます。日曜日だしね。
萬翠荘から歩いて10分で松山城ロープウェイ乗り場。。松山城本丸に登るのには徒歩・ロープウェイ・リフトの三つの手段がありますが…さすがに今日は徒歩はパス。(^^;
ロープウェイかリフトかですが、雨も降っていないので文句なくリフトへ。
ロープウェイってけっこうゴンドラに人数詰め込まれますから窮屈なんですよね。ヘタすると景色も見えないし。高所恐怖症でないならゼッタイにリフトのほうがお薦め。

約5分で松山城本丸。ここから天守閣まではゆるい坂道を登りながら約10分。いくつかの門をくぐっていきます。

松山城は何といってもこの特徴的な連立天守ですね。姫路城・和歌山城とともに日本三大連立天守に数えられます。そして戦国の余韻が残る時代の築城であっただけにその構えは実に実戦的で難攻不落の城郭であったと言っていいでしょう。熊本城もそうですが、徳川幕府の力が確固としたものとなる大坂の陣以降であったら決して築城を許されない城構えですね。

天守閣の手前にある記念撮影用の人形。この城のマスコットキャラの「よしあき君」。(^^;

初代城主は賤ケ岳七本槍の一人、加藤嘉明。
ただ、ここでは「よしあき」となってますね。私はけっこう戦国マニア&お城マニアなんで歴史小説はよく読むんですが、たいていどの小説でも「嘉明」を「よしあきら」と読んでるような気がするんですが。まあ「よしあき」のほうが語呂はいいでしょうけど。果たして本当の諱はどっちだったのか、それは左馬之助(嘉明)本人に聞いてみないとわかりません。(^^;

天守閣に登ります。けっこう通路は狭くて階段は急です。歴史的文化財ですからほとんど手を加えられていないんで…外人さんも多かったですが、怖そうに階段登ってました。
天守閣からは松山市内が一望できます。櫓ごしに外堀と市電通りが見えます。電車が豆粒のようで。

天守閣にあった楯。歴代城主の家の家紋です。

左の二つ「下がり藤」と「蛇の目」はともに初代松山藩主加藤家の家紋。次の「左三つ巴」は二代目藩主蒲生家。次の「三つ葉葵」はご存じ松平家。そして右端の「星梅鉢」は最後の藩主久松家の家紋。久松家は松平家が改姓しただけですけど。
お城を見て下に下りたらちょうどお昼時。

大街道のアーケードに入り、「す×屋」の牛丼で昼食。(セコイ!)
この大街道、今はアーケードですが江戸・明治の昔から松山一の繁華街でした。あの秋山真之も正岡子規も歩いた道。
ついでながら松山市電、こんな新型電車も走ってますよ♪

さて、ちょっとお風呂に入りに行きましょうか。まだお昼だけど。(^^;
市電に乗って道後温泉へ。

さすがに賑やかですねぇ。ここも外人さんが多いなぁ~。
道後温泉本館は今改装中。大衆浴場は入れますが、やっぱりここに来たらゆったり休憩したいからお風呂だけ入って終わりというのは物足りない。
別館の「飛鳥乃温泉(あすかのゆ)」へ。

一階での入浴と二階大広間での休憩にお茶菓子・接茶・浴衣つきで1,280円。90分間休めます。
幸いお昼時ということもあってか空いてました。ゆったり温泉に浸かって広間で休み、縁側で風に当たって…いいもんです♪
残念ながら内部は撮影禁止なので外側の写真しかありませんが。
温泉を出た後は…やっぱりコレでしょ。いよかんソフト♪

ここからすぐ近くに四国八十八箇所五十一番札所の石手寺があります。
ぶらぶら歩いて15分。風に吹かれて…いいお散歩です。
正面から入っていくと昔ながらの屋根付き門前参道。歴史を感じますね。

本堂・三重塔、いずれも重要文化財です。

で…ここにもいるんですよ。猫さん♪

なかなかフォトジェニックだったりする。ほとんど絵葉書写真。(^^;

すごく人懐こい子で…。

実はこの子だけじゃないんですよね。山門前にも…。

お寺に猫って付きものみたいになってますね。尾道でもここでも。慈悲深いお坊さんが守ってくれるんでしょうね~。

のびのび暮らしてますよ。

再びさっき来た道を引き返し、道後公園へ。

数本旧型電車を撮影したら温泉のほうから「ポ~ッ」と汽笛が。
そう、「坊っちゃん列車」が来る時間でした。
直前のスチール写真での市電撮影でピントをマニュアルにしたままだったせいか、最初の方はピンボケになってます(アホ!)
これ、煙はギミックで本物のSLではないです。
休日は一日に4往復走ってますね。電車の合間を縫って。
道後公園から再び市電に乗って、上一万で下車。ここで環状線に乗り換えます。環状線は上一万からJR松山駅前までの間は単線。狭い家並みの中を縫うように走っていくのが面白い。
途中何カ所かで降りて電車を撮影しました。
高砂町。背後に見える緑の丘は松山城です。

細い家並みから再び大通りに出る宮田町電停。
電車を待つ人々。路面電車にはこんな生活の匂いが感じられる風景が似合う。

ここからまた電車に乗って松山市駅に戻ります。
松山市駅の伊予鉄高島屋ビルの屋上には「くるりん」という大観覧車があります。実は市内電車の一日乗車券を持っていると一回無料で乗れるんですよね♪
今日の最後のお楽しみはこれ。観覧車に乗りま~す!(オマエは子供かっ!)

いや~、なかなかいい眺めですよ♪
松山城がこんな角度で見えるのはこの観覧車だけでしょう。

気が付いたらもう17:30。
松山市からまた電車で大街道に戻り、ホテルへ。
のんびり観光した一日でした。
さて明日は晴れの予報。睦月島でチャトラーズに会ってきます。
今夜は松山名物「もぶり飯」でも食べに行きましょうか♪
第二部「睦月島・怒和島」に続く
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